『バーフバリ2王の凱旋』絶叫上映(2018/6/17於シネマライツ)

もうね、なんていうんでしょう。全編通して、画力って言うんですか絵力って言うんですか、映画のどこのシーンを切り取ってもポスターになりそうな、圧倒的な構成の美しさと迫力。血沸き肉踊る無双たちの戦いはケレン味たっぷりたたみかけてくるし、衣装やセットの豪華さも圧巻です。

超人的な智や力を持つ主人公はいかにも叙事詩的。加えて、親子やきょうだいの愛情・確執・誤解で物語が転じていくところが、ギリシャ悲劇とかシェイクスピアとか日本神話とか、そういう普遍的な物語の力の潮流にぐいぐい引っ張られる感じです。
関係性や人柄も丁寧に描かれているから、誰の行いにも「おいおい!どうしてそんなことを!」みたいな矛盾や無理矢理さがなく、行動選択の動機づけに共感できるし、時にそれが物悲しくて涙を誘う。緻密な構成力を以ってして、ずーっと物語の中にいさせてもらえるんだなあ。
実はDVDで既習していたのだけど、2回目になると、国母の想いや、兄が悪役に落ちざるを得なかった背景、クマラの覚醒と末路に想いを馳せまくってしまって、切なくて切なくて涙ボロロロでした。
一番好きなシーンは、父バーフバリとヒロインのデーヴァセーナが弓矢で共闘するシーン。バーフバリのぼんくらだましぶりとかデーヴァセーナの弓の稽古とかの伏線を見事に回収というか成就させ、美しい立ち回りで圧倒的な強さを展開する。そうやって敵を倒しつつ、お互いのハートを射抜きまくっているようでもあり、最高にロマンチックなシーンだよ。。うっとり。

ただでさえ圧が強い作品なので、映画館で観るならいっそ絶叫上映スタイルでの参戦。これ、良かったです。
お土地柄もあって声援は控えめだったみたいだけど、音楽が流れ始めると、皆が持っている鳴り物(ワタシはタンバリンを持参して行った、会場でも鈴やタンバリンを貸し出ししていた)が誰からともなく鳴り始め、王を称える機運がジリジリと高まっていく感じがアガった。あっと驚く展開が満載なだけに「あ!!」って言うの憚られたくないよね!
とにかくスケールが大きくて娯楽作品の王道です、晩ごはんの味噌汁の具は油揚げかはたまた豆腐かとか、そういう些細なことホントどうでもよくなる。カレーくっとけや!!!

顔見知りのインド人の方もいらしていたのだけど、インドは地方によって全く違う言語を使うらしく、日本語字幕も読めないし、台詞も自分の地方の言語(今回はタミル語版)と違うからわからないし、さっぱり・・・と苦笑してらして、そうなのか!と驚いた。インドの映画事情、もう少しお話聴いて見たいと思いました。