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ミュージカル青春鉄道3 延伸するは我にあり 感想

ミュージカル青春鉄道3
延伸するは我にあり

5月26日 マチネ・ソワレ(大千秋楽)
長岡リリックホール
脚本・演出・作詞 川尻恵太

初日にして千秋楽。そして初めての鉄ミュ。
鉄ミュニワカの感想です。ニワカなので作品に対して知識とか足りない部分が多いです。ご了承ください。

ます、鉄ミュの作りっておもしろいよね。
わたしは友人が鉄ミュが好きで、DVDを一緒に見てからこれ面白いなってなり、今回の新潟遠征に友人にくっついて初観劇という流れです。普段遠征を滅多にしないのに、電車に乗って見に行くのが楽しそうだからと、思ったので新潟を見てきました。

鉄ミュの大きな魅力は2つ感じていて、ひとつはコントの積み重ねのような作り。
もう一つが演者にある程度投げるエチュードかと思わせるような作り。この2つかなと思っています。
私はあんまりテニミュを知らない人なので、テニミュの初代キャストだよ!と言われてもピンとこない…(ごめんなさい)のでキャスティングでざわざわしてた鉄ミュの認識はあったんですが、こういう作りに面白さが出てるんだなと、観劇して改めて思いました。

コントのような積み重ねの作り。
これは単純に緩急のつけ方がうまいですね。3になって黎明編(漫画を貸してもらいました。ありがとう)が入ってきた分、余計に笑い飛ばせる部分と、真剣に見入ってしまう部分のバランスが良くて、一息つきつつ、ぐっと入り込めるのが楽しいなと思いました。
もう一つのエチュード的な作りっていうのは、もちろん台本がしっかりあるんでしょうけどある程度役者さんへ加減を投げてる感じがするんですよね。ある意味メタいけど、ベテランの多い座組だからできることでもあるし、何より演劇というあの空間で、一種の「お約束」が許される前提であるのを、制作側も観客側もわかっていてやってる感が本当にすごいなと思いました。最近そういうのなかなかないので、コントぽいなとか、2.5だなって以前に、舞台だなって感覚になるのが面白いなと思います。

まぁ、こんな偉そうなことは置いときまして、単純に面白かったシーンがいっぱいありました。
小ネタや黎明編の話ごと書こうかなやんだんですけど、うまく書けそうになかったんで、キャストごとの感想を言います。
新潟で観れたキャストというかキャラクターをかいて見たけど多いね!!びっくりだ!

西武池袋線
念願の「会長万歳ー!」ができました。
容赦無く関係者席を弄って行くキメ様。貫禄がある。
やっぱり西武の張り上げる声は見ていて気持ちがいいです。あとなんか今回は東上とファッションショーやってましたね。
なかなかのセンスでした。かわいいジャンスカだったので、中のTシャツをシンプルにして、革ジャンを肩掛けで羽織甘辛ミックスにして見るのはいかがですかね??

東武東上線
かわいいの化身。動きが小学生女児みたい。
なんとなく舌足らずになるよね、かわいい。秩鉄が本当に好きだな君は!!女装の衣装がいっぱいあって無駄に豪華!でも秩鉄愛にあふれすぎて時々信越が混ざる感じが面白いです。
途中の秩鉄とのデュエットはなんだったんだ…という勢いがありすぎた分じわじわきますね。いいハーモニーだった。歌の最後に来いよってやってくれる秩鉄見せる表情が乙女でしたね。かわいいね。
あと、西武池袋と東上は西武池袋がクールにあしらいきれてないので、ふたりしてギャンギャン騒いじゃうところとか好きですね。なんだかんだのニコイチ感。新潟(凱旋)公演であり、秩鉄ゲスト公演であり、高崎さんすごかったね。

りんかい線
ある意味わたしが生での鉄ミュを見たいと思ったきっかけとなったのが、りんかい線です。
もうさ、存在がずるいよね。あんなん面白いよ~~。っていう感じに振り切れてました。振り切れてるキャラしか鉄ミュにはいないと行っても過言ではないと思ってはいるんですが、りんかい線の振り切れるベクトルが斜め上すぎて面白いです。
「どこからきたの?」がすべてりんかい線の駅にされるし、プロマイド買ってねって言われるし(買ったよ)、「ナイスフゥー」「ナイスキャー」などお褒めの言葉はいただけるし…笑 
歌が上手いのに歌い方のくせ出し過ぎなところとか。そりゃ信越も耐えられないよ。なんか見るだけで笑顔になれちゃう漆黒な人でした!!好きだよ!!!ジュニアックホームズにでるりんかい好き。楽しい。あの最高に熱いカオスなホームズタイムいいよね。

