【弁護団声明】東京都に対する住民監査請求結果について2023年1月4日一般社団法人Colabo及び同代表理事仁藤夢乃代理人弁護団PDF魚拓


【弁護団声明】東京都に対する住民監査請求結果について

2023年1月4日

一般社団法人Colabo及び同代表理事仁藤夢乃代理人弁護団



第1 はじめに

1. 2023年1月4日、「東京都若年被害女性等支援事業について当該事業の受託者の会計報告に不正があるとして、当該報告について監査を求める住民監査請求監査結果」が東京都から公表されました。

 これは、書面上は「法人A」と表記され固有名詞は省略されていますが、Colaboが東京都から受託した若年被害女性等支援事業の会計報告について「不正」があるとして、現在Colaboが名誉毀損に関して訴訟を提起した相手方(ここでは個人をあげつらうのが目的ではないので、以下「監査請求人」とします)が東京都に対して請求していた住民監査請求の結論です。


2. この住民監査請求では監査請求人によって 「違法・不当な公金の支出等があるのではないか」「不当利得金の返還請求及び契約の取消等の然るべき措置を執るべきではないか」と多くの「疑問」が提起され、これに関連して、当該請求の中のみならずネット上でも、Colaboに対して激しい非難攻撃が向けられてきました。

 しかし、後にご説明するとおり、そのほとんどは監査委員によって適切に退けられるに至りました。すなわち、本件監査においては、なんら違法行為は確認されず、監査請求人が主張した事実のほとんどは認定されませんでした。
 一部について「不当」との指摘がなされましたが、後述する通りこれも、都の明示の指針にColaboが従っていなかったと認定されたわけでもなくより透明性の高い行政に向けた、担当部局に対する改善の指摘というべきものにすぎません。


 また、Colaboは、2022年11月29日記者会見の際に公表した 「Colabo及び仁藤夢乃さんに対する誹謗中傷等について」  含め5通の書面を公表し、Colaboに対する誹謗中傷が事実に基づかないデマであるということを説明してきました(Colaboホームページ 掲載)が、監査結果は、これらの書面に記載したColaboのいずれの説明内容とも合致する内容であり、従前のColaboの説明の正しさが監査結果によっても裏付けられたと捉えています。
   
 私たちは、監査請求人の主張の大半を退けた今回の監査結果について、会計書類を確認した上で事実に基づく的確な調査が行われたものと捉えています。 



 監査結果は都の正式公表前に監査請求人に送付され、監査請求人がそれを自身のSNSでコメント付きで公開(有料)したことにより、年末年始期間には既に一部には監査結果を見たとする声がSNSに流れました。

 しかし、その多くは、監査請求人が主張する事実はほとんど認定されなかったこと、すなわち監査請求人が昨年秋頃以降SNS上で流してきた、「医療費不正」「車両費不正」「報告書の不備」等の数々の誹謗中傷が事実ではないことが監査により確認されたということを無視しているなど、事案への正確な理解を欠いているといわざるを得ません。なかには、監査決定書の中で引用されている監査請求人の主張部分をそのまま監査結果であると誤読し、「監査請求人の主張がそのまま認められた」と思い込んでいるようなものさえも散見されました。



3. 念のため、今回話題となった若年被害女性等支援事業について、あらかじめ経緯をご説明しておきます。

 Colaboは従来から自らの事業として、アウトリーチ支援、居場所確保、公的機関や施設との連携などを行ってきました。平成30年以降、国および自治体の事業として「若年被害女性等支援事業」が開始されましたが、これはもともとColaboなど民間団体の活動に着目して政策として取り入れられたという経緯があります。(このため、Colaboが従来から行ってきた事業と若年被害女性等支援事業とは性質的にどうしても重なる部分があることはご承知おきください。)

 この若年被害女性等支援事業について、Colaboは都と委託契約を締結し、「都が本来自ら行う事業を、Colaboが都から委託を受け実施する」という形式で行ってきたものです。



4. Colaboとしては一定の基準に基づいて予算を申請し、事業の実施のために予算を超えた支出をした場合でも予算の枠を上限として報告し精算してきました。予算を申請した際の予測と実際の状況とでは必然的に一致しないことから、予算の枠内で実際の支出項目を相互に変更することは、事業の性質上、やむを得ないことと認識して対応しています。

 このたびの監査請求にあたって、Colaboは都の福祉保健局および監査事務局による調査に対応し、領収書等についても個別の確認を受け、事実に沿って説明を行ってきました。

 このような経緯を経たうえで、今般の監査結果が公表されたものと理解しています。



  以下、Colaboとしてこの監査結果について見解を申し上げます。



第2 各論点について

1. ホテルの宿泊費についての不正が否定されたこと(18頁) 

 令和3年度にホテルの宿泊費の予算を300万円(1泊1万円として300泊を想定)として、実際にその予算以上の支出となったので300万円の予算を使い切りました(一時保護対象者の宿泊支援数は232泊)。

 この点について監査請求人は、「実際の宿泊数は300泊ではなく232泊だったのに、300万円を受け取っている。1泊1万円が上限だから請求できるのは232万円のはずだ。つまり68泊分を不正に過剰請求している」と主張していましたが、このような主張は監査委員によって「請求人の主張は妥当でない」として退けられました。

 実際、1泊1万円というのはあくまで予算作成の際の目安でしかなく、実際に1泊ごとに1万円という上限が決められていたわけではないこと(1泊1万円を超えた場合もある)、保護対象者以外にスタッフが付き添って宿泊する必要もあることから、これは妥当な結論です。

 Colaboが、Colabo及び仁藤夢乃さんに対する誹謗中傷等について (Q6) 及び 12/1補足説明 (4項)において説明していた通りの事実を監査委員が認定したということになります。



2. 車両関連費についての不正が否定されたこと(19頁) 

 監査請求人は、タイヤ関係などについて不正請求があるとか、賃料月6万円の駐車場を3ヶ月だけ契約する予算を申請したのは選挙運動のためではないか等という主張をしていましたが、このような主張は監査委員によって「請求人の主張は妥当でない」として退けられました。

