フィフィLGBT法案に「利権が優先で”多様性”とか言いながら当事者や女性の声は無視の議員達」2023/5/28(日) 21:35配信sponichi.女性支援団体に対する執拗な嫌がらせの実態が明らかに5/24(水) 14:55配信Newsweek等

フィフィLGBT法案に「利権が優先で”多様性”とか言いながら当事者や女性の声は無視の議員達」2023/5/28(日) 21:35配信sponichi.女性支援団体に対する執拗な嫌がらせの実態が明らかに5/24(水) 14:55配信Newsweek等
#LGBT法廃案
#法律や条例から性自認を削除して下さい


LGBTなど性的少数者への理解増進を図る法案をめぐり、日本維新の会と国民民主党が対案を検討している。自民、公明両党が国会提出した案をもとに、「女性の権利・保護」や「学校教育」に配慮する内容で、26日に共同提出する方針だ。女性の権利保護を目指す「女性スペースを守る会」の滝本太郎弁護士は対案について、「そもそも法律自体が不要だ」と指摘した。 【写真】LGBT当事者らも「マーク多すぎて迷う」 渋谷区内の公衆トイレの案内板 対案の概要を報じた産経新聞によると、維新と国民民主の対案では「性同一性」の用語を、英語の「ジェンダーアイデンティティー」に置き換えた。自公与党案は「性同一性」、立憲民主、共産、社民3党案は「性自認」と表現しているが、国際的に定着した英語表現を使い、中立的な意味合いをにじませたという。 「女性の性自認」を主張する男性が女子トイレや女湯、女子更衣室などの利用を求める事態を念頭に、女性や児童らの権利侵害を防ぐため、「全ての国民が安心して生活できるよう留意」とする条文を新設する。 米国の学校現場で、性観念が不安定な幼少期にLGBT教育を行うことに保護者が反発・混乱を招いていることを念頭に、学校でのLGBT教育・啓発の規定を「保護者の理解と協力を得て行う心身の発達に応じた教育または啓発」と改めた。 いわゆるLGBT法案には、性同一性障害者らでつくる「性別不合当事者の会」や、女性の権利保護を目指す「女性スペースを守る会」などが反対の立場を表明している。 前出の滝本弁護士はLGBT法について、「必要なく、主な課題は法律になじまない家族間問題と、労働法で解決すべき就職問題だ」と述べ、続けた。 「われわれは特に、『女性の性自認』を主張する男性が、女子トイレなどを使えるよう解釈される可能性が高いと指摘してきた。性犯罪が目的の男が、女性専用のスペースに入るリスクが高まる。女性・女児は、トランス女性よりも弱い立場だ」 「性的少数者の多くは、静かに、普通の生活を送っている。そもそも男こそが男の多様性を承認すべきなのに、推進論者が間違えている。海外では混乱が重なり、英国は『正常化』に舵をきった。国会は、諸外国の法制度と運用を調査し、性犯罪の手口や被害実態も報告させて議論すべきだ」

維新と国民が対案〝第3のLGBT法案〟 滝本弁護士は「そもそも法律自体が不要」「海外では混乱が重なり、英国は『正常化』に舵」

5/26(金) 17:00配信夕刊フジ



定義にあいまいな部分が残ることから、女性専用スペースの排除につながるのではとの懸念も



「LGBT法案」廃案を求め国会議事堂前で集会を行った女性たち【写真:ENCOUNT編集部】

 今国会で成立の可能性がある「LGBT理解増進法(=LGBT法案)」の廃案を求める女性による集会が27日、国会議事堂(東京・千代田区)前で開かれた。今月18日に国会に提出された与党案では、「性自認」が「性同一性」に、「差別は許されない」が「不当な差別は許されない」にそれぞれ文言が修正されたが、定義にあいまいな部分が残ることから、女性専用スペースの排除につながるのではとの懸念が寄せられている。 【写真】「性自認が女性の男性」が女性専用エリアに立ち入ったら…? 杉並区の回答  主催者の「女性と子どもの権利を考えまちづくりに活かす杉並の会」代表の青谷ゆかりさんは、「私たちは、多くの女性の反対の声を無視しようとするLGBT法案に対して強く反対します。この法案に対する市井の女性の意見は、軽視され、無視されてきました。私たちの集会は、LGBT法案に反対する一般の女性の存在を可視化し、彼女たちの声を届けることを通じて、LGBT法案の国会提出を阻止することを目指しています」とあいさつ。  集会では参加した20人ほどの女性が代わる代わるにマイクを受け取り、法案への疑問や懸念とともに廃案を求めた。トランスジェンダー先進国と言われるオーストラリア出身の女性は「トランス受刑者が女性刑務所に入所し受刑者をレイプするという事件が実際に起こっている。女性用トイレやシェルターなどにトランス女性や男性が入り込み、公共プールの更衣室には女装した男性がいつもいます。日本の皆さんも警戒感を持ってください」と訴え。犯罪者が入りやすく、見えにくい場所で発生した事件について挙げた。  過去に性被害に遭った経験があるという女性は「女性用トイレがなくなると決まっているわけではないと言われていますが、現に渋谷でも歌舞伎町でも、ジェンダーレスの名のもとに女性用トイレが消されています。反対する女性の声はなかったことにされている」と具体例を挙げ、女性に迫っている危機について訴えた。

ENCOUNT編集部

LGBT法案、国会前で女性たちが反対集会「ジェンダーレスの名のもとに女性用トイレが消されている」

5/27(土) 16:48配信ENCOUNT


エジプト出身のタレント、フィフィ(47)が28日、自身のツイッターを更新した。    LGBT法案に関し、女性専用スペースの排除につながるといった懸念などがあるとして、国会前で廃案を求める女性たちが反対集会を開いたことを伝えたENCOUNTの記事を引用。「性的マイノリティの団体も反対の声をあげていたが、利権が優先で”多様性”とか言いながら当事者や女性の声は無視の議員達」とツイートした。  LGBT法とは、自民党の性的指向・性自認に関する特命委員会が法制化を進めている法案で、正式名称は「性的指向および性同一性に関する国民の理解増進に関する法律」。政府は今国会中に成立を目指している。