上越新幹線
「ただいMAXトキ!」で会場がわぁーって湧くのすごい楽しいですね。お膝元でもあるので始終嬉しそうでしたね。めっちゃキレキレのダンスとめちゃくちゃハッピーな笑顔だった笑
上越上官って上官の中では割と付き合いやすいのかなっと思います。それか高崎がお人好しすぎなのかもしれない笑。
今回すごい印象が強くて、大活躍だったなって感想が浮かぶのが上越上官なんだけど、本当に楽しそうだったな。シーン自体は高崎にからんでお弁当とペンギンの人形買わせてる(…あれ?悪いやつでは??)んだけど、それがいちいち嬉しそうなんですよね。あと兄さんにペンギン投げられるとこ、ちゃんと兄さんが取りやすいようにはしてくれてるんですよ笑
でも投げられた時の顔がすごい。こっちもびっくりする迫真の悲しみでした笑

ぜんぜん話が変わるんですけど、田中涼星くんと鯨井さんってことはWみちおさんがいたんですね。孤島の鬼も面白い舞台ですよね。

山形新幹線
作中1のイケメンさんと言われてたので、どんな人なんだと思っていましたが、確かにこれはイケメンですわ。存在がイケメン。やばい。無理難題は方言を武器に戦うイケメン。でも、兄さんにグラングラン揺らされてるの面白かった。大楽のときの兄さんはわりと強めだった気がする。一慶さんがセリフが言えてなかったね。というか兄さん強くない?笑
山形。秋田・上越の上官たちで話しているシーン好きだったな。

秋田新幹線
今日も元気に食べるねこまちちゃん!サラダホープっていうおせんべいを腰につけてたんですけど、あれ美味しかった(買った)こまちちゃんが食べてる姿はいいよね。
歌も歌えないし、セリフもわけわかんないくらい言えなくなっちゃうけど、元気に頬張るこまちちゃんが好きだよ。山形の方言以上に何行ってるかわからない秋田に「なんて言ってるかわかんない」って言ってくれる上越上官ありがとう。この三人のやりとり好きでした。
そして千秋楽はOPでおにぎり食べながら登場し、2つのうち1つをリレーする謎の事態でした!みんな笑いながら、えぇーってなりながらおにぎり受け取っては食べ、こぼし、とOPの曲より正直おにぎりガン見してしまうくらいでしたよ。おにぎり!!

北陸新幹線
最初の出オチみたいにスって出てくるの本当にびっくりする笑
すっごい真顔ではいってくるの。笑わない人いる??笑顔忘れてきたの??てレベル。
それ以上に信越の「こんなんになっちゃった」で申し訳ないけど盛大に笑ってしまった。ごめんよ。でもたしかにりひとくんからコウジさんはなんか差がすごい。笑っちゃうよ。
前回たくさん見せ場があった分少なめだったけど、インパクト強かったです。

信越線
ちょいちょいでてくる常識人っぽさがあるけどやべーやつっていうイメージです。宇都宮もおんなじイメージがあるよ。
信越の最初の回想も面白かったんだけど、あんぱん戦争で無邪気に戦闘狂感がでてていいなって思いました。というか鉄ミュであんな殺陣を本格的に見れるとは思ってなかったよ笑
さすがというかみんなうまいな!!!信越の嬉々として刀降ってる感が普段12歳以下って騒いでるのとギャップがあって素敵だよね。でも急に「乱舞したいー!」「後輩のバーターでもいい!」っていいだしたので堪えきれなかったよ。
乱舞してほしいよ~~!!ミュージカルに出たいとおっしゃてたそうですが、後輩のバーターだとストレートプレイだなと思ってしまいました。あるいみあんぱん戦争(正式タイトルわかってないです、すみません)乱舞だったよ。

