長濱ねる 「今の私には結婚や子育ては無理ゲー」保育士の”やりがい搾取”に思う本音7/8(月) 7:05配信現代ビジネスとこども家庭庁「保育所における継続的な経営状況の見える化について」PDF魚拓





発信することで社会や未来へ“つなげる”

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撮影/松岡一哲

長濱ねるが日常生活で学んだこと、発見した気づき、周りの人と話したいことをトークテーマに発信する連載。 【写真】長濱ねるが久々のオフにしたこと あらゆる多様な価値観や文化の違いを理解する、しなやかな思考を育むため、日常での気づきや仕事で学んだこと、感情の変化をシェアしていく。 長濱ねるから皆さんへ“つなげる”、そして社会や次世代に“つなげる”。そんな思いと希望を込めて。 「こんにちは、長濱ねるです。この連載の取材を行ったのは、ちょうど都知事選真っ只中の日でした。記事が公開される頃には新たな都知事が決まっています。果たして、どの候補者が都知事になるのか? 私もとても注目しています。 選挙期間中、各候補者が掲げていた子育て政策はさまざまでした。 まだ結婚をしていない、子どもがいない私の立場として、どんな環境だったら安心して子育てができるのか、自分ごととして想像を膨らませてみました。 『子育てしながら仕事を続けていきたい』、そのように思う方々が安心して働くにはどうしたらいいのか。また、保育士やエッセンシャルワーカーの方たちの労働への対価や本当の意味での“やりがい”とは? 言葉の意味も考えます」 今年度より政府の新たな施策として、現場の保育士の負担を減らすため、保育士1人が担当する4~5歳児の人数を30人から25人とするなど、配置基準の見直しを76年ぶりに行った。また、親の就労状況に関わらず、3歳未満のすべての子どもが毎月一定時間、保育施設に通園できる『こども誰でも通園制度』が、2026年度より全国で実施される。 これらの政策は良き面がある一方、さらに保育士の人手不足が深刻化することが危惧されている。そのため、こども家庭庁は、2025年度から保育園やこども園に対し、経営情報や保育士の給与水準などを都道府県へ報告するように義務付け、個別の施設・事業者単位で公表することを定めた。 これは、働く人々の処遇改善を行うにあたり、保育・幼児教育、医療や介護などの分野で、国民の税金が効率的に使用されているのか、一部の職種や事業者だけでなく、現場で働く方々に適切に還元されているのかを「見える化」するためでもある。 仕事内容に比して適正な水準まで賃金が引き上がり、必要な人材が確保されているか。同庁はこれらを知ることで、現場の負担を軽減、改善し、保育士の人材不足の解消を目指す。(参照:こども家庭庁「保育所における継続的な経営状況の見える化について」)
子どもを生むことが“無理ゲー”に感じるのは助けてくれる施設や人が不足しているから

撮影/松岡一哲

「自分のことをお話しすると今お仕事が楽しいですし、これからもっと頑張っていきたい!という目標があります。そこで、結婚や子どもなどプライベートな将来を考えてみると、まず不安なことがありました。それは、もし私に子どもができたら、夫以外に頼れる人は誰だろう?ということです。 私の両親は九州に住んでいるので、緊急事態に即座に対応してもらうのが難しいですし、夫となる人の家族も地方に住んでいたら、誰を頼ればいいのだろう?と。この答えは、今のところ思い浮かびませんでした。 夫婦共働きで、どちらも緊急で仕事が長引いてしまった時、保育園のお迎えは?子どもの具合が悪くなって、すぐにお迎えに行かなければならない時、夫婦両方がすぐに抜けられないような仕事をしていたら? どうしても挑戦してみたい地方や海外での長期の仕事が入ってしまったら……。 これは全て、今の共働き子育て家庭が抱えている悩みでもあると思います。 そして、子育て家庭の皆さんは、延長保育やシッターさんをお願いしたり、病児の預かり施設を利用したり、今できる制度の中でどうにかやりくりされているというのも承知しています。 ただ、リアルな声を聞くと、『マッチするシッターさんを見つけるのが本当に大変/高額だ』、『病児預かり施設は、人気アーティストのライブチケット並みに予約が瞬殺で埋まる』、『保育料やシッター代を考えると働くことを諦めたくなる』、『時短や在宅で働ける条件の仕事に転職したり、退職を迫られるのは妻が多い』など。ご苦労されている様子が伝わってきます。 このような現実を聞いていると、正直、今の私には結婚や子育てが無理ゲーに思えてしまう……これが本音です。 私もそうですが、キャリアと子育ての両立に不安を感じ、“今じゃない”と出産が遠のいている人が多くなっているのは、仕方がないことだと思います。 安心して子どもを預けられる場所と人の担保がされてこそ、子どもを産みたいと思うスタートラインに立てる気がします。 そして、このように男女共にキャリアを築いていく時代で、ますます人手を欲しているにも関わらず、保育士は不足している。なぜなら労働に対する賃金が安いから。これでは、元も子もないなと。 社会にとって必要不可欠で、かけがえのないお仕事である保育士、そしてエッセンシャルワーカーの方たちの賃金や働く環境をより良くできるよう、政府や自治体には一刻も早く動いていただきたいですし、もっと大事にしていただきたいなと心から思います」
「やりがい」という言葉に詰め込む責任

