2023年統一地方選挙.第211回通常国会の問題は今回も政治と統一教会等のカルト宗教。自民党の日本学術学会解散主張は統一教会の言いなりの内容だった件。




香港の国民は普通選挙権得るために闘っています。
日本、中華民国、韓国、米英、米中に追従してはいけないと警告するフランスなど普通選挙権が行使できる民主主義国に住んでいるってとっても有り難いこと。普通選挙権行使しましょう。

“創価学会嫌い”の麻生副総裁がもくろむ連立組み替え 学会関係者は「ウチを軽く見るならおきゅうを」2023/4/6デイリー新潮


“創価学会嫌い”の麻生副総裁がもくろむ連立組み替え 学会関係者は「ウチを軽く見るならおきゅうを」2023/4/6デイリー新潮

「次期衆院選を巡る候補者調整で、自公のあつれきが表面化しつつあるんですよ」  と言うのは政治部デスク。 「公明党の支持母体・創価学会を嫌う麻生太郎副総裁が、岸田総理に何度も公明切りを求めているんです」  3月9日、公明党は次回選挙から適用される「10増10減」の区割り変更に伴い、比例で当選してきた石井啓一幹事長を埼玉14区に擁立・公認すると決めた。 「公明党は埼玉14区のほか、東京や愛知などの選挙区で3人を擁立。10増える選挙区のうち四つを譲れとの要求に、自民党には戸惑いと怒りの声が上がっています」  さすがに党幹部らは「公明党が勝手に発表した」と火消しに躍起だが、 「都連や埼玉、愛知などの県連では“事前説明がない以上、こちらも独自候補を立てるべきだ”と強く反発する議員が増えつつありますよ」

公明党の地盤沈下の理由

 公明党が強硬な理由とは。 「創価学会員を中心とする支持者の高齢化による集票力の低下です。昨年7月の参院選比例代表では目標の800万票を大きく下回る、およそ618万票に甘んじた。つまり、公明党はかなり焦っているということ」  この参院選では、自民党の若手議員が公明党の推薦を断りながら当選している。 「かつて“ひと桁台まで正確”と言われた自慢の組織票もいまは昔。公明党の存在感は低下する一方です」  公明党の地盤沈下には、自民党が積極的な憲法改正の影響もあるとされる。  自民党中堅議員が言う。 「2021年秋の衆院選で、自公の連立与党は憲法改正の発議に必要な3分の2を失った。それでも自民・維新・国民民主の3党の合計ならそれを取り返せる計算です。亡くなった安倍晋三元総理は生前、“公明を入れた3分の2では改憲議論が進まない”と将来の連立解消に含みを持たせていた。それには盟友の麻生副総裁も理解を示していました」  その安倍元総理が昨年7月に謀殺された後も、麻生氏らは連立組み替えへの道筋を探ってきたという。 「昨年12月には“自民が国民民主との連立を検討”との報道が出ました。背景には公明党を切りたい麻生さんが、岸田総理に国民民主の連立入りを繰り返し求めた一件があるとか」
「ウチを軽く見るなら…」

 麻生氏と公明党の相克を与党関係者が解説する。 「これまで麻生さんは、地元・福岡の知事選や県議選などで公明党と対立し、何度も苦汁をなめてきた。一方の創価学会には、09年の総選挙で与党が下野したのは総理だった麻生さんの解散の判断が遅れたせいだと、いまだに根に持つ人が少なくないんです」  当の麻生氏は、来るべき台湾有事への備えを念頭に置いていると見られている。 「最近も周囲に“近く台湾有事がある。憲法改正して緊急事態条項を設けるべきだ”と話しています。かつて“ナチスの手口を学んだらどうかね”と発言して批判を浴びましたが、あの真意は“有事の際は一種の独裁のように、政権に権力を集中させるべきだ”ということ。ヒトラーは憲法の緊急事態条項を悪用して徹底的に国民の権利を制限しましたから、戦時中に宗教弾圧を受けた創価学会や、平和の党を自任する公明党とは根本的にソリが合わない」  創価学会関係者は言う。 「自民党には学会票が不可欠な議員が大勢いる。ウチを軽く見るなら、次の選挙でおきゅうを据えないと」 「週刊新潮」2023年4月6日号 掲載

“創価学会嫌い”の麻生副総裁がもくろむ連立組み替え 学会関係者は「ウチを軽く見るならおきゅうを」2023/4/6デイリー新潮




https://www.tokyo-np.co.jp/article/200501/1
旧統一教会側との関係は世襲なのか 細田、岸田、中曽根、宇野…父や祖父も接点の疑い 党の点検は十分? 2022年9月7日 06時00分東京新聞


https://www.tokyo-np.co.jp/article/200501/1旧統一教会側との関係は世襲なのか 細田、岸田、中曽根、宇野…父や祖父も接点の疑い 党の点検は十分? 2022年9月7日 06時00分東京新聞

◆細田衆院議長や岸田首相の父、教団系政治団体の文書に名前

 教団と政治家の関係を巡り、共同通信が8月に行った調査で無回答だった1人、細田博之衆院議長。NPO法人「日韓トンネル研究会」の顧問だったと報じられている。このトンネルは教団の創始者の故・文鮮明氏が唱えたとされる。研究会の会報を見ると、細田氏は2019年6月の総会で顧問に就任したとあった。法人側に事実確認のメールを送ったが、6日夕までに回答はなかった。

 教団系の政治団体、国際勝共連合の機関紙「思想新聞」をさかのぼると、新たな疑惑が浮かび上がった。

 1990年3月25日付では、反共の理念に同調する勝共推進議員の名簿が掲載され、細田氏の名が書かれていた。86年8月17日付の残暑見舞いのページでは、政治家の氏名が記された長方形の枠が並び、その一つに「衆議院議員 細田吉蔵」とあった。亡くなった細田氏の父の名だ。

 細田氏と似た例が岸田首相だ。共同通信の調査に無回答だったが、熊本県での後援会長が教団と接点を持つと報じられた。そして86年1月1日付の思想新聞のうち、新年を祝うページでは、ずらりと並ぶ長方形の枠の一つに「衆議院議員 岸田文武」と書かれていた。今は亡き父の名だ。

