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特集【日本の未来】③~多くの日本人がよくわかっていない~安売りされる日本

昨今のニュースを見た時、やれ「円安」だ、やれ「値上げ」だ、と、
日本の経済がどんどん苦しくなっている、という風に感じる事が多くなっていると思います。

今なぜ日本はこれだけ、経済が低迷しているのでしょうか。
というより、なぜ我々の生活はこれだけ苦しくなっているのでしょうか?

今回はその事に触れていきたいと思います。


◆円安の何が問題なのか

なぜ「円安」になっているかはさておき、恐らく多くの人たちが、今は「円安」という事を理解はしていると思うのですが、それの何が問題なのかを、本当の意味で理解している人は少ないと思います。

円安というのは、言葉の通りに捉えれば、円がドルよりも安いという事なんですが、それをもっとわかりやすく言えば、日本人とアメリカ人が同じ時間働いたとしても、日本人はアメリカ人と同じものを買えるだけのお金を稼げない、という事なんです。

◆日本は安すぎる

例えば、今のニューヨークのカフェで朝食をとるとします。
クロワッサン2個とコーヒーを注文すると、クロワッサンはだいたい2個×4.5ドルで9ドルくらい、コーヒーは1杯5.5ドルだとして、お代わりすれば11ドル、計20ドルで、6月1日現在のレートで言えば、約3145円。
これをニューヨークの会社員は普通に支払っています。
これが日本のコメダ珈琲のモーニングなら、600円でコーヒーにパンとゆで卵までついてくるわけですから、日本の価格は異常です。

このように、日本人は他の先進国と比べても、どんどん貧しくなっていて、ついにはGDPが世界4位まで下がってしまいました。
しかも、今もなお下がり続けているわけです。

◆なぜ、東京に外国人がたくさん来ているのか

もちろん、現在オーバーツーリズムで問題になっている京都にもたくさんの観光客が来ていますが、それ以上に日本の玄関口である東京には、毎日多くの外国人観光客が訪れています。

とあるYoutuberさんのお話ですが、今、東京と大阪のお仕事があったら、迷わず大阪の仕事を選ぶと仰っていました。
なぜかと言えば、東京のホテル代が、以前よりも異常に上がっているそうなのです。

理由は簡単で、外国の方がそれだけの代金を支払う事ができるからです。

◆日本が安売りされている

確かに考えてみたら、コ〇ナ禍の時は数千円の部屋でも空室だったのが、今や十何万円の部屋でも外国人が普通に泊まってくれるわけですから、当然のことです。

これは先ほどの円安の話で出てきた通りで、彼らは日本人と同じか、あるいはもっと少ない時間働いただけで、日本人よりも多くの収入を得れる状態なわけですから、彼らからすれば、日本のホテル代はむしろ安い、そもそも物価も安い、だから訪れる、というカラクリなのです。

"インバウンド"なんて流行りの横文字を使い、「円安だから、外国の方が来るだろうし、たくさんお金を落としてもらおう」なんて、お気楽な事を言っている場合ではありません。そもそもが安売りされているだけなのです。

◆東京はゲスト(外国人)をもてなすテーマパーク

以前は、地方の人たちから、「東京は遊ぶところが多くていいよね」なんて言われていましたが、現在は、お金を持っていないとあまり楽しめない街になっています。
浦安には東京何某ランドなんて、テーマパークがありますが、今は東京そのものがそれになっていると言っても過言ではありません。

日本人からすれば、ご飯は高い、泊まるところもない、遊べない、何も楽しめないわけです。そういう意味では海外から見た観光地としては魅力的ですが、日本の都市としては勢いを失っているようにも感じます。

◆日本人が奴隷化している?

ここで円安の話に戻りますが、同じだけ働いても実質の給料が低く、当然以前よりも物が買えなくなる、買わなくなるから、儲からない、儲からない日本の価値は下がり、さらに円安になって実質の給料が減る、という、まさに悪循環が続いているわけです。

これに石油価格の上昇も相まって、物価や光熱費も上がっていく。
にもかかわらず、日本の企業は経常利益をほとんど賃上げには回さず、内部留保を続けていて、11年連続で過去最高額を更新しています。

じゃあそのお金は誰の物かといえば、それはその会社に投資をしている会社のものになるわけです。

さらに言うと、33年前の時点では、外国法人などの持ち株比率が33.34%以上の企業数は0でしたが、直近では、50%超を含む33.34%以上の企業の比率は全体の3分の2と大きく様変わりしています。

特に、皆がよく知っている企業、中外製薬、ソニーグループ、オリンパス、HOYA、SMCの5社が、直近で外国法人などの持ち株比率が50%を超えています。

先ほどのホテルの話で言えば、東京のホテルには日本人が泊まれず外国人ばかりいて、それを日本人がもてなしているけれど、給料は上がらず、会社は内部留保して、最悪海外の投資会社に持っていかれる。
これだけ見れば、日本人がまるで、奴隷のように働かされているようにも見えます。

◆これ以上労働時間は増やせない。

少し前にも話したかもしれませんが、あるテレビ討論番組での「どうしたら賃金が上がるか」という問いに対し、出演していた経済界の有識者たちが出した答えが「もっと働け」でした。

これが、今の日本の現実です。
ですが現実的に考えて、これ以上労働時間を増やすのは難しいです。

この状況を変えるには、日本の強みを強化して、価値を上げるしかありません。それには個人レベルでの努力も必要です。
これまでは政府やマスコミが、まるでそれを妨害するような事しかやってきませんでしたが(特にアニメ業界など)、これからはその流れを断ち切らなければなりません。



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