麻薬戦争Wikipedia.国連の薬物対策は「失敗」、IDPCが政策の再考を求める2018.10.22 Mon posted at 14:30 JSTCNN.メキシコ、少量の麻薬所持を合法化.U.S.-led "war on drugs" questioned at U.N.Legalization of non-medical cannabis in the United States.Medical cannabis in the United States等麻薬戦争は失敗だった事を示す記事PDF魚拓


薬物戦争(やくぶつせんそう、英語: War on Drugs)とは、日本では麻薬戦争[注釈 1](まやくせんそう)とも呼ばれ、参加国の協力の下に違法薬物の取引を削減することを目的として行われた、アメリカ合衆国連邦政府による国外での軍事支援英語版)および軍事介入を表す用語である[2][3]

麻薬戦争の取り組みは、違法な向精神薬の生産、流通、消費の阻止を目的とする、一連のアメリカ合衆国の薬物政策英語版)を含む。この用語は、1971年6月17日アメリカ合衆国大統領リチャード・ニクソンによって初めて用いられた[4][5][6]

2009年5月13日アメリカ国家薬物取締政策局英語版)局長ギル・ケルリコースキー英語版)は、薬物における実施政策を大きく変更する計画はないが、アメリカ合衆国大統領バラク・オバマが「逆効果だ」と主張する「薬物戦争」という用語を使わないと伝えた[7]

2011年6月、NGOの薬物政策国際委員会は薬物戦争に関する批判的な報告書を公表し、「世界規模の薬物との戦争は、世界中の人々と社会に対して悲惨な結果をもたらし失敗に終わった。国連麻薬に関する単一条約が始動し、数年後にはニクソン大統領がアメリカ合衆国連邦政府による薬物との戦争を開始したが、50年が経ち、国家および国際的な薬物規制政策における抜本的な改革が早急に必要である」と宣言した[8]。この報告書は薬物の合法化に反対する団体により批判された[9]

前史

阿片戦争アヘン取り締まりが原因で起きている。

1950年代からビルマ族と他の少数民族との内戦が続くミャンマーでは、旧ビルマ共産党を含む多くの反政府勢力が資金源として麻薬ビジネスに関わっていた。

1961年国連麻薬に関する単一条約が採択された。

歴史

世界の麻薬密造地帯

黄金の三日月地帯」および「黄金の三角地帯」も参照

1967年には、ビルマ・ラオス・タイ国境付近で、クン・サ率いる「モンタイ軍」(MTA)と(ビルマ・シャン州およびタイ北部に存在していた)中国国民党残党による密輸キャラバンと、旧ラオス王国軍との間で戦闘が発生している(1967年阿片戦争英語版))。この戦争の結果、国共内戦後にタイに侵入していた中国国民党残党はタイ王国軍によって武装解除と強制退去をさせられ[10]、クン・サはのちにビルマ政府に逮捕されてMTAのメンバーが半減するなど一時的に大打撃を受けた。

1971年2月21日には、ウィーンにて、先の条約によって規制した以外の薬物の乱用を抑止するために、向精神薬に関する条約が採択された。

薬物戦争の用語は、1971年6月17日アメリカ合衆国大統領リチャード・ニクソンによって初めて用いられた[4][5][11][6]。当時、ビルマ式社会主義体制においてアメリカ合衆国とは軍事協定を何ら結んでいなかったビルマ連邦に対しても、麻薬を資金源とするビルマ共産党やクン・サら軍閥が存在していた事から「対麻薬計画」として限定的な装備や教育の提供が行なわれていた。

ニクソンのアドバイザーであったジョン・アーリックマンは、ニクソンは黒人と反戦活動者を逮捕するために薬物取り締まりを利用したと1994年に回想している[12]

ロナルド・レーガンが軍事援助と引き換えにコカ撲滅作戦を展開し、時の大統領ハイメ・パス・サモラをして「この国を支配するのはアメリカ大使館だ」とまで言わせたボリビアでは、人々の生活に欠かせないコカを排除することへの反発から、反米エボ・モラレスが大統領になった。麻薬単一条約からも脱退していたが、国内消費に限り容認させる留保付きで条約に復帰した。