 この長方形の枠について元博報堂社員で作家の本間龍氏は「名刺広告と呼ばれ、時節のあいさつなどに合わせ、新聞社や広告代理店が『名前を出しませんか』と広告をお願いするものでは」と解説。「これほど大物の名刺広告が並ぶのは珍しいが、これだけでは関係の深さは測れない」と語る。

 2人の故人は広告を出したのか。勝手に載せられたか。細田氏の事務所は問い合わせに無回答だった。岸田氏の事務所は「当時の事務所関係者は在籍していないことから全く確認しようがありません」と答えた。

◆中曽根家は3代に渡り接点か

 世代を超え、教団側と接点を持ったことが疑われるのは中曽根家もだ。

 元首相の故・康弘氏は先の勝共推進議員名簿に載っていた。90年3月に開かれた勝共連合の関連会合であいさつしたと思想新聞に記録されていた。その長男の弘文参院議員、孫の康隆衆院議員は本紙のアンケートに応じている。弘文氏は教団系の月刊誌の取材を受け、康隆氏は教団関連施設で選挙支援を求めるあいさつをしたと認めている。

 教団との接点に「世襲的」な側面があったのか、改めて質問を投げかけると、弘文氏の事務所は「推進議員名簿に中曽根康弘の名前が掲載されていたかどうか当方は全く知らず、関知していない。親子であるから、受け継ぐとか受け継いでいないかとの質問は、独立した国会議員に対していかがかと思う」と回答した。

 勝共推進議員名簿に掲載され、後に首相になったのが故・宇野宗佑氏。娘婿で元衆院議員の治氏は10年ほど前から日韓トンネル推進全国会議の会長に就く。治氏は電話取材に「知人に頼まれて会長になったが、トンネルに旧統一教会が関連しているとは知らなかった」と釈明。「(勝共連合が)おやじを応援していたことは知っているが、私の時は組織的な応援やつながりはなかった」と話した。
◆安倍元首相の祖父、父は「陰に陽に支援」とたたえられ

 それでは、勝共連合の認識はどうなのか。

 細田氏や岸田氏、中曽根氏、宇野氏に関しては、父や祖父が実際に名刺広告を出したり、勝共推進議員だったりしたのか、問い合わせたが、6日午後6時までに返答はなかった。

 「接点の世襲」が疑われる代表格と言えば、安倍晋三元首相のケースだろう。祖父の岸信介元首相、父の安倍晋太郎元外相、そして当人はいずれも亡くなっているが、3代にわたって教団側と共同歩調を取ったように見える。

 岸氏は教団創設者の文鮮明氏と関係が近かったとされ、1987年に亡くなった際には、思想新聞の評伝で「本連合設立当初から勝共運動に理解を示し、陰に陽に支援、助言を行ってきた」とたたえられた。晋太郎氏は勝共推進議員名簿に名を連ね、91年に亡くなった際の評伝では岸氏と同様、「陰に陽に本連合に対し支援、助言を行ってきた」と評された。晋三氏は昨年9月に教団の友好団体「天宙平和連合(UPF)」が開いた大規模集会にビデオメッセージを寄せた。

◆「世襲で跡を継げば、先代のつながりも続く」

 接点の世襲については不明瞭なところも残るが、2代目や3代目の世襲議員の場合、人間関係をどう築くかという疑問が湧く。

 「一般論では、なぜ世襲が多いのかというと、それまで議員を支えてきた団体や資金管理団体などをそのまま引き継ぐことにメリットがあるから」。自民党本部勤務や民主党事務局長の経験がある政治アナリストの伊藤惇夫氏はそう説明し、「世襲で跡を継げば、先代のつながりも続くと考えるのが普通の捉え方だろう」と続ける。

 有力な世襲議員が世代を超えて特定団体と接点を持つことは、他の議員に与える影響も大きいという。伊藤氏によると、かつて自民党内で教団との関係を問題視する声もあったという。「閣僚経験者で世襲ではない『たたき上げ』の元議員が危機感を抱いていたが、声は届かなかった」

◆自民党内の点検は「ポーズでしかない」

 岸田氏は、党と教団側の関係について「しがらみを捨て、関係を断つ」と宣言し、所属国会議員に接点の点検を要請した。当初は、6日に結果を公表する予定だったが、記述が不十分で再提出を求めたケースが多く、延期されている。

 教団に詳しいジャーナリストの鈴木エイト氏は「『党の組織的な関与がない』と前提を置いた上で求めた自己申告による『点検』にすぎない。どこまで具体的に回答するべきかも決まっておらず、ポーズでしかない」と実効性を疑問視する。議員の方が世代を超えて教団側と接点を持っていたとしても、今回の点検では詳細な関係を明らかにするのは難しいとみる。

 本気で関係を断つには何をすべきなのか。

 「深い関係を続け、周囲に影響を与えてきたのは安倍派を中心とした有力議員ら。毅然きぜんとした態度でそこに切り込むべきだ」と鈴木氏は訴える。

 全国霊感商法対策弁護士連絡会(全国弁連)の紀藤正樹弁護士は「議員が説明責任を果たしていないから、混乱している。まずは丁寧な説明が必要だ」と求める。その上で「党内に、教団との関係に問題があるとの認識があるから宣言したのだろう。時間がかかるかもしれないが、関係を断つことにつながれば」と今後の対応に期待をかける。

 その一方、教団の名称変更や捜査に際し、有力議員らが何らかの影響を与えたのではないか、と疑いのまなざしも向けられている。

 紀藤氏は「もはや党内の規律の話ではない。制度が求められている。問題がある団体が政治家に働きかけるロビー活動を規制する法整備が必要だ」と訴える。

◆デスクメモ

 多数の議員が教団側と接点を持ったことが判明したが、あまりに数が多いため、何が問題なのか、分かりづらくなった面もある。どこが震源地で、どう広まったか。同じ事態を繰り返さないためには、全体像を捉え直し、手の打ち方を考えることが必要ではないかと思っている。(榊)

https://www.tokyo-np.co.jp/article/200501

旧統一教会側との関係は世襲なのか 細田、岸田、中曽根、宇野…父や祖父も接点の疑い 党の点検は十分?

