れいわ大石晃子共同代表が衆院本会議でプラカード 岸田首相タイム誌表紙に「NO!」のコラージュ 真意語る「この国会やばいですよ」.緊急政令は不要。防衛財源確保法案廃案.入管法改正案廃案に




れいわ新選組共同代表の大石晃子衆院議員(45)が12日、衆院本会議で行われた塚田一郎衆院財務金融委員長(59)の解任決議案裁決時に、米タイム誌電子版が掲載した岸田文雄首相(65)の表紙に「NO!」とコラージュした画像とともに「大量の売国棄民法案を廃案にするためにもっと本気で闘う野党の復活を。」と書かれたプラカードを壇上で掲げ、議場が騒然となった。 【写真】衆院本会議で掲げたプラカード 大石氏自ら真意を説明  防衛財源確保法の審議を巡り立憲民主党、共産党が塚田氏の解任決議案を共同提案。与党と日本維新の会、国民民主党などの反対多数で否決された。賛成票を投じた大石氏は本会議後、れいわ新選組の山本太郎代表(49)とともに会見を開き、プラカードを掲げた真意を説明した。  大石氏は「大量の売国棄民法案を廃案にするために、もっと本気で『闘う野党』の復活をいうことを求めています。誤った国策の中で苦しんでいる国民を切り捨てて、このような法案をガンガン通そうとしているということに私たち野党に何ができるか、ということへの私からの一つの投げかけ」と話した。  れいわ新選組に、共同提案への誘いがあったとした大石氏は「立憲民主党が今回、少しでも送らせるために解任決議案を出したことには賛成を入れています。しかし、1週間ぐらいしか遅らせられない。6月半ばまで国会が続きますので、止められないですよねと。これは肉弾戦で止めるしかないんじゃないですかということを立憲民主党に提案しました。ゲリラ戦法をやるという第一歩としての解任決議案じゃなんですかと聞いた」と明かした。  立憲民主党からは「そうではない」と回答があり、牛歩などの肉弾戦に否定的だった。大石氏は「体を張って止めるということには否定的だったので、提出自体には乗らなかった。もっと体を張って戦う野党は必要じゃないですかということ。大量の売国棄民法案は許せない」と強調した。  タイム誌の表紙を、プラカードに載せたことについて「日本は平和主義ではなく、軍拡に向かっているんだよというような見出しで話題になった。その見出しも外務省は異議を申し出て、差し替えられた。そういったことにも『NO!』という意味でも紙を掲げた」とした。  大石氏は「この国会やばいですよ、ということを気づいてくださいという一つのピエロみたいな手法ですよね。国会の外の、メディアの方に珍事が起きたなとか目を引いてもらって、凶悪な法案が通ろうとしているってことを知ってもらうための手法」と語気を強めた。  山本氏は「私たちがやっていることはパフォーマンスではない。私たちがいなかったらバレなかったことが世の中にバレるってことなんです。戦っているフリだけじゃバレてしまうよって。本気で戦わない野党にも責任があると。だからこそみんな一緒に本気でやりませんかって、この解任決議案の中で大石共同代表が表現されたんだろう」と代弁した。 (よろず~ニュース・杉田 康人)

