マララさんが2014年に成し遂げた5つの重要なことマララさんが2014年に成し遂げた5つの功績についてざっと見てみよう。これを読めば、彼女が名誉ある賞を受けるに値する人であることが理解できるだろう。Robbie Couch— The Huffington Post2014年12月11日 2時41分 JST.マララ・ユスフザイ──24歳を迎えた人権活動家からのメッセージ。等マララさんに関する記事PDF魚拓


ノーベル平和賞を受賞するマララ・ユサフザイさんは12月10日、授賞式に臨む。「子供の抑圧に対する闘い」と世界中の子供の権利に対する献身的な取り組みが受賞理由だ。

2012年10月9日、マララさんは顔面にタリバンからの銃撃を受け致命的な重傷を負いながらも一命をとりとめた。その後、この17歳のパキスタンの少女は平和と男女平等のために世界を舞台にして闘いを始めた。また、彼女はマララ基金を創設し、どこにいても少女が教育を受けられるように支援した。

マララさんの活動は今も続いている。彼女が2014年に成し遂げた次の5つの活動を知れば、彼女が名誉ある賞を受けるに値する人であることが理解できるだろう。

1.マララさんは、ボコ・ハラムに誘拐されたナイジェリアの女子生徒たちを救うため世界に向けて声を挙げた。
AP通信によると、マララさんは7月、ナイジェリアのグッドラック・ジョナサン大統領と面会し、ボコ・ハラムの誘拐事件に対処するよう要請した。さらに彼女はジョナサン大統領に対し、ボコ・ハラムが拉致した219人の少女の両親に面会することと、少女たちが無事に帰宅できるよう尽力することを求めた。「今年の私の誕生日の願いごとは、『拉致された少女が無事に帰れますように』です」と、マララさんは述べた

2.マララさんは、シリアの難民の子どもたちが国境を安全に超えられるよう支援を行った。
2月、マララさんは父親の支援を受け、マララ基金のメンバーとともにシリア難民がヨルダンの安全な地域に避難するための支援を行ったCNNによると、援助を必要としている難民を助ける危険性についてマララさんは、「あの人たちを無視することこそがリスクなのです」と答えた。

3.マララさんは、若者が世界の教育リーダーの間で声を上げる手助けをした。
低所得国ですべての国民が基本的な教育を受けられるように取り組みを行っている「教育のためのグローバル・パートナーシップ」(GPE)は6月、ブリュッセルで開かれたGPE基金増資会合で、マララ基金の資金が初めての若者代表使節団を支援するために活用されると発表した。 マララさんは「世界の国々はもっと多くのことができると信じています。豊かな国はそれぞれの役割を果たしつつ公約を果たさなくてはいけません。そして途上国はもっと多くの予算を教育に投資しなくてはいけません」と述べた

4. マララ基金が少女たちの教育のために資金を拠出した。
ABCニュースによると、クリントン元大統領が創設した「クリントン・グローバル・イニシアチブ」の9月会合で、マララさんは少女たちの教育と生活向上のための基金「エキドナ・ギビング」と協力してマララ基金から2年にわたって年300万ドルの拠出を行うと表明した。が報じた。基金の一部は今年12月に開かれる女子教育サミットに活用される。

5. マララの識字率向上に向けた闘いは母親トル・ペカリ・ユサフザイさんに届く。
月、マララさんの母親が読み書きを覚えたと発表した。教育に対する彼女の世界に向けたメッセージはパーソナルなものになった。マララさんは「私たちの家族は世界に対して、知識の助けを借りることで状況を変えられるという事例を世界に示しました。教育の重要性の助けを借りて変えたのです。私の父も、自分の仕事はただお金を稼ぐだけではない、家族を助けることだと実感するようになりました」と述べた

若者に対する教育に関して、マララさん若者への教育を広める活動を継続するのに支援をする方法はいくつかある。こちらでさらに知ることができる。

この記事はハフポストUS版に掲載されたものを翻訳しました。

【関連記事】マララさん タリバン銃撃乗り越え国連演説全文「1人の子ども、1人の教師、1冊の本、1本のペンでも世界を変えられる」
マララさんら2人、ノーベル平和賞を受賞
マララさんの自伝「勉強への飢餓感がない若い人こそ読んで」 翻訳の金原瑞人さんと西田佳子さんに聞く
マララさん、自伝で銃撃の瞬間を綴る タリバンは改めてマララさん殺害を予告
マララさん「私たちは自分の力を信じなければならない」 声を上げることの大切さ訴える
「ボコ・ハラム」のナイジェリア女子生徒拉致事件に抗議の声世界に広がる マララさんら「私たちの少女を返して」

