見出し画像

破壊ランナー 感想

破壊ランナー

4/28 19時 六本木ブルーシアター

ネタバレしてますのでご注意ください。

友人とみてきました!
一言でいいます。濃密な時間でした!

西田シャトナーさんの破壊ランナーは佐々木蔵之介さんも所属していた惑星ピスタチオの有名な名作とあっていつかみたいなとは思っていたので今回見ることができて本当に良かったです。

とても濃密な2時間30分。
緩急のつけ方が上手で、集中が切れないままどんどんのめり込んでいくように見れました。
照明、音響ももちろん(ブルーシアターの音響があんなに臨場感あるものだと知らなかったです)小道具を極力使わないいわゆる「パワーマイム」での演出。引き込まれました。

一番最初にキャストがいう速さ年表がすごい迫力で、何度か言うシーンがあるんですけど、まさにこの年表が破壊ランナーだなって思っていました。
何が言いたいかって言うと、この年表ってキャストがみんなでてきて言うんです。静かな劇場をこのセリフが切り裂いて行く、切り裂いて始まりへ持って行く…。まさに日常を破壊して(劇が/非日常が)走り出す。そんな印象です。だからラストで「その後姿を…」になったとき私たちを取り巻いていた非日常が私たちを追い抜いた感じがしました。置いて行かれた非日常の後に日常が帰ってくる。けれど私たちの中に非日常が走り去って日常の何かが破壊されてる…。そんな印象です。素敵な体験をしました。

そして、もう一つ。とても印象に残ったのが「よーい、どん」の時の池田さんの動き。これって鳥の羽ばたきだって思いました。後半、鳥をみて空を飛びたいってシーンのあとこれをみて鳥肌が立ちました。走りたいというより飛んでいきたい。鳥のように空をという理想を暗示してるのだとしたらいいなと思うほど個人的に刺さるシーンでした。

個人的にメインビジュアルのデザインが最高でした。メインビジュアルとかデザインの話は長くなるのでまたまとめようと思います。

あとは気になったキャストさんの話です。

主演の池田純矢さんの熱演。熱かったです。とってもストレートに感情を出す役で悔しい、悲しい、負けたくない、俺が1番!など真っ直ぐすぎる強さがありました。真っ直ぐな分自分には速く走るしかないというのを理解していて、だからこそ暴走する時の走りや、ラストシーンでの走りが「ここにいる自分が一番速い!」ってのが伝わってきました。
汗をびっしょりかきながら、必死に走る姿がどのシーンをとっても印象的でした。
あと、池田さんの目力というか視線の強さが池田さんらしいというか、いい意味でお芝居に対してギラついてる感が伝わってきて飲み込まれました…!

平田裕一郎さん
私の平田さんのイメージは笑顔が抜群に素敵なちょっと子供な部分もあるお兄ちゃんなんですけど、見事に打ち破りました。というか、めちゃくちゃいい役じゃないですか?いい役でした!!いい役ですよ!
荒々しくありながらすごく真摯にレースに打ち込んでいるところ、最期、陰謀に巻き込まれながら、誰よりも速く走ってほしい願いを主人公に託していくところ…素敵でした。普段から真っ直ぐな方だとは思っているので役に思い切りそれが出てたことが嬉しく思いました。

リコこと村田充さん
あ、ご結婚おめでとうございます!
村田さんに関して言えばもう存在が独特。立ってるだけで独特な雰囲気が伝わってきました。恥ずかしながら初めて村田さんをみたのですが、こんな空気感をまとう人だったとは…!動の熱さをもつ主人公と静の熱さをもつリコとの対比が良かったです。

宮下雄也さん
でてくると話の雰囲気が変わりますね。オーナーとのやり取りと提督への容赦ないエンドレス郵便局…最高でした!最終的に巻き込まれて火傷おってるのも良かったです笑。
宮下さんの恍惚とした演技が癖になります。怖いんだけどまだ隠してるんじゃないか、まだ見せてくれるんじゃないか?っていうドキドキ感が凄かったです。

あと、個人的に気になったのは実況コンビですね。セリフ早いし多いし、アドリブ多いしメタいし、凄まじいなって!彼らが観客に一歩踏み込んでくれていたからこそレースに置いてかれないでみれたなって感謝です。

ざっくりかきましたが、ほんとに濃密な時間でした!声をかけていただいた友人に感謝です。
次のシャトナーさん舞台「遠い夏のゴッホ」も楽しみですね。