息子にとって苦しい今を大事にしたいと心底思った話
ここ最近、小学生時代の私のことを知る人物と連絡を取るようになった。
彼の名をB君と呼ぶことにする。
B君とはとても仲がよかった。彼は転校生だった。転校してきた初日から当時、流行っていたドラゴンボールの絵なんか描きながら、あっという間に、クラスに馴染んでいった。
私はその時のことをよく覚えていた。私には、緊張もせず堂々として見えたが、彼は内心とてもビクビクしていたらしい。ビビっていたなんて、全然わからなかったよと言うと、凄く嬉しそうだった。
周りの子達に気を使う感じもなく、自分の思いをストレートに話す彼のことを、とても素敵だとも思っていた。
あの昭和の厳しい先生にも、平気で反抗的な態度を取るような子だった。
自分を持っている、とても意志の強い子だと思っていた。
女の子にはモテていなかったけども、私はカッコいいと思っていた。
あれだけ、自分の思った通りに意見を言うアイツは、将来大物になっているに違いない!と思っていた。
20歳の同窓会にも顔を出すことがなかった彼を、過去なんて振り返らない!別に昔の人間になんか、会いたかねーよ!俺は今を生きる男なんだ!
そんな奴になっていると思っていた。
でも…
そうじゃなかった。
30数年ぶりに話した彼は、本当は、とても繊細な人だった。
学生時代は、何の問題もなく、楽しく過ごしていたようだが、社会人になってからとても苦しんでいた。
仕事をしてから気づいたようだ。
なんだか、上手くいかない。
引きこもっていた時代もあった。
その時に、自分の生きづらさに気づき、自分を見つめ直したようだ。
今の職場では、彼なりに目標を見つけながら頑張っていると話してくれた。
でも、どこか寂しげな様子も感じ取ってしまったのだ…。
私は久しぶりに話す彼が、昔とはあまりにも違うので、内心ショックを隠せなかった。
なんとなく、彼からお母さんの話を聞いてしまった時に、そこなのかもしれないなって…
少しだけ感じてしまった。
私は彼のお母さんを知っている。
とても綺麗な人だった。ほんとに、B君のお母さんなん?てくらいに、身なりもちゃんとしていたし、上品さもあったように思う。
B君は、外面だけいいんだ…と言っていた。
B君のお母さんは、とても過干渉だったらしい。先回り育児ばかりされてきたと言っていた。
実家で引きこもっていた時代があったようだが、お母さんは果たして彼にどんな対応をしていたのかな?
聞きたかったけど、なんだか怖くなって、それ以上聞けれなかった…。
だって、B君はそこから心の病に苦しんでいたようだったから…。
確実に、なんかあったんやろうな。
一人暮らしをして、実家を離れることで落ち着いたらしい。
少しだけ、息子の不登校の話もした。B君のお母さんの気持ちも私にはわかる気がすると話した。でも、私は今の自分ではいけない!と、私が変わるキッカケを息子がくれて、感謝しているんだよ~と話したりもした。
すると…
俺の親はずっと変わらなかったんだけどね。
なんか、もう、そこやん。どう考えても…って、思ってしまった。
やっぱり1番しんどい時に、1番味方になってもらいたいお母さんに認められない経験が、彼をそこまで苦しめたんだろうか?なんて思えてしまった。
どうか、私の考えすぎであってほしい。
これは、全部私の思い違いであってほしい。
どこかでそう願っている私もいる。
私の子育ては、息子にとって今大事な瞬間なんだろうな。
B君との突然の出会いは、私にそれを教えてくれる為だったんじゃないんだろうか…。
今日、12日目に息子が外に出た。
マクドを食べ、ゲーセンに行き、古本屋にマンガを買いに行った。
私は今、息子にちゃんと寄り添えているんだろうか…。
いつか、あの時味方になってくれてありがとうと、息子に言ってもらえる母親でありたい…。
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