マララさんが2014年に成し遂げた5つの重要なこと

マララさんが2014年に成し遂げた5つの功績についてざっと見てみよう。これを読めば、彼女が名誉ある賞を受けるに値する人であることが理解できるだろう。

Robbie Couch— The Huffington Post

2014年12月11日 2時41分 JST



パキスタンで昨年10月、女子が教育を受ける権利を訴えて武装勢力に頭を撃たれたマララ・ユスフザイさん(16)が12日午前(日本時間同日夜)、ニューヨークの国連本部で演説し、「すべての子どもに教育を受ける権利の実現を」と訴えた。元気な姿とともに、銃撃されても信念を曲げず、教育を受けられない子どものための活動を続けると世界にアピールした。朝日新聞デジタルが伝えた。

12日はマララさんの16歳の誕生日。国連はマララさんの取り組みや銃撃後の不屈の精神をたたえて「マララ・デー」と名付け、世界各地の若者リーダーのほか、国連の潘基文事務総長、国連世界教育特使のブラウン前英首相らによる会合を企画したと共同通信は伝えている。

マララさんの国連演説の全文(翻訳)を以下に掲載する。
慈悲深く慈愛あまねきアッラーの御名において。
パン・ギムン国連事務総長、ブク・ジェレミック国連総会議長、ゴードン・ブラウン国連世界教育特使、尊敬すべき大人の方々、そして私の大切な少年少女のみなさんへ、アッサラーム・アライカム(あなたに平和あれ)。今日、久しぶりにこうしてまたスピーチを行えてとても光栄です。このような尊敬すべき人たちと共にこのような場にいるなんて、私の人生においても、とてもすばらしい瞬間です。そして、今日、私が故ベナジル・ブット首相のショールを身にまとっていることを名誉に思います。 どこからスピーチを始めたらいいでしょうか。みなさんが、私にどんなことを言ってほしいのかはわかりません。しかしまずはじめに、我々すべてを平等に扱ってくれる神に感謝します。そして、私の早い回復と新たな人生を祈ってくれたすべての人たちに感謝します。私は、みなさんが私に示してくれた愛の大きさに驚くばかりです。世界中から、温かい言葉に満ちた手紙と贈り物をもらいました。それらすべてに感謝します。純真な言葉で私を励ましてくれた子どもたちに感謝します。祈りで私を力づけてくれた大人たちに感謝します。私の傷を癒し、私に力を取り戻す手助けをしてくれたパキスタン、イギリス、アラブ首長国連邦の病院の看護師、医師、そして職員の方々に感謝します。国連事務総長パン・ギムン氏のGlobal Education FirstInitiative(世界教育推進活動)と国連世界教育特使ゴードン・ブラウン氏と国連総会議長ブク・ジェレミック氏の活動を、私は全面的に支持します。みなさんのたゆまないリーダーシップに感謝します。みなさんはいつも、私たち全員が行動を起こすきっかけを与えてくれます。親愛なる少年少女のみなさんへ、つぎのことを決して忘れないでください。マララ・デーは私一人のためにある日ではありません。今日は、自分の権利のために声を上げる、すべての女性たち、すべての少年少女たちのためにある日なのです。何百人もの人権活動家、そしてソーシャルワーカーたちがいます。彼らは人権について訴えるだけではなく、教育、平和、そして平等という目標を達成するために闘っています。何千もの人々がテロリストに命を奪われ、何百万もの人たちが傷つけられています。私もその1人です。そして、私はここに立っています。傷ついた数多くの人たちのなかの、一人の少女です。私は訴えます。自分自身のためではありません。すべての少年少女のためにです。私は声を上げます。といっても、声高に叫ぶ私の声を届けるためではありません。声が聞こえてこない「声なき人々」のためにです。