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名前の言い替え



あらゆるお仕事に携わっていく中で
口頭でお客様の名前を伺うことが多々あり、
併せて表記する漢字を教えていただくことが相当ある。


自分の認識は間違っていないか?
それを言い替えしながら確認する。


共に働く人からよく言われるのが、
「名前の言い替えがいちいちプラス言葉よね?」
「瞬時にあんなに美化して言えるって才能やね!」


決して瞬時に言い替えてるのではなくて
わざわざ時間を費やして日常の中で言い替え練習している。


おそらく生涯で一度しか関わらないお相手なので
"一期一会の精神"で向き合うように努めている。



例えば「美恵子さん」と言う名前の場合、
多くの方は「美しいに…恵まれてるに…子供の子ですよね?」
そんな風に言い替えてるのを耳にすることが多いように思う。


今から15年くらい前に出逢った超美人の上司は
"いちいち優雅に言い替えする"という技を常に駆使なさっていた。

あまりにもステキなので質問したことがある!
「何か心がけていらっしゃることはありますか?」
そんなわたしの問いかけにその上司は、、、


『先祖代々の苗字に切なる想いが込められた名前でしょ?』
『今の自分が持ってる最大限の敬意は表したくない?』
『この先もし長いお付き合いになるかもなら尚さらね!』



あの時の上司の美しい笑顔とそれらの言葉が
今も鮮明に強くわたしの中に刻まれている!


いとも簡単に言い替えしてると思われがちだけれど
いつまた言い替えする仕事についてもいいように
名前の言い替えがない仕事に従事している期間も
生活の中で名前を見つけたら言い替え練習している。




幼少期から"ひとり遊び=ひとりで過ごす"が多くて
側から見たら何もしてない長時間過ごしが得意なのは
いつ使うか分からない何かを延々としているから。


今日もバイト先で言い替えをさせていただいてたけれど
なかなかどうして上手くいかないことも多々あって、
この言い替え練習は終わりがないなあ、、と思っている。


少し前までは先ほどの「美恵子さん」の言い替えを
"美しく恵まれる子の美恵子さまですね?"としていたが
少しだけアップデートすることが叶って
"美しさにも恵まれる子の美恵子さまですね?"
親御さまはそんな風に願われたのではないか?と
名付けた頃に想いを馳せながら口にしてみる。


電話の向こうで少し照れながら「はい…」と仰る
あの空気感がなんだか嬉しい。


国語は至って苦手科目なので、、、
これからもいつまでも練習を怠らないでいこうと思う。


"今の自分が持ってる最大限の敬意を表したいから"



誰にも見つからないところでこっそり
"人生の中の一瞬の交錯のため"に
人から見たらどうでもいいことにたくさん時間を費やしてみたりしている。





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