 なお月6万円の駐車場3ヶ月分については、予算の段階では確かに想定していましたが、結果としては契約・使用には至らず、予算の枠内で車両関連の別な必要経費に支出しています。

 もちろん「選挙運動のために公金を使って駐車場を借りた」などというのは、いわれのない誹謗中傷に他なりません。

 Colaboが、Colabo及び仁藤夢乃さんに対する誹謗中傷等について (Q5)、12/1補足説明 (6項) 、補足説明2(2項) において説明していた通りの事実を監査委員が認定したということになります。



3. 旅費交通費についての不正が否定されたこと(19頁)

 監査請求人はガソリン代が過剰請求になっているという主張をしていましたが、このような主張は実際の領収書等を確認した監査委員によって「試算に基づく請求人の主張は妥当でない」として退けられました。



4. 通信運搬費についての不正が否定されたこと(20頁)

 通信費について、誤記が確認されたのみで不正は認められませんでした。



5. 会議費についての不正が否定されたこと(20頁)

 監査請求人は、予算として請求して使用した会議費が活動報告書の当該項目よりも多額になっていることから、不正請求だと主張していましたが、このような主張は実際の領収書等を確認した監査委員によって「請求人の主張は妥当でない」として退けられました。



6. 各種保険についての不正が否定されたこと(20頁)

 監査請求人は、予算として請求して使用した法定福利費(各種保険)が活動報告書の当該項目よりも多額になっていることから、不正請求だと主張していましたが、このような主張は実際の領収書等を確認した監査委員によって「過大申告とする請求人の主張は妥当でない」として退けられました。



7. 医療費についての不正が否定されたこと(20頁)

 監査請求人は、Colaboの活動報告書で医療費について医療機関から支援を受けた実績について記載していることを理由に、「支援を受けている医療費について、東京都にも請求しているのは不正請求だ」と主張していました。

 しかし、前者と後者とはあくまで別のものであり、監査請求人のこのような主張は監査委員によって「本件帳簿記録を調査したところ、本件活動報告書で支援があったとする医療費とは別の実際の医療受診費用等を経費に計上していることが確認できるため、医療費が不正に請求されたものであるとする請求人の主張は妥当でない」として退けられました。
 Colaboが、Colabo及び仁藤夢乃さんに対する誹謗中傷等について (Q4)において説明していた通りの事実を監査委員が認定したということになります。



8. 実施状況報告書についての不正が否定されたこと(21頁)

 監査請求人は、都に提出する実施状況報告書と活動報告書の各種の数値に差異があることから、実施状況報告書が不正だという主張をしていました。
 しかしこのような主張は監査委員によって「法人Aの自主事業も含む本件活動報告書と本件委託に係る都に提出した実施状況報告書との差異を述べるにとどまり、本件実施状況報告書に不正があることの合理的な疎明はなされておらず、請求人の主張は妥当でない」として退けられました。
 Colaboが、Colabo及び仁藤夢乃さんに対する誹謗中傷等について (Q13、14、16)において説明していた通りの事実を監査委員が認定したということになります。



9. 「不当」とされた事項について(22頁) 

 監査請求は「違法または不当」な公金の支出等を対象とするものですが、監査委員は、一定の事項について、以下のとおり「違法」ではなく「不当」と判断しました。

 人件費・法定福利費(税理士および社会保険労務士の経費)、領収書の取扱、事業実績額の記載、履行確認について不適切性が指摘され、また、給食費・宿泊支援費について一部、妥当性に疑義が指摘されました。また事業全般についての改善についての勧告も行われています。

 Colaboとして不正な経費の利用を行ってきたとは考えておりませんが、いずれにしてもこれらの指摘事項の具体的な詳細について今後確認したうえで、東京都に対しては、Colaboとしてこれまで行ってきた取扱のあり方について必要な説明を行い、そのうえで見直しや改善が必要ということであれば指導に従い、適切に対処していきます。

 なお、領収書の記載が抽象的であることについては、監査委員も「本事業の特性上やむを得ない事由があることは理解できる」としています。すなわち、虐待やDVから逃げてきた若年女性を保護するという本事業の特性上、その女性やスタッフの居場所の特定につながり得る情報は記載できず、このことは一般的な必要性として監査委員も認めたということです。

 公金の使途の透明性の確保と、本事業の特性に基づく一定の情報の秘匿の必要性のバランスをどのようにして適切に図るべきかは、以前から本事業遂行上の本質的かつ困難な課題であり続けています。



 Colaboが関わる若年女性は様々な困難を抱え、暴力的な加害者からの信じがたいほど執拗な追跡から逃げていることもあるので、Colaboはこのバランスにおいてはより慎重寄りに対応してきており、女性やスタッフの安全確保のために領収書の記載は必要最低限とすることが多くあります。このことが、監査委員によって「証ひょう書類としての性質上、領収書として認められるか否か疑義が生じるような領収書が含められていることは不適切である」と指摘されたと理解しています。


 Colaboとしても、もちろん、公金の使途の透明性の確保の重要性は理解しておりますので、今後このようなことについてどのようにバランスをとるべきかは都の担当部局と緊密に協議し、指導に従ってまいります。



 一方、監査において「委託事業の経費として計上するにあたり妥当性が疑われる」とされた、「一回当たりの支出が比較的高額なレストランでの食事代やホテルの宿泊代」「宿泊支援費について都外遠隔地での宿泊代が計上されている」という指摘がありましたが、これらの費用が本事業目的以外への流用などではなく、あくまでも本事業遂行のために行われたものであるということについて、以下で補足してご説明致します。これは、監査に協力する過程で、担当部署に対して説明したことでもあります。

 まず、「一回当たりの支出が比較的高額なレストランでの食事代」は、2万円以上のレストランの領収証のことを指すと思われます。高額にみえるかもしれませんが、これは大人数での食事代(ひとりあたり1750円~3400円程度で令和3年度の1年間で5回程度)でした。