それは、自分たちの権利のために闘っている人たちのことです。平和に生活する権利、尊厳を持って扱われる権利、均等な機会の権利、そして教育を受ける権利です。親愛なるみなさん、2012年10月9日、タリバンは私の額の左側を銃で撃ちました。私の友人も撃たれました。彼らは銃弾で私たちを黙らせようと考えたのです。でも失敗しました。私たちが沈黙したそのとき、数えきれないほどの声が上がったのです。テロリストたちは私たちの目的を変更させ、志を阻止しようと考えたのでしょう。しかし、私の人生で変わったものは何一つありません。次のものを除いて、です。私の中で弱さ、恐怖、絶望が死にました。強さ、力、そして勇気が生まれたのです。私はこれまでと変わらず「マララ」のままです。そして、私の志もまったく変わりません。私の希望も、夢もまったく変わっていないのです。親愛なる少年少女のみなさん、私は誰にも抗議していません。タリバンや他のテロリストグループへの個人的な復讐心から、ここでスピーチをしているわけでもありません。ここで話している目的は、すべての子どもたちに教育が与えられる権利をはっきりと主張することにあります。すべての過激派、とりわけタリバンの息子や娘たちのために教育が必要だと思うのです。私は、自分を撃ったタリバン兵士さえも憎んではいません。私が銃を手にして、彼が私の前に立っていたとしても、私は彼を撃たないでしょう。これは、私が預言者モハメッド、キリスト、ブッダから学んだ慈悲の心です。これは、マーティン・ルーサー・キング、ネルソン・マンデラ、そしてムハンマド・アリー・ジンナーから受け継がれた変革という財産なのです。これは、私がガンディー、バシャ・カーン、そしてマザー・テレサから学んだ非暴力という哲学なのです。そして、これは私の父と母から学んだ「許しの心」です。まさに、私の魂が私に訴えてきます。「穏やかでいなさい、すべての人を愛しなさい」と。親愛なる少年少女のみなさん、私たちは暗闇のなかにいると、光の大切さに気づきます。私たちは沈黙させられると、声を上げることの大切さに気づきます。同じように、私たちがパキスタン北部のスワートにいて、銃を目にしたとき、ペンと本の大切さに気づきました。「ペンは剣よりも強し」ということわざがあります。これは真実です。過激派は本とペンを恐れます。教育の力が彼らを恐れさせます。彼らは女性を恐れています。女性の声の力が彼らを恐れさせるのです。だから彼らは、先日クエッタを攻撃したとき、14人の罪のない医学生を殺したのです。だから彼らは、多くの女性教師や、カイバル・パクトゥンクワやFATA(連邦直轄部族地域/パキスタン北西部国境地帯)にいるポリオの研究者たちを殺害したのです。だから彼らは、毎日学校を破壊するのです。なぜなら、彼らは、私たちが自分たちの社会にもたらそうとした自由を、そして平等を恐れていたからです。そして彼らは、今もそれを恐れているからです。私たちの学校にいた少年に、あるジャーナリストがこんなことを尋ねていたのを覚えています。「なぜタリバンは教育に反対しているの?」。彼は自分の本を指さしながら、とてもシンプルに答えました。「タリバンはこの本の中に書かれていることがわからないからだよ」彼らは、神はちっぽけで取るに足りない、保守的な存在で、ただ学校に行っているというだけで女の子たちを地獄に送っているのだと考えています。テロリストたちは、イスラムの名を悪用し、パシュトゥン人社会を自分たちの個人的な利益のために悪用しています。パキスタンは平和を愛する民主的な国です。パシュトゥン人は自分たちの娘や息子に教育を与えたいと思っています。イスラムは平和、慈悲、兄弟愛の宗教です。すべての子どもに教育を与えることは義務であり責任である、と言っています。親愛なる国連事務総長、教育には平和が欠かせません。