銀座線
ぎんざさまー!!メトロのなかで一番好きなんですよ。銀座様!
前略、早川様が見れるとは思っていなかったので、びっくりです。言葉の一つひとつが重く、質感のあったのはさすがベテランさんだなと感じました。銀座様の「この傷がなおらなければいい」がとても苦しくて苦しくて。鉄道の歴史を描くことは、そこに夢を見た人間の歴史を描くことなんだなと素直に感じました。だからこそ。曲がしみたし「東海道(兄)が地上の覇者ならば、地下の覇者になる」というセリフに、救われたし希望を見ました。いいですね。黎明編の銀座様素敵です。ほんとにね。

丸ノ内線
テレパシーが使える人。っていうかテレパシーの時の動きがツボです。楽しい。彼も有楽町同様苦労人ポジションなんでしょうね。
でも、黎明編のとき彼の明るさが希望になったなと思いました。割と天才タイプなんだろうな。銀座様に逆らえないながらも、なんとなくちゃんとした理解者であろうとしてるのが好きです。いいやつ。

宇都宮線
ひとこと!ずるくない?尾久駅ふたりぼっちはずるくない??
あん普段ふわっふわした辛辣な人が、声を荒げて泣くのはずるいなってくらいギャップがあったな。今回黎明編をやってくれたおかげで、ニワカな自分にとって、どうして宇都宮と高崎はセットなんだろう。セットにしてもすごく互いを信頼してるのはどうしてかなってのが見えたので嬉しいです。軽口叩くのも辛辣なこと言うのも、どこまでも腹をくくって互いを赦そうとしたからなんだなってのがなんとなく感じ取れて、まず最初に相手を赦したのは高崎じゃなくて宇都宮なんだなって思えるのがよかったです。
宇都宮のあんぱん戦争かっこよかったね。国鉄服にあってたよ。
なんか高崎に押し付けるのではなく自分が大将になってる宇都宮が新鮮な気がして、素敵だったな。

高崎線
大変だ高崎ーにじわじわハマってきたって言った郷本さんにすごく同意です。素敵な上官?と同僚に囲まれたわくわく鉄道ライフを送っている高崎線さん。彼がなんだかんだ宇都宮を赦してしまうのもわかる気がする。
あと上越上官にもめちゃ絡まれてるね。がんばって。
高崎の好きなところは人の良さに終始するんですが、絶対対局で物事を見据えて動こうと思えばしっかり動けるだろうに、そうしないである意味人に頼まれる貧乏くじ引くのが彼らしいなと思います。そういうとこ!そういうとこが好きです。

常磐線
なんかすごいぶりっ子がきた。
セーラー服着てるぶりっ子が来た!と思ったらキメ様で2重の驚き笑
ハロウィンの千代田を頑張ってくるくる回すのすごい好きです。楽しい。そこで仲の良さを見せつけてからのin the box。圧巻。
語らない。間の見せ方で感情を表現するって、漫画と舞台で魅せれる共通の表現だと思っているので、今回すごくよくはまっていて、特に何か言葉を交わすのではなく、また東北行こうという一言でいろんなことを察せられるのがすごかったです。
千代田といるとパワーあふれる感じのぶりっ子なんだけど。あんぱん戦争みてると、ちょっとクールだなって思いました。いいよね。

千代田線
これ神里さんはまり役だなって思いました。すごいよかったな。神里さんって結構不思議な方で、立ち振る舞いは大きいとか特別なことをしてるってわけじゃないんですが、ふとした瞬間の目を引く振る舞いがものすごく繊細で綺麗な人だなって思いました。表情もなんだけど、手の位置、目線の投げ方とか、何となく「あ、いま神里さん見なきゃ」ってなる瞬間にきっちり決めてくるというか。そんな感じだったので、あまり大きく感情を吐露しない千代田のふとした瞬間に見せる感情とかに、すごくハマってたなと思いました。
千代田のなんか無気力というか脱力感がツボなんですが、そのなかでしっかり喜怒哀楽を乗せてくれるので見ていて引き込まれますね。普段の常磐に振り回されているところからの、in the boxの冒頭モノローグ。あの一瞬で二人にも乗り越えて来た思い出があるんだなったすごい感じました。結構寂しい話ですよね。でもなんとなく二人には明るい時間がしっかりあるからさみしくなりすぎないみたいな。そんな関係性が観れたので、千代田よかったです。
あと銀座様と話す千代田も好きです。

京浜東北線
常識人サイコパス。どんどん刃が磨かれてきましたね。彼はどこへ向かうんだろう。
もういろんな人に雑に扱われすぎだよ。そしてナイフを使いこなしすぎだよ(褒めてる)
1みたときすごい常識人だ…!大変な人だと思ってたんですけど、今回ジュニアのが常識人だ…!と思うほどにキレッキレだった。わたしは彼がナイフを出すたびにちょっとときめいてました。面白いな〜〜〜!