2022年9月7日 06時00分





https://www.tokyo-np.co.jp/article/198782
旧統一教会「祝福2世」の苦悩「家族だけでは解決できない」信者専用マッチングサイトで結婚を求められ… 2022年8月30日 06時00分

 「もしかしたら、彼のように追い込まれていたかもしれない」。両親が世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の信者で、幼少期から教義を学んだ北九州市の自営業男性(24)は、旧統一教会への恨みを募らせ安倍晋三元首相を銃撃したとされる山上徹也容疑者に自身を重ねる。そして「洗脳や献金の問題は家族だけでは解決できない。行政など社会の支援が必要だ。政治家もマスコミも一過性の問題で終わらせないでほしい」と訴える。(望月衣塑子)

◆両親が合同結婚式に参加

 男性は山陰地方出身。統一教会には、まず母が入信し、父も「夫婦円満の秘訣ひけつは相手に折れること。それに宗教には良い面もある」と続いた。既婚だったが、改めて統一教会の「祝福結婚(合同結婚)式」に参加したという。

 男性は祝福結婚後に生まれた。このため母が入信前に産んだ3人の兄と違い「祝福2世」や「神の子」と呼ばれた。幼い頃から統一教会創設者の故・文鮮明ムンソンミョン氏の自伝本や映像に触れ、セミナーへ頻繁に連れて行かれた。母には「統一教会と関係があることは隠して」と口止めされた。

 母は居住地周辺の地域を取りまとめ、いつも忙しそうだった。選挙があれば支援候補のために奔走し、帰宅は午後10時過ぎ。聖地巡礼ツアーや修練会で韓国によく足を運んでいた。

◆献金「1億円は超えると思う」

 「母が留守の間は、10歳以上離れた長兄と次兄が面倒をみてくれたのが救いだった」と男性は振り返る。貸与型奨学金と父が組んだ学資ローンで、地元と離れた大学に進み、卒業した。

 実家には文氏のサイン入り本や御言葉集、専用の本棚、「霊界で母や先祖の家になる」とされる「善霊堂」の置物、「悪霊を吸い取るため」に買った壺つぼもある。韓国での聖地巡礼ツアーや修練会の費用は1回300万円近いといい、これらを通じた献金は「1億円は超えると思う」と男性。

 兄らが、信仰にのめり込む母に反発する態度を見せていたため、男性は小学5年の頃から母と少しずつ距離を置くようになった。それでも中高生の頃は母に求められ、クリスマスなどのイベントに参加を続けた。

◆信者専用マッチングサイトで「結婚しないか」

 「イベントには必ず地元の自民党議員がいた。信者は『政治を通じて理想の世界をつくるんだ』と、政治家とのつながりを重視しているようだ」と男性は話す。母に「友達を呼んでね」と言われても、勧誘目的と感じ、従わなかった。

 そして22歳の時。母は信者専用のマッチングサイトで相手を選び、「結婚しないか」と男性に求めてきた。その際「自分は自由恋愛で相手を選びたい。祝福は受けない」とはっきり伝えた。母はかなり落ち込んだが「また話そう」と諦めた感じではなかった。

◆「対策に本腰を」

 それから2年。安倍元首相の銃撃事件が起き、旧統一教会について連日、報道されるようになった。父は「自分たちの献金が信者のために使われていない」と地元の教会に抗議し、出入り禁止になったという。

 男性は、母も旧統一教会から離れるかと期待した。だが「事件が起きても『かつてあったようにサタン(悪魔)が私たちを攻撃している。この難局を乗り越えねば』とかたくなで…。逆に他の信者たちと一致団結している」と話す。

 政治家と旧統一教会の関係もいま、問題視されている。男性は「政治家は関係を断つだけではなく、カルト宗教の規制や対策に本腰を入れてほしい」と願う。

 世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の広報部の話

 2009年にコンプライアンス宣言を出して以降、全国286の教会全てに、幼児や学生など年代層ごとに(信者の)2世に問題や悩みがないか聞く担当者を置いている。現在でも献金や結婚を巡るトラブルはあり、返金や祝福結婚の強要をさせないよう対応している。現状で十分とは言えないが、2世が少しでも苦しみや不安、生きづらさを抱えないで済むよう今後も対応していきたい。親子関係が破綻しないことがまず第一だと考えている。

https://www.tokyo-np.co.jp/article/198782
旧統一教会「祝福2世」の苦悩「家族だけでは解決できない」信者専用マッチングサイトで結婚を求められ… 2022年8月30日 06時00分



https://www.tokyo-np.co.jp/article/197008
日本に「カルト規制法」は必要か 旧統一教会問題で野党に動き フランスでは先進事例 2022年8月20日 12時00分東京新聞


https://www.tokyo-np.co.jp/article/197008
日本に「カルト規制法」は必要か 旧統一教会問題で野党に動き フランスでは先進事例 2022年8月20日 12時00分東京新聞

合同結婚式や霊感商法、高額献金などであまたの社会問題を起こしてきた世界平和統一家庭連合(旧統一教会)。欧米では反社会的な「カルト」だと認定されているというが、日本では何がカルトなのかという判断基準もなく、法的なカルト規制もない。安倍晋三元首相銃撃事件を契機に、日本にもフランスなど先進事例を参考にカルト規制法が必要だとの声も上がり始めたが、必要なのか、導入は可能なのか。(特別報道部・岸本拓也、中山岳)

◆野党は規制検討の動き相次ぐが、政府は…

 「政治の責任として被害者救済、被害防止に資する立法措置を次期国会に向けて準備したい」。立憲民主党が18日に国会内で開いた旧統一教会を巡る被害実態を調べる被害対策本部。事務局長の石橋通宏参院議員はこう強調した。

 国民民主党も同日、何がカルトに当たるのかの定義や規制のあり方を検討する調査会の初会合を開いた。玉木雄一郎代表は「日本には反社会的なカルトが何かを明確に定める法体系、基準がない」と指摘。海外事例を研究し、国内法の整備の可否を判断するという。