撮影/松岡一哲

「これまで、なぜ保育士の賃金がなかなか上がらなかったんだろう?と考えた時に、政府や自治体の予算の問題もありますが、それ以上に社会全体の風潮として、現場の人たちの“善意”に頼り過ぎているところがあったのではないかと思いました。 例えば、保育士や介護、医療従事者の方たちの定時ギリギリの時間に、目の前に助けが必要な方が現れて、“助けて欲しい”と頼まれたら、『私、定時で帰ります』とはなかなか言いにくいでしょうし、放っておけないと思うんです。 頼む側も本当に困っているし、何とか助けてあげたい。こう思うのは、純粋に優しい気持ちです。これまでも、そして今も、いろいろな状況でその優しさに甘え、『この人なら、きっとやってくれるだろう』と、その人の時間や労働力をないがしろにしているのではないでしょうか。 もちろん、適正な残業代が支払われていて本人が了承しているのであれば問題はないと思います。ですが現実として、その対価が支払われていなかったから、今、エッセンシャルワーカーの人手不足が深刻化しているのだと思います。 困っている人を助けたい、子どもたちと働きたい、そんな夢を持ってこの仕事に携わってくれている人たちの善意に甘えて搾取していないか?と思ってしまいます。 『働きがい』や『やりがい』という言葉に、多くの責任を詰め込み過ぎていないか。 これは私たちが、さまざまな場面で考えなければいけないことだと思います」

先人たちが動いてくれたから、今の私たちがある

撮影/松岡一哲

「実は、芸能のお仕事にも、対価に見合わないものはいくつかあって『この仕事をやれば、きっと未来の仕事につながるはず』という意味を含めて、“貢献度を積み上げる”というフレーズもよく耳にしました。 これは、夢に向かって頑張っている人たちにとって、なかなかNOとは言いづらい状況を生む言葉だなと思います。 自分の選んだ道なのだから仕方がないという意見もあるかもしれませんが、もしみんなが対価以上の働きを求められた時に、NOと言える雰囲気だったら、未来はもっと良き方向へ変わっていくのではないでしょうか。幸い私の場合は、事務所や周りの人たちに恵まれ、その都度、改善していこうとしてくれる環境を作ってくださったので、ここまでやってこれたのだと思います。仕事内容と対価、これが見合っているのかコミュニケーションを取ることは、悪いことではなく、とても健康的なやりとりだと思っています。 そして私が今、希望が持てているのは、芸能界にも労働組合をつくろう!と動いてくださる方がいたり、地方ロケの場や撮影現場に託児所をつくろう!と声を上げてくれる方がいることです。先陣を切って、未来をより良くしていこうと声を上げ、動いてくれている先輩たちがいるのは本当に心強いです! 社会として考えた時も、今の私たちの生活があるのは、先人たちが未来のために立ち上がってくれたからです。それは、本当にありがたいことだと思います。 何も言わなければ変わらない。一歩も動かなければ今のまま。 言えば変わることもあるし、動けば見える世界も変わる。 未来の人たちのために、私も自分にできる行動をとっていきたいです」 スタイリスト/辻村真理 ヘアメイク/林由香里 取材・テキスト/伊藤由美子 ビスチェ67100円/ドール TEL:03-4361-8240(FUMIE TANAKA) キャミソール37400円/TAN contact@tanteam.up スカート58300円(バイ・マレーネ・ビルガー)、ピアス20900円(マッソーズアンドマッソーズ)、リング(太)17600円・リング13200円 (ニナ・エ・ジュール)/ショールーム ロイトTEL:03-6277-0378 靴/スタイリスト私物

長濱 ねる

長濱ねる 「今の私には結婚や子育ては無理ゲー」保育士の”やりがい搾取”に思う本音

7/8(月) 7:05配信

https://www.cfa.go.jp/assets/contents/node/basic_page/field_ref_resources/3161da95-fcbe-42f1-9f83-e92a6267552b/7a4d18df/20231121_councils_shingikai_kodomo_kosodate_2BH1psuV_03.pdf