ジョージ・H・W・ブッシュ政権下では、1989年12月に麻薬取引にかかわったマヌエル・ノリエガを捕まえる名目でパナマ侵攻をおこした。同年、コロンビアでは、メデジン・カルテルカリ・カルテルを壊滅するため、政府を支援している(麻薬カルテル戦争英語版)、プラン・コロンビアスペイン語版英語版))。

詳細は「メキシコ麻薬戦争」を参照

世界の違法なアヘンの生産量は、1971年の990トンから、1989年の4,200トンに増加し、2007年には国際連合は8,800トンとなり最大生産量に達したと報告した[13]。アメリカで1990年代の10年間でコカインの使用量は増加し、2008年の国連の調査でもコカの葉を生産するためのコロンビアの土地は根絶計画に反して劇的に拡大した[13]。つまり、1990年代以降、麻薬戦争は全面的に失敗であるという意見も増加してきた[13]

ジョージ・W・ブッシュ政権下では「メリダ・イニシアティブ英語版)」を実施して支援を開始し、2006年12月にメキシコフェリペ・カルデロン大統領は就任直後から大規模な麻薬密輸組織掃討作戦に乗り出したが、治安当局への報復攻撃などにより4年間で死者が3万196人に達した[14]。2009年にはメキシコでは、ヘロイン、マリファナ、コカインの個人所持が合法化されることになる[15]

2009年5月13日、アメリカ国家薬物取締政策局英語: Office of National Drug Control Policy)局長ギル・ケルリコースキー英語版)は、薬物における実施政策を大きく変更する計画はないが、バラク・オバマ政権が「逆効果だ」と主張する「薬物戦争」という用語を使わないと伝えた[7]

米国でのヘロイン過剰摂取による死亡数[16]

米国でのコカイン過剰摂取による死亡数[16]

2011年6月、薬物政策国際委員会は薬物戦争に関する批判的な報告書を公表し、「世界規模の薬物との戦争は、世界中の人々と社会に対して悲惨な結果をもたらし失敗に終わった。国連麻薬に関する単一条約が始動し、数年後にはニクソン大統領がアメリカ合衆国連邦政府による薬物との戦争を開始したが、50年が経ち、国家および国際的な薬物規制政策における抜本的な改革が早急に必要である」と宣言した[8]。この報告書は薬物の合法化に反対する団体により批判された[9]

2012年の第67回国連総会では、メキシコ、コロンビア、グアテマラといったラテンアメリカ諸国の大統領は、薬物の流通を制限するという証拠は乏しく、暴力につながるこうした政策の変更を提案した[1]。メキシコでは、カルデロンの任期中6年間に、薬物に関連した暴力により死者は6万人を上回り、コロンビアでは撲滅運動にかかわらず依然としてコカインの世界最大の生産地の1つである[1]

2013年の国連の薬物乱用防止デーにおいて、法の支配は一部の手段でしかなく、刑罰が解決策ではないという研究が進んでおり、健康への負担や囚役者を減らすという目標に沿って、人権や公衆衛生、また科学に基づく予防と治療の手段が必要とされ、このために2014年には高度な見直しを開始することに言及し、加盟国にはあらゆる手段を考慮し、開かれた議論を行うことを強く推奨している[17]

2016年には、国連薬物特別総会(UNGASS:UN General Assembly Special Session on Drugs)2016が開催される予定である[18]。総会は2016年4月19日から21日に、ニューヨークにて開催される。以前の総会は1998年に開催され、加盟国には非現実的な「薬物のない世界」という目標が課された[18]。近年では、当のアメリカの一部の州において大麻が非犯罪化されているだけでなく、ポルトガルは完全に薬物を非犯罪化し、ラテンアメリカ諸国でも制限を緩めているところがある[18]