よろず~ニュース

れいわ大石晃子共同代表が衆院本会議でプラカード 岸田首相タイム誌表紙に「NO!」のコラージュ 真意語る「この国会やばいですよ」

2023/5/12(金) 21:35配信よろずー



 参院憲法審査会は10日、緊急事態時の参院の「緊急集会」について議論した。  自民党は、緊急時に内閣が国会審議を経ずに法律と同程度の効力を持つ「緊急政令」を発出できることを憲法に明記するよう主張。立憲民主党は、憲法に規定される緊急集会で緊急時の対応は可能として否定的な見解を示した。  自民の堀井巌氏は「特別の事情がある時は、内閣による緊急政令で対処する考え方がある。緊急政令について憲法に規定を置くべきだ」と唱えた。行政監視のため、緊急集会の活用も訴えた。  これに対し、立民の杉尾秀哉氏は緊急集会による対応を主張。「緊急集会は、緊急事態に際しても国会中心主義や国民主権を貫くために設けられた制度だ」と指摘した。  公明党の西田実仁氏は「原則、緊急集会で対応するとしても、極めて例外的な場合に衆院議員の任期延長、前衆院議員の身分復活を認める考えはどうか」と提案した。  緊急事態条項に関し、日本維新の会音喜多駿氏は「緊急集会では補いきれない長期にわたる緊急事態を想定しておくべきだ」と強調。一方、共産党の山添拓氏は「憲法は緊急事態条項をあえて定めず、緊急集会という規定に結実した」と語った。  国民民主党の舟山康江氏は「緊急集会を無制限に開けるようにすることは規定の乱用にならないか」との考えを示した。 

自民、緊急政令の創設主張 参院憲法審、立民は否定的

2023/5/10(水) 17:59配信時事



 防衛費増額の財源を確保するための特別措置法案(財源確保法案)を巡り立憲民主、共産両党は10日、同法案を審議している衆院財務金融委員会の塚田一郎委員長(自民党)に対する解任決議案を提出した。財金委では同日中の特措法案採決が予定されていたが、決議案提出に伴い流会した。  日本維新の会や国民民主党は同調しなかった。解任決議案は早ければ12日の衆院本会議で与党などの反対多数で否決される見通しだが、特措法案の衆院通過は来週以降になる見通しだ。  立憲の安住淳国対委員長は解任決議案の提出理由について、東日本大震災の復興特別所得税の一部を実質的に防衛財源に転用させる政府方針を巡り被災地で公聴会を採決前に開くべきだと求めたものの聞き入れられなかったためだと記者団に説明。「いまだ大変な生活を強いられている方々が被災地にいる中で国民の声を顧みない行為であり、(財源確保法案の)採決を認めるわけにはいかない」と語った。  解任決議案提出に先立ち立憲、維新、共産、国民民主4党の国対委員長は国会内で会談し、財源確保法案に反対することでは一致した。立憲は解任決議案への同調も呼びかけたが、維新は「よほどの価値がなければ遅延や邪魔をすることはできませんとお断りした」(遠藤敬国対委員長)という。  政府は2027年度までの5年間の防衛費を計43兆円に増やす方針で、財源確保法案は財源確保に向け、税外収入を積み立てておく「防衛力強化資金」の創設などを規定している。政府は税外収入の確保などでは足りない分は増税で賄うとしている。【中村紬葵】