フィフィ LGBT法案に「利権が優先で”多様性”とか言いながら当事者や女性の声は無視の議員達」
2023/5/28(日) 21:35配信sponichi


若年女性を支援する一般社団法人「Colabo」の仁藤夢乃代表は1日、東京都庁で記者会見し、令和5年度は都の若年被害女性等支援事業の補助金を受けずに活動を続けると明らかにした。事業者は都が求めた場合、自立支援の計画や記録を開示しなければいけないと要綱で定められており「少女たちの個人情報を守れない」としている。

仁藤代表は「申請しないと資金面は苦しいが、氏名や住所、置かれている状況を都に情報提供すると言ったら誰も相談に来なくなる」とし、都に要綱の変更を求めた。

都の担当者は、取材に「事業者との連携を強化する上で情報共有する必要があるが、当事者の意向にかかわらず開示させるわけではない」と説明している。

コラボは平成30~令和4年度に都から事業を受託し、若年女性の居場所づくりに取り組んできた。

都は今年度から委託事業ではなく、使途ごとに経費の報告が求められる補助事業に変更。情報開示に関する規定を要綱に盛り込んだ。

Colaboなど委託の都事業 制度改正の意向

補助金受けず女性支援継続へ Colabo「個人情報守れない」

2023/6/1 17:55政治
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 女性支援団体の一般社団法人「Colabo(コラボ)」が1日、記者会見して今年度は東京都の補助事業の公募に申請しなかったことを明らかにした。 【写真】少女支援のバスカフェ、相次ぐ妨害で活動休止 夜の歌舞伎町で何が  都は今年度、虐待や性暴力被害を受けた女性を支援する事業を、従来の委託事業から補助事業に切り替えた。コラボは昨年度まで委託を受けていた。  事業の実施要綱によると、補助事業になったことで、都から求められた場合、個人別の支援記録などの開示が必要になったという。これまでコラボは都から個人情報の提示を求められた際は、利用者との間で守秘義務が解除されている場合に応じてきた。  仁藤夢乃代表は「(コラボが支援する)少女たちは幼い頃から児童相談所や学校にSOSを出した経験がある子がほとんどで、そこで適切な対応を受けられなかったために、行政や大人に不信感を持っている。『民間団体に相談したら都に個人情報が提供される』ということになっては、支援は成り立たない」と話し、事業内容の変更について「支援の本質が変わってしまう」と批判した。  コラボをめぐっては、2021年度の委託事業で一部の領収書が提出されなかったなどとして、都が計約193万円を経費と認めなかった経緯がある。仁藤代表は「(会計不備の指摘を受けての都による調査の中で)領収書の原本の存在は都に見せたが、支援対象者の個人情報を守るため、名前の提示を拒否した」と説明した。  コラボは月3回ほど、新宿区役所前にマイクロバスをとめ、10代の女性を対象に食品や衣類、生活必需品などを提供したり相談に乗ったりするカフェを開催してきたが、昨年末から暴言を浴びせるなどの妨害が続いたため、都が3月中旬、「安全が確保できない」と中止を要請。4月に場所を変えて再開した。21年度は都から約2600万円、昨年度は約4600万円の委託費を受けていたが、今年度は自主事業とし、寄付や民間の助成で運営するとしている。  都福祉保健局は、都が必要な場合に記録の開示を求めることについては「補助事業化したことで実施主体は民間団体になったが、都も連携していきたい。支援で必要な場合に備えて順守事項に盛り込んだ」と話している。

「支援、成り立たない」 Colaboが都の事業内容変更を批判
6/1(木) 18:52配信朝日新聞








<有志による「女性支援を守るメディア連絡会」の調査で、団体スタッフや利用者に対するストーカーまがいの嫌がらせが横行し、女性支援の活動が危機にさらされていることがわかった>

(写真はイメージです) PeopleImages.com - Yuri A/shutterstock.

3月に書いたコラムで、女性支援団体Colaboが公金の不正使用の疑いで攻撃されていたが、住民監査の結果Colaboの会計に不正はなかったと認められたと紹介した。それにも関わらず、5月に至ってもなお、Colaboは叩かれ続けており、様々な嫌がらせによってその活動に制約を受けている。【藤崎剛人(ブロガー、ドイツ思想史)女性支援団体Colaboの会計に不正はなし】 【動画】戴冠式パレードで軍服姿で騎馬隊を率いるアン王女 そしてColaboと同じく「東京都若年被害女性等支援モデル事業」を受託した団体など、他の女性支援団体も、やはり酷い嫌がらせを受けていたことがわかった。このような異常な事態への対応を当事者だけに押し付けてはならない。行政やメディアが毅然とした対応を取らなければ、嫌がらせは終わることはないだろう。 オンライン上で多くの被害 女性支援の現場が危機に晒されている現状を受けて有志により結成された「女性支援を守るメディア連絡会」が、東京都から「東京都若年被害女性等支援モデル事業」を受託した団体など8団体を対象に行った調査によれば、全ての団体がオンライン上で誹謗中傷されているという認識があり、活動に支障が出ていることが分かった。 具体的な被害としては、団体の活動やスタッフの写真を無許可でネットにアップしたり、関係者の個人情報を探ったりする動きが大半の団体から報告されている。関りがある人物を陰謀論的な団体「ナニカグループ」と一括りにしてネットに晒すという嫌がらせでは、スタッフの心理的安全性が脅かされている。また、事業所の住所を公開していない場所も含めて調べられ、Googleストリートビューなどの画像を晒されるという被害もほとんどの団体であった。 利用者や支援対象者の中にも、個人情報を調べられ、SNS上でつきまとわれたり、誹謗中傷されたりする人もいた。危険を感じてSNSアカウントを閉じる人もいたという。 嫌がらせの電話やメール、またSNSのリプライなどオンライン上での誹謗中傷もほとんどの団体が受けている。また半数の団体が、支援対象者になりすました人からの連絡の対応に困っていた。嫌がらせやなりすましの電話やメールが頻発することで、支援を必要としている人と繋がりにくくなるケースも報告されており、被害は甚大だ。
リアルの被害も