世界の多くの場所では、特にパキスタンとアフガニスタンでは、テロリズム、戦争、紛争のせいで子どもたちは学校に行けません。私たちは本当にこういった戦争にうんざりしています。女性と子どもは、世界の多くの場所で、さまざまな形で、被害を受けています。インドでは、純真で恵まれない子どもたちが児童労働の犠牲者となっています。ナイジェリアでは多くの学校が破壊されています。アフガニスタンでは人々が過激派の妨害に長年苦しめられています。幼い少女は家で労働をさせられ、低年齢での結婚を強要されます。貧困、無学、不正、人種差別、そして基本的権利の剥奪――これらが、男女共に直面している主な問題なのです。親愛なるみなさん、本日、私は女性の権利と女の子の教育という点に絞ってお話します。なぜなら、彼らがいちばん苦しめられているからです。かつては、女性の社会活動家たちが、女性の権利の為に立ち上がってほしいと男の人たちに求めていました。しかし今、私たちはそれを自分たちで行うのです。男の人たちに、女性の権利のために活動するのを止めてくれ、と言っているわけではありません。女性が自立し、自分たちの力で闘うことに絞ってお話をしたいのです。親愛なる少女、少年のみなさん、今こそ声に出して言う時です。そこで今日、私たちは世界のリーダーたちに、平和と繁栄のために重点政策を変更してほしいと呼びかけます。世界のリーダーたちに、すべての和平協定が女性と子どもの権利を守るものでなければならないと呼びかけます。女性の尊厳と権利に反する政策は受け入れられるものではありません。私たちはすべての政府に、全世界のすべての子どもたちへ無料の義務教育を確実に与えることを求めます。私たちはすべての政府に、テロリズムと暴力に立ち向かうことを求めます。残虐行為や危害から子どもたちを守ることを求めます。私たちは先進諸国に、発展途上国の女の子たちが教育を受ける機会を拡大するための支援を求めます。私たちはすべての地域社会に、寛容であることを求めます。カースト、教義、宗派、皮膚の色、宗教、信条に基づいた偏見をなくすためです。女性の自由と平等を守れば、その地域は繁栄するはずです。私たち女性の半数が抑えつけられていたら、成し遂げることはできないでしょう。私たちは世界中の女性たちに、勇敢になることを求めます。自分の中に込められた力をしっかりと手に入れ、そして自分たちの最大限の可能性を発揮してほしいのです。親愛なる少年少女のみなさん、私たちはすべての子どもたちの明るい未来のために、学校と教育を求めます。私たちは、「平和」と「すべての人に教育を」という目的地に到達するための旅を続けます。誰にも私たちを止めることはできません。私たちは、自分たちの権利のために声を上げ、私たちの声を通じて変化をもたらします。自分たちの言葉の力を、強さを信じましょう。私たちの言葉は世界を変えられるのです。なぜなら私たちは、教育という目標のために一つになり、連帯できるからです。そしてこの目標を達成するために、知識という武器を持って力を持ちましょう。そして連帯し、一つになって自分たちを守りましょう。親愛なる少年少女のみなさん、私たちは今もなお何百万人もの人たちが貧困、不当な扱い、そして無学に苦しめられていることを忘れてはいけません。何百万人もの子どもたちが学校に行っていないことを忘れてはいけません。少女たち、少年たちが明るい、平和な未来を待ち望んでいることを忘れてはいけません。無学、貧困、そしてテロリズムと闘いましょう。本を手に取り、ペンを握りましょう。それが私たちにとってもっとも強力な武器なのです。1人の子ども、1人の教師、1冊の本、そして1本のペン、それで世界を変えられます。教育こそがただ一つの解決策です。エデュケーション・ファースト(教育を第一に)。ありがとうございました。



