「テメエ、舐めんじゃねえぞ!」若い男性がホームレスを追いかけ暴行未遂…横浜で路上生活を送った元ホームレスYouTuber(68)が明かす“危険な日常”文春オンライン / 2024年8月10日 11時10分.2014.08.14【再掲】野宿者への襲撃の実態に関する調査の概要および要望書【 2014年】.ひとり、都会のバス停で~彼女の死が問いかけるものPDF魚拓


〈 「朝起きたら、そいつ死んでた」ホームレス仲間が“謎の突然死”…横浜でホームレス生活を送ったYouTuber(68)が語る“忘れられない出来事” 〉から続く

 横浜・関内で路上生活を送っていた元ホームレスのナムさん(68)。「YouTubeやりませんか?」と誘われたことをきっかけに、2022年、YouTubeチャンネル「ホームレスが大富豪になるまで。」を開設。現在は登録者数約40万人の人気を誇る。

 ナムさんは、20代後半でギャンブルにハマって身を滅ぼし、日本各地を転々とした挙句、還暦を過ぎてホームレスになったという。彼はどんな人生を送り、ホームレスになったあと、どのような生活をしていたのか――。

 ここでは、ナムさんの著書『 ホームレスが大富豪になるまで。 YouTubeで人生大逆転!どん底から這い上がるには 』(KADOKAWA)より一部を抜粋して紹介する。(全3回の3回目/ 1回目 から読む)

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ホームレスもなるべく集団でいた方がいい

 集団でいることは、身を守るって意味でもかなり重要になる。

 ホームレスやってると、やっぱり危険なこともあるよ。通行人に段ボール蹴飛ばされたり、水かけられたり、火のついたタバコを投げ込まれたり。

 昔、ホームレス狩りみたいなことが流行ったときもあったじゃん。ああいうのって1人だとターゲットになりやすいから、ホームレスもなるべく集団でいた方がいいんだよね。自分が不在のときに段ボールに火をつけられても、周りに誰かがいれば、気づいて消してくれるしね。

「ファンです、いつも観てます」

 怖かったんでよく覚えてるのが、俺がユーチューバーになってから「ファンです」って言って会いに来たヤツのこと。

 ユーチューバーになってから、ありがたいことに、いろんな人が来て励ましの声をかけてくれるようになった。

 でも、たまに変なヤツもいてさ。

 そいつは若いあんちゃんだったんだけど、「ファンです、いつも観てます」って声をかけてきたの。で、いろいろと世間話をしてたら、「どこか飲みに行きませんか?」って誘われた。俺、次の日に撮影があって朝早かったから、丁重にお断りしたんだよ。そしたら態度がガラッと変わって、「テメエ、舐めんじゃねえぞ!」って怒鳴り出したわけ。

ホントに、殺されるかと思った

 俺、あまりの態度の変わりようにびっくりしちゃって。要するに、お前ごときが断るんじゃねえぞってことだよね。

 今にも殴ってきそうだったからさ、もう速攻で逃げたよ。背を向けるのも怖いから、後ずさりしながら早歩きで距離を取って。でもそいつ、恐ろしいことに追いかけてくるんだよね。

 俺は必死で、周りの人に「この人おかしいです! 助けてください!」って叫びながら逃げてさ。「うるせえコラ!」って追いかけてくるもんだから、うまいこと交番に誘導して、お巡りさんに助けてもらった。あんときはホントに、殺されるかと思った。

ホームレスが気に喰わない。

 その後しばらくして、俺の段ボールハウスが燃やされるっていう事件が起きた。ちょうど俺が散歩していて不在のときに、誰かが火をつけたらしいんだよ。運良くホームレス仲間が気づいて消してくれたんで、ちょっと焦げたくらいですんだけど。

 この事件があって、俺は地下通路を離れる決断をした。

 自分の身の危険もあるし、他のホームレスにも迷惑をかけてしまうから。

 こういう嫌がらせを受けるのは、もちろん、俺がユーチューバーとして有名になったからっていうのがあるよ。全国からいろんな人が会いに来るけど、なかには俺のことを気に喰わない人もいるんだろう。

 でもそれとは関係なく、ホームレスってだけで、ただただ気に喰わないから攻撃してくる人もいる。

 俺は経験ないけど、「家賃も払わねえのに、勝手にここに寝泊まりするんじゃねえよ」って怒鳴られたホームレスもいるし。さっき言ったように、知らない人に突然、水をかけられたり蹴飛ばされたりさ。

 ホームレスが気に喰わない。

 そういうのって、俺はまあ、普通の感情だと思うよ。攻撃してくる人はほんのひと握りで、大体の人は見て見ぬフリをしてくれてるけど、心のどこかで似たような気持ちはあるんじゃないかな。気に喰わないとまではいかないけど、結局、ホームレスは底辺だから、見下す気持ちがあるのは当たり前のことなんじゃない?