衆院財金委員長の解任決議案、立憲と共産が提出 防衛財源確保法案で

2023/5/10(水) 11:47配信毎日新聞


 5月10日、教員の人材確保に向けて、処遇改善策を議論する自民党の特命委員会(委員長・萩生田光一政調会長)は、公立学校の教員の給与に、残業代の代わりに上乗せする「教職調整額」を、現行の給与月額の4%から10%以上に増額することを柱とした提言をまとめた。6月に政府がとりまとめる経済財政運営の指針「骨太の方針」へ反映させ、2024年度中の法改正を目指す。 【写真あり】萩生田光一政調会長の「リーゼント学生時代」  教員の残業時間を、上限の半分以下となる月20時間程度にすべきだとした。学級担任手当の創設、教務主任や学年主任の手当の倍増などをあげた。また、2026年度から、中学校で35人学級を段階的に導入することなどを提示した。処遇を改善し、教員志望者を増やす狙いがある。2024年度から3年間を、関連する予算拡充などの集中期間に設定することも求めた。改革全体では、国費ベースで毎年5000億円規模の予算増を想定している。  教員給与特別措置法(給特法・1971年制定)は、残業代の代わりに月給の4%を教職調整額として支給すると定めている。月8時間分の残業時間をもとに定められたものだが、実際の教員の労働時間とは、乖離している現実がある。  まだまだ問題はある。2021年度、文部科学省がおこなった調査では、年度当初の教員不足が公立小中高と特別支援学校で2558人。教員が産休や育休、病休などで学校を離れても、その穴を埋める代理の教員が確保できない「教員不足」が問題となっている。  萩生田光一政調会長は特命委で「世界に冠たる、質の高い公教育を作っていくことが、最大の少子化対策でもあります」と述べたが、この自民党の提言には、批判の声が殺到した。  作家でタレントの乙武洋匡(ひろただ)氏は5月10日、自身のTwitterにこう書きこんだ。 《「2.5倍」という数字のインパクトに騙されがちですが、月給30万円の教師なら「1.2万円→ 3万円」になるだけです。みなさんは、3万円の報酬で月80時間以上の残業を請け負いますか?》  SNSでは、ほかにも自民党の提言を批判する声が多くあがった。 《「お金」の話をしている限りは、教師の働き方改革なんて一切進んでいないってことだからね 一万円多く握らされたからって、過労死ライン超えた働き方なんてしたい? 家族や恋人や趣味を犠牲にする?若い人たちはこんな自民党の浅知恵に騙されんなよ》 《これで教員志望者が増えるとでも思ってんのやろか?現場を知らなさすぎやで。ましてや少子化解消なんて夢のまた夢》 《相変わらずズレた政策》 《現役教員視点で見てこの施策が「教員不足解消に寄与する」と感じた人は少ないと思う。むしろこのことを盾にして余計に過重労働を正当化されるんじゃないかと危惧する》  文科省でも、給特法改正を含め、中央教育審議会(文科相の諮問機関)で検討する方針だ。教員不足解消につなげることができるだろうか。

教員残業代「4%→10%」自民党の改善案に批判殺到「現場を知らなさすぎ」「過重労働を正当化される」
2023/5/11(木) 16:00配信SmartFLASH





入管法改正案に反対する声が日に日に大きくなっている。参院本会議で審議入りした5月12日夜、国会前で開かれた集会に4000人が集まり、廃案を訴えた。反対する署名も20万筆を超えた。難民申請中のクルド人の夫がいるまゆみさんは、入管職員から「在留資格は宝くじにあたるようなもの。帰国して迫害を受けたとしても自己責任」と、まともに取り合ってもらえない現状を明かした。(オルタナ副編集長=吉田広子) 与党は2021年にも入管法改正案を国会に提出したが、国内外の批判を受け、自ら取り下げた。しかし、今国会で再提出し、5月12日、参院本会議で審議入りした。5月16日には、参議院の法務委員会で審議される予定だ。 それに対し、野党は5月9日、対案を共同提出した。難民認定を行うための第三者機関の新設や、収容時に司法審査を導入することなどを盛り込んだ。国会の答弁では、野党が入管法を改正するための「立法事実」(法律の合理性を示す社会的な事実)の欠如を追及している。 国連人権理事会に任命された複数の特別報告者は、入管法改正案が「国際法違反」だとし、2021年に続き、見直しを求める共同書簡を日本政府に送った。難民申請3回以上で強制送還を可能にすることなどを問題視している。 参考:国連人権理事会の専門家、入管法改正案に「国際法違反」 https://www.alterna.co.jp/79889/ 参考:難民・難民申請者を送還するということ(難民支援協会) https://www.refugee.or.jp/report/refugee/2023/03/deport23/

入管職員「迫害を受けても自己責任」



収容された人たちは、助けを求めて、入管の収容施設の窓から、Tシャツをかかげるという(撮影・川畑嘉文)