 共産党の宮本徹衆院議員は今月3日、「カルトの被害の防止のための法的規制について検討を進めるべきではないか」との質問主意書を提出した。しかし、政府の回答は「『カルトの被害』の具体的な範囲が明らかでないので、答えるのは困難」。宮本氏は「政府・与党は真剣にこの問題に取り組んでいない」と憤る。

◆自民、公明党は具体的な動きなく

 確かに野党に比べ、政府や与党の動きは鈍い。政府は18日に、旧統一教会をめぐる悪質商法などの被害把握に向けた関係省庁連絡会議の初会合を開いた。ただ、そこで決まったのは9月初旬から約1カ月間を被害相談の「集中強化期間」としたくらいだ。

 会合に参加したのは法務省、警察庁、消費者庁、内閣官房。「伝家の宝刀」である宗教法人法に基づく解散命令請求ができる文化庁は連絡会議には入っておらず、今のところ規制の議論はない。まずは既存の相談体制などを活用し、被害の実態把握や被害者の救済を進める方針だ。

 旧統一教会との接点が次々と発覚した自民党や、宗教法人の創価学会を支持母体とする公明党からも規制に向けた具体的な動きはみられない。公明党の山口那津男代表は今月2日の記者会見で、「宗教団体の政治活動は憲法で認められている。健全な活動や選挙支援を通じて、人権や人類的な価値を政治に反映させていくことは、むしろ民主主義の望ましい姿だ」と述べ、規制には否定的にも映る姿勢を示した。

◆専門家「宗教法人法の改正検討すべき」

 政府は1994年、霊感商法被害が社会問題化して多数の訴訟が起こされていた旧統一教会を、反社会的な団体と判断すべきだと問われ、「政府として、一般的に、特定の宗教団体が反社会的であるかどうかについて判断する立場にない」とする答弁書を閣議決定している。今もこの方針を継続中というわけだ。

 日本は戦前戦中、当時の治安維持法などに基づき、反体制の団体や活動家らを取り締まり、宗教団体も弾圧を受けた。そのため、戦後は憲法で信教の自由が保障され、宗教を保護する宗教法人法が制定された。同法に基づく解散命令を受けたのは、オウム真理教や明覚寺といった悪質な刑事事件を起こした団体に限られ、その運用は抑制的だ。

 宗教学者の島薗進氏は「ここまで多くの被害者を生んできた旧統一教会の問題に向き合う上でも、反社会的な問題を繰り返し起こす団体の宗教法人認証の取り消しができるような宗教法人法の改正を検討すべきではないか」と話し、こう続ける。「ただ、認証しない理由を明確な基準とするのは容易でない課題だ」
◆フランスは「法外な金銭的要求」など10の基準示す

 反社会的行為に及んだ団体をカルトとして規制する先進事例が、フランスだ。

 1994年以降、カナダやフランスなどで新興宗教「太陽寺院教団」の信者らによる集団自殺が相次いだ。こうした事件に危機感を強めたフランスの国民議会は95年に報告書をまとめ、カルト(セクト)と判断するために「法外な金銭的要求」「反社会的な教義」「子どもの強制的入信」など10基準を示した。これに基づいて危険視する170以上の団体名も挙げ、旧統一教会も含まれた。

 2001年には「セクト規制法」が成立。特徴は、マインドコントロールなどで支配された状態の人に重大な損害となる行為を規制した点だ。違法な医療、詐欺、家族を遺棄するといった「セクト的逸脱行為」について、手を染めた個人だけでなく所属する法人も処罰対象に。こうした両罰規定の拡大に加え、法人やその代表が処罰対象になれば、解散命令を出すことも可能にした。

◆情報提供や注意喚起、未成年者保護を

 同国では、セクトの被害を受けた人らが通報できるオンラインシステムも整備。20年は3000件超の通報があった。規制が進んだ背景について、日仏両国で弁護士資格を持つ金塚彩乃氏は「フランスは厳格な政教分離を取っている一方、セクトなど特別な状況に置かれた未成年者ら弱い立場の人の保護に力を入れてきた」と指摘。未成年者が狂信的な宗教に取り込まれることや、親が信じる宗教の影響で子どもの治療をさせないといった問題への対策も強めてきたという。

 セクト規制法に詳しい山形大の中島宏教授(憲法学)は「フランスはセクトの定義を基に危険とされる団体名をリスト化して規制しようとしたものの、団体を名指しすることには、信教の自由を考慮して国内外から批判もあった。そのため違法行為に着目して規制するようになった」とした上で、問題視された法人の解散命令が出たケースはまだないとする。「日本が学ぶべきは、法規制とあわせたセクトを巡る情報提供や注意喚起、未成年者保護、宗教が絡む問題に対処するための公務員研修などだ」と語る。

◆国会での早急な議論不可欠

 安倍元首相の銃撃事件後、旧統一教会を巡る問題に改めて注目が集まっている。18日に省庁連絡会議が発足したものの、全国霊感商法対策弁護士連絡会の紀藤正樹弁護士は、体制の不十分さを指摘。「霊感商法だけでなく家族問題もあるため、連絡会議に厚生労働省が入っていないのは本質的な解決につながらない。被害予防の観点から教育や宗教行政をつかさどる文部科学省や、(合同結婚式などに関して)邦人保護を担当する外務省が参加していないのも残念だ。連絡会議を第一歩とし、特命担当大臣を置くなど省庁横断的にカルト規制法を整備することが必要だ」と話す。

 法規制を求める声が強まるのに対し、信教の自由を理由にした慎重論も根強いが、いずれにせよ、国会での早急な議論は不可欠なはず。だが、政府の腰は重い。3日召集の臨時国会はわずか3日間で閉会。岸田文雄首相は15日午後から夏休みに入った。

 政治ジャーナリストの泉宏氏は「9月27日に向けて準備する国葬が終わるまで、外交日程などを踏まえれば与党は臨時国会を開かないだろう。このまま何もしないなら、岸田内閣は『統一教会隠蔽内閣』に終わる」と苦言を呈する。

 泉氏は「カルトとして宗教をどう法規制するかは、信教の自由を含めた憲法論議にも発展しかねずハードルは高い」という見解だが、それでも国会での議論を促す。「どんな条件なら反社会的行為を規制できるのかという基準は示すべきだろう。岸田首相のリーダーシップが求められる」

