見出し画像

なし×コロナ×記憶

「なし」という曲がある。あの食べる梨である。
殺してやろうと思っていた友達から、お見舞いに梨をもらうという歌だ。
そう、恋愛の歌でもなければ、自己成長の歌でもない。
強いて言えば友情の歌なのだろうか。

序盤の歌詞から登場人物は男同士だというのがわかる。
男友達がお見舞いにくる。梨を食べて元気出せという。メロンのような高級品を出すとか、おかゆをつくるとかの入れ込みはない。小遣いの範囲でできることをした感がある。
そこから、もらう側が、心を打たれて殺意を取り消すくだりもない。
「このなし食べて元気だせって、このなし食べて元気だせってね」というさびで終わる。梨をもらって曲は終わる。

不思議な余韻がある曲である。これだけの曲なのに、私はずっと忘れない。そして、風邪で寝込むと思い出す。だから、コロナ陽性になった今も、なしを買ってきてもらって食べている。
二人のその後の気持ちとか関係をいろいろと想像してしまう。その余韻が忘れさせないのだと思う。

書いてから調べ直してみた。
奥田民生の曲だと思っていたが、THE BOOMの曲だった。
「私はずっと忘れない」とか書いたけど、
忘れてんじゃあねえか。
最近こんなんばっか。今日は、熱のせいにしよう

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?