前掲のコラムで、Colaboによる支援事業のひとつ「バスカフェ」が迷惑系YouTuberらによる直接的な妨害にあっているということを紹介したが、約半数の団体が支援事業に対する直接的な妨害を受けている。事業所をネットに晒された影響で、無関係な人が事業所の周りで撮影や配信をしたりゴミ箱をあさったり、関係者に不審なアプローチをしたりするなどの被害が半数の団体でみられた。 さらに絶対あってはならないはずの、支援を提供する場所やシェルターの住所や画像が晒された団体が4分の1存在した。支援を必要とする女性にはDVや虐待からの被害者も多く、個人情報や居場所は絶対に知られてはならない。こうした団体は引っ越しも検討せざるをえなくなり、活動に大きな支障が出ている。 さらにスタッフや事業所に危害を加えるという脅迫が延べ10件ほどみられた。そうした脅迫がなかった団体は3団体にとどまった。 支援そのものが継続困難に 女性支援事業を継続していくうえで最も重要なのが、利用者および支援者の安全確保だ。しかし今回の「女性支援を守るメディア連絡会」の調査によって、その安全が脅かされているという深刻な事態が分かった。 当然ながら、今回調査された女性支援団体に不正はなかった。Colaboと同様、「東京都若年被害女性等支援モデル事業」を受託した団体に対して住民監査請求が出されているが、いずれも棄却もしくは却下されている。しかし言いがかりや思い込み、あるいはブログや動画のアクセス数・再生回数をあげる売名行為として、女性支援団体に対して、その事業を継続不可能にするほどの攻撃が続いているのだ。こんなことは許されるべきではない。 女性支援団体への嫌がらせは、当事者だけでは解決できない。Colaboはこれまで「疑惑」について逐一回答してきたが、そのたびに新たな言いがかりや難癖をつけられ続けており、攻撃は激化する一方だった。 そもそも、シェルターの暴露や事業所への押しかけといったストーカーまがいの行為まで行うような人間たちに、冷静な説得が通じるわけがない。そのような行動の動機は加害欲求によるところが大きいのだから、当事者の反発は彼らをエスカレートさせてしまう可能性もある。
利用をためらわせる恐怖

この状況で必要なことは二つある。女性支援活動を正常に続けさせるための行政のサポートと、当事者や利用者の不安を取り除くためのメディアの報道だ。たとえ何も非が無くても、誹謗中傷の洪水に晒されれば、これまで支援してきた人も支援をためらうし、支援が必要な人も利用をためらってしまう。そうならないためにも、行政は毅然とした態度で女性支援団体を守り、メディアはこの問題に中立的な立場を取るのではなく、団体側に不正がなかったことをしっかりと伝える必要がある。 しかし前傾のコラムで述べたように、東京都はColaboの事業「バスカフェ」が妨害にあったとき、サポートせずに逆に中止を要請した。また、大手メディアでは住民課監査ではColaboに不正が認められたと捉えられかねない記事が目立った。これでは女性支援団体への嫌がらせに行政やメディアが加担しているのと同じだ。 しかし、今回「女性支援を守るメディア連絡会」が行った調査は、これまで女性支援団体が受けてきた被害を具体的に可視化することに成功している。この情報がより多くの人々に伝わることによって、行政や大手メディアの対応が改善されることを期待したい。

女性支援団体に対する執拗な嫌がらせの実態が明らかに
5/24(水) 14:55配信Newsweek








<女性支援団体Colaboに対するバッシングやハラスメントは社会が止めなくてはならない>

昨年末から、女性支援団体Colaboへの悪意ある攻撃が続いている。Colaboは主に性暴力やDV等で悩みを抱えているティーンエイジャーの女性たちに対して、「相談、食事提供、シェルターでの宿泊支援、シェアハウスの運営、10代の女性たちによる活動、講演・啓発活動」などを行っているが、そのColaboが「公金」を不正に着服している「貧困ビジネス」であるなどといった根拠のないデマを公然と流され、アウトリーチ活動も妨害されているのだ。

東京都の監査結果によれば、Colaboが公金を着服しているという主張は退けられた。しかし、Colaboの会計に不正があると考えている人は未だに多く、マスコミはしっかりと事実を報道すべきだ。

行き場のない少女たちの居場所づくり

Colaboは、虐待などで家にいることができず、街に出て、売買春業者等の被害に遭ってしまうような少女たちに対する支援活動を、代表を務める仁藤夢乃氏自らの体験もふまえながら行っている。

たとえば定期的に行っている「バスカフェ」では、食料品や日用品、生理用品などを提供しながら、支援を必要とする少女たちとつながり、ケースに応じてシェルターでの保護や生活保護の受給手続き、就労支援なども行う。

Colaboに対する攻撃が激しくなり始めたのは、昨年の秋頃だ。「暇空茜」というハンドルネームのTwitterアカウントが、このColaboという団体は「タコ部屋」に女性たちを集めて生活保護を不正受給させている「貧困ビジネス」であると主張し、SNSで話題を集めたのだ。それは、Colaboが公開している断片的な写真や資料などを基にした推論にすぎなかったのだが、暇空氏はColabo が東京都若年被害女性等支援事業を委託されていることに目を付け、この団体は車両費や通信費など東京都の委託費を不正に受給しているという「根拠」を次々と披露し、都の監査委員に対して住民監査請求を行った。

一方Colaboは弁護団を結成し、記者会見およびホームページで、数々の「疑惑」なるものに回答した。
住民監査請求が通り監査が行われたが、昨年12月に出た監査結果では、監査委員の見解はColabo 側の説明をほぼ認めるもので、公金を不当に横領しているという暇空氏の主張は一蹴されている。ただ監査の過程でいくつかの経理上の問題が指摘され、委託費の再調査が行われることになった。2月末に終わった再調査では、会計ミスや見解の違いによりColaboの経費は192万円が認められなかったものの、そもそもColaboは約300万円を自主財源から持ち出しでこの事業に充てているので、返金などの措置は必要がないと判断された。

