Change.org中学生に自分のからだを守り、人生を選択できる力を育む知識を!「健康と安全のための包括的性教育」を目指し、学習指導要領を実態に即して見直してください!.包括的性教育推進法をつくって、子どもを守れる社会へ!.「七生養護学校の教材・教具」の返還を求める理由・・・・「こころとからだの学習」裁判原告  渡邊 好造



開始日

2018年4月2日

署名の宛先

東京都教育委員会1人の別の宛先

この署名で変えたいこと



署名の発信者 中学生に健康と安全のための包括的な性の教育を!キャンペーン

■中学校で「性交」「避妊」を扱う教育は不適切?

2018年3月、東京都内の区立中学校で行われた性に関する授業が「不適切」だとする都議会質問が波紋を広げています。この授業では、中学生に「思いがけない妊娠をしないためには、産み育てられる状況になるまで性交を避けること」と避妊についても指導しました。中学の学習指導要領にない「性交」「避妊」「人工妊娠中絶」などの言葉で生徒に説明した点を自民党古賀俊昭都議が指摘し、東京都教育委員会が問題視。足立区教育委員会を指導する方向性とされています。

本当に、この教育は不適切なのでしょうか?

「生理がきません。まだ高校生で妊娠していないか不安です。将来の夢もあるので学校を辞めるわけにもいきません。ネットの情報は様々でどれを信じていいのかわからず、親はもちろんだれにも相談できません。」
このような相談は、10代の相談の現場で日々届く声です。


実際に10代の子どもたちに接していると、性行為を断れない、もしくはさみしさや性的欲求のまま性行動をしたり、避妊の知識がなく性行為をしている子たちもいます。そして、妊娠しても周囲に相談できず、結果として中絶をして身も心も傷つくか、もしくは中絶できる期間を過ぎれば出産するしかなくなります。中卒や高校中退で出産した場合、多くはシングルマザーとなり、その後の生活は困難を極めます。(10代の母による出産は年間1万件以上、10代の中絶は年間約1万5千件行われています。)

インターネットやスマートフォンが普及した今、子どもたちは学校で教えなければ性のことを不正確な性情報やフィクションであるAVから学んでいきます。AVでは妊娠、避妊、性感染症について、いつ性行為をもつべきか・もたないべきかは学べません。SNSを通した10代の性被害も年々増加しています。
一方刑法では、「性行為に同意する能力がある」とみなされる年齢(性的同意年齢)は13歳とされています。それならば、性行為の仕組みや影響も同じ年から伝えるのが大人の責任ではないでしょうか?

実際に足立区教育委員会や授業を実施した中学校の校長は、今回の授業を不適切だとしておらず、「10代の望まぬ妊娠や出産を防ぎ、貧困の連鎖を断ち切るためにも、授業は地域の実態に即して行われ、生徒と保護者のニーズに合ったものだ」と反論しています。

子どもの保護者の方からも「子どもから性について聞かれたときにどう答えたらいいかわからない」「思春期で親との普段の話すらできない関係性なのに、性の話題を切り出すことが難しい」という声もよくあります。

また過去には秋田県で、教育委員会と医師会が連携し、中高生向けの性教育を行った結果、10代の中絶率が大幅に下がった事例もあります。
また、今回の指摘を行った古賀都議らや東京都教育委員会は、2003年、都内の七生養護学校の性教育実践を問題視し介入を行ったことが、最高裁で「教育への不当な支配」にあたると認定されています。

今回の件に対しても、みなさんの声で、適切なライフスキルとしての性教育は必要だという声を届けましょう!

■子どもたちを守るために必要なのは、性を遠ざけることではなく、性についての正しい知識を学ぶ機会です!子どもたちが知識がないことで傷つくことがないように、また大切な命を守れるように、適切な情報を知り、自分や相手の気持ちやからだを大切にすることを学ぶ機会が義務教育の中で必要です。
10代の実態に即した性の教育を行っている先生や学校、教育委員会を応援します。
また、東京都教育委員会や文部科学省は、10代の実態に即して、包括的な性の教育を中学校(更には小学校)においてもどのように進めていくのか、学習指導要領や「性教育の手引」の見直しを具体的に検討することを求めます。


本キャンペーンでは、2018年4月末までに1万名以上の賛同者を集め、東京都教育委員会と文部科学省に市民の声として届けることを目指します。

そして、最終的には、若者たちが安全に生きる権利と性の権利を保障し、国際的なスタンダード(『国際セクシュアリティ教育ガイダンス』)を踏まえた包括的性教育の実現に向けて、日本の学習指導要領を見直していく必要があると考えます。

学習指導要領を変えていくには、社会全体の意識の底上げ、具体的には、皆さんが「子どもたちが、自分のからだを知り、自分のからだを守り、人生を選択できる力を育む教育が必要だ」と声を挙げていくことが重要です。

