「また間違えた」
 声と同時にベースの音が止まった。ギターとキーボードの音色が迷子になる中でシンバルの残響がピタリと消える。
「う〜!しほちゃんきびしいよぉ!」プロセカ 星乃一歌 コスプレ衣装


 陽気な声で、でも口を尖らせて拗ねたように咲希が抗議の声を上げる。弾みで鍵盤に添えていた指が音を鳴らした。
「やるなら真剣がいい。手は抜きたくない」
 咲希の言葉にも負けず、志歩は表情を変えずに言い返す。芯が強く、滅多なことでは考えを曲げない。最近授業で習った戦国武将で例えるなら、たぶん織田信長。けれど、鳴くまで待つ優しさもある。何度止まろうとも、曲の1番より先に進めなくても、声を荒くすることはない。
隣でやり取りを見ていた穂波はスティックをドラムの上において、宥めるように笑う。
「まぁまぁ、落ち着いて咲希ちゃん。志歩ちゃんも、みんなそれぞれの楽器の練習してきたけど、今日はじめて全員で合わせてるんだよ?」
 それとなく寛容に、見過ごしてもらえるように穂波が言うと、バツが悪そうに志歩は視線を下げた。しばらくして、
「でも、はじめてだからこそ最初から最後までミスなく演奏したい。みんなとのはじめては、成功がいい」プロセカ 花里みのり コスプレ衣装
 ぽつりと呟いた。志歩としても意地悪で止めている訳ではなく、純粋にみんなとの演奏を良いものにしたい一心だった。志歩のその言葉に咲希は目を潤ませて嬉しそうにしたものの、先に進めないジレンマから口をもごもごと波打たせる。
「それはアタシもそうだけど……それでも何度も止まるのは楽しくないよ〜!」
「だから昨日言ったじゃん。駄菓子屋に一緒に行くのはいいけど、今日の合わせで問題がないようにしてって」
 咲希の言葉に志歩はむっとして、言い返す。練習不足だと突き返せば、それには咲希も我慢ならないようでテニスのラケットでボールを打ち返すように言葉を跳ね返した。
「昨日練習してるときは問題なく弾けてたの!それに毎日練習してたもん!」
「だとしても本番で発揮出来なかったら意味ないよ!」
「意味なくないよ!」
「意味ないよ!」
「2人ともケンカはだめだよ!」
 掴み合って取っ組み合いそうな雰囲気の中、黙って成り行きを見守っていた一歌が、勇敢にも2人の間に割って入る。父親から借りてきた青色のギターは、スタジオの隅にあったスタンドに立てかけている。
「志歩!」
 一歌は大きな声で名前を呼ぶ。突然呼ばれて、志歩は肩を揺らした。普段の一歌はあまり叫ぶ事をしない。あの一歌が大声を出した。さすがの志歩も、上擦った声がでてしまう。プロセカ 小豆沢こはね コスプレ衣装

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