2017年に大統領ドナルド・トランプは、麻薬による中毒死が急増しているという、オピオイド(麻薬の医学用語)による危機について国家非常事態の宣言を予定し[19]、これは公衆衛生上の非常事態の宣言となった[20]。こうした死亡を減らす取り組みには職業訓練を行う一方で、監督下注射施設英語版)を用意することであり、カナダでは35%の死亡の減少、全国的に展開するスイスでは半減している(ハーム・リダクション[21]。これを実施するためには、アメリカ合衆国は薬物戦争を終わらせなければならず(刑罰ではなく治療の政策へ[22])、そのための準備はまだない[21]

2016年より、フィリピンでは、ロドリゴ・ドゥテルテ麻薬戦争を起こす。

2018年、薬物問題に関連する世界177の非政府組織から成り立つ、国際薬物政策コンソーシアム英語版)は、違法な薬物市場を撲滅するという取り組みは効果が乏しい上に、健康・人権・治安への悪影響があると報告した。メキシコでの2017年の殺人件数は麻薬関連犯罪によって記録を更新し、フィリピンで開始された取り締まりにより2万7千人が死亡、アメリカでは2017年に過剰摂取で7万人が死亡した[23]

2018年11月、国連システムは科学的証拠に、基づく、人権に基づく、人間中心の対応を支援するために国連システムを活用することに焦点をあてていくとし、健康と人権を中心とした政策を支援する[24]。メキシコでは、大統領が2019年初に「麻薬戦争は終わった、我々は平和を望む」と発言し、5月には、薬物の所持を非犯罪化し取り締まりに使っていた資金を、薬物依存症の治療に使う計画があることを明らかにし、アメリカ合衆国にも追従するよう求めた[25]

2019年6月、国際麻薬統制委員会は、麻薬の懲罰に死刑の廃止を推奨し、政府当局による暴力は懸念であり、個人的な使用のための薬物少量所持のような軽微な違反には、懲罰ではなく治療回復、社会への再統合といった、代替策の可能性もあると声明を出した[26]

麻薬戦争出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』


アメリカ合衆国

米国における非医療大麻の非犯罪化(英語版)も参照。

アメリカ合衆国の各州における大麻の法的扱い(詳細は画像拡大、下部説明)
大麻は合法
医療大麻は合法
医療大麻は合法(ただしTHC含有量に制限あり)
いかなる使用も禁止
D 嗜好目的使用の非犯罪化

大麻は連邦の規制物質法で「スケジュールI」に分類される。処方箋に書くことができず、麻薬取締局による製造割り当てにより製造が制約されると定められ、麻薬取締局 (DEA) によって厳格に取り締まりを受ける。その一方で、一部の州においては、州法にて1970年代より少量所持の非犯罪化、1996年より医療大麻の承認、2012年より嗜好用の大麻も非犯罪化しているケースがあるものの、大麻の栽培や流通などの事業に対しては、口座凍結などの金融規制も実施されている。

1973年にはオレゴン州では大麻所持から刑事罰を取り除くため州法を改正し、1オンス(=約28g以下)以下の所持は罰金刑となり犯罪歴がつかないようになった[152]。1977年にアメリカ大統領の諮問に対するシェーファー委員会の答申に基づいて出されたカーター教書によってマリファナの使用は精神病の原因になるとはいえないこと、個人の少量所持を刑事罰の対象から外すのが望ましいと言明された[153]。その後、個人の少量所持に対しては州によってはこうした非犯罪化が進んだ。一部の州の自治法で、自己使用目的の少量(1オンス)の所持が罰金刑などに指定される[154]。もちろん、これらの州でも「1オンスを超える量の所持」「大麻樹の所持」「大麻の栽培」「大麻の販売・輸送・配布」「所持量にかかわらず、販売目的での所持」などは重罪であり、懲役刑が科される。