マララ・ユスフザイさんは1997年7月12日、北部山岳地帯のスワート地区(マラカンド県)に生まれた。父親のジアウディンさんは私立学校を経営する教育者で、マララさんもこの学校に通い、医者を目指していた。

同地はイスラム保守勢力が強く、07年には反政府勢力パキスタン・タリバーン運動(TPP)が政府から統治権を奪い、09年まで実効支配している。イスラム過激派 のTPPは女性の教育・就労権を認めず、この間、200以上の女子学校を爆破したという。

09年1月、当時11歳だったマララさんは、英BBC放送のウルドゥー語ブログに、こうしたタリバーンの強権支配と女性の人権抑圧を告発する「パキスタン女子学生の日記」を投稿。恐怖に脅えながらも、屈しない姿勢が多くの人々の共感を呼び、とりわけ教育の機会を奪われた女性たちの希望の象徴となった。

同年、米ニューヨーク・タイムズも、タリバーン支配下でのマララさんの日常や訴えを映像に収めた短編ドキュメンタリーを制作している。11年には、パキスタン政府から第1回「国家平和賞」(18歳未満が対象)が与えられ、「国際子ども平和賞」(キッズライツ財団選定)にもノミネートされた。

2012年10月9日、スクールバスで下校途中、武装集団に銃撃され重傷を負った。現地で弾丸摘出手術を受けた後、イギリスの病院に移送され、一命をとりとめたが、15歳の女子学生を狙い撃ちにしたテロ事件は、世界中に大きな衝撃を与えた。犯行声明を出した反政府勢力パキスタン・タリバーン運動(TPP)は、教育権を求める女性の「反道徳的」活動への報復であり、シャーリア(イスラム法)に基づくものとテロ行為を正当化している。(コトバンク「マララ・ユスフザイ」より)

マララさんはノーベル平和賞候補に名前が挙がり、世界的に称賛の声が広がっているが、TTPはマララさんがスワート地区に戻れば、再び命を狙うと宣言していると産経新聞は伝えている。

マララさん タリバン銃撃乗り越え国連演説全文「1人の子ども、1人の教師、1冊の本、1本のペンでも世界を変えられる」

パキスタンで昨年10月、女子が教育を受ける権利を訴えて武装勢力に頭を撃たれたマララ・ユスフザイさん(16)が12日午前(日本時間同日夜)、ニューヨークの国連本部で演説し、「すべての子どもに教育を受ける権利の実現を」と訴えた。元気な姿とともに、銃撃されても信念を曲げず、教育を受けられない子どものための活動を続けると世界にアピールした。

The Huffington Post

2013年07月12日 21時5分 JST

|更新 2014年07月16日 JST




ノルウェーのノーベル賞委員会は10月10日、2014年のノーベル平和賞を、女性教育の権利を訴えるパキスタンのマララ・ユスフザイさん(17)と、インドの児童労働問題に取り組んでいるカイラシュ・サティヤルティさん(60)に授与すると発表した。

17歳のマララさんは、1901年に始まったノーベル賞で、全6部門を通じて史上最年少での受賞となる。

マララさんは、パキスタンで女子が教育を受ける権利を11歳の時からイギリスBBCサイトのブログなどで訴えて、2012年10月、イスラム過激組織に銃撃されて重傷を負ったが、奇跡的に回復。支援の輪が世界中に広がった。反政府武装勢力パキスタン・タリバーン運動(TTP)が犯行を認めた。現在はイギリスを拠点に世界で全ての女子や児童への教育実現を唱えている。これまで、教育を求める女性らの夢と希望を一身に受けてきた。

ノーベル賞委員会は発表で、「マララ・ユスフザイ氏は未成年ながらすでに少女への教育の権利のために闘い続けており、子供と若者たちに見本を示すことで、彼らが自らの状況を改善することにも貢献してきた。ユスフザイ氏は最も危険な環境で活動してきた。しかし彼女は勇敢な闘いを通じて少女たちが教育を受ける権利を求める代表的なスポークスパーソンとなった」と評価した。



カイラシュ・サティヤルティ氏 (c)Getty Images

サティヤルティさんは、NGO「ACE」などによると、電気技師から、1980年に「BBA/SACCS・南アジア奴隷解放連盟」を設立して活動家に転じた。奴隷的な境遇にある子供の救済や、児童労働の撲滅に取り組んでいる。25年間で7万人余りの子供たちを救済し、社会復帰を支援してきた。

ノーベル賞委員会は発表で、「カイラシュ・サティヤルティ氏は、ガンジーの伝統を守り、さまざまな形で抗議とデモストレーションをすべて平和的に推し進め、経済的利益のために子供たちに対する深刻な搾取が行われたことに焦点を当てた。サティヤルティ氏はまた、子供の権利に関する重要な国際会議の開催に貢献した」と説明した。

マララさんら2人、ノーベル平和賞を受賞

2014年のノーベル平和賞は、女子教育の権利を訴えるパキスタンのマララ・ユスフザイさんと、インドの児童労働活動家カイラシュ・サティヤルティさんに授与された。

The Huffington Post

2014年10月10日 18時35分 JST

|更新 2014年12月10日 JST



ナイジェリア北東部ボルノ州で4月、イスラム過激派組織「ボコ・ハラム」が270人以上の女子生徒を拉致した事件に対する抗議の声が世界各地で広まっている。オバマ大統領夫人のミシェルさんや、2012年にイスラム武装勢力タリバンから頭部に銃撃を受けて重傷を負ったマララ・ユスフザイさんらも加わり、「Bring Back Our Girls(私たちの少女を返して)」というキャンペーンがソーシャルメディア上で展開されている。

