親が養育できない子を匿名で託せる慈恵病院(熊本市西区)の「こうのとりのゆりかご(赤ちゃんポスト)」について、熊本市は29日、2023年度に9人が預けられたと発表した。22年度と同数で、07年の開設以降、累計179人となった。
慈恵病院
市によると、内訳は男児4人と女児5人。生後1か月未満の新生児が7人、乳児と生後1年以上の未就学児が各1人だった。出産場所は4人が自宅、3人が医療機関、2人は不明。2人は預け入れ後に父母らが引き取った。5人は身元情報がなく、市が戸籍を作った。
ゆりかごを巡っては、子どもが出自を知る権利をどう保障するかが議論になっている。病院と市は昨年5月に検討会を設置。年内に報告書をまとめる予定。
慈恵病院では、病院以外に身元を明かさずに出産できる「内密出産」も導入しており、21年12月からの約2年間で21人が利用したことが明らかになっている。