insomnia
「ああ、どこにも行かないで」
なんて言えない弱虫が
言葉では閉じ込められない
感情が揺れる、廻る、巡る
ふたりじゃない世界の中で
声にならない声に気付けよ
あなたの口から零れた
それに溺れたわたしは馬鹿だ
ねえ、どこへ行くの
わたしの声は
「ねえ、どこへ行くの」
その背中は答えない
ねえ、置いていかないで
ねえ、ここにいてよ
言葉は嘘を吐く
絶対という絶対はない
あなたは嘘に消え
わたしはそれにすがるの
どうして心と体はイコールじゃないの
どうしてこの口は動かないの
どうしてあなたは笑うの
どうしてわたしは、わたしは、
敵わないなあ、って
わたしは結局眠れなかった
あなたはずるいなあ、って
結局すきなまま朝は来た
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?