2012年11月6日、ワシントン州にて大統領選挙に合わせて住民投票が行われ、同年12月6日、米国で初めて嗜好用マリファナ(乾燥大麻)の私的使用が合法化された。新法では、21歳以上に最高1オンスのマリファナ所持が認められている[155]。合法的に販売されるマリファナには25%の税金が州より課せられる[156]。コロラド州でも同様に11月6日に住民投票が行われ、嗜好品としての大麻合法化が可決された。翌年1月5日から新法は施行され[155]、州内の住民であれば、1回当たり最大1オンス(約28グラム)まで、州外の住民であれば4分の1オンス(約7グラム)までの購入ができるようになった。現在の店頭価格は1オンス当たり400-500ドルで、密売されていた当時の末端価格の4~5倍の値がついている[157]。アラスカ州では2014年11月の住民投票での合法化可決により、2015年2月に嗜好用大麻の合法化が実施された[158]。首都ワシントンDCでも2015年2月に同様に娯楽用の大麻が合法化された[159]。オレゴン州でも2014年11月の住民投票を経て、2015年7月に嗜好用大麻(21歳以上、8オンスまでの私的所持・使用や自家栽培、ただし運転時・公共の場を除く)の合法化が実現した[160]。

2016年11月8日の大統領選挙に合わせて行われた住民投票で、新たにカリフォルニア州、マサチューセッツ州、ネバダ州、メイン州が嗜好品としての大麻の合法化を可決した[161][162]。カリフォルニア州では21歳以上がプライベートな場所で楽しむためのマリファナの所持・使用・自家栽培が一定の条件つきで認められることになった。また同日、新たにフロリダ州、アーカンソー州、モンタナ州、ノースダコタ州で医療用大麻の合法化が決まった。2017年、太平洋上の米領グアムは合法化法案を提出[163]。2018年1月、バーモント州が嗜好大麻を合法とした[13]。

2013年9月8日、アメリカは、マリファナを習慣的に使用している12歳以上のアメリカ人は、全体の12.7%になるとの調査結果を発表した。エリック・ハンプトン・ホルダー司法長官は、児童をマリファナから遠ざける州法の整備を条件に、マリファナを合法化する州で吸引した場合、連邦法の罰則の対象にしないとの方針を表明した[164]。ただし連邦法上は大麻が違法である現状においては、医療用または嗜好用大麻が合法化された州で大麻使用を理由に解雇されても司法的救済がない。2011年、ワシントン州最高裁は「連邦法の下ではワシントン州の患者であっても合法的に大麻を使用する権利を持っているわけではない」[15] とし、2015年コロラド州の最高裁判所は、「被雇用者は州法によって医療用マリファナの使用は認められている。しかし、連邦法の下では違法であり、州法は被雇用者を擁護しない」[16] として、いずれも雇用主は医療用マリファナ使用の被雇用者を解雇できると判決した。2008年カリフォルニア州最高裁[17]、2010年オレゴン州最高裁[18] も同様の判決をしている。

2024年5月、米連邦政府は大麻を解熱鎮痛剤と同様の「危険性の低い薬物」(3類)に変更すると発表した[165]。

アメリカにおける医療大麻
詳細は「医療大麻#アメリカ合衆国」を参照
アメリカ食品医薬品局(FDA)[166] と麻薬取締局 (DEA)[167] は「大麻には医療価値はない」との見解を示している。連邦法である規制物質法では、医療大麻の合成THC(商品名マリノール)を、「スケジュールIII」に分類している。スケジュールIII物質は「乱用の危険性」のある医薬品のための区分である。
アメリカでは各州議会が定める州法「医療大麻法」により、この医療大麻について、医師の推薦や許可が得られる場合に限って、大麻を所持・栽培できる州がいくつか存在する。ただし、どの州も患者による大麻の販売(転売)や配布は違法行為である。医療大麻法は1996年にカリフォルニア州で執行されたのを皮切りに[168]、2017年夏時点で全50州中、首都ワシントンDCと29州で医療大麻が利用できる[11]。

大麻出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』







製品
サティベックス
詳細は「ナビキシモルス」を参照

ナビキシモルス(商品名サティベックス)は、大麻の抽出物の生薬で、口腔投与にて用いられる。2010年にイギリスで承認され、多発性硬化症の患者が、神経因性疼痛、痙縮、過活動膀胱などの症状を緩和するための治療薬である[11]。2016年末には30か国で使われている[12]。

