岸田政権が閣議決定した敵基地攻撃を可能にする「安保3文書」の危険な狙いや目的を学ぼうとジャーナリストの布施祐仁氏を講師に招いた緊急学習会が1月14日、京都市内で開かれました。
主催したのは「9条改憲NO! 全国市民アクション・京都」。
布施氏は、安保3文書には「我が国の防衛力の抜本的強化は、米国の能力のより効果的な発揮にもつながる」とあり、目的は「米国の戦略に沿って米国の覇権を守ることだ」と指摘。米国は中国を見据えて、「同盟国と共にミサイルによる精密打撃ネットワークの構築」を掲げており、これに沿って日本の「防衛力強化」の中心がミサイル戦略となっていると述べました。
台湾有事を想定したミサイル戦略による日本への影響について、「アメリカが攻撃を受け、日本が中距離ミサイルで反撃するということが最も高い危険性」と指摘。「米国と日本は同じリスクではない。戦争となれば、戦場となるのは日本だ」と述べました。
台湾有事「日米一体の軍拡では緊張激化。平和憲法生かし戦争予防する外交こそ」
その上で、台湾有事が実際に起きるのか、冷静な議論が必要と強調。中国の台湾に対する方針は「平和統一」で、台湾も「独立国家を宣言する必要はない」としていることや、米中のトップも「両国間が衝突に向かわないようにする」(バイデン大統領)、「相互尊重と平和共存」(習近平国家主席)と述べていることを紹介しました。
一方、米中両国とも相手より強い軍事力を持つことを追求していることを上げ、日本が必要なのは、米国と一体となった軍拡ではないと指摘。台湾有事をあおる自民党の一部政治家を批判しました。「重要なのは緊張を高めないこと。一国では無理だが、平和憲法を生かし、ASEAN(東南アジア諸国連合)と力を合わせて米中戦争を予防する外交を進めることだ。そうなれば日本とアジア・世界の未来は大きく変わるだろう」と訴えました。