 また、一人当たりの食費がそれ以上になることが3回程度ありましたが、Colaboの支援対象の女性のお祝い事をするためでした。支援事業において女性との面談等において飲食店を使う際にはファミリーレストラン等の単価の低いレストランばかりですが、この時はお祝い事のため、比較的高額となったにすぎません。たまに行うお祝い事の値段としては特段問題になるほどの金額ではないと思料しておりますし、Colaboに関わる女性たちの多くは生育環境に複雑な問題を抱えており、誕生日や進学、就職などを祝われるという経験がこれまでなかった若年女性もいます。そのようなことも踏まえると、時に、親しい人とお祝いの気持を分かち合う食事の席を経験する機会をもうけることも、重要な若年女性支援事業の一環であるとColaboは考えています。
 これについて、例えば「誕生日祝」などと書き、その情報が情報公開請求等何らかの機会に外部に知られることとなると、その日付の誕生日の女性を追跡している加害者に、Colaboが支援していることを気づかせる端緒になる危険性があり得ます。そのくらい神経をとがらせなくてはならないほどの事情を抱えた女性達とColaboは関わっているということをご理解頂ければ幸いです。



 次に「都外遠隔地の宿泊代」についてですが、これは、都外遠隔地の女性からの相談に対応するため、そこに出向いてその女性を自宅外に宿泊させる支援が必要と判断したためのものです。宿泊支援を行っている間に、状況の聞き取りや今後の生活、支援について検討を行いました。



 若年女性支援事業では、例えば都内でアウトリーチ等で出会った女性が後に都外で暮らすようになったような事例で、その後も関係性(支援)が続き、地方に出向いて相談や宿泊支援を行うこともあります。このような事例では都の委託事業の経費から支出することは差し支えないとColaboとしては判断しました。詳細な経緯を報告していれば、都の委託事業の経費として特段不当性はないと監査委員もご判断になった可能性はあると思料しています。

 今後都からどの程度の報告をすべきかの指針等示されれば、受託者としては今後担当部署と協議の上、改善方法を検討する所存です。



 そもそも、以上に述べたように、虐待やDV等困難な事情を抱える若年被害女性の支援は、事業の性質としては、本来であれば福祉行政が直接責任をもって行うべき性質のものであると考えています。それを民間事業者に委託することには、民間事業者ならではの利点もあるとも考えていますが、同時に、加害者からの追跡に対峙するようなリスクへの対処も民間事業者の責任となるという側面もあります。Colaboはそのリスクを引き受けてもなお委託業務の意義を理解したため受託者としての業務を行ってきました。しかし、このリスクへの対峙について民間事業者の負担が大きくなりすぎてしまうことでよいのかどうか、本事業を民間事業者に委託する福祉行政のありようが本質的に問われる機会ともなったと捉えています。この観点でも今後都の担当部局と協議の機会をもち、適切な業務遂行をしてまいります。
  

第3 まとめ

 以上のとおり、Colaboに対して行われてきた非難攻撃の大半は監査委員によって事実ではないことが確認され、退けられるに至りました。繰り返しになりますが、私たちは、この結果について、会計書類に基づいた的確な監査であると捉えています。

 なお一部、東京都に対して丁寧な説明を改めて行う必要がある事項や、改善が必要となる可能性のある事項もありますが、これらについては真摯に対処し、よりよい事業の遂行を目指していく所存です。



 本件の監査において、監査請求人がSNSに流してきた、Colaboに対する多くの誹謗中傷が事実ではないと認定され退けられたことから、Colaboに対する「公金の不正利用」「税金の横領」等のいわれのない誹謗中傷については、今後更に厳正な法的措置で対応する予定であり、これまで証拠の保全に努めてきたこともあわせて申し添えます。



 最後になりましたが、このように困難な状況の中でColaboを支援してくださる皆様には、改めて厚く御礼申し上げます。

以上




東京都に対する住民監査請求結果について

https://colabo-official.net/20230104/
【弁護団声明】東京都に対する住民監査請求結果について

2023年1月4日

一般社団法人Colabo及び同代表理事仁藤夢乃代理人弁護団

https://colabo-official.net/wp-content/uploads/2022/11/221129.pdf


Colabo及び仁藤夢乃さんに対する誹謗中傷等について
2022年11月29日
一般社団法人Colabo及び同代表理事仁藤夢乃弁護団
1. 誹謗中傷の現状
現在、インターネット上に、一般社団法人Colabo及び仁藤夢乃代表理事(以下「仁藤」と
いう。)についての事実無根の誹謗中傷が大量に出回り、膨大な誹謗中傷投稿が日々拡
散され続けている。誹謗中傷の主な内容は、「Colaboは東京都から事業委託を受けて委
託経費を得ているが、これを不正に使用している」というものである。しかし、このような事
実は一切存在しない。弁護団は、この極めて卑劣なデマに強く抗議する。
Colabo及び仁藤への誹謗中傷が膨大であることから、これを信じて怒りを抱いた者が
Colaboや関係者に対して電話やメールなどで攻撃的に抗議してきたり、継続されてきた寄
附や支援の辞退が続出したり、バスカフェに使用するバスの車体が何者かによって刃物
で傷つけられたり、若年女性が不安を覚えてColaboにつながることを躊躇してしまう等の
深刻な実害が生じている。現在、Colaboの事業への支障が著しく、今後の事業継続がで
きなくなってしまうことさえ危惧される状況である。
虚偽事実を捏造し、ネット上で誹謗中傷を拡散している中心人物は水原清晃である(
Twitterアカウント:暇空茜/Kiyoteru Mizuhara、 @Z4mibyc8FYL06mB または
@himasoraakane 。以下「暇空茜」という。)。弁護団は、今般、同人に対し、重大な名誉毀
損の一部について損害賠償や投稿削除等を求める訴訟を提起した。また、今後も順次法
的措置を追加する所存である。
暇空茜による誹謗中傷の拡散は、Twitter、note、Youtubeという3つの媒体にわたって行
われている。暇空茜は、ほぼ連日、Twitter上でColabo及び仁藤への誹謗中傷投稿をし、
まとまった文章をnoteに投稿し、更にnoteに書かれた内容を動画台本とするなどして
Youtubeで動画を配信するという手法をとっている(別表参照)。近時は、さらに暇空茜によ
る誹謗中傷を真似たTwitter投稿やYouTube投稿までも発生するようになっており、誹謗
中傷の拡散状況は膨大である。
弁護団は、このような、女性差別に根差す卑劣な嫌がらせを断じて許さず、強く抗議す
る。
暇空茜は一部のTwitter投稿を削除するなどしているため、ネット上の投稿数全ての把
握を厳密に行うことは現実的ではないが、11月28日14時15分現在までの時点において、
少なくとも以下の量のColabo及び仁藤に対する誹謗中傷投稿が確認される。ごく短期間
に、Colabo及び仁藤に集中的な誹謗中傷攻撃が浴びせられている状況といえる。
Twitter 投稿数 少なくとも900 (総リツイート数 少なくとも17万)
note 投稿数 27
YouTube 配信数 30 (総視聴数 1,198,181)
1(2022年7月12日~11月28日(14時15分)までの期間に暇空茜がColabo又は仁