一方、監査委員によって新たに指摘された幾つかの問題は、書類のミスや見解の違いを問うものであった。たとえば人件費の按分の問題や、年数回の高額の食費、名前や住所をマスキングされた領収書などがある。このうち高額の食費については、一部報道での一人8000円という金額がクローズアップされているが、それは一年間で一度あっただけであり、保護された少女に対する誕生会のために使われたものであった。

Colaboで保護している少女たちは、DVやネグレクトで誕生日など全く祝われたことがない場合もある。せめて誕生日にはこうした盛大な祝い事をすることで、極めて危険な水準まで低下してしまっている本人の自己肯定感を高めることも事業には必要だ──Colaboの主張は認められ、経費として認められた。一方、領収書のマスキングについては、DVなどで逃げた少女を保護している性質上、個人情報を保護しなければならないというColabo側の主張は監査委員によって理解を示されたものの、経費としては認められなかった。

不正があったと誤認させる報道
この監査結果を受けてマスコミ各社でもこの話題が取り上げられたが、記事の見出しや本文で、Colaboに何か大きな問題があったと誤認させるような内容のものがあったのは問題だ。たとえば再調査の結果を受けた記事では、東京新聞の見出しは「「Colabo」192万円分の経費認めず 都の再調査結果 委託料の返還請求はなし」であり、朝日新聞は「女性支援事業の経費、192万円認めず 東京都、返還請求はなし」であった。

だが重要なのは、Colaboの会計に不正がなかった、ということだ。Colaboは「貧困ビジネス」だ、というレッテルが事実誤認だったことをこそ報じるべきだった。経費として認められなかった192万円についても、そもそもColaboは委託費2600万円を使い切り、なお持ち出しで300万円を支出している事実が確認されたのだから、委託費を不正に着服せしめたような印象を与える見出しは不適切だろう。

さらにこれらの記事の本文ではColabo が一部の領収書の提出を拒んだことが強調され、Colaboが192万円、あるいは全ての支出の領収書の提出を拒んだと誤解した人もいる。これは先述の通り個人情報保護のためそれに関連する一部の領収書にマスキングをしたのであり、個人情報の保護については、経費として認めるかはともかく、監査委員も理解を示していたことを説明するべきだった。

異常な状況に終止符を
Colaboの会計に不正はなかったことが監査によって明らかになったのちも、Colabo は激しい攻撃に晒されており、特にアウトリーチ活動である「バスカフェ」は迷惑系YouTuberらによって物理的な妨害を受けており、最も悪質な男性について接近・妨害を禁止する仮処分が出るほどになった。にもかかわらず、東京都・新宿区は混乱の収拾を目的としてColabo側にバスカフェの一時中断を要請している。しかし本来であれば、行政の委託事業が悪質な妨害を受けているのだから、行政が責任をもって遂行可能な環境をつくるべきだろう。この異常な状況を終息させるためにも、マスメディアはしっかりと経緯や事実を報道してほしい。

https://www.newsweekjapan.jp/fujisaki/2023/03/colabo_1.php
女性支援団体Colaboの会計に不正はなし

2023年03月20日(月)15時57分



選挙運動をしている候補者や支援者に対するセクハラやパワハラなどの嫌がらせが、2023年4月の統一地方選前後でも発生したようだ。SNSなどで動画付きの投稿によって複数報告されていた。 【画像】笑顔で政治活動中の区議 渋谷区議会議員選挙で当選したくわずるゆき子区議も被害者の一人だ。選挙の公示前から区内で政治活動をしていたら嫌がらせに遭ったという。 ツイッターに投稿された動画では、中高年の男性がくわずる氏の演説をやめさせようと怒鳴りつけて妨害する姿が映っていた。当時はどんな状況だったのか、くわずる区議に話を聞いた。(ライター・篁 五郎) ●後ろから近づいて『消えろ』『死ね』と暴言 「動画を撮影できたのはたまたまです。ボランティアさんがいた時に妨害されたのは珍しいんです。普段は一人のときでしたから」 くわずる区議は現在35歳で2児の母。大学在学中にアプリ制作会社を起業した経験を持ち、前職の外資系コンサルティング会社でもデジタル事業に特化した部署で勤務していた。 選挙前、恵比寿駅を中心に演説をしており、ツイッターで政治活動する場所と時間を告知していた。2023年3月ごろから一人で演説をしていると急に妨害されるようになったという。邪魔をしてくるのはすべて男性で、背格好や年齢はバラバラだったが、同じような行動をしてきた。 「演説を始めた途端、すぐに『うるさい!』『なんでこんなことしているんだ!』と大声で言われました。近くでずっと撮影している人もいました。私が『どうかしましたか?』と話しかけると去っていくんです」 くわずる区議は怖くなり、ツイッターで演説時間と場所の告知をするのをやめた。それでも妨害行為はやまなかったという。 「私の後ろから近づいてきて『消えろ』『死ね』と聞こえるように言ってくるんです」 決定的な言葉をぶつけられたことで警察に相談することを決めた。 「目の前で『消えろ、死ね、7歳』と録音した音声を繰り返し流されたことがありました。私の子どもの年齢と一致する数字で、とても不気味でした。子どものことをにおわされるとやはり怖いですし、渋谷警察署へすぐに相談に行きました」 相談をすると親身になって話を聞いてくれ、防犯対策も教えてくれたという。 「何かあったらすぐに110番してと言われましたし、すぐに駆け込めるように交番の近くで演説していました。また、演説中は録画や録音をした方がいいとアドバイスされたので、ボイスレコーダーを胸に忍ばせ、スマホをスタンドで立てて録画しながら演説していました」 警察のアドバイスが功を奏したのか、録画と録音を開始してから嫌がらせ行為は減ったという。しかも、不思議なことに選挙公示後は一度も妨害行為に遭わなかったそうだ。 「選挙中も妨害されると覚悟していたので、なかったのは不思議でした」 ●妨害の理由は不明 妨害について、心当たりは特段なく、はっきりした理由もわからないというが、「もしかしたら」と切り出したのはSNSでのやり取りだ。 「女性トイレ問題やLGBTQ法案についてツイッターで発信していたんです。反響も大きく、70万インプレッションまでいったこともあります。 女性トイレ問題を演説で話すと『女性が話すな!なまいきだからやめろ』と言われたし、演説中に『ここの場所でやるな』『目障りだからやめろ』と大声で妨害をされました。 一人で演説しているとやはり怖いですし、相手をするのに時間を使いたくないと思って、『わかりました次の場所行きます』と逃げてしまったこともありました」 ●政治に挑戦すると決めた女性へ「相談に乗ります」 区議選では1920票を獲得し、無事当選を果たした。 「子どもをはじめ、声を上げたくても上げられないという人はたくさんいます。そうした人々の思いに寄り添った制度を作りたいというのがあります」 くわずる区議が政治家になろうと思ったきっかけは、不適切保育問題だ。 「実は私の子どもを預けていた保育所で不適切保育があったんです。保育士による園児への暴言などがあり、その保育士は解雇されました。 不適切保育は全国各地でも起きています。これだけ起きるということは特別なことではなく、政治で解決しなきゃいけない課題が潜んでいると思うので、ぜひ取り組みたいですね。 保育士の待遇改善や保配置基準数といった以前から変わらず運用されてきた制度の見直しなど、子どもたちの安全のために声をあげていきたいです」 他にも選挙前から掲げていた渋谷区の女性トイレの問題にも取り組みたいという。 「取り組まないといけない課題だと思っています。渋谷区では女性用のトイレが共用に代わっていっています。区は女性トイレを残すと言っていますけど実際は減っていっているんです。「減らすのはおかしい」と言わなければどんどん減ってしまいます。男性用があれば、女性用もあって、その上でみんなのトイレが必要なところにきちんとあるという状況にしたいですね」 今後取り組みたいこととして、「女性議員の増加」を挙げる。女性議員の比率が今なお低い現状、女性の意見が政治に反映されにくいという危機感からだ。今回の妨害行為も女性だから受けたという実感から、自身の体験を伝えていくとともに、女性からの相談に積極的に応じたいという。 「セクハラやパワハラも女性は男性よりも被害に遭いやすいと思います。政治に挑戦すると決めた女性で頼る人がいなかったら、私がどんな相談にも乗りますよ」 【筆者プロフィール】篁 五郎(たかむら ごろう):神奈川県生まれ。接客業、カスタマーサポートなど非正規雇用を転々とした後、フリーライターに転身。現在は取材記事を中心に社会や政治の問題、医療広告、スポーツ、芸能、グルメと雑多なジャンルを執筆している。

