しかし、大石氏は2019年4月の大阪府議選には社民党と新社会党の推薦候補として大阪市淀川選挙区から出馬している。定員2名の選挙区に3人が出馬したが、大石氏は最下位と惨敗し当選はならなかった。
元々大阪府の職員だった大石氏は、社民党から大阪府議選への出馬を促されて府を退職したと言われている。本来社民党に所属していたはずの大石氏が、なぜ昨年の衆院選ではれいわから出馬したのか。
このナゾを解くカギを握っているのが、斎藤まさし(本名・酒井剛)という人物だ(下記動画左から2人目)。
上智大学在学中の1970年代から新左翼の極左活動に参加していた斎藤氏は各種のインタビューや対談で国際テロ組織「赤軍派」への共鳴を公言、「革命一筋。この30年間他に何も考えたことはない」「僕は革命のために選挙をやっている」「目的は革命なんだから、最終的には中央権力を変えなければならない」と述べ、極左思想に基づく政府転覆を目指す意向を隠していない。
1980年代以降は菅直人など旧民主党左派や旧社会党勢力と連携。「市民の党」という左翼政党を率いる傍ら、立憲民主党・社民党などと組んで国政選挙や地方選挙で極左活動家を出馬させてきた。
2011年4月に行われた三鷹市議会議員選挙では、代表を務める市民の党から、赤軍派のよど号ハイジャック事件で国際手配を受けている森順子氏の長男・森大志氏を出馬させた。
出典: https://ameblo.jp
森大志擁立について斎藤氏は「北朝鮮でよど号の人間や娘たちと会った」「その中には森大志の姉もいた」「そうした縁もあって、長男が帰国してきてからつながりがあった」と述べ、今なお数多くの無辜の市民を惨殺した極左テロリスト集団である赤軍派の残党と連携していることを公言している。
今年の夏、唐突に外国人に住民投票の投票権を与える制度を強行しようとした松下玲子武蔵野市長を「政治家にした」のも斎藤氏だ。
2005年の東京都議選で、旧民主党の菅直人前代表と結託して、民主党候補を下ろして松下玲子氏
に一本化し、当選させたのだ。
武蔵野市では、松下市長の唐突な外国人参政権拡大について違和感を表明した米穀店が過激な営業妨害を受けるなど、不穏な事態が続いている。
そして、2012年以降は山本太郎氏の国政進出を強力にサポート。山本太郎氏が「れいわ」を立ち上げる際には事実上のブレーンとして党綱領の策定や選挙戦略について山本氏へのアドバイスを続けた。
斎藤氏は2015年4月の静岡市長選で公職選挙法違反で逮捕され、懲役2年の有罪判決を受けたが、執行猶予がついたため収監されなかった。
この後も各地の地方選に事実上、市民の党に所属する候補者を「無所属」としてステルス出馬させる一方、立憲民主党左派、社民党、れいわの国政選挙についても暗躍していると言われている。
極左関連の集会で演説した大石あきこ
大石氏は大阪府職員だった2018年2月、「連帯ユニオン」という労働組合の「議員ネット」集会に参加。2019年、2020年も参加し、2020年は議員でもないのにスピーチしたことがわかっている。
連帯ユニオンは、辻元清美氏や福島瑞穂氏など社民党系の議員と関係の深い「関西生コン」をルーツとする攻撃的労組だ。大石氏が参加した連帯ユニオンの集会には「関西生コンのドン」と呼ばれた武健一氏も出席している。
関西生コンは正式名称を「全日本建設運輸連帯労働組合関西地区生コン支部」で、生コンクリートの調達を巡り、工事を妨害したとしてこれまでに延べ89人が逮捕されている。 このうちの一部被告については、9月13日の論告求刑で検察は最高で懲役8年を求刑したばかりだ。
そして、連帯ユニオンは中核派や革マル派など、過去に多くの殺人事件やテロ事件を起こしてきた極左暴力集団との深い関係が指摘されている。
例えば中核派は2017年11月27日発行の機関紙『前進』(2897号)の中で、「関西生コンの闘いに学ぶ」と題して、関西生コンの犯罪行為を称揚し見本とすべきと主張。それぞれの集会に互いの幹部が出席して革命のための暴力を厭わない姿勢を共有している。
統一教会は絶対ダメで極左暴力集団はOKなのか
れいわ代表の山本太郎氏は、統一教会問題について以下のような見解を発表している。
「ここ(旧統一教会)と距離を置かない政治なんてあり得ない。これだけの多くの被害者を生み出して、この国に生きる人々からしぼりとったおカネ、かすめとったおカネ、だまして奪い取ったおカネというものを、韓国側にも流されているわけですよね。こういうことはあり得ない」
「反社会的勢力と手をつなぎながら政治に関わり続けることはありえず、そういう人たちには退場してもらうしかない」
中核派や革マル派はかつて数々の内ゲバ殺人事件を起こしたばかりでなく、資本主義社会を殺人などのテロ行為によって転覆することを目標としている極左暴力集団である。
令和2年の警察白書では、中核派と革マル派は合わせて10,200人の組織活動家がいて、爆破や殺戮、盗聴などテロや犯罪行為を行う非公然組織を持っていると明記している。
そして「関西生コン」は威力業務妨害や恐喝などで延べ89人もの逮捕者を出していて、彼らのターゲットとなった民間企業や関係者に数多くの被害者が出ている。
自民党の議員は、統一教会本体のみならず、関係があったとされる団体でスピーチをしたり電報を送ったりしだけで激しく批判され、「距離が近い」「ズブズブ」などと攻撃されている。
れいわ代表である山本太郎氏が「多くの被害者を生み出した統一教会と距離を置かない政治はあり得ない」と主張するなら、自党の政策審議会長を務める大石氏が、中核派など極左暴力集団や89名もの逮捕者を出した関西生コンと関係の深い団体で演説したことについても、きちんと説明する義務がある。そして、大石氏自身も、国政政党の幹部として説明責任は免れない。