藤に言及したもの。違法レベルの誹謗中傷が複数含まれ、違法レベルでないもの

も揶揄嘲笑するような、対象となった者には強い精神的苦痛を与えるものである。

暇空茜の投稿に便乗して、Colabo及び仁藤への誹謗中傷を行う者も多数存在し

ており、そのような投稿も含めれば誹謗中傷攻撃の数は更に膨大なものとなる。)

本書面の目的は、主には暇空茜が拡散している誹謗中傷を念頭に、これらが事実無根

の極めて悪質なデマであるということを周知することにより、Colaboの支援が必要な若年女

性達への支援事業を円滑に実施できるようにすることである。

2.説明の前提-都からの委託事業について

Colaboは、中高生世代を中心とした10代女性を支える活動を行う一般社団法人である

(代表理事仁藤夢乃)。活動内容は、LINEやメールでの相談対応、夜間巡回(夜の街に

いる若年女性に声をかける)、弁護士・児童相談所・病院・警察等関係機関への同行支

援、食事や物品の提供、シェルターの運営(一時シェルター及び中長期シェルター(シェ

アハウス))等多岐にわたる。

現在ネット上に拡散している膨大な誹謗中傷は、そもそもColaboの活動内容の実態とか

けはなれた内容を事実であると断定することをいくつも重ね、それによって、実際には存

在しない「会計の不正」「業務の怠慢」が存在するかのように捏造するものである。

このような誹謗中傷が極めて悪質なデマであることの理解のために必要となる前提知識

として、Colaboの会計に関する基本事項をまず述べる。

Colaboの経常収益は、ホームページ掲載の会計報告に記載の通り、以下の①~④に大

別される。

①会費(サポーター会員の毎月の会費)

②寄付金(個人、団体)

③助成金(民間助成団体からの助成)

④事業収益

(④は、2021年度については、東京都からの事業委託の受託金(若年被害女性等支

援事業)が5割強、DV等被害者支援交付金が2割強、それ以外が自主事業の事業収益で

ある)

④事業収益は、更に以下の(1)~(6)に区分される。

(1)相談事業収益

(2)巡回事業収益

(3)基礎的支援事業収益

(4)居場所づくり事業収益

(5)自立支援事業収益

(6)情報提供事業収益

2(2021年度会計報告・経常収益部分Colaboホームページより引用)

https://colabo-official.net/wp-content/uploads/2022/07/colabo2021.pdf

(1)~(6)それぞれについて、都からの若年被害女性等支援事業の受託金、DV等被害

者支援交付金、自主事業としての収益が含まれる。従って、都からの事業委託を受けて

いる関係でColaboが東京都に対して行う報告は、(1)~(6)それぞれのうち、東京都から

の委託事業として行った部分についてのみである。

そもそも、Colaboが東京都から若年女性等支援事業の委託を受けることになった経緯

は、2018年に東京都が当該事業の実施事業者を公募し、コラボが応募し選考を経てモ

デル事業の委託が決まった。

他方で、Colaboが都の委託事業を受託するようになったことで、都の委託事業とColabo

の自主事業の範囲を区別する必要が生じたことはもちろんである。Colaboは、都の委託事

業とColaboの自主事業を区別して会計しているので、次に、その区別について述べる。

都の若年被害女性等支援事業の委託契約書の仕様書の「委託概要」には「様々な困難

を抱えた若年女性について、アウトリーチから居場所の確保、自立支援等を行い、公的機

関と連携しながら、公的機関や施設への「つなぎ」を含めた事業を行う」とある。「アウトリー

チ」とは、福祉分野における専門用語であり、支援者が被支援者の求めを待つのではな

く、被支援者に積極的に働きかけて支援を行うことをいう。

仕様書記載の「委託内容」は以下の通りである。

(1)アウトリーチ支援(夜間見回り、相談及び面談)

(2)関係機関連携会議への参加

(3)居場所の提供に関する支援

「居場所の提供は一時的な保護(1日から2日程度)を原則とする」「利用者の状

態やその後の支援につなげるまでの間、やむを得ず長期化する場合は、都と協

議の上、引き続き居場所での支援を実施することができる」とされている。

(4)自立支援

3つまり、都の若年被害女性等支援事業は、若年女性を、アウトリーチ支援によって公的

機関や施設に「つなぐ」までの一時保護が主眼なのである。どのような公的機関や施設に

つなぐことが望ましいかという点については各女性によって様々であるが、例えば、公的

機関として児童相談所につなぐ場合には、児童相談所につなぐまでが都の委託事業であ

る。

時には、その女性について、更にColaboが児童相談所から一時保護委託を受けて、

シェアハウス(中長期シェルター)にて保護するということもあるが、その場合には、児童相

談所からの一時保護委託については、既に公的機関につないだ後の支援活動であるた

め、Colaboの自主事業による支援という区別になる。

Colaboは、シェルターについて、一時シェルターとシェアハウス(中長期シェルター)を運

営しているが、このうちシェアハウス(中長期シェルター)についてはもともと自主事業なの

で、都への委託事業報告の対象外である。したがって、これについては都の委託経費を

支出していないのである(ただし、シェアハウスの部屋がたまたま空いている時に、シェア

ハウスを一時シェルターの代わりに利用して緊急一時保護を行うことはある。これもあくま

で公的機関や施設に「つなぐまで」のことである。このような場合には、都の委託事業とし

て行っている活動であるので、委託経費の支出対象となる。)