参院本会議で審議入りした5月12日夜、国会前で開かれた集会には4000人が集まった。 集会に参加したまゆみさんは2015年にトルコ国籍クルド人男性と結婚。夫はトルコで迫害を受ける可能性があり、日本に逃れてきた。結婚して3年を迎えるころ、突然、仮放免の延長が不許可になり、収容されたという。 まゆみさんは、入管に申し入れした際、職員から「いらない外国人にはみんな帰ってもらいたい。在留資格は宝くじにあたるようなもの。送還されて迫害を受けたとしても、本人の自己責任」と、半笑いで返答されたという。 夫は現在、4回目の難民申請中で、認定されなければ、強制送還の対象になる。まゆみさんは、「難民審査のインタビューでも、前の彼女との子どもの有無などを聞かれた。厳正な審査をしているとは思えない」と憤る。 奨学金を得て専門学校に通うロザリンさんも、強制送還の不安を抱える一人だ。2014年にクルド人の父の後を追って来日した。在留資格の一つ特定活動ビザを持っていたが、2021年末に突如、在留資格が取り消された。現在は、2回目の難民申請中だ。 「私は10歳から日本で暮らしている。何が起きるか分からない不安を抱えながらも、みんな一生懸命、勉強を頑張っている。学生から夢を奪ってよいのでしょうか」(ロザリンさん) 2005年、国連の基準で難民と認められたクルド人が、トルコに強制送還され、親子が引き裂かれる悲劇が起きた。こうした事態を防ぐために、現在の法律では、すべての難民申請者の送還は停止される「送還停止効」がある。 改正案では、難民申請を3回以上している者などについて、この送還停止効を解除する方針だ。 参考:クルド難民強制送還事件:国、国連、市民はどう動いたのか(難民支援協会) https://www.refugee.or.jp/10th/10th4-1/
いとうせいこうさん「入管法『改悪案』は日本の安全保障を脅かす」

最後に、集会で代読された作家・クリエーターのいとうせいこうさんのメッセージの一部を紹介する。 「彼らは自ら国を出たかったわけではない。出ざるを得ない状況に突然見舞われて、想像を超える苦難の中で命を安らげる場所を必死に探しているのです。もう一つ重要なのは、私たち日本に住む者も彼らと同じ境遇になる可能性を持っているということです」 「原因は、異常気象や巨大地震、原子力事故による放射能被害、他国との摩擦、あるいは代々の生活の中でごく穏便に保っていた習慣が突如間違った宗教として国中から弾圧され、追い回されるといった事態は、決して夢まぼろしではありません。その時、私たちは国外に逃れる以外なくなるかもしれない」 「今回のような『入管法改正』、私は改悪だと思いますが、それは人類社会に普遍であるべき人間の権利を毀損するばかりか、私たち日本に住む者の安全保障までをひどく脅かすものだと思います。私たちは現在途方もない苦難の下にいる方々に手を差し伸べるために、そして同時に明日の自分たちを救うために、よりよい『入管法』があることを願います」

入管法改正案の廃案求め4千人が国会に集う、署名も20万筆に:入管職員「在留資格は宝くじにあたるようなもの」

2023/5/14(日) 12:26配信



記事のポイント

入管法改正案採決を巡り「廃案」を求める声が一層強まっている
国連人権理事会に任命された複数の特別報告者は改正案が「国際法違反」と指摘
廃案を求める集会には約2000人が集まった
与党は4月25日の入管法改正案採決を目指し、「修正協議」の調整を図る一方で、「廃案」を求める声が一層強まっている。国連人権理事会に任命された複数の特別報告者が4月18日付けで、日本政府に対し、入管法改正案が「国際法違反」だとし、徹底的に見直すように求める共同書簡を送った。4月21日夜には、廃案を求める集会が国会前で開かれ、約2000人が集まった。(オルタナ副編集長=吉田広子)



国連人権理事会の特別報告者が入管法改正案に対して共同書簡を送るのは、2021年に続き、2度目となる。書簡には、「2021年に提出された改正案から若干修正されたものの、基本的内容は変わらず、国際基準を満たしていない。徹底的に見直すように強く求める」と記載されている。

書簡を送ったのは、国連人権理事会の特別手続である「恣意的拘禁作業部会」「移住者の人権に関する特別報告者」「宗教または信条の自由に関する特別報告者」だ。

具体的には、次の問題点を指摘している。

1)収容を前提とした「原則収容主義」

身体の自由を原則とし、収容は「最後の手段」でなければならないとする「自由権規約9条、世界人権宣言9条」に、違反しうる。監理措置が適用されない限り、常に収容が優先する点、監理措置を適用するか収容されるかは入管(主任審査官)の裁量によるという点を指摘された。

