53歳から始める鉄拳8 その14
仕事に追い立てられている間に鉄拳8にはエディが実装された。
もちろん私はこのキャラを使う予定は皆無なので購入はしていないのだが、毎度毎度起動のたびにエディの顔面どアップがメインメニュー画面で蠢いているのが実に不快である。
ブルアカでもプリコネでもドルウェブでもまあ大抵のソシャゲはそうだと思うがメイン画面にはお気に入りのキャラモデルだの一枚絵だのを設定できる。メイン画面は起動後即目に入るところでもあるし、頻繁に通過する場所でもあるから、そこに眼福となるモノを置いておきたいのは人として当然の欲求である。
そういう、いわば自室の玄関というかお茶の間というかベッドシーツというか、本来なら心を安らげ一服の清涼剤となるべきはずの場所に、欠片も関心のない浅黒い顔のおっさんが強制的に鎮座しているというのは、ソフトウェアの設計としてどうかと思う。
原田氏としては、こうやってエディの顔面をユーザー全員に押し付けることによって購買を促そうとしているのだろうが、愛上陸の催眠洗脳じゃないんだから、どう考えてもこんなもんで「うおおおおお! エディかっこえええ! 買っちゃう♪ もうどうにでもして♥」とはならないと思うのだが実際どうなのだろうか。少なくとも私はこのいつ終わるとも知れないエディ強制視聴刑のせいでむしろエディに対するヘイトが増したというか、「メインメニュー画面くれえ自分で好きなキャラ選ばせろや! 無理ならせめて消させろ!」と怒りゲージが貯まっただけである。
さて、話は変わるが、Vader3Proというゲームパッドを買った。
このパッド、各所で評判が高く、レビューによれば格ゲーでも充分使えるとのことだったので買ってみた。一番大きい理由は、背面ボタンを使ってみたいというものだったが、背面ボタン付きはどいつもこいつも妙に値段が高くて気軽に買えるものがない中で、コイツだけはアリエクのセールということもあって6800円で買えたので買った。
届いた後、私は格ゲー十字キー派なので下方にある十字キーを使って3日ほど鉄拳を練習した。結果、このパッドでは格ゲーはできないと諦め、結局またBTP-C3に戻った。ぎゃふん。
これだけで終わるのもアレなので、レビューめいたことを書いておくが、まずこのパッド、総合的に見れば良いモノであることは間違いない。
前面ボタンは豊富だし、背面ボタンも左右2つずつあるし、スティックはホールエフェクトでドリフト知らずだし、前面ボタンはストローク浅めのカチカチボタンで小気味いいし、値段もお手頃だし、左右トリガーはスイッチひとつでマウスクリックに変えられるし、一点を除いてホントにもう文句のつけようがない。
そう、ただひとつ、Xbox配置という点を除いては。
誰が考えたか知らんが、このXbox配置というやつはとにかく操作しづらい。これはアナログスティック主体のゲームでさえそうだ。十字キーが下にあるおかげでいわゆるモンハン持ちもできない。どうせ、マイクロソフト開発部の変な方向に意識高い系のやつが、「ソニーのコントローラと同じ配置はいやだし、十字キーとアナログスティックの場所を変えれば俺の個性が生かせるぜ!」とかなんとかろくでもないことを思いついてこんな変な配置にしたんだろうが、まったくもって迷惑千万なことこの上ない。
大体、ゲームのコントローラーってのは車の操作系といっしょで、個性を出すとこじゃないんだよ。トヨタはアクセル右だけどホンダはアクセルが左とか、日産はハンドルが丸いけどダイハツはハンドルが四角いとか、スズキはシフトがレバーだけど三菱はシフトがダイヤルだとかないでしょ? 全部同じにしとけばいいの。その方がユーザーは助かるの。
それをなんだ、君たちは。任天堂はこう、ソニーはこう、マイクロソフトはこう、セガはこう、アタリはこう、ぴゅう太はこう、ゲームロボット九はこう、と変なところでオリジナリティを出そうとして、対応に四苦八苦しているのは我々ユーザーではないか。