このように、同一の女性に対する支援であっても、「つなぐ」ところまでは都の委託事業、

「つないだあと」にも関わる場合はそれはColaboの自主事業、というように、段階に応じて

委託経費の支出の有無を仕分けしている。なお、Colaboは、会計資料は整理して保存し

ているので、都からの監査や報告要求があれば説明する用意がある。

次に、Colaboなどの受託者は、委託契約締結後、毎年、「事業計画書」を都に提出して

承認を受けることとなっており、その事業計画書を踏まえて当該年度の予算が決定され、

その予算の額が当該年度の委託経費の上限となる。委託経費は、年に1回、概算払いで

支払われる。そして、その年度の事業終了後15日以内に受託者が精算書を都に提出し、

精算を行うこととなっている。また、受託者は、都に対し「事業実施状況報告書」を提出す

る。

以上のとおり、Colaboの一般社団法人としての活動全体についての会計報告と、東京

都に対する業務報告は区別されるものであり、対象や報告作成範囲等が異なるのである

から、両者に一致しない部分があるのはむしろ当然である。Colaboのホームページに掲

載されている活動報告は、相談者の数など改めて整理した上で公表しているものであるこ

とから、東京都に報告している「事業実施状況報告書」の記載に内容との間で一定のずれ

が生じることがある。

また、事業計画書はあくまで事業開始前の時点で、文字通り「計画」として見込んだ費目

と金額を記載するものである。活動を行うなかで、年度当初の計画と実際の実施内容に違

いが生じることはある以上、年度終了後に現実の実績を報告する内容と当初の計画内容

が結果的に一致しないことがあるのもまた当然である。

そのため、例えば、「車両関連費」の分類の中で、予算作成時の品目とは別の「車両関

連費」に支出をするなど、予算の各項目の分類の内部で、またその金額の限度内で、事

業遂行上の必要性に応じて、予算作成時の想定とは異なる品目に支出することもある(そ

の場合も、もちろん「車両関連費」全体の予算の範囲内の支出となる。詳細は後述。)

4ところが、現在ネットに拡散されている誹謗中傷には、例えばそのような不一致が、あた

かも会計の不正の根拠となるかのように断言するものが多数みられる。そのため、下記3以

下の説明を理解する前提として、あえてこのようなことまで説明した次第である。

3.誹謗中傷の特徴(総論)-複数の歪曲ないし捏造の組み合わせ

現在拡散している誹謗中傷は、複数の捏造あるいは歪曲された事実を組み合わせ、

Colaboが不正行為を行っているというストーリーに強引にこじつけているという特徴があ

る。デマ言説ひとつの中に、複数の捏造あるいは歪曲が重複しているため、「その言説は

どのような意味でデマなのか」ということの解説のためには、前提事実の正確な説明を含

めた多くの言葉を要さざるを得ない。

デマを形作る捏造あるいは歪曲事実は、例えば以下のようなものである。

・Colaboが関わる若年女性は、全員が生活保護を受給していると決めつけている

・生活保護制度についての基本的な理解が欠如している

・Colaboが行うアウトリーチ事業はバスカフェのみであると決めつけている

・ColaboのSNSやホームページから写真や文章を引用するが、そこから読み取れないこと

を読み取れるかのように断定する

・資料を意図的に切り貼りし、時には別の事業に関する資料を当該事業に関する資料で

あるかのように表示することで、誤った理解に誘導する偽装工作がある

・都の委託事業の事業計画書(予算)の記載内容であって、実施状況報告書(決算)の記

載ではないにもかかわらず、あたかも事業計画書通りのことが実行されたかのように断定

する

4.Colaboからの説明(各論)