■ ボコ・ハラムとはどんな組織なのか

今回の事件を起こしたナイジェリア北部を主要活動地域とするスンニ派過激組織「ボコ・ハラム」は「西洋式の教育は罪」という意味で、1990年代中頃に設立されたイスラム教学習グループを母体として2002年頃に設立者モハメド・ユスフ師を中心として結成された。ナイジェリアの「タリバン」を自称し、(1)ナイジェリア政府の打倒、(2)(「ボコ・ハラム」発足地である)ボルノ州におけるシャリーア(イスラム法)施行、(3)西洋式教育の否定などを標榜している。

攻撃対象はナイジェリア北部及び中部の地方自治体、軍、警察、政府関係者及び施設で、2009年7月にモハメド・ユスフ師が射殺された後、新しい指導者となったアブバカル・シェカウ師がテロ活動を再開、2011年には警察、国連施設、イスラム神学校、キリスト教会、民家などへの連続爆弾攻撃で300人以上が死亡するなど活動は過激化している。2014年5月7日にはボコ・ハラムとみられる武装グループの銃撃で少なくとも125人が殺害された

「ボコ・ハラム」の活動は現在ナイジェリア北部地域に限定されているが、「イラクのアルカイダ」(AQI)やアルジェリアを拠点とする「イスラム・マグレブ諸国のアルカイダ」(AQI)といった組織と連携している可能性がある。

■ マララさん「少女たちは私の姉妹」 オバマ大統領夫人「少女たちから教育の機会奪う」

拉致事件に対する抗議の声は世界中に広がり、ソーシャルメディア上では「#BringBackOurGirls(私たちの少女を返して)」という合言葉が広がりを見せている。

#BringBackOurGirls に関するツイート

パキスタンで女性への教育の権利をブログなどで訴え、2012年にイスラム武装勢力タリバンから頭部に銃撃を受けて重傷を負い、現在はイギリスに在住しているマララ・ユスフザイさんは7日、CNNの取材に対し「ナイジェリアの少女たちが拉致されたと聞いた時、非常に悲しくなり、こう思いました。『私の姉妹たちが今、囚われの身になっているんだ』と」とした上で、「ナイジェリアの少女たちは私の姉妹です。そして、姉妹たちのために声を上げる。それが私の責務なんです」と述べた。





アメリカのミシェル・オバマ大統領夫人は10日、動画による演説の中で女子生徒の早期解放を求め、ボコ・ハラムに対して「世界中の多くの人々、そして夫と私が激しい憤りを感じ、心を痛めている。テロリストたちがとった行動は常軌を逸している。彼らは、少女たちから教育の機会を奪うためにやっているのだ」と強く非難した。





■アメリカとイギリスの救出作戦チームが現地入り

9日、拉致事件解決のためのアメリカとイギリスによる救出作戦チームが現地入りした。
米英の専門家チームは対テロや捜索のスペシャリストで、作戦の立案などに携わる。英BBCによると、チーム派遣に際し、ケリー米国務長官は「ボコ・ハラムの脅威に対抗するためあらゆることをする用意がある」とした。英政府も「今回の事件だけでなく、長期的な対テロ対策の視点に立つ」とし、ボコ・ハラムの撲滅を目指す考えを示した。
(朝日新聞デジタル「誘拐女子生徒、米英救出チームが活動開始 ナイジェリア」 2014/05/10 22:40)
ハフィントンポストイギリス版によると、イギリス外務省のスポークスマンは「このチームは国際開発省、外務省、国防省といった政府職員から選抜されており、ナイジェリア当局と連携し、ナイジェリア国内の拉致事件やテロリズムに対処することになる」とした上で、「イギリスのチームはアメリカや他の国のチームとも共同歩調をとるために密接に連携することになる」と述べた。

