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彼女が繰り出す剣戟を後退しながら避けていくしかなくて

真っ暗なレインボーローズ 中須かすみ コス衣装宇宙空間で、見えない足場を彼女は真っ直ぐにこちらへと駆けてくる。何の狙いもなくバカ正直に突っ込んでくるタイプとは思えないが、向かってくるものは仕方ない。私も迎撃態勢に入った。──ズダンッ! ズダンッ! ズダンッ!腰のホルスターから引き抜いたハンドガンの銃口を正面に向け、一、二、三発。頭と腹と足元を狙った銃弾が狙い違わず彼女に命中──はせず、宇宙空間を真っ直ぐ突き抜け一瞬のうちに見えなくなる。「……まるでバケモノね」それなりに距離は開いていたとはいえ、銃弾を避けながら進んでくる彼女に、私も思わず舌打ちを漏らす。人間離れした動体視力と反射神経。なるほど、確かにトップアイドルとしての経験値はバカには出来ない。「銃ってのはね、間合いに入られた時点で無力なんだよ」気付けばほんの数メートル手前にまで踏み込まれていた。顔の前でクロスさせた双剣ごと突っ込んでくる圧倒的不利な状況でも、私は不敵に微笑んで。「あら、本当にそうかしら?」「……っ!?」詰められた距離を、私はあえて踏み込む。斬り掛かるタイミングをズラされた彼女はレインボーローズ 上原歩夢 コス衣装一瞬表情を崩すが、そのまま両腕を振り抜いた。「ふふ、残念♪」踏み込んだ”フリ”に慌てた彼女が振り抜いた刀剣は空を斬り、無防備な体勢を晒す。私は驚愕に塗れた彼女の表情に嗜虐心を覚えながら銃口を向け、再度弾丸を放つ。決まったと思ったその反撃は、驚くべきことにわずか数センチ顔を動かすだけで躱されたが、私はなおも無防備な彼女に回し蹴りを放ちながら、同時にトリガーを引いた。──ズダンッ! ズダンッ!不意を突いた、はずだったのに。恐ろしいほどの反応速度ですでに回避準備を整えていた彼女は、翻ってどちらの銃弾も鮮やかに躱し、追撃の一手に出る。「いい、動きね」「褒めてもらえて嬉しいな。さ、今度はこっちから行くよっ」そうなると私としても無理に応戦するわけにもいかず、彼女が繰り出す剣戟を後退しながら避けていくしかなくて。

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