イスラム土葬墓地の日出町長選、当選の安部氏「住民は声上げられなかった」「計画止める」「移民」と日本人2024/8/26 19:00PDF魚拓


25日投開票された大分県日出(ひじ)町長選で、現職にダブルスコアに近い大差をつけて圧勝した安部徹也氏(56)が26日、産経新聞の取材に応じ、町内で進行中の大規模イスラム系土葬墓地建設計画について「住民はこれまで声を上げられなかったが、選挙で民意が示された」と語った。安部氏は町有地の売却手続きに問題があるとして、「売却を止めることで、計画にストップをかけたい」と述べた。



安部徹也氏(本人提供)

安部氏は、遊説中に有権者から墓地計画について何度も尋ねられたといい、「メディアがなかなかこの問題について報道してくれなかったが、町民の声からは手応えを感じていた」という。

選挙戦では、現職で3選を目指した本田博文氏(71)の4474票に対し、安部氏は2倍近い8037票を得て初当選。地元メディアが問題をほとんど争点化せず、「外国人を差別している」ともとられかねないテーマでもあるため、住民の間にも墓地問題について発言しにくい雰囲気もあった。

「町長が独断で進めていこうとする中で、住民としてはなかなか表だって声を上げられないという側面もあったと思う。この選挙で民主主義を取り戻せた」と振り返った。

町内では同県別府市のイスラム系宗教法人が、町有地約5千平方メートルを購入し土葬墓地79区画の建設を計画。本田氏が計画を容認し、議会でも「町民に意見を聞くことは考えていない」と答弁する一方で、安部氏は「将来的なリスクがある」として断固反対を訴えていた。

町によると、計画は現在、町有地の売却準備が進んでおり、今後は町と宗教法人が売買契約を締結。その後、同法人が建設の許可申請をする流れとなっており、許可申請には町有地の売却が前提となる。

しかし、安部氏は「今回のプロセスには、法律や条例上の問題があると考えている。弁護士と相談し、売却にストップをかけたい。売却されなければ、許可も出ない。計画は止まる」と語った。

また、「選挙戦の最後には、ネット上で『安部さんを当選させよう』という投稿が拡散され、大きな波となっていた。日出町、ひいては日本の将来のためにも、絶対に負けるわけにはいかなかった」と述べた。

安部氏は昭和42年、日出町生まれ。太陽神戸三井銀行(当時)勤務後、経営コンサルタントを開業。平成30年の町議選で初当選し、2期目の途中で町長選に出馬した。

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「移民」と日本人

2024/8/26 19:00