不適切にもほどがあった川勝知事~権力に弱すぎるNHK大手町の片隅から 乾正人2024/4/5 10:00.<主張>中国人教授不明 学問の自由を脅かすのか社説2024/4/26 05:00 オピニオン 主張中国軍が生物兵器開発か 海洋生物毒素研究、条約順守確認できずと米が懸念表明2024/4/26 09:46産経新聞PDF魚拓



人間という生き物は、なかなか生まれ変われないものだ。

辞意を表明した川勝平太静岡県知事は3年前の11月、不適切発言をめぐって県議会で辞職勧告決議が採択された直後、「猛省する。来年は生まれ変わると富士山に誓った」と語ったが、やはり生まれ変われなかった。このとき知事は、参院補選の応援で、対立候補の地盤である御殿場市について、「コシヒカリしかない」とやって県民の顰蹙(ひんしゅく)を買っていた。今回は、「毎日毎日、野菜を売ったり、牛の世話をしたり、モノを作ったりとかとは違い、基本的に皆様方は頭脳、知性の高い方たち」と、県の新人職員を持ち上げた。

権力に弱すぎるNHK

どこをどう読んでも職業差別発言だが、ご本人はそう思わなかったようだ。2日夕、知事の発言に怒った県民らから抗議の電話が県庁に殺到したことについてこう語った。

「それは読売新聞のせいだと思っています」

少し解説が必要だろう。知事の発言は、1日に行われた県の新規採用職員に対する訓示で飛び出した(このとき小紙記者は別の取材で立ち会っていない)。

普通の報道機関なら、知事の発言を問題視して即、記事にするところだが、地元の静岡新聞やNHKはそうはしなかった。

リニア中央新幹線建設を妨害してきた川勝知事を紙面で強く「支持」してきた静岡新聞が、「いつもの川勝節だ」と黙殺するのもあり得るだろう(「報道しない自由」もあるからね)が、国民の受信料で成り立っている「皆様のNHK」が、知事に忖度(そんたく)してどうするのか。

1日午後7時8分に配信されたNHKのネット記事では、「川勝知事 新人職員を前に能登半島地震などを踏まえて訓示」という見出しで、知事の訓示をかなり詳しく紹介しているが、「牛の世話」のくだりは、一字も載っていない。

川勝発言が炎上したのは、読売新聞が2日午前にネットで配信してから。小紙も知事発言の全容をつかみ、午前中から産経ニュースで報じた。NHKが本格的に知事発言を報じたのは、知事が辞意を表明してからだった。まあ、毎度のこととは言いながら、NHKは権力に弱すぎる。しかもその権力者が、地位を離れることがはっきりすると、徹底的に叩(たた)く。このような報道を続けるなら受信料制度をやめて「国営放送」にした方が、よほどすっきりする。

「自分の責任果たした」

それにしてもリニア中央新幹線建設をめぐる彼の抵抗ぶりは、常軌を逸していた。4期15年に及んだ川勝県政に、日本全体が振り回された。

JR東海が、令和9年の開業断念を正式に表明したのを見届けた彼は、立憲民主党の渡辺周衆院議員に「自分の責任は果たした」と述べた。リニア中央新幹線の開業を大幅に遅らせることが、自らの使命と考えていたのである。

彼は若いころ、「農村が都市を包囲する」毛沢東理論に傾倒し、知事に就任後も中国の習近平国家主席が唱える「一帯一路」構想に諸手(もろて)を挙げて賛成している。このような人物を4回も知事選で当選させた県民の責任は大きい。次の知事選こそは人物を見極めて投票していただきたい。(コラムニスト)

不適切にもほどがあった川勝知事~権力に弱すぎるNHK

大手町の片隅から 乾正人

2024/4/5 10:00

乾 正人オピニオン
コラム






人権侵害の恐れだけではない。日本の学問の自由が脅かされていると強く懸念する。

亜細亜大の范雲濤教授=中国籍=が一時帰国後、1年以上も所在が分からなくなっている。中国当局に拘束されている可能性があり、林芳正官房長官は22日の記者会見で「人権にかかり得る事案で、関心を持って注視している」と述べた。

神戸学院大の胡士雲教授も昨年夏から中国で行方不明になっている。ほかにも日本の大学に所属する中国人研究者が一時帰国中に拘束されたり、失踪したりするケースが複数ある。放置できない問題である。

中国は事実関係を明らかにし、拘束しているなら直ちに自由の身にしなければならない。日本政府は事態を注視するにとどまらず、安否確認や解放を強く申し入れるべきだ。

范教授は国際法や政治学が専門で、令和5年2月、実家のある上海に一時帰国した。同年4月には日本に戻る予定だったが、消息を絶ってしまった。現在も日本にいる家族と連絡が取れていない。范教授は行方不明になる前、「当局者に同行を求められ、尋問を受けた」と周囲に話していた。

中国外務省の汪文斌報道官は22日の会見で、范教授の失踪について「関連する状況を把握していない」と述べたが、疑念は深まるばかりだ。

中国で2014年に反スパイ法が施行されて以降、日本から一時帰国する中国人研究者の拘束が相次いでいる。8年前には法政大教授(当時)が一時拘束された。5年前には北海道教育大教授(同)も拘束され、その後スパイ罪で起訴された。

さらに中国は昨年7月に改正反スパイ法を施行し、摘発を強化した。中国籍であっても日本で活動する研究者らを不当に拘束することは、日本の学問の自由を踏みにじるものである。政府は、彼らが日本で自由に学問や研究ができるよう中国に要求すべきだ。

<主張>中国人教授不明 学問の自由を脅かすのか

社説

2024/4/26 05:00オピニオン
主張








米国務省は、中国人民解放軍が軍民両面で利用可能な海洋生物の毒素に関する研究を進めており、生物兵器禁止条約(BWC)を順守しているかどうか確認できないと懸念を表明した。今月中旬に発表した軍備管理に関する年次報告書で指摘した。

ブリンケン国務長官は中国の王毅外相との26日の会談で、条約履行を求める可能性がある。

国務省によると、中国は生物兵器の開発につながる可能性がある活動を継続。猛毒リシンやボツリヌス菌、炭疽(たんそ)菌などの兵器化を進めていると報じられているが、BWC締約国として国連に提出している報告書には、こうした活動を記していないと問題視した。(共同)

https://www.sankei.com/article/20240426-NLDS3AOJYFMGPA5FUF4EXHM6GM/