世界の名馬 Vol.1 スパークリングプレンティ

現役の海外馬について、個人的に気になる馬を紹介していきたいと思います。
第一弾はスパークリングプレンティ (Sparkling Plenty) です。


フランスオークス制覇 

6月16日に行われたフランスオークス (G1) の勝ち馬です。6番人気タイで、1桁台の馬が4頭いる中ではやや人気薄でした。
ロンシャンで行われたグロット賞 (G3) が5着、仏1000ギニー (G1) が6着と重賞では結果が出ず、シャンティイに舞台を移してのサンドリンガム賞 (G2) を3馬身差完勝からの参戦ではありましたが、距離延長が疑問視されての6番人気でした。

マイルG1で4勝のKingmanの産駒です。叔母とKingmanの産駒SauterneもマイルG1、ムーランドロンシャン賞の勝ち馬でした。従って、この馬についてもマイルの馬だろうというのが大方の見解だったようです。

レースでは後ろから2〜3番手と控える形に。最終直線では前が開かずに外へ出すと、父親譲りの末脚でグングンと加速して先頭に躍り出ました。道中の位置取りを考えれば着差以上に力を感じる走りで、今後が楽しみな一頭です。

サンドリンガム賞 (G2) で騎乗したC.デムーロ騎手は負傷のため、テン乗りでT. ピッコーヌ騎手が騎乗しました。これが仏オークス初制覇という嬉しい勝利です。

美しき牝系と日本の近親馬たち

勝利時に話題になったのが彼女の血統です。古くはSchwarz Kutteから始まる、ドイツSラインと呼ばれる牝系の持ち主です。

日本の名牝とも縁のある血統で、Sparkling Plentyの叔母に当たるスタセリタ (Stacelita)は阪神JFとオークスの勝ち馬ソウルスターリングや、スターズオンアースの母サザンスターズを輩出しています。

ソウルスターリングがFrankelとスタセリタの産駒で、Sparkling Plentyの母SalicorneはFrankelとSoignee の産駒と来れば、この血統パターンで生まれた牝馬には相当期待ができます。

国内で見てもソウルスターリングとブリックスアンドモルタルの初年度産駒スターリングアップは今年の5月にキャリア4戦目で初勝利。
同じくブリックスアンドモルタル産駒で産駒で2歳のスタードメイソンに加えて、社台の生産馬ソウルスターリングの2023(父コントレイル)まで全てが牝馬です。この中から未来のオークス馬が生まれるのかと思うと、今から非常に楽しみです。

因みに、マイルG1で2勝のシュネルマイスターも父がKingmanで牝系がドイツSライン、母父はノーザンダンサー系と、スパークリングプレンティと非常に似通った血統構成です。こちらはSuleika系で上述の馬たちはScheherezadeと、異なる系列ではありますが、牝馬に限らず牡馬でも期待できる構成のようです。

今後の目標は?

現時点では8月1日にイギリス、グッドウッド競馬場で開催予定のナッソーステークス (G1) が目標だと思われます。カラで行われたプリティポリーステークス (G1) でエミリーアップジョンを下して勝利したブルーストッキング、ロンシャンのマルセルブーサック賞 (G1)を勝ち、その後もG1で2着、3着と好調のオペラシンガーなどが登録をしており、中々に厳しいレースが予想されそうです。

ここでも好走するようであれば、ソウルスターリングの牝馬や将来のスターズオンアースの牝馬などは相当な値がつくことになりそうです。

まとめ

日本とも血統的に縁のある名牝、スパークリングプレンティについて紹介しました。父譲りの末脚が光る馬で、華麗なるドイツSラインも魅力的です。まずは古馬も交えた有力馬たちとの対戦、ナッソーステークスをどうこなすかに注目が集まります。次走の詳報が決まり次第、Xなどで紹介できればと考えております。



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