横須賀線
横須賀なんか普通にいいあんちゃんだったね。なんかすごいいあんちゃんだった!
ちょいちょい出て賑やかしていく彼も好きなんですが、あんぱんの時に八高線とやり合うんだぜ感いいですね!!ぜひ!!見たい!!ワイルドなお兄さんが増えていく…そして身長格差も広がっていく…

秩父鉄道
かっこいいいね!!ちちてつー!!!!
すごくリラックスして演じてらっしゃるのが余計にかっこいい。ファッションチェックの雑さが好き。
押しが強いキャラだらけの中で、山形上官同様、ほっと息がつける人ですね。

山手線
私が見たのは赤澤さんだったんですけど、闇が深すぎてひぇってなりました。
なんか嫌なことあったのかな…新潟でうまいもん食ってくれって感じです。本当闇が深いよ…!!
うまいもん食ってくれ。

東海道線
ジュニアックホームズありがとう。地味に一番見たかった笑
いつも事件が解決しないけど、今回はしたのか…?でも結局殺人事件になったような…笑ホームズの時にかぶるハンチング帽が好きなんです。あれかわいいよね。
東海道のあんぱん戦争はとっても迫力があってよかったですね。無駄に歴史のある鉄道感が出てた。
ジュニアはずっと見守り続けている感があって好きです。自分が最古の鉄道だけど、東海道を兄とするのも、自身が最初だからこそこの国の鉄道のいく末をしっかり見守ろう、という覚悟からくる器の深さなんじゃないかと思ったり。わりと他の在来線とかと話していても、すこし見守る的な立場に入っていくのがいいですね。でも兄さんの応援はとっても楽しそう。
鯨ちゃんさんのまっすぐに見据える感じがとっても合うなって思っているので、最後の黎明編の兄さんとの出会いのお話。あれで今まで日本を背負って来た自負も、これからもっと発展していく未来も、いろんなことに目を向けてそらさず見据えていく感が本当に素敵でした。重くならないところでしっかりと、場を変えていくのも素敵ですね。

東海道新幹線
兄さん!ペンギンを全力で投げ、山形を揺さぶる兄さん!
山陽さんサンドバッグをのりのりでなぐちゃう兄さん!千秋楽ではリズムに乗るのが楽しくなっちゃってたね。
本当に今回は最後の最後に兄さんに持ってかれたなってくらい、最後のお話が本当に希望に溢れていて好きです。地下鉄の始まりである早川さんのお話で黎明編がはじまり、日本の鉄道の夜明けのような東海道兄弟で終わるお話。兄弟二人が見つめあってはじめましてって挨拶するときの表情がすごくいいんですよ。ああ、ここから始まるんだな!!っていうワクワク感がすごい。しっかりと存在感があるからこそできる演技だなって、見ていて清々しいです。
舞台自体も、兄さんが最後にしっかり締めてくれるので、またいろんなところへ行ける、繋がれるって感じに思えるのが本当に嬉しいなと思いました。

擬人化物が多い中で鉄ミュはかなり面白いことをしてるんじゃないかなって思います。
積み上げて来た歴史もあるし、そして今まさに積み上げている歴史もある。そして未来へつなぐ話もある。って擬人化物って「過去にあった」もので話が描かれることが多いので、時事ネタも、リニアとかの未来の話も、もちろん積み上げて来た過去の話も入ってくるのは面白いなって思います。
さいごの曲メドレーで明るくハッピーに終わるのすごくいいなって思います。
私たちの生活に密着しているものだからこそ、明るく楽しいものでいたいし、最後に兄さんが「出発進行ー!」で締めてくれるのが本当に、きらきらしていて好きです。ありがとう。
また未来で乗車したいですね。

という感じです。
おもしろかったです。
しばらく「ナイスフゥー」「ナイスキャー」が私の中で流行りそうです。

次回は北千住(シアター1010)公演で、北千住にいる路線でやってみるのとかも楽しそうですね。
個人的にはメトロ揃い組も見たいですが、秋田・東北・山形とかの上官たちのお膝元公演ツアーとかやってほしいです。