弁護士ドットコムニュース編集部

政治活動中に「消えろ」「なまいき」…暴言受け続けた女性区議が感じた恐怖とは
6/1(木) 11:20配信弁護士ドットコム









幼い子供を持つママ候補が子供を連れて街頭に立ったら選挙違反? 子育て支援や女性活躍を大きな課題となっている日本で、格好の代弁者となる女性議員がなかなか増えない要因の一つに、子育て中の選挙の難しさがある。 【画像】法律は18歳未満の者の選挙運動を禁じているが「選挙運動」の規定はない

子供をおんぶして選挙演説するのは違反か? “子連れ選挙”の線引き

4月9日に実施された名古屋市議選に北区選挙区から無所属で立候補した、石井知子さん(38)。 春休み中の子供3人は日中、夫の実家へ。夕食の時間には連れて自宅に帰り、食事をとらせてから再び選挙活動へ向かう。 石井さんの娘(6): いやだ~ママ行っちゃダメ この春小学校に入ったばかりの次女は、まだまだ甘えたい年頃。どうしてもスケジュールに影響が出るが、石井さんは子供たちを選挙活動に連れて行くことはしない。 石井知子さん: 連れていったらきっとビラを配りたくなっちゃうし、手を振るのもダメなので、それを止めるとちょっとかわいそうかな 連れて行った子供が手を振ると、選挙違反になる恐れがある。 2022年夏の参院選に東京選挙区から立候補した、田村真菜さん(34)。子供をおんぶしながら、選挙活動をしていた新聞報道の写真をきっかけに、“子連れ選挙”がクローズアップされた。 田村真菜さん(34): あの記事を見て(選挙)違反だという声を多くいただいて、「こいつ捕まえた方がいいんじゃないか」みたいな電話が、東京都の選管に100件以上とか、かなり電話が入ったらしくて 子供を連れて街頭に立つのは、選挙違反なのか。田村さんの息子は当時3歳。保育園に通っていたが「不登園」気味で行けない日もあった。 同居のパートナーは仕事で家を空けることが多く、実家は片道2時間の距離で毎日頼ることは難しい状況だった。 田村真菜さん: 事務所に連れていくとか、街頭に一緒に行くしかないという日があった。街頭では、やっぱり基本的には離していてもらうように心がけていたんですよね 活動中は幼い子供でも離しておく。その理由は法律にある。公職選挙法には、「18歳未満の者は選挙運動をすることができない」「何人も、18歳未満の者を使用して選挙運動をすることができない」と書かれている。しかし条文には「選挙運動」がどういった行為を指すのか、明記されていない。 田村さんも曖昧なルールに迷い、一つ一つ都の選管に確認はしていたが…。 田村真菜さん: (選挙期間中に)子供を保育園に迎えに行く送迎で一緒に歩いているのも「微妙です」みたいなことを言われて、「それって私がやるしかないけど」みたいな 気を付けて活動していたが、幼い子供がいつも言うことを聞いてくれるわけではない。 田村真菜さん: 選挙期間中に(子供が)疲れて降りたくない、みたいになっちゃって、おんぶで演説している写真を朝日新聞さんが記事にして。「(選挙)違反だ」という声を多くいただいて 都の選管は「選挙運動ではなく、“同行”なので問題ない」という見解を示したが、ぐずる子供を仕方なくおんぶして街頭に立った行動が多くの人に“選挙違反”と誤解されてしまった。 田村真菜さん: わかりにくかったし、生活できなくない?みたいな感じです
投票を呼びかけたら「子供を抱っこしながら演説」はNG 総務省が見解

