スマートフォンをぶちこわした

3月1日
心地よい春風が吹くそんな日に、スマートフォンをぶちこわした

大学お笑いの最大の大会、NOROSHI
その準決勝に出場するため、私は西荻窪駅にてチームメイトの到着を待っていた

いよいよメンバーが揃い、今日という日にかける思いをそれぞれ語り合い、互いの意志の強さを確かめ合っていた

さぁ、会場に向かおう、と意気込み
地図を見ようと
ポケットから

スマートフォンを

あっ

ぶちこわした

点字ブロックの出っ張りに落とし、ぶちこわしてしまった

液晶に深刻なダメージが及んでいることは疑いようもないだろう

ああ

ああ

私は大事な大会の直前にスマホをぶちこわしてしまった
意気消沈

とりあえず患者の容体を確認してみよう

画面左上の液晶は完膚なきまでに破壊されている

スマホとしての性能はと言えば

画面の左上を常にタップしていると認識している

そのため、普通にタップすることもままならない

この左上タップ現象が問題なのだ

まず、ロックを突破できない

パスワードで解除しようとすると、彼はその傷から混乱して、「１１１１１１」と連発してしまう

でも彼を責めないであげてほしい
痛みとはそういうものだから

指紋認証の機能があるではないかという人もいるだろう

ご安心を
指紋認証機能は、焦りで手汗まみれだった私の連続失敗によって既に封じてある

もう一つの問題は、修理に出す時に起こると思われるものだ

先述の通り、今、私のスマホは、画面の左上をタップし続けている

そのため、運良くロックを解除できていた場合にも、画面左上のアプリを勝手に開いてしまい、操作がままならなかった

修理に出せば、店員はスマホの画面を色々と弄るだろう
となれば、私の左上のアプリが堂々と起動されてしまう

さて、左上のアプリは一体何だったのか

私の命運を握る、左上のアプリは何だったのか

正解は……

メロンブックスのアプリ

メロンブックスとは何か

平たく言えば、エッチな漫画を買ったり読んだりするアプリだ

ロックを解除すれば、私が買ったエッチな漫画がデカデカと表示されるのだ

終わりです

おしまいです

しかも、メロンブックスで購入している作品は一つだけなのだ
私は基本的にDLサイトでエッチな漫画を買う

メロンブックス専売のエッチな漫画を一冊購入したに過ぎないのだ

君はこれをどう捉える

たった一つのエッチな漫画で、自分の趣味を決められてたまるもんかという、プライドとも呼ぶべき感情か

あるいは、数多のエッチ漫画から、極めて精度の高いエッチ公約数を導き出されなかっただけマシだという安堵か

いずれにせよ
携帯ショップに行けるのは土曜日
答え合わせはその時だ

数日間の強制デジタルデトックスを楽しもうと思う

あ、あと、NOROSHIも頑張ります