100人いれば100人とも考えが違う

 俺の場合はさらに、たまたま運良くYouTubeで成功した。底辺が人並みになったっていうある種のサクセスストーリーに対して「よかったね」って言ってくれる人もいるけど、「生意気だ」って感じる人もいるわけでしょ。そのなかのごく一部の人が、実際に攻撃してくるわけなんだけどさ。

 人間は、100人いれば100人とも考えが違う。俺はそれを理解しているつもりでいるから、攻撃を受けたら悲しいけど、一方で「まあ、そんなもんだよな」って受け流す努力をする。

 って言っても、俺、結構メンタル弱いから、YouTubeのコメントを見て死にたくなるときが今でもあるけどね。

(ナム/Webオリジナル(外部転載))

「テメエ、舐めんじゃねえぞ!」若い男性がホームレスを追いかけ暴行未遂…横浜で路上生活を送った元ホームレスYouTuber(68)が明かす“危険な日常”

文春オンライン / 2024年8月10日 11時10分



舛添都知事(当時)に提出した野宿者襲撃への対策を求める要望書(内容)

2014年8月14日
東京都知事舛添要一殿
東京都総務局人権部東京都福祉保健局生活福祉部東京都教育委員会御中

野宿者襲撃への対策を求める要望書

都内の駅、公園、道路、河川敷等で生活する野宿者(ホームレス状態の人)に対する襲撃があとを絶ちません。東京都内では1995年以降、10人の方が野宿をしているというだけで、ゆえなく暴力を受け、命を奪われています。私たちは野宿者への襲撃の実態を明らかにするべく、都内のホームレス支援団体・生活困窮者支援団体等の協力で、2014年6月28日~7月14日の期間に347名の野宿者からアンケートをとりました。

この野宿者襲撃の実態に関する調査から、40%の人が襲撃を受けた経験をしていること。
襲撃は夏季に集中し、襲撃者(加害者)の38%は子ども・若者であること。
襲撃者は75%が複数人で襲撃に及んでいること。
襲撃の内容としては、なぐる、蹴るなどの「身体を使った暴力」やペットボトルやたばこ、花火などの「物を使った暴力」が62%を占めること。
子ども・若者の襲撃は「物を使った暴力」が53.6%にのぼること。


などが明らかになりました。(詳細は別紙参照のこと)

今回明らかになった襲撃の実態は非常に深刻なものです。また、襲撃の背景には、野宿者に対する社会的な差別や偏見が見てとれます。この事態を放置することは、さらなる襲撃、そして、いのちを脅かされるような重大な被害をうみかねません。私たちは、このような野宿者への襲撃を一刻も早く食い止め、また、なくしていくために、東京都に対して以下の対策を求めます。野宿者襲撃の実態について東京都として調査をおこなうこと。
野宿者に対する差別や偏見をなくすために、都民にむけて広報・啓発活動をおこなうとともに、当事者や支援団体も交えた人権啓発研修等のプログラムを策定すること。
学校教育において野宿者への正しい理解をうながすために、当事者や支援団体も交えて教育プログラムを策定し、実行すること。
襲撃を受けた野宿者が訴えでた場合は、市区町村、人権擁護機関と連携して必要な保護をおこなうとともに、当事者や支援団体と再発防止に向けた協議の場をもつこと。


以上

山谷労働者福祉会館活動委員会、渋谷・野宿者の生存と生活をかちとる自由連合、NPO法人自立生活サポートセンター・もやい、住まいの貧困に取り組むネットワーク、認定NPO法人世界の医療団、一般社団法人つくろい東京ファンド、NPO法人TENOHASI、ひとさじの会(社会事業委員会)、一般社団法人ホームレス問題の授業づくり全国ネット

(連絡担当)NPO法人自立生活サポートセンター・もやい理事長大西連
TEL:03-3266-5744FAX:03-3266-5748

【再掲】野宿者への襲撃の実態に関する調査の概要および要望書【 2014年】