10代を取り巻く妊娠・性感染症や若年妊娠による貧困をはじめとした、性に関する深刻な現状を踏まえ、健康と安全のために不可欠な人権教育としての包括的性教育の推進と、学習指導要領の見直しを求めます。

<参考情報>
▼性教育授業を都議が問題視、都教委指導へ 区教委は反論(朝日新聞 2018年3月23日付報道)
https://www.asahi.com/articles/ASL3Q74RPL3QUTIL08G.html

▼秋田県 思春期における性と生~秋田県と県医師会の性教育連携の成果~(あきた子育て情報 いっしょにねっと。 平成24年2月24日子育て応援講座報告より)
http://common3.pref.akita.lg.jp/kosodate/nurturing/course23/detail.html?course23_id=92

▼「こころとからだの学習」裁判支援「こころとからだの学習裁判」
http://kokokara.org/saiban0.html
2003年、都内の七生養護学校で行われていた性教育を先述の古賀都議らが問題視し、メディアでも「過激な性教育」と取り上げられ、七生養護学校に関わる教育関係者が処分されました。その結果、日本では性教育バッシングが続き、日本の性教育の発展は大幅に遅れたと言われています。そして、いわゆる「こころとからだの学習」裁判にて、古賀都議らの行為が、「教育の自主性を阻害」するなどの「不当な支配」にあたると認定され、原告である教員らに賠償金を支払うよう判決が出ました(2013年最高裁決定)。

▼10代の母による出産数(厚生労働省「平成28年人口動態統計」)
http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/jinkou/kakutei16/dl/08_h4.pdf

▼10代の人工妊娠中絶件数(厚生労働省平成28年度「衛生行政報告例の概要」)
http://www.mhlw.go.jp/toukei/saikin/hw/eisei_houkoku/16/dl/kekka6.pdf

▼書籍『国際セクシュアリティ教育ガイダンス 教育・福祉・医療・保健現場で活かすために』(明石書店、2017年)
http://www.akashi.co.jp/book/b297731.html
2009年ユネスコ等を中心に、セクシュアリティ教育に関わる世界の国々の専門家の研究と実践を踏まえて作成された手引き書の日本語訳。

<中学生に健康と安全のための包括的な性の教育を!キャンペーン>
呼びかけ人
NPO法人ピルコン 理事長 染矢明日香(発起人)・一般社団法人“人間と性”教育研究協議会(性教協) 代表幹事 水野哲夫・認定NPO法人フローレンス 代表 駒崎弘樹・特定非営利活動法人BONDプロジェクト 代表 橘ジュン・公益財団法人 ジョイセフ 事務局次長兼デザイン戦略室長 小野美智代・産婦人科医 宋美玄一般社団法人シンクパール 代表理事 難波美智代・一般社団法人にんしんSOS東京 代表理事 中島かおり・認定NPO法人エンパワメントかながわ 理事長 阿部真紀・NPO法人3keys 代表理事 森山誉恵・一般社団法人ちゃぶ台返し女子アクション 代表理事 大澤祥子・女優 サヘルローズ・フォトジャーナリスト安田菜津紀

(順不同、順次追加)

中学生に自分のからだを守り、人生を選択できる力を育む知識を!「健康と安全のための包括的性教育」を目指し、学習指導要領を実態に即して見直してください!


開始日

2023年11月1日

この署名で変えたいこと



署名の発信者 包括的的性教育の 推進法制定をめざすネットワーク

日本の性教育の現状をどう感じていらっしゃいますか?内閣府による「子どもの安全」世論調査では、「子どもを性被害から守るために最も重要と思うこと」で、28%の人が「子どもへの性教育が最も重要」と答え、88%の人が「妊娠経過をあつかわない性教育の歯止め規定」をなくすべきと回答しています。またここ数年幼児期から性教育をすべきという声も高まっています。

今、日本の子ども、若者は、知りたいことがあっても、学校教育の中では十分に学べず、多くのおとなはきちんと向き合ってくれず、疑問や不安を抱えながら、不確かなマスコミ情報の渦の中に放置されています。

現行の学習指導要領では 小学校5年生理科(人の受精に至る過程は取り扱わないものとする)、中学校1年保健体育(妊娠の経過は取り扱わないものとする)という歯止め規定があるため、学校では性交や避妊について学ぶことなく、そのままおとなになっていきます。

そんな日本で包括的性教育をすべての子ども・若者をはじめ全ての人が学校や地域で学ぶことができるように、包括的性教育推進法という法律を制定していくことをめざし、署名活動をスタートさせました。

こんな疑問、不安をもったこと、きいたことはありませんか?

・どうやってわたしは生まれたの? 

・自分は絶対に男だと思っている、なんで思いどおりに生きられないの?

・射精っていつおきるの?

