考えて描くとは何か
絵を上手くなるにはどうしたら良いですか。
この時に対する回答として、「考えて描く」というものをよく聞きます。
この回答自体は納得ができますし、たしかに適当に描いているうちは何も身についてない気がしてきます。しかし、いざ考えて描くと言われても具体的には何を?となってくるのではないだろうか。
そこで本記事では「考えて描く」とは何かを考察していきたいと思います。
考えて描くの正体
まずは結論から書いてしまいましょう。「考えて描く」とは、学習対象に対して自分が得意な認知特性の情報に変換する処理を指します。
認知特性とは何か
さて、結論で述べました認知特性について説明していこうと思います。
総合教育センターのホームページによれば以下のように述べられています。
重要なところは3つ。
認知特性とは、「整理」「記憶」「理解する」能力であること。
同じ情報を見聞きしても同じ方法で記憶できるわけではない。
認知の仕方(記憶の仕方)に得意不得意がある。
そして、認知の仕方は大きく3つに分類されています。
視覚優位:情報を見て記憶するのが得意
言語優位:情報を読んで記憶するのが得意
聴覚優位:情報を聞いて記憶するのが得意
この得意不得意を知ることが考えて描くことに繋がります。
考えて描くには何をすれば良いのか
では、考えて描くにはどうしたら良いかについて述べていきましょう。先ほど、人の認知の仕方(記憶の仕方)には大きく3つに分かれると説明しました。
そのため、まずは自分がどれに分類されるのかを知る必要があります。
本田式認知特性研究所さんの診断テストを受けてみてください。その結果に応じて、次の章を見てください。
視覚優位タイプの場合
見たものを見たままに覚えるのが得意なタイプです。このタイプの場合、イメージがもたらす感覚を最重視するのが良いと思います。よって、考えて描く流れは以下のようになります。
以下に各項目の流れを記載します。
学習対象を定めます。
学習テーマに沿った情報を収集します。
ビジュアルをそのまま覚えます。
覚えた内容を実際に描くことで再現できるかを確認します。
再現できた場合は学習終了です。もし再現ができない場合、問題点を言語化し、手順2.に戻ります。
視覚優位タイプの場合、問題点を言語化するところが重要になります。ここを徹底することで上達につながると考えています。
言語優位タイプ・聴覚優位タイプの場合
言語優位タイプは言葉を使って、聴覚優位タイプは音を使って物事を暗記します。そのため、下記のようなステップになります。
学習対象を定めます。
学習データに沿った情報を収集します。
得られたビジュアル情報を言語にします。視覚優位の場合、ビジュアルをそのまま覚えるだけでいいですが、言語優位タイプや聴覚優位タイプではビジュアル情報を言語に変換する作業が必要になります。
言語化したものを覚えます。視覚優位の場合はそのまま、聴覚優位タイプは音にして暗記を行います。
覚えた内容をもとに実際に描いて再現できるかを確認します。
再現された場合は学習終了です。もし再現ができない場合、問題点を言語化し、手順2.に戻ります。
言語優位タイプや聴覚優位タイプの場合、観察対象となるものを一度言語に落とし込む必要があります。そうしないと覚えることそれ自体が困難になってしまうためです。
それ以外の考え方は視覚優位タイプの場合とあまり変わりません。
まとめ
本記事のまとめとなります。
「考えて描く」とは、学習対象(大抵の場合画像)を自分が得意とする認知特性に変換する作業のことである。
認知特性は人によって異なるため、自分に合った方法を模索していく必要がある。
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