◆デスクメモ

 法や社会通念から激しく逸脱した教義を奉じ、家族との別離や、身を滅ぼすほどの帰依を求めても、宗教の名のもとに行われるのならば、外部は一切口出し無用ということでいいのだろうか。それが憲法の言う「信教の自由」か。オウム真理教事件の時点でもっと議論すべきだった。(歩)

【関連記事】旧統一教会と日本会議、「野合」の運動史…歴史認識が対立しても「とりあえず共闘」の打算

日本に「カルト規制法」は必要か 旧統一教会問題で野党に動き フランスでは先進事例

2022年8月20日 12時00分東京新聞



https://www.tokyo-np.co.jp/article/196569
旧統一教会と日本会議、「野合」の運動史…歴史認識が対立しても「とりあえず共闘」の打算 2022年8月18日 16時00分東京新聞


https://www.tokyo-np.co.jp/article/196569
旧統一教会と日本会議、「野合」の運動史…歴史認識が対立しても「とりあえず共闘」の打算 2022年8月18日 16時00分東京新聞


自民党右派を中心とする政界に世界平和統一家庭連合(旧統一教会)が浸透していた問題では、一つの素朴な疑問が浮かぶ。政界の右派のみならず、それを支える日本最大の右派改憲団体、日本会議なども同教会と「蜜月」関係を築いてきたことだ。日本の右派と同教会は戦前の日本のアジア侵略をめぐる歴史認識では全く相いれない立場だ。「反共」が共通項とはいえ、なぜ数十年にわたって協調してきたのか。(論説委員・田原牧)

◆「ジェンダー・フリー」を標的に

 蜜月の象徴的な場面があった。2000年代前半に全国で吹き荒れた「ジェンダーフリー・バッシング」だ。ジェンダー概念や性教育などが標的とされた。

 鹿児島県議会でも03年7月、「ジェンダー・フリー教育を行わないよう求める陳情」が採択された。

 提出団体の代表は歴史教科書批判の右派団体の事務局長で、陳情の紹介者は自民党の県議だった。

 この県議は当時、取材に1冊の冊子を示して「この内容に沿って県議会で質問した」と明かした。

 「これがジェンダー・フリーの正体だ」と題された冊子の発行元は、日本会議のシンクタンク的存在である日本政策研究センター。

 冒頭に「暴力革命は不可能になった代わりに、共産主義者は別の方法で必ず日本解体を目指す(略)ジェンダー・フリーによる性別秩序の解体という事態とは、まさしくこの『暴力革命』を代替する『別の手段』の一つなのです」と記されていた。

◆酷似した論理展開

 旧統一教会も当時、バッシングに狂奔していた。関連団体「国際勝共連合(勝共連合)」の同年の運動方針「内外情勢の展望」には「共産主義者は青少年の堕落を誘うべく過激な性教育論を学校に持ち込んで(略)」とあった。

 右派は復古的な家父長制の尊重、同教会は教義に沿った「純潔教育」が主張の根底にあったが、その論理の展開は酷似していた。

 当時、国会でバッシングの急先鋒せんぽうだった山谷えり子氏(現・自民党参院議員)も旧統一教会の関連新聞「世界日報」の紙面に再三登場する一方、事務所のニュースレターには日本会議系団体が推奨する性教育批判の論文を紹介しており、双方に「配慮」していた。

 しかし、不可解なのは歴史認識では対立するはずの両者の協調関係だ。



1978年10月、日の丸はち巻姿で「元号法制化実現総決起国民大会」に参加した人たち=日本武道館で

◆不可解な協調関係

 日本会議は右派団体の連合体だが、天皇主義の宗教団体「生長の家」の元信者らが中枢を担ってきた。生長の家は1983年以降に自民党と距離を置くようになったが、元信者らの現役時代には「靖国神社の国家護持」を掲げ、「自虐史観の克服」を訴えていた。

 一方、韓国が本拠である旧統一教会は、戦前の日本のアジア侵略に対し「日本の国家的悔い改めが必要」「日本という国の存在が人類全体にとってプラスなのか?マイナスなのか?」(関連団体「全国大学連合原理研究会」の青少年問題研究報告書2005)という立場だ。

 にもかかわらず、両者の協調は長い。日本会議は97年に設立されたが、その準備過程ともいえる70年代後半の元号法制化運動では、熊本県で生長の家政治連合(生政連)と勝共連合などが協力し、法制化推進のための県民会議を結成している。

 生政連が支援母体で、総務庁長官を務めた自民党議員、玉置和郎氏は勝共連合の顧問でもあった。

 この協調関係は右派系文化人らの動きからも明らかだ。日本会議と関係する大学教授らは同教会系の団体「世界戦略総合研究所」でしばしば講演していた。彼らは同教会の関連団体「世界平和教授アカデミー」の機関誌にも執筆している。
◆右翼陣営の一部を激怒させた「事件」

 では、日本の右派や民族派はこぞって、こうした旧統一教会側との関係を持っていたのだろうか。必ずしもそうではない。

 勝共連合設立に向け、旧統一教会創立者の文鮮明氏と笹川良一氏、白井為雄氏(児玉誉士夫氏の代理)、畑時夫氏ら右翼の実力者らは67年、山梨県本栖湖畔で会合を開いたが、赤尾敏氏(大日本愛国党総裁)らは呼ばれなかった。

 赤尾氏はその後、週刊誌で「あんなの(勝共連合)反動的ブルジョア反共運動だ。(略)現体制の擁護じゃないか」と批判した。

 さらに右翼陣営の一部を激怒させる事件が起きた。世界日報元編集長の副島嘉和氏と元幹部の井上博明氏が月刊「文芸春秋」84年7月号に執筆した旧統一教会の内部告発である。副島氏らは編集方針の違いから解任され、同教会からも脱会していた。



旧統一教会の関連団体「勝共連合」の活発な活動ぶり=1970年、東京・赤坂の勝共連合事務所で

 記事の中で、副島氏らは旧統一教会には文鮮明氏と家族を前に主要国の元首たちがひざまずく儀式があり、天皇陛下の役を日本の旧統一教会会長が担っていると暴露した。この記事が出版される直前、副島氏は何者かに刃物で襲われ、重体に陥っている。

