『気が乗らないのに性交渉に応じた経験のある』女性は
若者世代で2人に1人、
大人世代でその割合が増加
「世代間で違いが出たのは、性交渉に関する項目です。『気が乗らないのに性交渉に応じた経験のある』女性は、若者世代で2人に1人(男性は4人に1人)ですが、大人世代でその割合が増加、女性では63.5%にも上りました。
日本は2002年から性教育が衰退していますが、それでも若い世代には少しずつ、セックスをするためには互いの『性的同意』が必要であることへの理解が広まりつつあります。ですが、大人世代にはその意識が低い。『男は』『女は』という無意識の中にあるバイアスが避妊やセックスについての考え方、性的同意、性的自己決定にも影響していることが調査結果からみえてきました」
世代間ギャップが大きく表れたもうひとつの項目は、「緊急避妊薬(アフターピル)」に関する情報だ。若者世代は9割が認知しており、名前だけでなくどんな薬なのかも知っていると回答した割合は、20代以下の男女では68.3%である一方、30代以上では43.1%。ここでも大きな隔たりが見られる。
まだまだ古い価値観に
とらわれている世代の
影響が大きい。
自分の中に性や恋愛に関する
“刷り込み”や“バイアス”が
ないか、少しでも気づいて
若い世代は必要性を感じているのに、法整備などの決定権がある大人世代に認知が少ないことが、日本で処方せんなしの市販化を進める際のハードルになっていると思わざるを得ない。
「多様性やジェンダー問題に声を上げる人は増えてきましたが、こういう結果を見ると、まだまだ古い価値観にとらわれている世代の影響が大きい。自分の中に性や恋愛に関する“刷り込み”や“バイアス”がないか、少しでも気づいてもらえればと思うのです」
From Harper's BAZAAR January / February 2022