代理母になるのは最も弱い立場の女性AERA.FRAFTMさんの代理出産の現状#代理出産合法化反対.論文なぜ私は代理出産に反対するかPDF魚拓




北原:無償代理出産でも、やはり問題が出てくるとありました。

柳原:ええ。無償代理出産は人間関係が資本になるのですが、しばしば依頼者側が代理母に対して十分なケアをしなかったり、子どもが生まれたあとに代理母の存在を疎ましく思って連絡を絶ったりすることが出てきます。そうすると、代理母は搾取されたと思い、家族や親族間であっても関係性がこわれてしまうことがあります。あと、明らかに女性の立場が低い国では、親族から代理母になるよう強要される例もあります。無償も多くの問題があるのですが、あまり表に出てこない傾向にありますね。

北原:代理出産が日本でも可能になるとしたら、どんなことが起きるでしょうか。

柳原:海外で起きているのは、その社会で最も弱い女性が代理母になるということ。シングルマザーがターゲットになることが多いのですが、日本もそうなるでしょう。エージェントは代理母が実際に妊娠できるかを重要視するので、妊娠の経歴があるシングルマザーをターゲットにした代理母という業態や業種が、代理出産の可能な国には普及している。そのような女性は代理母として働くときに受け取る金額が高めにもなっています。

 あと、どれだけ厳しい条件だとしても、代理出産を認める法律ができれば、他国で代理出産を利用する人が出てくるでしょう。自国の代理出産の基準に合わない人たちが、代理出産の可能な別の国に赴き、海外の代理母を利用するんです。これはイギリスの例を見ても明らかです。

■女性の体への影響

北原:日本の女性がどんどん貧しくなっている中で、卵子を提供したら数十万、代理出産なら数百万稼げるとなったら、当たり前のように選択肢に入ってくると思うんです。でも、ドナー側の声があまり聞こえない中で、何が起きてしまうのか。合法化の道筋がつけられるのはあまりにも拙速ではないでしょうか。もう一つ私が懸念しているのは、リスクが十分に周知されていないこと。出産はもちろん命がけですが、卵子の提供でも、採卵のときに誤れば出血のリスクがありますし、体調不良を訴える人もいます。問題はないという意見ばかりが耳に入ってくるように思います。

柳原:長期的な健康リスクは統計的な研究があまりなされていないので、女性の体にどんな影響が出てくるのか、10年後、20年後に明らかになることもあるでしょう。代理出産に関して研究してきた立場からは、条件がついたとしても、やはり今回の容認案には賛成できません。

北原:まだまだ、情報も議論も足りていないと思います。それにもかかわらず、妊孕性のある身体が投資の対象として、資本主義の中で完全に物として扱われることは、絶対にあってはいけないと思います。

(構成/編集部・大川恵実)

AERA 2023年2月13日号

https://dot.asahi.com/articles/-/887?page=2
代理母になるのは「最も弱い立場の女性」 代理出産の法制化議論で「ビジネス化」「母体への影響」などの課題を考える

2023/02/08/ 11:30



AERA編集部

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