 事件後、民族派団体「一水会」の代表だった鈴木邦男氏は「『彼らは反共だから味方ではないか』と言っていた右翼の人々も、これを読んだら、とてもそんなことはいえないはずだ。実際、『許せない』『こんな反日集団は敵だ』と激高していた人が多くいた。僕としても前から、その性格は漠然と知っていたが(略)愕然がくぜんとする思いだった」と週刊誌に寄稿している。

◆カネと動員力の「血盟」

 だが、そうした批判が後に日本会議を設立する人びとに響くことはなかった。

 それはなぜなのか。

 ある右翼関係者は「日本会議を切り回す生長の家の元信者と原理研は『戦友』だから」と説明した。

 60年代末に学園闘争が盛んだった時代、長崎大などで民族派学生運動を担っていた元信者らと旧統一教会の学生(原理研)らは全共闘系の学生らとの衝突で、ともに闘った間柄だった。その「血盟」が続いているという解釈だ。

 一方、一水会の現代表である木村三浩氏は「勝共はカネも動員力もある。そして『反左翼』でとりあえず共闘する。同床異夢でも、安倍政権を支えることで一致していた」と話す。いわば、打算による野合だ。

 加えて「勝共の初代会長は立正佼成会出身の人物。『日本の統一教会と韓国のそれとは違う』と説明した可能性がある」と語る。

 実益のための利用だとすれば、自民党などの一部議員たちが、選挙などに無償で提供される労働力ほしさから、旧統一教会と関係を結んだことと大差はない。

◆協調関係をどう正当化? 沈黙する右派文化人

 しかし、教会側にも利用する意図がある。相手が議員の場合、官憲からの組織防衛とともに、政策面への影響も狙ってきた。旧統一教会の月刊誌「世界家庭」(2017年3月号)には関連団体の総会長が活動方針の一つとして「議員教育の推進」を掲げている。

 「こちら特報部」が指摘したように、少なくとも自民党の改憲たたき台案(18年)は、その前年に勝共連合が公開した改憲案と内容がほぼ一致している。

 日本人信者を食い物にした資金が、旧統一教会から北朝鮮の現体制に流れていた構図がある。旧統一教会の教典「原理講論」では、朝鮮半島における日本帝国主義の「虐殺」「殺戮さつりく」が説かれている。反共で一致するにせよ、旧統一教会との協調を日本会議などはどう正当化するのか。

 旧統一教会問題が再燃して以来、日本会議系の右派文化人らは総じて口を閉ざしている。そうした沈黙自体が旧統一教会による右派工作の産物の一つといえそうだ。

◆デスクメモ

 原理講論は、旧統一教会の会員向けホームページで読める。それによれば、「日本はサタン側の国家」で「あらゆる民族はこの祖国語(韓国語)を使用せざるを得なくなる」のだという。こんな教団側と共闘してきた右派が、他者を「反日」だと攻撃する資格は全くないと思うのだが。(歩)

https://www.tokyo-np.co.jp/article/196569
旧統一教会と日本会議、「野合」の運動史…歴史認識が対立しても「とりあえず共闘」の打算

2022年8月18日 16時00分




https://www.tokyo-np.co.jp/article/196366
旧統一教会系と歩んだ安倍氏「3代」…スパイ防止法を巡る歴史から闇を読み解く 2022年8月17日 06時00分東京新聞


https://www.tokyo-np.co.jp/article/196366
旧統一教会系と歩んだ安倍氏「3代」…スパイ防止法を巡る歴史から闇を読み解く 2022年8月17日 06時00分東京新聞

岸信介氏と安倍晋太郎氏の訃報を伝える国際勝共連合の機関紙「思想新聞」のコピー

 日本のトップだった信介氏、韓国発祥の教団の流れをくむ勝共連合。スパイ防止法を求めたのはなぜか。

 「根本的にはCIA(米中央情報局)」と話し始めたのは、御年89歳の政治評論家、森田実さんだ。「アメリカの政策は今も昔も変わらない。反共で韓国と日本の手を結ばせ、アジアを分断しながら戦いを挑ませる手法だ」

 信介氏は「米共和党に最も近い人物」といい、旧ソ連と向き合う上で「日本の関連法制では整備が不十分という米側の意向をくもうとした」。勝共連合の方は「権力や金のために日本に食い込むには米側に取り入るのが一番早かった」。

◆晋太郎氏「自信たっぷりの笑顔で…」

 スパイ防止法を巡り、勝共連合と共同歩調を取ったのは晋太郎氏もだった。

 85年6月に自民党議員が法案を提出した時には外相で、このころの参院外務委員会では「審議について関心を持っている。そういう方向を打ち出すことも理解できる」と踏み込んだ。

 思想新聞を読むと、勝共連合関連の会合に党代表や来賓として再三参加しており、「自信たっぷりの笑顔で『スパイ防止法成立に積極的に取り組みたい』と述べました」と報じられた。

 その晋太郎氏は韓国と深い縁を持っていたようだ。

 「安倍三代」の著者でジャーナリストの青木理氏によると、晋太郎氏の地元、山口県下関市は古くから朝鮮半島との交流の要衝だった。釜山行きのフェリーが行き交い、今も韓国との玄関口。在日コリアンが多く暮らし、地元の有力な韓国系の実業家も晋太郎氏を支援してきた。
◆全ては朝鮮半島との関係の中に

 青木氏は「勝共連合の結び付きと土地柄は切り離して考えるべきだ」と念押ししつつ、「時代背景もあり、反共というイデオロギーを核に岸さんと旧統一教会が結び付き、晋太郎氏もそのまま引き継いだ事実は間違いない。戦前から戦中、戦後に続く朝鮮半島との関係の中に全てはある」と指摘する。

