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メイキング

メギド72のメインで使用しているパーティーを描いたイラストの、備忘録を兼ねたメイキングです。

使用ソフトはPhotoshopです。特にPhotoshopでしかできないことをやってる部分はないので、どのソフト使ってもやり方はあまり変わらないです。

iPadの方ではプロクリエイトを使って描いてることが多いですが、そっちでもやっぱり似たような描き方塗り方になります。

【使用色】

【使用ブラシ】


【大ラフを描く】

ポーズとか構図に凝りたい時に描いたりします。絵によってあったりなかったり。

バストアップとか顔だけの時は大ラフはないことが多いです。


【線画】

そんなにきっちり描くつもりじゃなかったので、大ラフから線画を描きます。

きっちり描きたい絵や、ご依頼を受けて細かな確認が必要な時は、大ラフと線画の間に何回かラフがはさまったりしますが、好き勝手描いていい絵の時はラフのブラッシュアップはあまりしないです。やる気が続くうちに描かないと、すぐ飽きてしまうので。

女の子キャラは服飾のパーツが多いので、一回なんとなく描いてから、書き加えたり削ったりしながら形をとって詰めていきます。

大体描いたら、シルエットのバランスを見ながら形を変えたり整えたり、細かい部分を書き込んだりします。髪の毛の流れは個人的に気になる部分なので直しました。

線は後からなぞって太くしたり、入り抜き整えればばいいや、というタイプなので、形を描いてる時は形に集中して、線は気にしないようにします。

前衛メンバーは手前なので線を太めに。後衛メンバーは線を細めに。

線画ができました。


【着彩 - ベース】

ベースの塗り分けをします。大体はキャラクターごと、パーツごとで塗り分ける感じです。

塗り分けの途中ですが、陰影の着彩に備えて、背景の色を置いてエフェクトをざっと描いておきます。

本格的に塗りに入る前に、背景はどういう色か、エフェクトや光源がどこにあるかが、塗ってる画面上でわかるようにしておくと、人物と背景の色や光が乖離しにくく、画面がまとまって浮いた感じになりにくいかなという気がします。

後から補正で全部なんとかしようとすると、色が汚くなったりして、せっかく塗ってた時は気に入ってた色だったのに、とか悲しくなるので、なるべく仕上げ補正に頼りすぎないように気をつけてます。


【着彩 - 陰影計画】

陰影計画(光源を明確にして、ざっと陰影つけておいてから画像保存して、それ見ながら本番の陰影つける)立てるつもりが、けっこう塗ってしまったので、このまま進めて後から整えることにしました。

光源になる月を置いて、照り返しの光源になる煙とエフェクトは青みの色イメージなので、なんとなく煙の色を青っぽくしておきます。

1影(一番薄い影)は、レイヤーモードを乗算にして、バケツでベタッと全部塗りつぶしてから、消しゴムを「塗りブラシ」にして、光が当たる部分を削っていきます。

今回、逆光ぎみで光が当たる部分が少ないので、こういう描き方をしましたが、順光の時は影部分の面積が少ないことが多いので、影を塗っていった方が早いからこのやり方は使わないです。楽な方を選ぶ感じ。

手順としてはこういう感じで、一人ずつ影から光まで全部塗っていって、次の人に移る感じですが、構造がわかりにくいのでカテゴリごとに分割してみます。


【着彩 - 1影】

1影のみ。ベタァっと塗りつぶした後削ります。目が痛くなるので作業中は背景の色を変えておいて、時々表示して確認します。

【着彩 - 2影】

2影を塗ったもの。これも乗算レイヤーに。

【着彩 - 3影】

大体2影までで済むけど、どうしてもここに濃い影がないと変だな、と思うとこに3影をつけます。

ウェパルちゃんの奥側の足の付け根のスカートの影と、アムちゃんの上半身にかかってる傘の影だけが3影です。


【着彩 - ハイライト】

今回の絵だと、月の光は遠くてやわらかいので、月側の光源からはそんなに強いハイライトが入らないだろうと思ったため、月光からの赤いハイライトは、空中に浮いてて周囲の人や煙で光が遮られないアムちゃんの髪のみにつけました。

あとは、敵攻撃エフェクトと煙からの、近距離の青い光のハイライトを塗っていきます。

レイヤーモードは覆い焼きやスクリーン等の発光するやつじゃなく、通常レイヤーのままで彩度と明度が高い色を塗ります。

画面がぴかぴかつやつやしすぎたり、白飛びして色がのらないのが嫌いなので、あんまり覆い焼きやスクリーンレイヤーに強い光は描かないです。

この辺は色使いとか絵柄との相性もあるので、人それぞれかなと思います。私の絵にはちょっと発光するレイヤーモードが合わない。

ハイライトは普通に光が当たると想定してるところを中心につけますが、「ここは体とかに遮られて、実際には光が当たらないかもしれない」という部分も、濃い色と濃い影が重なると、暗く埋もれて形がわからなくなったりするので、形をわかりやすくするためにハイライト置いたりします。

アムちゃんやマルコシアスさんみたいに、服が黒っぽい色の人は、これをやると遠目でも体のラインがわかりやすくなるので便利です。

あんまりやりすぎると不自然になるのでほどほどにつけます。

光の当たり方などの理論は、もちろん勉強すれば絵のリアリティやクオリティを高めてくれるけど、結局のところイラストの要点は「どう見えた方がいいか」「何をどう見せたいのか」が優先されると思うので、地球上では起こり得ない超自然的法則が画面を闊歩していたとしても、それによって自分がこう見えるように描きたいという目的を達していれば気にしない。