2011年にはバイエルと提携し[13]、2012年より年間100万トンの医療大麻を生産するとしている。
エピディオレックス
「カンナビジオール」も参照

2015年には、GWファーマシューティカルは、子供の希少疾患であるドラベ症候群とレノックス・ガストー症候群の治療のための、大麻由来成分カンナビジオールの製品の治験第III相試験を開始した[14]。結果は2017年に論文となっており[15]、臨床試験の結果を受けて2018年に承認される予定とされていた[12]。2018年6月エピディオレックスはアメリカで医薬品として承認された[16]。続いて、欧州では2019年9月にドラベ症候群とレノックス・ガストー症候群に対して医薬品として承認された[7]。

日本では2019年に臨床試験という位置づけでの使用が許可され[17]、同年4月には聖マリアンナ医科大学が治験の申請準備を開始した[18]。 2024年4月26日、厚生労働省の専門部会が、エピディオレックスの希少疾病用医薬品への指定を了承した。国内で大麻草由来の医薬品が指定されるのは初めて[19]。

GWファーマシューティカルズ
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』


イギリスに本社を置く製薬会社GWファーマシューティカルズ(GW)が、第3相臨床試験の成果と年度末決算を発表した。今後の同社のビジネスについては、ブレグジットと米大統領の結果が影響を及ぼす可能性があると語った。

GWは(大麻由来の)カンナビジオールを使い、多発性硬化症や複数の難治性てんかんの治療薬開発に取り組んでいる。唯一商品化されているサティベックス(Sativex)は、多発性硬化症の症状緩和剤として30か国(米国は含まない)で使われている。

9月30日に終了した会計年度の決算報告によれば、同社の収益は2015年に比べて64%減。営業損失は51%増で、最終赤字は前年比43%増だった。

またGWは、難治性てんかんであるドラベ症候群およびレノックス・ガストー症候群の治療薬エピディオレックス(Epidiolex)の第3相臨床試験の新たなデータも発表。14週間の臨床試験で、エピディオレックスとプラセボ(有効成分を含まない錠剤)を投与した患者の発作減少率に大きな差が確認された。



医療サービス提供者たちからは、患者の総合的な症状に改善が見られたことや、副作用が軽かったという報告があった。

GWのジャスティン・グローバーCEOは、エピディオレックスの有効性が認められたこれらの臨床試験結果を受けて、2017年半ばに米食品医薬品局(FDA)に承認申請を行いたいと表明。2018年前半には承認が得られることを期待していると語った。

FDAの承認が得られた場合、米国内での処方が認められるためには、さらに米麻薬取締局(DEA)による同薬のスケジュール(分類)変更を受ける必要がある。GWは申請書類の中で、スケジュール3または4に分類されることを期待するが、米国の患者向けの利用が認められるまでにDEAで越えなければならない幾つかのハードルについても記している。

またGWは、年度末の報告書で「トランプは選挙戦において、貿易政策や貿易協定についての変革、FDAの改革、さらには医療保険制度改革法(いわゆるオバマケア)の無効化やメディケア(高齢者・障害者向け公的医療保障制度)が給付する処方薬の価格交渉法を変えることを提案していた」と指摘。

トランプ政権によって、米国内をはじめ、対外貿易や海外製品の製造・開発・承認や商業化などにまつわる法律、政策が変われば、同社の事業にマイナスの影響を及ぼしかねないとの見解を示している。

またGWは、本社のあるイギリスのEU離脱問題にも注目。「先行き不透明感から金融市場が大幅に変動し、それが当社のADS(米国預託株式)の価格に影響かねない。規制面でも新たなコストや難題に直面する可能性がある」としている。またブレグジットは既に為替レートに打撃を与えているとも指摘した。

GWは、2017年には資金支出が1億~1億2,000万ドル(約114億円~136億円)のレンジに増加することが予想されるとする一方で、現在4億8,300万ドル(約550億円)の現金および現金同等物を保有していると主張している。

「投資家たちは、説得力のある製品を開発している企業を是非とも支援したいと考えている」とグローバーは言う。「頻繁な発作に悩まされている子どもたちにとって、この薬は新たな希望なのだ」