 晋太郎氏は1991年に亡くなった。信介氏の時と同じように、思想新聞は1面で評伝を掲載した。やはり、この言葉で悼んだ。

 「安倍氏はまた、故岸信介元首相や福田元首相と同様、陰に陽に本連合に対し支援、助言を行ってきた」

 85年提案のスパイ防止法案は野党の強い反発などもあり、このころに成立することはなかった。

 「世界情勢は成立へと推し進める流れになかった」。政治評論家の小林吉弥氏はそう話す。冷戦の終結や旧ソ連の崩壊があり「急いで成立させる必要性は薄れた」。信介氏が87年、晋太郎氏も91年と相次いで亡くなり、旗振り役が消えたのも一因という。

 晋太郎氏に関しては、力を振るいにくい状況もあった。「外相こそ務めたが、当時首相だった中曽根康弘氏とは党総裁選で競った間。田中派に担がれた中曽根政権で、福田派の晋太郎氏はさほど重きを置かれず、政権中枢と距離があった」(小林氏)

◆晋三氏の登場と「特定秘密保護法」

 晋太郎氏の死から15年たった2006年、晋三氏は首相に就いた。思想新聞はここぞとばかりに「スパイ防止法制定急げ」「法の再上程を」と必要性を訴える見出しを付けた。



国会議事堂前で特定秘密保護法に反対した人たち=2013年12月

 安倍晋三政権は07年、海上自衛隊の情報流出疑惑を機に、「軍事情報包括保護協定(GSOMIA)」を米国と結んだ。米国と協定を交わした国が秘密軍事情報を共有する際、米国と同レベルの秘密保護が求められる。

 短命の第1次政権後、晋三氏は12年末に返り咲いた。翌13年7月の参院選で衆参ねじれ国会が解消したのを受け、力に任せた政権運営を展開。衆参両院で採決を強行して成立させたのが「特定秘密保護法」だ。

 防衛や外交の機密情報の漏洩ろうえいを厳罰化する同法は当時、スパイ防止法との類似点が指摘された。知る権利を侵す危うさをはらむが、思想新聞は「安保体制が大きく前進した」と持ち上げた。その一方、諜報ちょうほう活動をより強く取り締まる内容を盛り込んだスパイ防止法を制定するよう促した。

◆「教団系は自民党のいたるところに」

 「晋三氏が秘密保護法を成立させたがったのは祖父、信介氏への思いの強さ、教団との関係性からかもしれない」

 旧統一教会に詳しいジャーナリストの鈴木エイト氏はそう推し量る。

 ただ、教団と必ずしも考えが完全一致していないとも。「秘密保護法は政府が探られたくないことを追及されないようにした。一方、教団がスパイ防止法で求めるのはより踏み込んだ内容。両者の関係はまだ分からないことが多い。さらなる解明が必要だ」と語る。

 名古屋学院大の飯島滋明教授(憲法学)は、晋三氏が対米関係を考え、秘密保護法制定に動いたとみる。「スパイ防止法も秘密保護法も、政府による情報隠しを可能にし、戦争できる国づくりのための法。一気に進めると反発が大きいので、規制できる言動の範囲が限られる秘密保護法を足掛かりとしたのだろう」

 共同歩調が浮き彫りになった安倍家と教団系の過去。右派色の強い教団と一国の首相との関わりに、飯島氏は警鐘を鳴らす。

 「スパイ防止法が制定されれば、情報の入手はさらに制約される。基地監視はスパイ活動とされ、反基地運動が抑え込まれかねない。教団は自民党のいたるところに食い込んでいる。たださなければ、過去と似た動きが繰り返される」

◆デスクメモ

 陰に陽に勝共連合を支援したという晋太郎氏。死去から2年後、同じ山口県の選挙区から立候補したのが晋三氏だ。東京育ちで、選挙区との関わりは希薄。初当選を支えたのは父と縁深い面々だろう。では、勝共連合はどうか。恩返しのごとく、陰に陽に動いたのか。どうにも気になる。(榊)

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https://www.tokyo-np.co.jp/article/196366
旧統一教会系と歩んだ安倍氏「3代」…スパイ防止法を巡る歴史から闇を読み解く 2022年8月17日 06時00分東京新聞


https://www.tokyo-np.co.jp/article/243299
旧統一教会系団体が学術会議を「反体制的」「解散せよ」と痛烈批判 その背景とは 2023年4月11日 11時30分

日本学術会議法の改定案が今国会にも提案される。人選の方法を改めようとする現首相の岸田文雄氏、一つ前の菅義偉氏は学術会議のあり方を疑問視し、時に「目の敵」にしたようにも見える。背景は一体、何なのか。そんな問題意識から取材を進めると、「お家芸」のように古くから学術会議を痛烈に批判した組織が浮かび上がった。この「接点」をどう考えるべきか。(木原育子、中山岳)

◆改定案は「あからさまな介入」

 5日にあった内閣府と日本学術会議の面談。会議側から批判が続出した。「不透明でブラックボックス」「監視のための法改正だ」

 内閣府から説明を受けたのが現政権が新設を目指す「選考諮問委員会(仮称)」。学術会議の会員選考に関わる「第三者組織」だ。

 国主導で人事制度が変わりかねない状況に対し、長く学術会議の会員や連携会員を務めてきた宗教学者の島薗進氏は「あからさまな介入。政府や財界などが委員任命に関与しようとすれば、政府や与党、特定のグループの意向に従うような組織になる」と危ぶむ。

 今は学術会議側が会員候補を選考した上、推薦を受けた首相が任命している。諮問委が新設されると、そのメンバーは学術会議の会長が選ぶ一方、会員候補の選考時に諮問委の意見を聞き、その意見を「尊重しなければならない」とする。

 内閣府の児玉泰明参事官は「学術会議は国費でまかなう国の機関。選考過程の透明化は必要だ」と語る。

 一つ前の菅政権も学術会議の人事に「介入」した。

 2020年9月、学術会議から推薦を受けた会員候補6人の任命を拒否した。過去の国会では、政府側が「推薦された者をそのまま会員として任命する」と答弁したにもかかわらずだ。

 ただ、近年の政権の思惑はいまひとつ分からない。菅氏に至っては真意を問われても「総合的、俯瞰ふかん的活動を確保する観点から」と曖昧な言葉を繰り返した。

◆面白くない存在 右派結束の引き金

 そんな中で、気になる動きを見せていたのが、世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の関連団体、国際勝共連合だ。