2)監理措置制度の不備

改正案では、収容に関して、現行の「仮放免制度」に代わり、入管庁が民間人を監理人に選定する「監理措置制度」を導入する方針だ。しかし、書簡では、「そもそも収容を正当化する理由がない場合には、収容代替措置が適用されてはいけない。そのような場合、移民は『釈放されるべき』だ」と強調している。

さらに、監理措置制度について、主任審査官が必要と考えれば、300万円以下の保証金を課すことができることや監理人が報告義務に違反すれば罰金を科すことができることなどから、監理措置を利用するのは、現実的には困難ではないかと懸念を表明している。

3)無期限収容と司法審査の欠如

司法審査なき無期限収容は、国際法違反であると指摘。本来「出入国管理手続における収容を含むあらゆる形態の拘禁は、裁判官その他の司法当局によって命じられ、承認されなければならない」とし、行政機関の判断のみで収容が行われることを問題視した。

収容期間の上限について定めがないことで、無期限収容となる可能性があることについても懸念を表明。入管の無期限収容は、「恣意的拘禁」にあたり、自由権規約に反すると指摘。収容の期間の上限は法律によって規定されなければならないとする。

4)子どもの収容に関する問題

子どもの収容を禁止する規定が存在しないことに遺憾を表明。

5)難民申請3回以上で強制送還可能に

現在の法律では、すべての難民申請者の送還は停止される(送還停止効)が、改正案では、難民申請を3回以上している者などについて、送還停止効が解除される。これは、送還後に生命や権利が脅かされる可能性があり、「ノン・ルフールマン原則」を損なうことを強く懸念。送還停止効は国際法違反となることを指摘した。

弁護士らは「廃案一択」「絶対にあきらめない」

21日に開かれた記者会見で

入管法改正案を巡る与野党の修正協議が21日に始まった。時事通信の報道によると、自民、公明、立憲民主、日本維新の会の4党の実務者が参加しているという。与党は25日も採決に持ち込みたい考えだ。

共同書簡は18日付けで発出され、21日に公表された。これを受けて、アムネスティ・インターナショナル日本、恣意的拘禁ネットワーク、全国難民弁護団連絡会議、認定NPO法人ヒューマンライツ・ナウは記者会見を行った。

ヒューマンライツ・ナウの小川隆太郎事務局長(弁護士)は、「原則収容主義など、法律の骨格を変えなければ国際基準を満たせない。小手先の修正では対応できず、廃案の選択肢しかない」と強調した。

全国難民弁護団連絡会議の鈴木雅子弁護士は、「『喫緊の課題』だとして、2021年に改正案が国会に提出された。しかし、廃案になってから2年が経ち、喫緊の課題ではないことが分かった。コロナ禍には多くの人の収容が説かれたが、何も問題なかった。人権を侵害する改正案は廃案にすべきだ」と話す。

21日夜に国会前で開かれた集会には、名古屋入管の収容施設で亡くなったスリランカ人女性ウィシュマ・サンダマリさんの遺族や弁護団が参加した。ウィシュマさんの妹は「入管は姉の死の責任を認めていない。法務大臣は、私たちが亡くなる前の映像を公開したことを批判するが、その前に責任を認めるべきではないのか」と訴える。

弁護団の一人、指宿昭一弁護士は「法務大臣も入管も、反省も総括もしていない。そんな人たちが、法律を改正して良いのか。修正協議に応じたら、廃案にできなくなってしまう。私たちは今日も来週もGWもここに集まって声を上げ続ける。絶対にあきらめない。廃案一択、それしかない」と呼びかけた。

集会には山添拓・参議院議員(共産党)と本村伸子・衆議院議員(共産党)も参加。「何としてでも廃案に持ち込む」と意気込んだ。



吉田 広子(オルタナ副編集長)