この問題は、国会でも取り上げられた。 伊藤孝恵参議院議員(2022年11月の参議院特別委員会): 子連れ選挙なんてとか、お母さんが赤ちゃんに授乳をしながら選挙をすることが、全く想定されていなかった。そういう中で、前例が積み重なっていっていない。なので、照らし合わせて判断することが難しいという声が聞かれています 2022年11月、総務大臣に“子連れ選挙”について質問をした伊藤孝恵参院議員(47)も、子育てをしながら選挙を戦った1人だ。 自身の経験を踏まえ、13の具体例を挙げて総務大臣に見解を求めた。 この時の答弁に基づき、総務省は2023年3月“子連れ選挙”の15の具体的な事例が選挙違反にあたるかどうかまとめた見解を、各都道府県の選挙管理委員会に通達した。 そこでは、「選挙カーでの授乳」や「当選後に子供とバンザイ」をすることなどは“差し支えない”とされたが、「子供を抱っこしながらの街頭演説」や「子供が候補者やスタッフと歩くこと」などは、投票を働きかけた場合、“公職選挙法に抵触する恐れがある”とされている。 伊藤孝恵参議院議員: 父親や母親が一生懸命自分の思いを述べる姿をみせてはならない、それを見ていた子供たちが手を振ったら、それは公職選挙法違反である。ここの線引きやバランスというのに対して、法律のみならず社会がどういう風に線引きをしていくかっていうのも、またひとつ論点だと思う 2022年の参院選に挑戦した田村さんは、自分と同じ境遇の女性候補を少しでも支えようと2022年10月、同じ問題意識を持つ議員らとともに、立候補する女性を支援する「こそだて選挙ハック」を設立した。 この日は、産後2カ月で今回の統一地方選にチャレンジする女性候補の元を訪ね、「子供がポスターを貼るのは問題ないか」という問いに答えた。 田村真菜さん: それも労務だから(OK)。ただ、ポスター貼りながら子供が「うちのママよろしく」っていうのはダメだとか… 総務省の通達内容などをもとにアドバイスを行っている。また“子連れ選挙”に関するルールを、わかりやすくまとめた。 リーフレットにしてWEBで公開している。
子育てしながら立候補する女性をもっと…選挙中の保育園の利用はOKに

子育て中でも立候補しやすくしようという取り組みは、神奈川県鎌倉市でも行われていた。 鎌倉市でビーチや路地の清掃活動をする藤本麻子さん(38)は現職の鎌倉市議で、「こそだて選挙ハック」の発起人の1人だ。 会社員時代に、育児中の女性の働きづらさに違和感を抱き、2021年4月、選挙に初挑戦。 夫も普段より多く育児や家事を分担したが両立は難しく、当時まだ小学校入学前だった息子を1週間、県内の実家に預けて選挙戦に臨んだ。 藤本麻子市議: 70歳近い母親が(息子を)預かることはあるけど、朝から晩まで7日間っていうのは大変だったみたいで、最終日にすごく具合悪くなっちゃって。投票日の夜、結局母親を救急で病院に連れて行って、一緒に開票を見守るみたいな形になっちゃったんですよね こうした経験もあって、「こそだて選挙ハック」の活動の中で聞いた悩みを市議会で質問した。 藤本麻子市議(議会での質問): 子育て中の人が立候補を目指すに当たり、目下大きな課題があります。それは保育園や学童に子供を預けられなくなってしまうということです 保育園や学童施設は基本的に親の就労が要件だが、立候補のために仕事を辞めたり減らしたりすると要件を満たさなくなったとみなす施設もあった。全国的に共通の見解はなかったが…。 鎌倉市の担当者: 立候補に向けた選挙活動または政治活動は、保育所や学童の入所要件に当たるということが考えられます 「選挙活動は入所要件に当たる」という答弁を、鎌倉市から引き出した。 この問題を巡っては、2023年に入って国会でも岸田首相が同様の答弁を行い、自治体に周知すると明言している。 藤本さんは、子育てしながら政治に取り組む姿を見てもらうことで「自分も立候補できるのでは」とチャレンジする女性を増やすことが目標だという。 藤本麻子市議: 私みたいな人が増えていくと、政策ややり方の違いとか、有権者の目が肥えていく。こっち(女性議員)が増えてくると政治っていう感じ 2児の母親: 麻子さん(藤本市議)が子育てをしながら母親当事者として戦っている姿を見て、選択肢のひとつに自分が(選挙に)出るっていうのも「もしかしたらあるのかな」って考えられるようになったっていうだけでも、すごく変わってる 子育て真っ最中の女性の声を、もっと届けやすく。その思いは少しずつ広がっているようだ。 2023年4月18日放送 (東海テレビ)

幼子おんぶして街頭演説は“選挙違反”の恐れ…女性立候補のハードル「曖昧なルール」子育てママの声は届くか 【愛知発】
5/28(日) 21:02配信FNN









「今日も今日とて抜かされた。毎日毎日何度もこれなの」 「車椅子の人はエレベーターに優先的に乗らせてって言ったらこんなに個人攻撃に遭う世界なんだね」 【画像・動画】「車椅子だから譲れってか?」SNSやニュースコメントで実際にさしみちゃんさんに向けられた言葉 2月末、車椅子ユーザーの女性が地下鉄の駅でエレベーターになかなか乗れない様子を撮影した動画をTwitterに投稿し、大きな話題を呼んだ。

「こんなに大変とは」「わがまま」と賛否両論

別の階からすでに乗っていた人で混み合うエレベーター。正確に言うと、少しずつ詰めてもらえば車椅子分のスペースは空くはずだが、動いてはくれない。ついには近くにいた別の人に先に乗られてしまう。 現状を記録し、「階段やエスカレーターが使える人は、エレベーターしか手段がない人に譲ってほしい」と訴えるこの動画は、Twitter上で大きく拡散。 「こんなに大変とは」と驚く声の一方、「わがままな障害者」「譲る理由がわからない」「こいつの態度が悪いからだろう」などの誹謗中傷も多数寄せられ一時は“炎上”状態に陥った。 ニュースサイトに配信された記事の“人気コメント”も同じような罵詈雑言や揶揄で埋まった。 乗客の顔は映っていなかったものの、「晒し上げだ」と投稿者を責めたり、個人を特定しようとしたりする声も多く、女性は結果的に動画を削除するに至った。