 機関紙「思想新聞」の1985年8月25日付では「蝕むしばまれる『日本学術会議』」「反体制的」と記し、「早く潰つぶしてしまうことが肝要だ」という関係者コメントも掲載。同年9月1日付では「こんなにある! 学術会議の左向き勧告等」と伝えた。

 近年でも菅氏の任命拒否が表沙汰になると、サイト上で「『白い巨塔』ばり不透明な会員推薦」(2020年10月19日付)、「解散せよ」(21年1月18日付)とたたみかけた。

 痛烈な批判の背景について、ジャーナリストの鈴木エイト氏は「教団側は世界平和教授アカデミーという組織で文化人を取り込んだが、なびかなかったのが学術会議の人たち。面白くない存在だった」と推し量り「菅さんの任命拒否と連動する形で、歩調を合わせたのだろう」と続ける。

 学術会議批判にどれだけ力を注いだか、最近の政権にどう影響したか。勝共連合に尋ねたが、10日夕までに回答が得られなかった。

 これらの点に関しては、慎重な見方もある。前出の島薗氏は「教団側の政治活動のテーマは60〜80年代は反共。冷戦崩壊後、伝統的家族観に政治工作の軸足は移ってきた」と語る。

 一方で「日本社会は今も反共、反左翼の思想が根強く、何か引き金があると右派系団体も含めて結束しやすい。その一角として教団側の存在感は小さくなかった」と指摘する。

◆自民党 半世紀も前からの「お家芸」

 過去の文書をたどると、学術会議に痛烈な批判をしてきた別の組織も浮かぶ。それは自民党だ。

 国会の議事録によると、冷戦下の1960年には科学技術庁長官だった中曽根康弘氏の姿勢が問題視された。岡良一衆院議員(日本社会党)は、日本とソ連の科学技術交流を要望している学術会議の科学者を中曽根氏が「アカ呼ばわり」したとして追及した。66年には一部の自民議員が学術会議を「左翼に偏向」と見ているとして、別の野党議員がただした。



1971年の「自由新報」のコピー

 「学術会議たたき」がより鮮明だったのは、自民党機関紙「自由新報」(現自由民主)。71年4月27日付の1面トップでは「科学なき”赤い巨塔”学術会議」との見出しで批判記事を載せた。69年に大学紛争の沈静化を狙った関連法が成立した際、学術会議が大学の自主性尊重を訴えたことに触れて「反体制、反政府の姿勢から、事あるごとに”反対声明”をつづけてきた」と主張。日本共産党シンパの会員が増えているとし、「名ばかりの政治集団」「イデオロギー一辺倒」「”存在価値ない”」と報じた。

 自民が機関紙で大々的な批判を展開した背景について、政治ジャーナリストの野上忠興氏は「自民を支持する岩盤保守層を意識しているからだ」と説く。

 学術会議は49年の発足時から「戦争非協力」を掲げ、軍事目的の研究からは距離を置いた。原子力分野では54年、平和利用に徹するとして「公開・民主・自主」の三原則を唱えた。

 折に触れて出す提言には、自民党政権の痛いところをついたものも少なくないと野上氏は指摘。「自民にとっては、何かと異論を挟む目障りな存在という感覚もあるのではないか」

◆軍事研究に距離 気に入らず

 学術会議を煙たがり「異論封じ」を唱えるような論調は、その後も出てくる。

 80年、自民の中山太郎参院議員は自著で「左翼的なイデオロギーに偏向した会員に牛耳られている」などとし、「この体質的欠陥はすべて、その会員公選制、つまり選挙方法に起因している」と書いた。

 中山氏は同年7月に総理府(現内閣府)総務長官に就任。翌81年に学術会議の運営をやり玉にあげた。国際会議に会員外の研究者を多く派遣しているとし、会員選考を含めた「改革」を唱えた。83年11月には、日本学術会議法の改定法案が成立。公選制から推薦制になった。

 こうした経緯について、東北大の井原聡名誉教授(科学技術史)は「自民党政権は学術会議を何とかコントロールしようと画策してきた。推薦制の会員選考でも近年は、政権が選びやすいように多くの候補を学術会議に求め、水面下で駆け引きしてきている」と見解を語る。



2021年9月、自民党総裁選後に健闘をたたえ合う菅義偉氏(左)と岸田文雄首相=都内のホテルで

 そもそも自民党には、軍事研究を含めて産業に活用できる科学技術政策を進める意向が根強いという。

 「すぐ役立たない研究は気に入らず、協力しない姿勢を左翼的だと攻撃するのは、自民党内で文化のように醸成されてきた」

 最近の菅氏、岸田氏の動きも、学術会議をできるだけ意に沿わせたいという自民の「お家芸」だとして、警鐘を鳴らす。

 「学術会議が目指すのは真理の探究と、その成果が人類の福祉に役立つことだ。政府の言いなりになることではない。世界的に見ても科学者が集まるアカデミーは、政府から独立性を保つことが重要とされる。学術会議の人選に諮問委を導入すれば、批判的精神が細り、科学の正しい発展を阻害しかねない。時の自民党政権がたびたび介入しようとした歴史も踏まえ、慎重に考えるべきだ」

◆デスクメモ

 自民の機関紙が学術会議を「科学なき”赤い巨塔”」と評したのが1971年。約50年後、勝共連合が「『白い巨塔』ばり」と記した。似た表現は書き手の世代的なものからか。「知る人ぞ知る批判」を踏襲したからか。時を超えた共鳴を思わせる状況。こちらも気になって仕方ない。(榊)

https://www.tokyo-np.co.jp/article/243299

旧統一教会系団体が学術会議を「反体制的」「解散せよ」と痛烈批判 その背景とは

2023年4月11日 11時30分
2023/4/8ENCOUNT
「若者よ、選挙に行くな」CMを支持する2023/4/12DIAMOND


「若者よ、選挙に行くな」CMを支持する2023/4/12DIAMOND


「若者よ、選挙に行くな」CMを支持する2023/4/12DIAMOND


名古屋では維新との関係解消した減税日本が維新に勝利、維新止めれた。
投票先間違ってないと思いますよ。希望持ちましょう。

2023/4/10CBC


2023/4/10CBC