■ ナイジェリア当局、事前に情報察知? 国際人権団体が告発

国際人権団体のアムネスティ・インターナショナルは9日に発表した報告書の中で、ナイジェリア当局がボコ・ハラムの女子生徒の拉致を事前に察知していたにもかかわらず、適切な対応を講じなかったとして非難した。

報告書によると、ナイジェリア国防軍は、ボコ・ハラムが拉致を行う4時間以上前に複数の情報をつかんでいたが、現地に軍を派遣するなどの対策を講じなかったとしている。
【関連記事】


ナイジェリアで女子生徒100人以上を拉致 イスラム過激派の犯行か
ナイジェリアの女子生徒200人超を拉致 ボコ・ハラムが犯行声明「奴隷にして売り飛ばす」【動画】
ナイジェリアのテロ組織「ボコ・ハラム」が主張する世界 | 今泉奏
マララさん タリバン銃撃乗り越え国連演説全文「1人の子ども、1人の教師、1冊の本、1本のペンでも世界を変えられる」
マララさんの自伝「勉強への飢餓感がない若い人こそ読んで」 翻訳の金原瑞人さんと西田佳子さんに聞く

「ボコ・ハラム」のナイジェリア女子生徒拉致事件に抗議の声世界に広がる マララさんら「私たちの少女を返して」

ナイジェリア北東部ボルノ州で4月、イスラム過激派組織「ボコ・ハラム」が276人の女子生徒を拉致した事件に対する抗議の声が世界各地で広まっている。オバマ大統領夫人のミシェルさんや、2012年にイスラム武装勢力タリバンから頭部に銃撃を受けて重傷を負ったマララ・ユスフザイさんらも加わり、「Bring Back Our Girls(私たちの少女を返して)」というキャンペーンがソーシャルメディア上で展開されている。

The Huffington Post

2014年05月10日 22時7分 JST

|更新 2014年05月11日 JST






■「ボコ・ハラム」という組織が意味するもの

「ボコ・ハラム」(「ボコ」はハウサ語で「偽りの」、「ハラム」はアラビア語で「禁止」)という名前を聞いたとき、初めに感じたのは、単なるイスラム過激派組織ではなく「ハウサ人」(ナイジェリア北部とニジェール南部の地域を中心に居住する民族)イスラム過激派組織ということでした。彼らは単にイスラム教をよりどころにして活動しているわけでなく、自分たちが「ハウサ人であること」を強烈に意識している様子がうかがえます。こうなってくると「イスラム教徒」というのはただの理由付けであり、アッラーの都合のいいところだけを自分たちの活動に当てはめていると言えるでしょう。(ボコ・ハラムについては「ボコ・ハラムとは何者か?」ナショナルジオグラフィック公式日本語サイトに詳しい:http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20140508-00000003-natiogeog-int

また、注目すべきは彼らの活動の同時代性です。私自身の周囲では「未だにこんなことやってるなんて・・・」と彼らの愚行を非難する方が多いのですが、彼らは今だからこそ、このような卑劣な犯行に及んでいると言えると思います。彼らは政府が力を注ぐ世界経済フォーラム・アフリカ会議に合わせて犯行に及びました。奇しくもその数日前には隣国カメルーンのヤウンデにて第5回東京アフリカ開発会議(TICAD V)のフォローアップ会合が行われていました。

■ 西洋式とアフリカ式の間で

これらの会議において「教育」というのは、支援プログラムの重要な要素として位置づけられるでしょう。私たちは「教育」と聞いただけで、なにやら学校があって先生がいて教室があって・・と想像すると思いますが、それは私たちの中に無意識に西洋的教育が根付いているからだと思います。ですが、教育とは学校だけで繰り広げられるものだけでなく、年長者から年少者へ語り継がれることも教育なのです。それが、ウシの飼育法であっても、作物の育て方であっても、神様の信じ方であっても、ある社会の一員を育て上げるために教えられることはすべからく教育と言えると思います。