数々の誹謗中傷投稿は、あまりに実態に反する荒唐無稽なものであり、その侮辱的な書

きぶりとも相まって、Colaboの事業や、Colaboとつながっている、虐待や性搾取被害に

遭った若年女性たちをも愚弄する妄想である。このような妄想に基づく誹謗中傷に関わる

ことで本来の業務にあてるべき時間と労力を割かれることは望ましくなく、無視し続けると

いう対応もあり得るところである。しかし、現状、このようなデマの大量拡散により、Colaboの

業務に深刻な支障が生じるという業務妨害ともいうべき被害にまで至っている。



そこで以下では、現在拡散されている誹謗中傷等を、取るに足らないようなものもあえて

含めてなるべく網羅し、あらぬ疑義を払拭するための情報を公開することとした。

良識ある市民により、デマがデマであることを周知されることを期待しつつ、今後は、もっ

ぱら法的措置に傾注する。

5Q1Colaboは、保護した女性たちに生活保護を不正に受給させて「タコ部屋」で生活さ

せ、無給で働かせるという「貧困ビジネス」を行っているのか

Q2東京都若年被害女性等支援事業実施要綱では、「政治活動を主たる目的とする団

体」は事業主体になれないということになっている。Colaboが辺野古や韓国などで政治活

動をしていることは、この要綱上問題ではないか

Q3Colaboは特定の政党と強く結びついているのではないか

Q4女性たちの医療支援に際し、医療機関から医療費のキックバックを受けているという

事実はあるか

Q5使用していないタイヤ関連費用を不正に都に請求し受給しているという事実はあるか

Q6宿泊支援について、実際に行った以上の金額を都から委託経費として受け取った

という不正があるのではないか

Q7積立金を計上していることは、助成金等を得るための不正手段か

Q8都に領収証を提出していないのは、会計上の不正があるからか。会計に不正がある

という疑惑を抱かれているのだから、領収証を公開すればよいのではないか

Q92022年10月18日に、仁藤がTwitterの投稿でバスカフェに利用するバスの車体に傷

をつけられたと述べているが、それは以前からあった傷であって、被害などないのではな

いか

Q10都に提出した事業計画書と実施状況報告書記載の金額がほぼ同じで端数がない

のはなぜか

Q11バスカフェの回数が業務委託仕様書の内容を満たさないのではないか

Q12活動報告書記載の「給食費」を「食事提供件数」で割ると1食あたり2600円程度と高

額になるが、そのような高額な食事を提供しているとは思われない。どういうことか。

Q13都への実施状況報告書とColaboホームページの活動報告書では、相談支援や保

護対象の人数などの数値が、ある箇所では一致し、また別な箇所では食い違っている。こ

れはなぜか

Q14Colaboは東京都に対して、一時保護は存在するが2週間以上の長期保護は

ゼロという報告を毎年提出している。ところがホームページの活動報告書では、毎年、中

長期シェルターの入居者が10名以上存在している。この違いは何か

Q15貸借対照表を公告していなかったのはなぜか

Q16公文書として開示されたColaboの令和4年度の予算のうち人件費などの項目で、合

計の計算が合わないとの指摘があるが、どうか。

Q17Colaboへの相談件数に比して、児童相談所につないだ人数が少なすぎるのではな

いか。若年女性を十分に公的支援につないでいるのか疑問である

https://colabo-official.net/wp-content/uploads/2022/11/221129.pdf
Colabo及び仁藤夢乃さんに対する誹謗中傷等について
2022年11月29日
一般社団法人Colabo及び同代表理事仁藤夢乃弁護団