執筆記事一覧



大学卒業後、米国オレゴン大学に1年間留学(ジャーナリズム)。日本に帰国後の2007年10月、株式会社オルタナ入社。2011年~副編集長。執筆記事一覧

国連人権理事会の専門家、入管法改正案に「国際法違反」



吉田 広子(オルタナ副編集長)

#ビジネスと人権|2023/04/22約4分で読める











 難民認定の申請中でも、外国人の送還を可能とする入管法改正案。一度廃案になった改正案が、なぜ再び審議されるのか。「廃案に」との声が各地で上がる。AERA 2023年5月15日号から。 【図】主要7カ国の難民認定率はこちら

*  *  * 「帰れば、捕まるか殺されるかもしれません」  埼玉県南部の川口市。この街で、家族5人で暮らすクルド人の若者(21)は不安を口にする。 「国を持たない世界最大の民族」と呼ばれるクルド人。トルコやシリアなど中東地域に暮らすが、少数民族として長く差別と弾圧を受けてきた。  トルコで生まれ育った若者も、さまざまな差別を受けてきた。身体にはナイフの切り傷が残るが、街中を歩いていて突然、トルコ人から切り付けられた痕だという。迫害を逃れ、12年前に先に父親が来日し、3年後に母親やきょうだいと後を追った。 ■4千人超帰るに帰れず  家族は全員、一時的に入管への収容を解かれた「仮放免」の状態だ。在留資格がないので、働くことも入管の許可なく県外に出ることもできない。健康保険にも入れず、治療費は全額自己負担。生活保護などの社会保障も利用することができない。日本で在留資格を持って働いている親戚から借金などをして何とか生活している。  若者は「難民」として認めてもらい、仕事をして普通の生活をしたいと望む。だが、難民申請すれば強制送還される心配があるので、していないという。 「(難民申請)したいけど、怖いです」(若者)  出入国管理及び難民認定法(入管法)改正案の審議が4月13日、国会で始まった。最大の狙いは、「3回以上の難民申請者の送還を原則可能にする」ことだ。現行法には、難民保護の観点から「難民認定の申請中は強制送還しない」という規定がある。だが、何度も繰り返される難民申請は送還逃れの「乱用」だとし、3回目以降の難民申請を認めず申請中でも送還が可能になる。政府は、「在留が認められない外国人を速やかに退去させ、入管施設での長期収容をなくすのが目的」と説明する。  だが、入管問題の改善に取り組む指宿(いぶすき)昭一弁護士は、改正案は「人を殺してしまう法律だ」と厳しく非難する。  在留資格を持たず日本で暮らす「非正規滞在者」は約7万人(今年1月時点)いるが、退去を命じる「退去強制令書」が出れば、約95%は退去に応じ帰国している。残り約5%が、国に帰れば迫害を受けたり家族が分離したりするなど、帰るに帰れない人たちだ。昨年末時点で4233人いて、出入国在留管理庁は「送還忌避者」と呼ぶ。現在、入管施設に収容されているか仮放免の状態にある。
「帰るに帰れない人たちは、送還されれば生命が危険。入管庁は、何度も繰り返す難民申請を送還逃れの『乱用』というが、何ら証明していない。迫害を受ける危険のある国へ送還してはならないとする、日本も批准している難民条約に定めた『ノン・ルフールマンの原則』にも反する」(指宿弁護士) ■難民認定率0.7%  そもそも改正案は一昨年の通常国会にも提出された。だが、スリランカ人女性のウィシュマ・サンダマリさん(当時33)が名古屋入管で収容中に亡くなり、世論の批判が集中し廃案に追い込まれた。今回の改正案は、廃案となった改正案の骨格を大枠は維持している。  そこまでして入管が送還忌避者を帰国させたいのはなぜか。指宿弁護士は、「基本的に入管のメンツ」と指摘する。 「そのメンツは、特別な思想に支えられています。それは、外国人は危険な存在であって徹底的に管理しなければならず、強制送還に応じないような外国人を日本に置いてはおけないというもの。人権上の問題があろうが絶対に帰国させなければという、ゼノフォビア(外国人嫌悪)に基づく考えです」  実際、日本の難民認定のハードルは高く、国内外で「難民鎖国」と批判を浴びてきた。