【着彩 - スクリーン】

ハイライトよりやわらかい光を当てるのに使います。レイヤーモードをスクリーンにして、エアブラシでぽんぽん。月の光源側には赤を、エフェクトと煙からの光源側には青を。

ここ何年かでよく見るのが、奥側や遠くにあるものに青みや紫みのスクリーンをあてて、空気感や遠近感を出してる手法。

風景画とかでは昔から一般的に使われる手法だと思いますが、人体のパーツや人物同士みたいな、そう何メートルも離れてない近距離で、この効果を一目見てわかるほどがっつりつけるのは、けっこう最近見るようになったやり方だなぁと感じます。グラブルでとてもよくみる。

この絵でも、光の当たってるところ以外に、ウェパルちゃんの奥側の足とか、ガープ君とウァプラさん、マルコシアスさん、アムちゃんがそれぞれ重なっている部分の、奥側にいる人にスクリーンをあててみています。

奥にあるものの色や陰影がうすらぼんやりした色になることによって、手前のものの陰影が引き立ち、前後関係がわかりやすくなるので、スクリーンあてる前の絵に比べてゴチャゴチャ感が緩和された感じがします。

人数やパーツが多い絵の時に使うと、すっきりわかりやすく見せやすいかなと思います。

あんまりスクリーンあてすぎると、画面全体がボヤボヤした眠い絵になってしまうので、要所にちょっと入れるくらいがいいですね。加減に気をつけつつ。


【着彩 - 影にオーバーレイ】

主に色の単調さ防止と、肌に生気を出すために、影を塗ったレイヤーにクリッピングして、オーバーレイで影のキワに赤をいれます。

同じく、影色の単調さ防止と、あんまり濃い影つけると顔色ドス黒くなるので、肌の色の暗さ防止のため、影の暗い部分に薄い紫をさします。なんとなく空気感も出ます。

遠目だとあんまり変化がわからないけど、ウェパルちゃんの腕の光が当たってる部分あたりや、ガープ君の盾持ってる方の手の甲あたりを見たら色の変化がわかりやすいのかもしれない。

顔をアップで描く時は、この影色の血色調整やると、かなり雰囲気が変わる気がします。

あんまり肌の赤みや色味強くすると、生気が出すぎて色がエロくなるので、今回はそういった趣旨の絵じゃないからほどほどに薄く入れておきました。


【着彩 - 背景】

夜空は普通に赤と紫のグラデーションを重ねて、星っぽいものをブラシで飛ばして、月をボーンって置いて光らせただけなので、背後の煙から。

ペンブラシで煙の形をとってから、煙の内側に塗りブラシとエアブラシでなんとなくもくもくした陰影をつけます。

この煙は敵の攻撃エフェクトのひとつ、という想定なので、色は青緑みで。

煙がすごく浮いてるので、背後の奥側にいくにつれて空にまぎれるようにします。描いた煙のレイヤーをコピーして、上からエアブラシで月近くの背景の色をとって塗ります。

最初に描いてた緑の煙レイヤーをコピーして上に重ね、「3〜4ピクセルぐらいぼかして、レイヤーモードをスクリーンに」「最初のレイヤーとぼかしたレイヤーの不透明度をちょっと下げる」とやって、ちょっとふんわりさせます。

「コピーしてぼかしたものをレイヤーモード:スクリーンにして、元レイヤーともども不透明度をちょっと下げる」は、何か光らせたい時に頻繁に使います。月もそれで光らせました。


【着彩 - エフェクト】

ダイレクトアタックっぽい攻撃エフェクトを描きます。ペンブラシで白で描いて、レイヤースタイル(他のソフトだと「レイヤー効果」とかの名前かな)で、「光彩(外側)」「光彩(内側)」をそれぞれつけます。

これもあんまりぴかぴかすると浮くので、ほどほどに光らせます。アムちゃんのスキルで舞う羽も、レイヤースタイルでちょっと光らせてエフェクトは完了。


【色補正】

なんとなく背景の暗さと人物の明るさがあってなくて、浮いてる気がするので、なじませます。補正のレイヤー構成はこんなかんじ。

◆全体に赤みを加えて統一感を出す

キャラの線画、着色レイヤーを全部コピーして統合し、赤く塗りつぶします。レイヤーモードを「ソフトライト」にして、不透明度を10〜20%ぐらいに。

◆色をちょっと暗め、濃いめにする

キャラの線画、着色レイヤーを全部コピーして統合し、3〜4ピクセルぐらいぼかします。レイヤーモードを「焼き込み(リニア)」にして、不透明度を10〜15%ぐらいに。

◆奥行きを出す

新規レイヤーを作ってレイヤーモードを乗算に。紺っぽい暗い青を足元にエアブラシで薄く撒きます。

上からの光源がある場合、画面の四隅や人物の足元を暗くすると、絵に奥行きが出しやすいです。あんまりやると見栄えがよくないので、うっすらと。

描けました。今回は割といつもやっていることに近い塗り方で塗った気がするけど、また色々違う方法を試したいです。

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