https://colabo-official.net/wp-content/uploads/2023/01/20230104.pdf


東京都に対する住民監査請求結果について
2023年1月4日
一般社団法人Colabo及び同代表理事仁藤夢乃代理人弁護団
第1 はじめに
1. 2023年1月4日、「東京都若年被害女性等支援事業について当該事業の受託者の
会計報告に不正があるとして、当該報告について監査を求める住民監査請求監査
結果」が東京都から公表されました。
これは、書面上は「法人A」と表記され固有名詞は省略されていますが、Colaboが
東京都から受託した若年被害女性等支援事業の会計報告について「不正」があると
して、現在Colaboが名誉毀損に関して訴訟を提起した相手方(ここでは個人をあげ
つらうのが目的ではないので、以下「監査請求人」とします)が東京都に対して請求
していた住民監査請求の結論です。
2. この住民監査請求では監査請求人によって 「違法・不当な公金の支出等がある
のではないか」「不当利得金の返還請求及び契約の取消等の然るべき措置を執る
べきではないか」と多くの「疑問」が提起され、これに関連して、当該請求の中のみな
らずネット上でも、Colaboに対して激しい非難攻撃が向けられてきました。
しかし、後にご説明するとおり、そのほとんどは監査委員によって適切に退けられ
るに至りました。すなわち、本件監査においては、なんら違法行為は確認されず、監
査請求人が主張した事実のほとんどは認定されませんでした。
一部について「不当」との指摘がなされましたが、後述する通りこれも、都の明示の
指針にColaboが従っていなかったと認定されたわけでもなくより透明性の高い行政
に向けた、担当部局に対する改善の指摘というべきものにすぎません。
また、Colaboは、2022年11月29日記者会見の際に公表した 「Colabo及び仁藤夢
乃さんに対する誹謗中傷等について」 含め5通の書面を公表し、Colaboに対する
誹謗中傷が事実に基づかないデマであるということを説明してきました(Colaboホー
ムページ 掲載)が、監査結果は、これらの書面に記載したColaboのいずれの説明
内容とも合致する内容であり、従前のColaboの説明の正しさが監査結果によっても
裏付けられたと捉えています。
私たちは、監査請求人の主張の大半を退けた今回の監査結果について、会計書
類を確認した上で事実に基づく的確な調査が行われたものと捉えています。
監査結果は都の正式公表前に監査請求人に送付され、監査請求人がそれを自
身のSNSでコメント付きで公開(有料)したことにより、年末年始期間には既に一部に
は監査結果を見たとする声がSNSに流れました。
しかし、その多くは、監査請求人が主張する事実はほとんど認定されなかったこ
と、すなわち監査請求人が昨年秋頃以降SNS上で流してきた、「医療費不正」「車両
費不正」「報告書の不備」等の数々の誹謗中傷が事実ではないことが監査により確
認されたということを無視しているなど、事案への正確な理解を欠いているといわざ
るを得ません。なかには、監査決定書の中で引用されている監査請求人の主張部
分をそのまま監査結果であると誤読し、「監査請求人の主張がそのまま認められた」
と思い込んでいるようなものさえも散見されました。
3. 念のため、今回話題となった若年被害女性等支援事業について、あらかじめ経緯
をご説明しておきます。
Colaboは従来から自らの事業として、アウトリーチ支援、居場所確保、公的機関や
施設との連携などを行ってきました。平成30年以降、国および自治体の事業として
「若年被害女性等支援事業」が開始されましたが、これはもともとColaboなど民間団
体の活動に着目して政策として取り入れられたという経緯があります。(このため、
Colaboが従来から行ってきた事業と若年被害女性等支援事業とは性質的にどうして
も重なる部分があることはご承知おきください。)
この若年被害女性等支援事業について、Colaboは都と委託契約を締結し、「都が
本来自ら行う事業を、Colaboが都から委託を受け実施する」という形式で行ってきた
ものです。
4. Colaboとしては一定の基準に基づいて予算を申請し、事業の実施のために予算を
超えた支出をした場合でも予算の枠を上限として報告し精算してきました。予算を申
請した際の予測と実際の状況とでは必然的に一致しないことから、予算の枠内で実
際の支出項目を相互に変更することは、事業の性質上、やむを得ないことと認識し
て対応しています。
このたびの監査請求にあたって、Colaboは都の福祉保健局および監査事務局に
よる調査に対応し、領収書等についても個別の確認を受け、事実に沿って説明を
行ってきました。
このような経緯を経たうえで、今般の監査結果が公表されたものと理解していま
す。
以下、Colaboとしてこの監査結果について見解を申し上げます。
第2 各論点について
1. ホテルの宿泊費についての不正が否定されたこと(18頁)
令和3年度にホテルの宿泊費の予算を300万円(1泊1万円として300泊を想定)とし
て、実際にその予算以上の支出となったので300万円の予算を使い切りました(一時
保護対象者の宿泊支援数は232泊)。
この点について監査請求人は、「実際の宿泊数は300泊ではなく232泊だったの
に、300万円を受け取っている。1泊1万円が上限だから請求できるのは232万円のは
ずだ。つまり68泊分を不正に過剰請求している」と主張していましたが、このような主
張は監査委員によって「請求人の主張は妥当でない」として退けられました。
実際、1泊1万円というのはあくまで予算作成の際の目安でしかなく、実際に1泊ご
とに1万円という上限が決められていたわけではないこと(1泊1万円を超えた場合も
ある)、保護対象者以外にスタッフが付き添って宿泊する必要もあることから、これは
妥当な結論です。
Colaboが、Colabo及び仁藤夢乃さんに対する誹謗中傷等について (Q6) 及び
12/1補足説明 (4項)において説明していた通りの事実を監査委員が認定したとい
うことになります。
2. 車両関連費についての不正が否定されたこと(19頁)
監査請求人は、タイヤ関係などについて不正請求があるとか、賃料月6万円の駐
車場を3ヶ月だけ契約する予算を申請したのは選挙運動のためではないか等という
主張をしていましたが、このような主張は監査委員によって「請求人の主張は妥当で
ない」として退けられました。
なお月6万円の駐車場3ヶ月分については、予算の段階では確かに想定していま
したが、結果としては契約・使用には至らず、予算の枠内で車両関連の別な必要経
費に支出しています。
もちろん「選挙運動のために公金を使って駐車場を借りた」などというのは、いわれ
のない誹謗中傷に他なりません。
Colaboが、Colabo及び仁藤夢乃さんに対する誹謗中傷等について (Q5)、12/1
補足説明 (6項) 、補足説明2(2項) において説明していた通りの事実を監査委
員が認定したということになります。
3. 旅費交通費についての不正が否定されたこと(19頁)
監査請求人はガソリン代が過剰請求になっているという主張をしていましたが、こ
のような主張は実際の領収書等を確認した監査委員によって「試算に基づく請求人
の主張は妥当でない」として退けられました。
4. 通信運搬費についての不正が否定されたこと(20頁)
通信費について、誤記が確認されたのみで不正は認められませんでした。
5. 会議費についての不正が否定されたこと(20頁)
監査請求人は、予算として請求して使用した会議費が活動報告書の当該項目より
も多額になっていることから、不正請求だと主張していましたが、このような主張は実
際の領収書等を確認した監査委員によって「請求人の主張は妥当でない」として退
けられました。
6. 各種保険についての不正が否定されたこと(20頁)
監査請求人は、予算として請求して使用した法定福利費(各種保険)が活動報告
書の当該項目よりも多額になっていることから、不正請求だと主張していましたが、こ
のような主張は実際の領収書等を確認した監査委員によって「過大申告とする請求
人の主張は妥当でない」として退けられました。
7. 医療費についての不正が否定されたこと(20頁)
監査請求人は、Colaboの活動報告書で医療費について医療機関から支援を受け
た実績について記載していることを理由に、「支援を受けている医療費について、東
京都にも請求しているのは不正請求だ」と主張していました。
しかし、前者と後者とはあくまで別のものであり、監査請求人のこのような主張は監
査委員によって「本件帳簿記録を調査したところ、本件活動報告書で支援があった