「この動画で初めて現実を知りました」

しかし、車椅子ユーザーにとってはこの状況は特別なことではない。たまたまこの時だけ運が悪かった、ではなく、見慣れた景色だ。 「渋谷スクランブルスクエアは、ベビーカー&車椅子“専用”エレベーターがあってもいつも健常者と思しき方々で満員。見送らざるを得ないことが日常化」 「『専用』と書いてもダメなら、いったいどうしたら……」 ちょうど同時期、乙武洋匡さんも「エレベーター8回乗れなくて見送った」という他のユーザーのつぶやきに反応する形でそう吐露していた。 声を上げたら激しくバッシングされる。しかし、彼女はそこで諦めなかった。 「この動画で初めて、現実を知りました」 「車椅子の人には降りて譲るのが基本というルールをそもそも知らなかった」 寄せられたリプライやDMでそんな意見が多かったことを受け、SNSやYouTubeを通してさらに詳しく伝えようと活動を続けている。 より実効性がある対応につなげようと、国土交通省と鉄道会社に優先利用の表記の拡大やルールの周知を訴える署名を開始した。 “炎上”から時間が経った今、どんな思いでいるのか。“車椅子ギャル”さしみちゃんさん(@ misa_misaxxx)に話を聞いた。 (※この記事には、さしみちゃんさんに実際に向けられた身体障害者への誹謗中傷が含まれます)
「乗れないのが当たり前」車椅子ユーザーの現実



さしみちゃんさん

――車椅子ユーザーにとって、エレベーターに乗れない、譲ってもらえないのは日常茶飯事なのでしょうか? それはもう毎日……どころか毎回です。自分だけでなく車椅子ユーザーはみなさんそうだと思います。1回のエレベーター待ちが5分、10分だったとしても、1日に何回もあるとかなりの時間になってしまいます。 私たちは階段やエスカレーターを選べるみなさんと違ってエレベーター「しか使えない」のに、その唯一の選択肢も車椅子分のスペースが「空いていれば」という条件付きでしか乗らせてもらえない。 ただでさえ限られた選択肢なのに、後回しにされているのが現状です。降りてスペースを作ってくださる方はほとんどいないですし、むしろ「車椅子が乗れないなら自分が」と横から抜かされることばかりです。 あの動画だけを見た方にはなかなか伝わってないのかもしれないと思うのですが、「たまにある」どころか「あれが当たり前」なんですよね……。 ――動画を撮影した日の状況を改めて教えてください。 あの日は仕事で、朝から都心に出かけていました。どこも混んでいて、ひたすら待たされる日だったんですね。エレベーターしか使えないと、1階移動するだけでも大変なんです。 ある商業施設で乗ろうとしたら中にいる人に大きく舌打ちされて目の前でドアを閉められて気が滅入ってしまい……。疲れ果てた帰路、駅のエレベーターでもこんな目にあって心が折れてしまいました。

舌打ちなんてマシな方 暴言や暴力、痴漢被害も



ネット番組で共演したひろゆきさんとYouTubeでも対談。より広く現状を知ってもらおうと引き続き活動している

――そんなにあからさまに悪意を示されることもあるんですね。 舌打ちなんてまだいい方です。睨まれたり、エレベーターを降りたところで嫌味を言われたり。ひどい時はあとをつけられたり、写真を撮られたり、ひじで頭部を殴られたり、傘で車輪をつつかれたり。 混み合っているエレベーターに乗ったら痴漢されたこともありました。エレベーターを使うしかない、逃げられないってわかっていて卑怯ですよね。 車椅子ユーザーには「絶対嫌な思いをするからエレベーターを使いたくない、だから極力外出したくない」という人も少なくないです。 ――盗撮に暴力……想像以上の過酷さで驚きました。 「自分から乗りたいって言えばいい」という意見も多かったんですけど、いざ言ったところで親切に応じてくれる方ばかりではありません。これまでに受けた暴力や暴言、痴漢の記憶があるとなかなか気軽に口に出せないです。 私もどうしてもトイレに行きたいとか事情があって急いでいる時などは「すみません、乗せてください」とお願いすることもありますが、外出に慣れている方の自分でも勇気がいります。 ――それを1日に何度も、となると現実的ではないですよね。 「動画なんか撮っているから、乗る気があるのかわからなかったのでは?」という声もかなり多かったんですが、私はあの動画を撮る前に一度エレベーターの目の前まで進んでいるんです。 もう少し詰めてもらえれば入れるなと自分ではわかっていたので近づいてみたのですが、中の人たちはチラッと見て無視するか、まったく気づかないか、鬱陶しそうに見てくるかで……。先程お話ししたようにその日は心が折れていたので引き下がりました。 そもそも、車椅子でエレベーターの前にいて乗らないってこと、ないですよね……? だって他の手段がないんですから。どんなに混んでいても待ち続けるしかないんですよ。 ――動画は、その後削除するに至りました。 私は社会の現状を知ってもらいたかっただけで、エレベーターに乗っていた人たちを晒したいわけではないですし、あの場にいた個人を責めるつもりはありません。でもこの動画の出し方ではそう思われる可能性があったなとそこは反省しています。 とはいえ、現状を訴えたい気持ちは変わりません。「車椅子の人には優先的に譲ること」と国が定めているのを知らない人も多いでしょうし、周知が足りないと今回のことで改めて感じました。
「わがままな障害者」と中傷されて