NPO法人「難民支援協会」の調べでは、主要7カ国(G7)の難民認定率(21年)はイギリスが63.4%、カナダは62.1%、アメリカは32.2%。対して、日本はわずか0.7%だ。この歴然とした開きに、在日クルド人を支援する団体「在日クルド人と共に」(埼玉県蕨市)代表理事の温井立央(たつひろ)さんは、「保護されるべき人が保護されていない」と批判する。 「現在、日本には約2千人のクルド人が暮らしていて、ほとんどの人が難民申請を行っています。トルコに送還されれば命の危険にさらされ、差別や迫害を受ける人も少なくありません」  だが、日本政府は、親日国のトルコ政府との友好関係を崩したくないという外交上の理由から、日本に住むクルド人を難民として認めてこなかったといわれる。これまでトルコ国籍のクルド人で難民認定されたのは1人だ。温井さんは言う。 「保護を求めている人は保護すべきであって、外交に左右されてはいけない。入管とは違う別の第三者機関が、人権という視点に立って認定するべきです」 ■独立した認定組織を  求められる対策は何か。  指宿弁護士は、入管法改正案は「廃案」にして、「難民の認定は国際基準に基づき行うことが重要」と語る。
「日本の難民認定は、難民側にあまりにも高い立証責任を課しています。『灰色の利益』という言葉がありますが、疑わしきは申請者の利益として保護すべきです。そのためには、絶大な裁量権を持つ入管から独立した難民認定組織をつくらなければいけません。日本はあまりにも人権問題に無頓着すぎる。国際的な基準やルールを顧みない政策を続けていれば、国際社会から取り残されます」  移民政策に詳しい国士舘大学の鈴木江理子教授は、改正法案が成立しても、帰れない事情のある人は死に物狂いで抵抗するので、送還忌避者の問題は解決しないと見る。 「生きることすら困難な状況に追い込まれ、子どもたちの夢が奪われている現状を改善するためには、排除ではなく、適切な難民認定審査(難民保護)と人道的な観点からの在留特別許可が必要です」  在留特別許可とは、人道的な視点から法務大臣が特例的に在留を許可する措置のこと。在留資格が付与され、日本で正規に滞在することが可能になる。 「その上で、外国人を管理の対象としてではなく、権利の主体として位置づけることが大切です」(鈴木教授) ■生きる権利がある  在留資格がないというだけで「不法」とされ、一切の権利がないかのように扱われ、国から出ていけと言われる。人権とは、国籍や在留資格にかかわらず保障される「人間としての権利」である。日本も締結している国際人権規約には、国籍を問わず外国人と自国民とを同じに扱う「内外人平等の原則」がある。管理を目的とする現行の入管法のみでは不十分であり、外国人の権利を明記した基本法を制定することが重要だ。さらに、基本法に照らして、入管法を「改正」することと、難民を保護する新たな法律を制定することが必要と、鈴木教授は説く。 「ある国の人権とは、最も弱い立場にある人にも認められる権利です。外国人の権利をないがしろにする国は、自国民の権利も軽んじます。外国人の権利を保障することは、国民の権利の向上にもつながり、社会にとって大きなメリットです」  4月28日、改正案は衆議院法務委員会で可決された。今後は参議院などでの審議が続く。  非正規とはいえ、暮らしているのは外国人である前に、一人の人間だ。  ナイジェリア人のエリザベスさん(50代)は声を震わせ訴える。 「何で逃げてきた外国人に差別をするのでしょうか」  母国での女性性器切除(FGM)の強制などから逃れ、33年前に来日。仮放免で暮らし、2度目の難民申請中だ。母国に送還されれば殺される、日本で穏やかに暮らしたいと話した。 「私たちも人間です。私たちも生きる権利があります」 (編集部・野村昌二) ※AERA 2023年5月15日号

入管法改正案に「人を殺す法律」と批判の声 真に求められる対策とは〈AERA〉
2023/5/12(金) 8:00配信