編集=森 美歩

英製薬会社、臨床試験結果に自信も「トランプ大統領」に不安



(CNN) 国際薬物政策コンソーシアム(IDPC)は22日までに、国連が過去10年にわたって進めてきた違法薬物に対する取り締まりは失敗しているとして政策の大幅な再考を求める報告書を発表した。IDPCは、薬物政策や薬物乱用に関連した世界177の非政府組織(NGO)のネットワーク組織。

報告書は、国連が2019年までに違法薬物の市場を撲滅するとの取り組みについて、国際的な供給に対する効果は乏しいと指摘。一方で、健康や人権、治安、開発などには悪影響を及ぼしているという。

報告書によれば、過去10年間で薬物に関連した死者は145%増加した。米国では17年だけでも7万1000人超が薬物の過剰摂取で死亡している。過去10年間、世界各地で少なくとも3940人が薬物犯罪により処刑された。フィリピンで進められている薬物取り締まりでは司法管轄外の殺人により約2万7000人が死亡した。

IDPCは、国連麻薬特別総会に対して、向こう10年の政策について異なったアプローチを検討するよう求めている。国連麻薬特別総会は19年3月にオーストリア・ウィーンで会合が行われる。

IDPCによれば、来年3月の会合でもこれまでと同様の政策が承認される可能性が高いが、それは職務怠慢であり、薬物規制の名のもとにさらに血が流れることになると警告する。

例えば、メキシコは17年、麻薬関連の暴力が拡大したことなどを受けて、殺人件数が過去最高を記録した。

IDPCの報告書によれば、暴力の拡大に加えて、薬物利用を犯罪とみなす現在の政策によって、多くの収監者が生まれているという。受刑者の5人に1人が現在、薬物犯罪によって服役しており、その多くは個人利用の薬物の所持によって起訴された。

カナダは先ごろ、主要7カ国(G7)の中で初めて、嗜好(しこう)用マリフアナを合法化している。

国連の薬物対策は「失敗」、IDPCが政策の再考を求める

2018.10.22 Mon posted at 14:30 JST

https://www.reuters.com/article/2012/09/26/us-un-assembly-mexico-drugs-idUSBRE88P1Q520120926/




【8月23日 AFP】メキシコ政府は前週、麻薬対策における限られた予算や要員を、組織的な薬物犯罪に振り向けたほうがよいとの判断から、ヘロイン、マリファナ、コカインといった麻薬の少量所持を合法化した。



 20日の官報によると、新法では個人による麻薬所持は、一定の量を上回らなければ刑事罰の対象とならなくなる。種類別にはマリファナ5グラム未満、コカイン500ミリグラム未満、ヘロイン50ミリグラム未満の所持は起訴対象外。



 以上の量未満の所持では個人を罰しない代わりに、新法では、リハビリやそのほかの医療措置が強化されるよう、保健関連機関に情報提供するよう当局に求めている。ただし、そうした仕組みをどのように実行するかについては明確にされていない。



 フェリペ・カルデロン(Felipe Calderon)大統領の肝いりで導入された新法は、是非をめぐって4月に議会が紛糾したものの、結果的に通過した。



 薬物関連の暴力は、2006年12月にカルデロン大統領が軍3万6000人を投入して、国内有数の麻薬密売組織やギャング団の取り締まりを開始して以来、悪化の一途をたどっている。



 カルデロン大統領は、少量の麻薬を所持する個人の取り締まりに限られたリソースを向けるよりも、メキシコ全体で数千人の死者を出している麻薬カルテルに向けるほうが、リソースを効果的に活用できると主張している。



 一方、隣国米国のメディアは、国内の薬物使用者がこの新法を悪用しようとメキシコを訪れ、「ドラッグ観光」が促進されるのではないかと懸念を表明している。(c)AFP

メキシコ、少量の麻薬所持を合法化

2009年8月23日 21:53 発信地:メキシコ市/メキシコ [ 中南米 メキシコ ]



https://www.incb.org/documents/News/Alerts/Alert12_on_Convention_Implementation_June_2019.pdf

global-commission-report-english-20110624.pdf