譲ってくれることはほぼないという

――“炎上”状態になり、ひどい言葉も浴びせられたのでは。 全体で見ると、多くは温かい反応や応援の声でしたよ。「知らなかったので驚きました」「これから見かけたら譲るようにします」と言ってくださる方もいてうれしかったです。 それでも「わがままな障害者」という誹謗中傷は多かったですよね。「死ね」とか「ブス」とか直球の暴言も、久しぶりに聞きました。 ニュースへのコメントもひどかったですね。勝手に記事にされて、「態度が悪い」「見た目のせい」「感謝が足りない」なんて好き勝手書かれて。 「障害者だからって甘えるな」って言われても、甘えてエレベーターを使っているわけじゃないんですよ! むしろ選べるなら、並ばないでエスカレーターに乗りたいですよ。 ――階段もエスカレーターも使えるのにエレベーターに乗る方が「甘え」とも言えますね……。 障害者ばっかり優先されて、という気持ちがあるんでしょうけど、社会のすべてはデフォルトで健常者が「優先」なんだと知ってほしいです。 銀行のATMは高さがあって使えない、スーパーの商品は低い棚からしか選べない、狭いお店の通路は通れない、階段しかないレストランには行けない。 そんな風にできている社会の中で、車椅子やベビーカーを使うたくさんの先人が「エレベーターをつけてください」と訴えてきた結果が今なんです。 やっと整備されたエレベーターくらいせめて「優先」させてほしい、というのが正直な気持ちです。

「思いやりの心」でぼかさないで



国土交通省によるポスター

国土交通省のバリアフリーガイドラインでは、障害者や高齢者、妊婦などには優先的に譲るよう定められていますが、実際の掲示は「思いやりの心」「優しい気持ち」とぼかされていることも多いですよね。 「必要な人と居合わせたら、降りて譲ろう」とまで伝わっていないんだと思います。 ――たしかに「優先」の意味するところがあいまいですよね。ルールではなく道徳の問題に聞こえます。 私は日々の移動に100%エレベーターを使っていますが、それでもエレベーターで同じ車椅子の人と出会うことって多くて月に数回程度です。“普通の人”だときっともっと少ないですよね。 エレベーター絶対使わないで!とはまったく思わないですけど、居合わせた時は、他の手段がある方はぜひそちらにお願いします、という気持ちはあります。 あとは、車椅子に遭遇する経験が少なすぎて「どうしたらいいかわからない」って人も多いと思うんですよね。 例えば、混んでいるエレベーターに乗っている人が私を見て「どうしよう?降りるべき?」と一瞬迷う目をすることもあるんです。でも、周りはノーアクションだと一人で動くのをためらう気持ちも理解できるので。 だから「エレベーター待ちの車椅子の人がいたら、先に乗ってもらおう」という空気が広く共有されていくといいなと思います。 ――私は子どもが小さい頃にベビーカーを使っていて、エレベーターしか手段がない大変さを知り、そこから積極的に譲ろうと思うようになりました。自分で経験していると違いそうですが、全員がそういうわけにもいかないですよね。 そのあたりは教育の問題もありますよね。障害者が必要としている「思いやり」は、道徳じゃなくて行為なので。 なんでもかんでも「やってあげる」じゃなくて、必要な時にさっと手助けしてもらえるのが一番ありがたいのでそういう「優しさ」を教えてくれるといいですよね。 ここまで苛烈なバッシングを受けてしまうと、道のりは遠いと感じちゃいますけど。
“健常者”こそ声を上げてほしい



【車いすやその他交通弱者のエレベーター問題を環境の整備で改善しよう!】 と署名活動も開始

――YouTubeでは「障害者が声を上げても叩かれる。当事者じゃない人こそ、もっと声をあげてほしい」と話していましたがもう少し詳しく聞いてもいいですか? やっぱり、障害者自身が声を上げても「わがまま」「また障害者がなんか言っているよ」と主張をちゃんと聞いてもらえない感覚があるんですよね……。 障害者がなんか言っていること自体が生意気、迷惑、黙れ、みたいな人がこんなにいることに正直驚きました。どんな人なのかな?とアカウントを見に行くと、とにかくその時々で話題のものに暴言を吐き続けている人も多くて、まともに受け止めるのも意味ないだろうって思いましたけど。 私は生まれつき足が悪く、車椅子を使い始めたのは大学1年生からです。 小さい頃からその時々でサポートしてくれる友人にも恵まれて、今もある企業で正社員として“普通に”働いているのもあり、普段の生活の中で差別を感じることはあまりないんです。でもこの社会に「差別」は歴然とあるんだなと気付かされました。 そういう「あいつら障害者」と見下げている人は、同じ“健常者”から「いや、それはあなたが、社会がおかしいよね」「変えていきたいよね」と声を上げてもらった方がいいと思うんですよね。 それが「個人のわがまま」を超えていく、空気を変えていく方法なんじゃないかと。 ――車椅子の方を見かけた時、私たちにできることはありますか? エレベーターを降りて譲ってくれるのはもちろんありがたいですけど、せっかく乗っている人に降りてもらうことへの申し訳なさはもちろんあるんですよね……休日の混んだビルなどは特に。 なので、そもそもエスカレーターや階段を選んで「棲み分け」してくれることがまず助かりますし、ありがたいです。使う人が少なければ、自然に並ぶ列も短くなりますしね。 それ以外だと……自然な会話の中でこの問題を友人や家族に伝えてくれるといいかなと思います。 少しずつ空気を作っていくことが大事だと思うので「この前こういう動画見たんだ」「インタビュー読んだんだ」なんて話も含め、トピックとしてあげてもらえると意識にのぼるんじゃないでしょうか。 あとはエレベーターの近くを通りかかった時に「車椅子の人いたら譲ることになってるんだって~!知ってた?」とかちょっと大きい声で言って応援してくれると嬉しいかも(笑) ――いつかやってみます(笑)さしみちゃんさんの元には車椅子ユーザーの方から「初めてエレベーターを譲ってもらいました」というDMも届いているそうですね。 そうなんです、この一連の騒動のおかげかはわからないですけどね。“炎上”で傷ついた、削られた部分も大きいですけど、少しでも知って行動してくれた人がいるならよかったです。 ――署名活動も実施していますが、今の思いを教えてください。 この件を通して大変多くの意見に触れ、その多くが「優先であることをそもそも知らない」というものでした。駅の優先表示を拡大し、優先すべき対象や具体的なアクションを示すことで、譲りあいが当たり前になっていくといいなと思っています。 まずは2万人の署名を目指しています。炎上を炎上で終わらせることなく、しっかりと社会を変えていきたいです。

「わがまま」「態度が悪い」と攻撃され…大炎上。「車椅子にエレベーターを譲って」それでも彼女は声をあげ続ける
5/31(水) 11:10配信BuzzFeed