今後の処遇改善について
(2)処遇改善の方向性
今般の経済対策の措置を前提としても、介護・障害福祉職員、保育士等・幼稚園教諭の賃金は全産業平均から乖離があり、
仕事の内容に比しても未だ低く抑えられている状況である。引き続き人手不足の解消等に向けて、今回の措置の結果も踏まえつ
つ、更なる処遇の改善に取り組むべきである。
処遇改善の最終的な目標は、職種毎に仕事の内容に比して適正な水準まで賃金が引き上がり、必要な人材が確保されている
ことである。その際、他産業との乖離や有効求人倍率などの労働市場における関連指標の状況を参照するほか、各産業における
他の職種との比較や対象とする産業内での各職種間の均衡、仕事の内容、労働時間の長短、経験年数や勤続年数なども考慮
すべきである。今後、医療・福祉分野のマンパワーのニーズが大きく増加すると見込まれることも踏まえ、特に2020年代にこうした取
組に注力すべきである。
また、経験年数や勤続年数に応じた処遇改善の取組は、キャリア・ラダーの形成や職員を大切にすることへのインセンティブとなり、
職場への定着や経験・技能の高度化等につながる。先に述べたマンパワーのニーズの見通しも踏まえ、経験・技能のある職員に重
点化した処遇改善のあり方について検討し、 次なる目標として、経験・技能のある職員について、仕事の内容と比して適正な水準
であるかという点も考慮しつつ、他産業(適切な他産業がなければ全産業平均)と遜色ない水準とすることを目指すべきである。
(中略)
こうした処遇改善を行うに当たっては、全てを国民の負担に回すのではなく、 既存予算の見直しや高齢化に伴って増加する医
療・介護費の中での分配のあり方などを含め、幅広く検討を行うべきである。従来は、前述のとおり、主に財政措置等を財源として処
遇改善を進めてきた。今後は、更なる財政措置を講じる前に、医療や介護、保育・幼児教育などの分野において、国民の保険料や
税金が効率的に使用され、一部の職種や事業者だけでなく、現場で働く方々に広く行き渡 るようになっているかどうか、費用の使途
の見える化を通じた透明性の向上が必要である。また、デジタルやICT技術、ロボットの活用により、現場で働く方々の負担軽減と
生産性向上を進めていくことも必要である。

公的価格評価検討委員会 中間整理(令和3年12月21日)抜粋
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基本的な考え方
○ 本委員会の「中間整理」で整理したとおり、処遇改善を行うに当たっては、医療や介護、保育・幼児教育などの各分野におい
て、国民の保険料や税金が効率的に使用され、一部の職種や事業者だけでなく、現場で働く方々に広く行き渡るようになって
いるかどうか、費用の使途の見える化を通じた透明性の向上が必要。
○ しかしながら、見える化に関する取組状況は分野ごとに様々であり、継続的な見える化に向けて必要な取組を、各分野におい
て、順次進めていく必要がある。
2.今後の取組
(1)共通事項
○ 看護職員、介護・障害福祉職員、幼稚園・保育所・認定こども園等の職員の処遇改善について、令和4年10月から、診
療報酬等により給与を恒久的に3%程度引き上げるための措置が講じられている。まずはこの措置について、厚生労働省、内
閣府において、職員の給与にどのように反映されているか等の検証を行うべきである。
○ また、各分野の経営実態調査等について、その性質も踏まえつつ、調査について指摘されている課題の改善を図りながら、調
査が実施された際には、今後とも分析を継続的に行うべきである。

公的価格評価検討委員会 中間整理(令和4年12月2日)抜粋
https://www.cfa.go.jp/assets/contents/node/basic_page/field_ref_resources/3161da95-fcbe-42f1-9f83-e92a6267552b/7a4d18df/20231121_councils_shingikai_kodomo_kosodate_2BH1psuV_03.pdf

Ⅲ-1.「加速化プラン」において実施する具体的な施策
2.全てのこども・子育て世帯を対象とする支援の拡充
(2)幼児教育・保育の質の向上 ~75年ぶりの配置基準改善と更なる処遇改善~
○ 待機児童対策の推進により量の拡大は進んだものの、一方で、昨今、幼児教育・保育の現場でのこどもをめぐる事故や
不適切な対応事案などにより子育て世帯が不安を抱えており、安心してこどもを預けられる体制整備を急ぐ必要がある。
○ このため、保育所・幼稚園・認定こども園の運営費の基準となる公的価格の改善について、公的価格評価検討委員会
中間整理(2021年12月)を踏まえた費用の使途の見える化を進め、保育人材確保、待機児童解消その他関連する
施策との関係を整理しつつ、取組を進める。

こども未来戦略方針(令和5年6月13日閣議決定)抜粋
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