hisako
空が変わった。

空が変わった。

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決まっていた予定がどんどん中止になり、これだけは、と思っていた予定も泣く泣く無くなってしまい、
呆然としたり涙を吞んだりした日々も今や少し遠くに感じて、巣ごもりの生活が続いている。

なんやかんやと慣れてくるもので、料理とか洗濯とかして
暇な思考をどうにかして逃がしつつ、同じような暮らしをただ積み重ねている。

そんな毎日で一つ、窓の外をよく見るようになって気づいたことがある。


空が変わった。


一つ、日が長くなった。
空が教えてくれる時間と時計のそれがズレるようになって、この限られた部屋にも季節の変わり目は訪れていることを感じる。

二つ、単純に空が開けた。
これは、家の前にたくさん植わっていた木々の多くがいっきに切り倒されてしまったから、という個人的な理由。この家に住んで何年も経つけれどこんなに前が開けてしまったのは初めてだから少し落ち着かない。
奥の方に建ち並ぶ家々の模様は、いつからそこにあったのだろう、わからない。

もう一つ、家の前に広がる空を進む飛行機を見かけるようになった。どの飛行機も面白いくらいに全く同じ道筋を辿っていく。そういえば空港からの航路が変わったとニュースで言っていた。
低空飛行だから音の風景も変わった。カーテンを引いたら消えそうで、当たり前だけど消えない。


日常はこうやって静かにそれぞれの速度で変わっていくものだと思う。

でも、

日常という言葉はどこまで”日常”を指し示しているのだろう。

このよくわからない状況にいる私たちの生活を想う。
何某かのかたちで記録しなければと思うけれど、無秩序に溢れる情報を浴びにいく勇気は出せない。

だから、どう記録しようかととても考えている。私の手の届く範囲の生活のレベルでも変わっているし、もっと広い範囲で時間をかけて変わってもいる。
生活を通した記録も残したいけれど、航空写真のような眼差しも知りたい。
祈るような気持ちで、手紙を贈り合ったり音を録ったりしてはいるけれどどれも手探りだ。


いつまで続くかわからない、という不安は消し去れないけれど、
積読は山となっているし、観たい映画も配信動画もたくさんあるからなんやかんや暇を騙していけそうな気もしている。

ただここ数日、同じ照明を昼夜ずっと浴びていることは少ししんどい。こんなに気が滅入ることだとは知らなかったし、そういったしんどさが今までは遠くにあったことに気づきもしなかった。

というわけで、今日は少しばかり太陽の光を浴びるつもりだ。

会えない人たちへ、どうか元気で健康でいてください。

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