つまるところ、Vader3proのような場所に十字キーがあるのでは格ゲーは無理。いや世界には無理じゃない人がいることは知っていますが、私は無理。なんかもう指がつりそうというか、変な筋肉を使ってしまって左手めっちゃ痛かったのです。だから無理。
具体的に言うと、9と3に指が自然な感じで届かないです。「フンっ!」って感じで押さないと入らない。だから鉄拳やると、一試合中になんべんもなんべんも「フンっ!」「フンっ!」「フンっ!」「フンっ!」ってなっちゃって筋肉痛になる。しかも、「フンっ!」ってやってんのに6とかに入っちゃうこともあって「フンっ~~?(怒)」みたいな、もう肉体的にも精神的にもストレスが多大すぎてこれ以上練習しようという気になれなかった。
しかしまあゲームパッドってのはホントどいつもこいつも、どっか一箇所足りない、ってのが多すぎる。今回のVader3proは、今度こそ理想のゲームパッドかもと期待していたが、やはりダメだった。できるだけ寄り添おうと努力はしてみたが、最後は力及ばず、矢尽き刀折れてしまった。
ちなみに私が52歳から格ゲーを始めて以来、使ってきたパッドを紹介しておこう。どいつもこいつも「惜しい! ここがどうにかなればなあああ」みたいな奴ばっかである。
まず最初はこれ。
こいつは操作感は申し分ない。6ボタンの上がちっこいが、別に慣れればどうにも感じない。ただ、こいつ、左右肩のボタンが1こずつしかない。これを開発した人たちがどういう意図で1こずつに抑えたのかは知るよしもないが、タイムマシンがあるなら戻ってアホかと言ってやりたい。最近コイツの改良版が出て、待望の両肩2つずつになったらしいのだが、もしかしたらまたそれを買うかも知れない。
で、次がこれ。
こいつもまあ悪くはなかった。ただ、根本的にめんどくせえのが、AとBの場所が世界標準と逆なところである。あと、十字キーはやっぱ十字そのまんまだと斜めが入れづらい。十字キーに貼るやつを買ったり、分解して中に厚紙を仕込んだりしたが、どうにも斜め抜けで苦しんだ印象がある。
ほんで次がコイツ。
未だに転売も盛んなファイティングコマンダーOcta。これも操作感は悪くなかった。ただ、半年ぐらいで攻撃ボタンの戻りが悪くなってきたり、アナログスティックがドリフトし始めてゲーム中に勝手にキャラがしゃがんだり、細部の作りが大雑把というか、何か「職人が格ゲーのために作った特化型コントローラ」という印象の割には、そんなにハードに使っているわけでもないのにこんなにすぐにヘタれちゃうの?というちょっと意表を突かれたパッドだった。コイツも新作がまた出るそうで、HORIに行ったらとっくに売り切れになっていたから買えなかったが、流通が正常になったら多分買うと思う。いや買わないか? アナログスティックがホールエフェクトになっていたら買うだろう。
で、今使ってるのがコレ。
こいつも操作感は悪くない。これまでのパッドの中では、斜めが一番入れやすい。ただ、こいつは左肩の2ボタンと前面の追加2ボタンが被っている、という大きな欠点がある。あるが、鉄拳では別に問題がないので気にせず使っている。操作しやすい、という意味ではコイツが一番マシである。あと、安い。1個3500円ぐらいだから、とにかく安い。
という具合にアレコレとゲームパッドを渡り歩いてきたのだが、私が買っているのは基本的に1万円以下のものだけである。世の中には2万超え、3万超えのパッドなんかもあるらしいのだが、そんなもんを買って「うーん。なんかこれしっくりこないな」とかなったら大惨事なので、値段が高いものは決して買わない。
格ゲーパッド派の皆さんはどうしているのか、どんなパッドをどんな気持ちで使っているのか、選択肢があるようで実はあまりないのが格ゲーパッド派の立ち位置なので、一刻も早く全員を満足させる完成形のパッドが世に出てほしいと切実に願っている。
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