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カナダのパンデミック対応は労働者不足を悪化させた:建設専門家

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パンデミック(世界的大流行)に対する政府の対応は、カナダ国内の労働者不足を深刻化させ、人件費をさらに押し上げた。

カナダのロックダウンが始まり、多くの産業が操業停止を余儀なくされるなか、オンタリオ州住宅建設協議会のリチャード・ライアル会長は、多くの労働者が早期退職を決めたと言う。

「COVID効果もあり、退職して年金を受け取る人もいました。彼らは戻って来ず、私たちは生産性を失いました。」「すぐに25%を失い、何人かは戻ってきたものの、物事を成し遂げるには時間がかかるようになった」

ライアル氏は、オンタリオ州の建設技能者不足だけでも、10年後には11万9000人に達すると推定されると付け加えた。全体的な職人不足はこの数字を上回るだろう。

人手不足の主な結果は、社会的な距離の取り方のようなパンデミックに起因するルールによって生産性が低下し、工期が延びることである。さらに、経済活動の停止はサプライチェーンのボトルネックとなり、資材の到着を遅らせた。

その結果、建設プロジェクトはより高額になり、最終的には販売価格で回収されることになる。

パンデミック(世界的大流行)の間、建設業の生産性は10~15%低下したと言うライアル氏は、労働協約(使用者と労働組合の間の契約)があっても、資格のある労働者の不足がカナダの賃金問題を悪化させていると主張する。

「たとえ労働協約があったとしても、仕事をこなせる人材よりも仕事が多ければ、人材の奪い合いになり、コストを押し上げることになる」とライアル氏は言う。「プロジェクトの完了に通常より時間がかかれば、コストは上昇する。今、一流の熟練工は金に換えがたい価値があります」

住宅コストが上昇するもう一つの理由は、土地の保有期間が長くなることである。

2020年に予定されていた多くのプロジェクトが1、2年延期されたことで、技能職の需要は一気に高まった。

配管工、板金工、HVACスペシャリストなど、ほんの一部の職種を挙げるだけでも不足していると、請負業者と雇用主をつなぐ新興ウェブプラットフォーム、ALT Labour Solutionsのアレックス・ティボー社長は言う。

ティボー氏によれば、仕事の量が人手を大幅に上回っているため、特定の職種を予約することが難しく、価格が高騰しているのだという。

「業界の労働者数に対して仕事の量が多いので、価格は高くなりますが、結局のところ、あなたの価格はまだいいかもしれません。」

「しかし、私たちが目にしているのは、業界の労働力不足のために、高い値付けをして仕事を受注し、仕事を完了させるのに苦労しているということです」とティボーは付け加えた。

人手不足が賃金上昇圧力となっている一方で、カナダ最大の都市圏は、初級レベルの職業労働者にとってはまだ高すぎるからだ。

「労働者は必要だが、高すぎるため住居がない」とライアル氏は言う。「トロントへの移住を考えている社会人は、もう忘れてください」

ネット・ゼロ住宅を達成しようとする連邦政府の規制も障害となっている。

「このような状況は問題です。技能がないから学べないというわけではありませんが、私たちは非常に特殊な産業なのです」とライアル氏は言う。「コンクリート成形職人を一夜にして枠職人にすることはできない。」

「住宅は単純ですが、複雑な産業です。スピードボートではなく、スーパータンカーなのです」


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