令和4年(西暦2022年)12月16日施工民法改正案民法等改正に伴う児童福祉法等の改正に基づく現行民法において懲戒権が削除されている事実を周知したい。

https://www.savechildren.or.jp/sp/news/index.php?d=4073



https://www.moj.go.jp/content/001382146.pdf

https://www.moj.go.jp/content/001382152.pdf

https://www.moj.go.jp/content/001382148.pdf

https://www.savechildren.or.jp/scjcms/dat/img/blog/4073/1671174035904.pdf


懲戒権削除ならびに体罰その他の言動の禁止を定めた民法改正に対する声明
―子どもに対する暴力をなくし子どもの権利が保障される社会をつくるために―
2022 年 12 月 16 日
公益社団法人セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン
認定特定非営利活動法人児童虐待防止全国ネットワーク
NPO 法人子どもすこやかサポートネット
2022 年 12 月 10 日、懲戒権の削除ならびに体罰などの禁止を定めた民法等の一部を改正する法律案が、参議院本会議にて
可決され、成立しました。旧民法 822 条は「親権を行う者は、監護および教育に必要な範囲内で、その子を懲戒することができる」と、
親権者の懲戒権を定めていましたが、本改正では同条が削除されました。懲戒権は、児童虐待を正当化する口実になっていると指摘
されており、私たちはこれまで、懲戒権規定そのものを削除することを求めてきました。したがって、懲戒権の削除を伴う今回の民法改正
を歓迎します。
今回民法に、新たに条文が付け加えられ(821 条)、親権者が子の利益のために監護・教育の権利を有し義務を負う(820 条)
ことを前提に、「監護・教育をするに当たっては、子の人格を尊重するとともに、年齢および発達の程度に配慮しなければならず、かつ、
体罰その他の子の心身の健全な発達に有害な影響を及ぼす言動をしてはならない」とされました。
2019 年 6 月に児童虐待防止法 14 条等において体罰が禁止され、子どもの権利条約を参考にしたガイドラインを作成すべきとの
両院の附帯決議に基づいて、厚労省による『体罰等によらない子育てのために』(以下、とりまとめ)が 2020 年 2 月に公表され、同
年 4 月から法律は施行されています。このとりまとめでは、国連子どもの権利委員会一般的意見 8 号1の定義を参考にして、「身体に、
何らかの苦痛を引き起こし、又は不快感を意図的にもたらす行為(罰)である場合は、どんなに軽いものであっても」体罰であると定義
しました。
したがって、今回の改正民法 821 条で禁止された「体罰」も、この定義に基づき、どんなに軽いものであっても体罰であり、許されない
行為であるということを引き続き政府は明確にする必要があると考えます。
また、私たちは、身体に対する体罰に加えて、暴言等の子どもの品位を傷つける取り扱いの明示的禁止も求めてきました。なぜならば、
子どもに対する暴力からの自由についての子どもの権利条約 19 条を実施する指針である国連子どもの権利委員会の一般的意見 8
号・13 号において、体罰と同様に残虐なまたは品位を傷つける形態の罰や取り扱いなどあらゆる形態の暴力の明示的禁止が求められ
ている一方で、国内法では、暴言等については「著しい暴言」(その他の児童に著しい心理的外傷を与える言動」(児童虐待防止法
2 条 4 号)等の禁止に限定されているからです。近年の研究で体罰や暴言等は科学的に子どもの発達に負の影響を与えることが
次々と明らかになっており、とりまとめでは、「著しい」ものに限定することなく、怒鳴りつけたり、けなしたり、辱めたりといった子どもの心を傷
つける暴言や行為は子どもの健やかな成長・発達に悪影響を与える可能性があると指摘し、「子どもの権利を侵害する」と明記されてい
1 子どもの権利委員会一般的意見:ARC 平野裕二の子どもの権利・国際情報サイトをご参照ください。https://w.atwiki.jp/childrights/pages/32.html
一般的意見5:子どもの権利条約の実施に関する一般的措置(2003 年)
一般的意見8:体罰その他の残虐なまたは品位を傷つける形態の罰から保護される子どもの権利(2006 年)
一般的意見 13:あらゆる形態の暴力からの自由に対する子どもの権利(その2・その3)(2011 年

https://www.savechildren.or.jp/scjcms/dat/img/blog/4073/1671174035904.pdf
懲戒権削除ならびに体罰その他の言動の禁止を定めた民法改正に対する声明
―子どもに対する暴力をなくし子どもの権利が保障される社会をつくるために―
2022 年 12 月 16 日
公益社団法人セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン
認定特定非営利活動法人児童虐待防止全国ネットワーク
NPO 法人子どもすこやかサポートネット

https://www.mhlw.go.jp/content/11907000/001071895.pdf


「民法等の一部を改正する法律案」が成立し、民法について、
① 親権者による懲戒権の規定を削除するとともに(民法822条)、
② 親権者は、子の人格を尊重するとともに、子の年齢及び発達の程度に配慮しなければなら
ず、かつ、体罰等の、子の心身の健全な発達に有害な影響を及ぼす言動をしてはならない
ものとする(民法821条)
との改正がなされた。(令和4年12月公布・施行)
• 民法等の一部を改正する法律案の中で、児童福祉法及び児童虐待の防止等に関する法律につ
いて、民法の新たな規定ぶりに合わせる改正を行った。
(参考)改正前の児童福祉法及び児童虐待の防止等に関する法律では、
親権者と類似の措置を行う児童相談所長 等や親権者が、児童に対して
① 懲戒することができる旨及び、 ② 体罰禁止
の規定を設けているところ。

https://www.mhlw.go.jp/content/11907000/001071895.pdf
民法等改正に伴う児童福祉法等の改正について

https://www.moj.go.jp/content/001395212.pdf