とする医療費とは別の実際の医療受診費用等を経費に計上していることが確認でき
るため、医療費が不正に請求されたものであるとする請求人の主張は妥当でない」
として退けられました。
Colaboが、Colabo及び仁藤夢乃さんに対する誹謗中傷等について (Q4)におい
て説明していた通りの事実を監査委員が認定したということになります。
8. 実施状況報告書についての不正が否定されたこと(21頁)
監査請求人は、都に提出する実施状況報告書と活動報告書の各種の数値に差異
があることから、実施状況報告書が不正だという主張をしていました。
しかしこのような主張は監査委員によって「法人Aの自主事業も含む本件活動報告
書と本件委託に係る都に提出した実施状況報告書との差異を述べるにとどまり、本
件実施状況報告書に不正があることの合理的な疎明はなされておらず、請求人の
主張は妥当でない」として退けられました。
Colaboが、Colabo及び仁藤夢乃さんに対する誹謗中傷等について (Q13、14、16
)において説明していた通りの事実を監査委員が認定したということになります。
9. 「不当」とされた事項について(22頁)
監査請求は「違法または不当」な公金の支出等を対象とするものですが、監査委
員は、一定の事項について、以下のとおり「違法」ではなく「不当」と判断しました。
人件費・法定福利費(税理士および社会保険労務士の経費)、領収書の取扱、事
業実績額の記載、履行確認について不適切性が指摘され、また、給食費・宿泊支
援費について一部、妥当性に疑義が指摘されました。また事業全般についての改
善についての勧告も行われています。
Colaboとして不正な経費の利用を行ってきたとは考えておりませんが、いずれにし
てもこれらの指摘事項の具体的な詳細について今後確認したうえで、東京都に対し
ては、Colaboとしてこれまで行ってきた取扱のあり方について必要な説明を行い、そ
のうえで見直しや改善が必要ということであれば指導に従い、適切に対処していきま
す。
なお、領収書の記載が抽象的であることについては、監査委員も「本事業の特性
上やむを得ない事由があることは理解できる」としています。すなわち、虐待やDVか
ら逃げてきた若年女性を保護するという本事業の特性上、その女性やスタッフの居
場所の特定につながり得る情報は記載できず、このことは一般的な必要性として監
査委員も認めたということです。
公金の使途の透明性の確保と、本事業の特性に基づく一定の情報の秘匿の必要
性のバランスをどのようにして適切に図るべきかは、以前から本事業遂行上の本質
的かつ困難な課題であり続けています。
Colaboが関わる若年女性は様々な困難を抱え、暴力的な加害者からの信じがた
いほど執拗な追跡から逃げていることもあるので、Colaboはこのバランスにおいては
より慎重寄りに対応してきており、女性やスタッフの安全確保のために領収書の記載
は必要最低限とすることが多くあります。このことが、監査委員によって「証ひょう書
類としての性質上、領収書として認められるか否か疑義が生じるような領収書が含め
られていることは不適切である」と指摘されたと理解しています。
Colaboとしても、もちろん、公金の使途の透明性の確保の重要性は理解しておりま
すので、今後このようなことについてどのようにバランスをとるべきかは都の担当部局
と緊密に協議し、指導に従ってまいります。
一方、監査において「委託事業の経費として計上するにあたり妥当性が疑われる」
とされた、「一回当たりの支出が比較的高額なレストランでの食事代やホテルの宿泊
代」「宿泊支援費について都外遠隔地での宿泊代が計上されている」という指摘が
ありましたが、これらの費用が本事業目的以外への流用などではなく、あくまでも本
事業遂行のために行われたものであるということについて、以下で補足してご説明
致します。これは、監査に協力する過程で、担当部署に対して説明したことでもあり
ます。
まず、「一回当たりの支出が比較的高額なレストランでの食事代」は、2万円以上の
レストランの領収証のことを指すと思われます。高額にみえるかもしれませんが、これ
は大人数での食事代(ひとりあたり1750円~3400円程度で令和3年度の1年間で5回
程度)でした。
また、一人当たりの食費がそれ以上になることが3回程度ありましたが、Colaboの支
援対象の女性のお祝い事をするためでした。支援事業において女性との面談等に
おいて飲食店を使う際にはファミリーレストラン等の単価の低いレストランばかりです
が、この時はお祝い事のため、比較的高額となったにすぎません。たまに行うお祝
い事の値段としては特段問題になるほどの金額ではないと思料しておりますし、
Colaboに関わる女性たちの多くは生育環境に複雑な問題を抱えており、誕生日や
進学、就職などを祝われるという経験がこれまでなかった若年女性もいます。そのよ
うなことも踏まえると、時に、親しい人とお祝いの気持を分かち合う食事の席を経験
する機会をもうけることも、重要な若年女性支援事業の一環であるとColaboは考えて
います。
これについて、例えば「誕生日祝」などと書き、その情報が情報公開請求等何らか
の機会に外部に知られることとなると、その日付の誕生日の女性を追跡している加
害者に、Colaboが支援していることを気づかせる端緒になる危険性があり得ます。そ
のくらい神経をとがらせなくてはならないほどの事情を抱えた女性達とColaboは関
わっているということをご理解頂ければ幸いです。
次に「都外遠隔地の宿泊代」についてですが、これは、都外遠隔地の女性からの
相談に対応するため、そこに出向いてその女性を自宅外に宿泊させる支援が必要
と判断したためのものです。宿泊支援を行っている間に、状況の聞き取りや今後の
生活、支援について検討を行いました。
若年女性支援事業では、例えば都内でアウトリーチ等で出会った女性が後に都外
で暮らすようになったような事例で、その後も関係性(支援)が続き、地方に出向いて
相談や宿泊支援を行うこともあります。このような事例では都の委託事業の経費から
支出することは差し支えないとColaboとしては判断しました。詳細な経緯を報告して
いれば、都の委託事業の経費として特段不当性はないと監査委員もご判断になっ
た可能性はあると思料しています。
今後都からどの程度の報告をすべきかの指針等示されれば、受託者としては今後
担当部署と協議の上、改善方法を検討する所存です。
そもそも、以上に述べたように、虐待やDV等困難な事情を抱える若年被害女性の
支援は、事業の性質としては、本来であれば福祉行政が直接責任をもって行うべき
性質のものであると考えています。それを民間事業者に委託することには、民間事
業者ならではの利点もあるとも考えていますが、同時に、加害者からの追跡に対峙
するようなリスクへの対処も民間事業者の責任となるという側面もあります。Colaboは
そのリスクを引き受けてもなお委託業務の意義を理解したため受託者としての業務
を行ってきました。しかし、このリスクへの対峙について民間事業者の負担が大きく
なりすぎてしまうことでよいのかどうか、本事業を民間事業者に委託する福祉行政の
ありようが本質的に問われる機会ともなったと捉えています。この観点でも今後都の
担当部局と協議の機会をもち、適切な業務遂行をしてまいります。
第3 まとめ
以上のとおり、Colaboに対して行われてきた非難攻撃の大半は監査委員によって
事実ではないことが確認され、退けられるに至りました。繰り返しになりますが、私た
ちは、この結果について、会計書類に基づいた的確な監査であると捉えています。
なお一部、東京都に対して丁寧な説明を改めて行う必要がある事項や、改善が必
要となる可能性のある事項もありますが、これらについては真摯に対処し、よりよい事
業の遂行を目指していく所存です。
本件の監査において、監査請求人がSNSに流してきた、Colaboに対する多くの誹
謗中傷が事実ではないと認定され退けられたことから、Colaboに対する「公金の不
正利用」「税金の横領」等のいわれのない誹謗中傷については、今後更に厳正な法
的措置で対応する予定であり、これまで証拠の保全に努めてきたこともあわせて申し
添えます。
最後になりましたが、このように困難な状況の中でColaboを支援してくださる皆様
には、改めて厚く御礼申し上げます。
以上

https://colabo-official.net/wp-content/uploads/2023/01/20230104.pdf
東京都に対する住民監査請求結果について
2023年1月4日
一般社団法人Colabo及び同代表理事仁藤夢乃代理人弁護団