実は私自身昨年開かれたTICAD V学生サミット(TICAD Vの本会合へ向けてアフリカ人留学生と日本人学生で提言書をつくるというもの)において、「教育」分野を担当していました。そのときのコメントとして私はこう述べていました。
教育は国家形成において要になる。
というのも、教育は国民のナショナリズム形成には欠かせないからだ。また、都市においては教育を受けたか否かで職を得られるかどうかという、生活に直結する問題もある。そもそも、アフリカ地域には各地で脈々と築かれた「伝統教育」がある。これらは、主に口承で伝えられ、その地域や集団に根付く知恵やしきたりが色濃く残っている。一方、19世紀以後にアフリカに入ってきたヨーロッパ式の「近代教育」は、大規模で普遍的なナショナリズム創造が重視され、国家形成のための教育となっている。双方の教育をどのように融合させるのかというが、アフリカ地域の教育を考える上で1番の悩みどころである。
こう書いておきながら、次のように続けました。
しかしながら、本サミットにおいては学校教育に重点をおいた。
これはいささか「伝統教育」を軽視しがちなのは言うまでもなく、この点において不完全な提言であることは認めざるを得ない。
私はもはや確信犯的に伝統的な教育を無視して、いわゆる「西洋的教育」にのみ焦点を当てていました。私以外の日本人学生も、またアフリカ人留学生でさえも、「西洋的教育」に焦点を当てることに関して何の意義も唱えませんでした。私たちはこうして「ボコ・ハラム(西洋式の教育禁止)」という主張を考慮しないまま提言書作成をしていました。そして、その提言書に私たちはある程度満足し、社会的インパクトを実感できたのもまた事実です。

そして、今回「ボコ・ハラム」のニュースが世界中を駆け巡るようになったとき、ようやく私は自分の過ちに気づいたのです。

私はある面で「ボコ・ハラム」に対して共感に近いものを感じます。もちろん、狂気的な殺戮行為や本来のイスラム教を冒涜するような言動にはみじんも共感しません。ですが、彼らの異常とも思える西洋化に対する拒否(その反動としてのアッラーに対する執着)は理解できなくもありません。

私はアフリカ史を学ぶ中で、西洋的学問の範疇でアフリカ史を語ることの限界を常々感じてきました。西洋とアフリカにおける「歴史」の概念にはかなりの乖離があることがわかったからです。西洋的学問の範疇でアフリカ史を語ろうとすると、どうしても周縁化された人々の歴史になりがちです。だからこそ、アフリカにおける「歴史」という概念をもとにアフリカ史が再編される必要性があると思うのです。これは今ある「歴史」という概念をいったんぶちこわして、「新しい歴史」を築くということになり、あまりに非現実的だと思われるかもしれません。ですが、そうしなければ、いつまでたっても西洋的学問の中でしかアフリカ史が語られないのです。

となると「ボコ・ハラム」(西洋的教育の禁止)とまではいかなくても、西洋社会がアフリカ的教育を受け入れる寛容性が求められると思います。現にそれがなされていない閉塞感がこの事件の理由のひとつではないのでしょうか。

■「ボコ・ハラム」の男たちから日本社会を照射する

最後になりましたが、少し日本のことについても書きたいと思います。

「ボコ・ハラム」にみられるような少女の監禁と人身売買に近いことは日本社会でも行われているように思います。たとえそれが力による拘束でなくても、経済的に拘束して、または精神的に拘束して「性的奴隷」として扱われています。「ボコ・ハラム」が少女たちを売買できるのは買い手がいるからです。日本でも同じように愚かな買い手がいるから、そしてその買い手となる層が日本の社会をつくっているから身体を売らざるを得ない少女たちが再生産されるのです。

風俗や援交で女性の身体を買うことはレイプです。また、恋人や夫婦間でもレイプは成立しえます。日本人男性にはこの当たり前のことが理解できていないように思います。「金を払えばヤらせてくれる」というのは、「ボコ・ハラム」の男たちが持つ卑劣なジェンダー観とどこが違うでしょうか。

私は拘束された少女たちの無事を祈るとともに、日本社会に拘束され続けている少女たちのことを思わずにはいられません。

ナイジェリアのテロ組織「ボコ・ハラム」が主張する世界

「ボコ・ハラム」(西洋的教育の禁止)とまではいかなくても、西洋社会がアフリカ的教育を受け入れる寛容性が求められると思います。現にそれがなされていない閉塞感がこの事件の理由のひとつではないのでしょうか。



今泉奏

大学院生(アフリカ史研究)、大阪大学外国語学部スワヒリ語専攻卒、同文学研究科文化動態論専攻共生文明論コース修士課程

2014年05月08日 22時34分 JST

|更新 2014年07月08日 JST