・月経って男は知らなくていいの?

・彼女に、ほかの女友だちとのやり取りをブロックされたよ。これってあり?

・外だしすれば妊娠なんてしないってホント?

・彼はいつもコンドームをつけずにセックスをしようとする、つけてって言えない。

・女に生まれたら子どもは絶対に産まないといけないの? 

包括的性教育の学びは、これらの疑問や不安に出会ったときに、自分が幸せに生きるための選択をできる力をはぐくむことをめざしています。

包括的性教育ってどんな内容なのでしょう

いままでの性教育は月経や射精、思春期の心身の変化などに限定された内容ではなかったでしょうか。包括的性教育はユネスコが提唱している、人権とジェンダー平等を基盤とした幅広い内容で構成され、人生や日常生活のいろんな場面で活かされるための学びなのです。

①人間関係、②価値観、人権、文化、セクシュアリティ、③ジェンダーの理解、④暴力と安全確保、⑤健康とウエルビーイング(幸福)のためのスキル、⑥人間のからだと発達、⑦セクシュアリティと性的行動、⑧性と生殖に関する健康                    

という8つのキーコンセプト(重要な考え)で構成され、5歳~18歳以上を4つの年齢区分に分け、年齢に即して繰り返し学ぶことが提案されています。単にからだの作りについて学ぶだけでなく、性的同意の大切さ、自分の人生を主体的に生きること、安全な人間関係について学ぶことができるのが包括的性教育です。

私たちは、この包括的性教育を日本の学校教育の内外できちんと位置付けていくために、多くの人とともに「包括的性教育推進法の制定をめざすネットワーク」を立ち上げました。ネットワークHPを是非ご覧ください。(https://suishinhounet2023.wixsite.com/suishinhounet

この法律を制定するために、日本の性教育が世界の水準から大きく遅れている現状を多くの方に知っていただくとともに、包括的性教育を子ども・若者の誰ひとり取り残すことなく学べるようにするために議論しあい、具体的提案もしていきます。

一人でも多くの署名を集め、国に立法化を求めていく第一歩としていきたいと思います。

包括的性教育推進法をつくって、子どもを守れる社会へ!



七生養護学校の性教育「こころとからだ」の学習では様々な「教材・教具」が使われ、学校全体でのびのびと展開されていました(実践ビデオを見ると笑いが絶えない)。しかし介入事件時に都教委に持ち去られた「教材・教具」は、裁判終了後も現場に返還されていません。我々ネットワークでは、今年度の課題として、「都教委が没収した教材・教具の返還」と「情報公開」を求めていくアクションをおこし、包括的性教育を進めるためのきっかけとしたいと考えています。




 このコラムでも、不定期になると思いますが、何回かに分けて七生の「教材・教具」のうまれた背景や必要とされた事情、生み出された経緯、子どもたちの反応、その過程で育まれた教員の意識変化や「教材・教具」の捉え方の深化、また裁判などで主張された原告教員側と被告都議・都教委の主張なども報告し、「教材・教具」が様々な面から議論された軌跡を辿りたいと思います。




 七生養護学校の性教育の「教材・教具」の主なものには「からだ歌、ペニス模型、箱ペニス、模擬トイレ、子宮体験袋、リラックス(エステ・足湯)、変身ごっこ、結婚式ごっこ、等身大人形、赤ちゃん人形、虹の輪、山本直英さん・北沢杏子さんのいくつもの絵本など自主制作ものと絵本、参考書、CDなど多彩でした。これらは2003年の介入事件の時に268点(33点は現場返却)が都教委に没収され翌年春には都教委に所属替えされてしまいました。都教委の指導主事たちは、個々の「教材・教具」が生みだされた理由や授業を理解することなく、「からだ歌は過激」と言って教員処分の根拠にしてしまったのでした。




 また「こころとからだの学習」裁判では、被告都議の現場教育への介入認定と賠償は認めたものの、「教材・教具」の返還は「本件教材の所属替え(七生養護→都教委)が適当なものである」と東京高裁の判例が認められてしまい、返還が実現しませんでした。そのために教員処分は撤回されたものの、「教材・教具」の返還を受けて、実践を復元する状況づくりをすることができなかった面があります。ここには都の学校管理運営規定の曖昧さや都教委の性教育に対する姿勢が消極的だという課題もあります。ネットワークでは、このような状況を打破して現場教員たちが新しい「教材・教具」を作ろうというときの後押しができればと考えています。




*併せてこのホームページの出版物紹介に掲載されている『なぜ、学校で性教育ができなくなったか 七生養護学校事件と今』や近日刊行予定の絵本『からだうた』もぜひご覧ください。

3月27日

読了時間: 2分


🔖 「七生養護学校の教材・教具」の返還を求める理由・・・・

「こころとからだの学習」裁判原告  渡邊 好造