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CR萌え萌え大戦争ぱちんこば~んの話

唐突だが、私はパチンカスである。

パチンカス歴はもう30年以上になるだろうか、途中途中でまったく触れなかった時期もあるので、30年毎日パチンコ・パチスロを打っていたわけではないが、年を経た今でも暇な時間の過ごし方としてパチンコ・パチスロは捨てられない選択肢のままである。

そんな私のパチンカス人生におけるベスト台として皆に紹介しようと思うのが、タイトルにある「CR萌え萌え大戦争ぱちんこば~ん」なのである。

まあ正直、「こんな台がベスト?」と自分でも思う。長い人生の中ではもっと強烈な印象を残した台もあるし、回した回転数でも別にこの台が一番多いというわけでもない。実際この台はたいして人気もなかったし(一部に熱烈なファンはいた)、そもそも導入されてる店も少なかった上に、あってもバラエティに一台だけ、みたいな「まあベニヤ板にするよりはマシ」ぐらいの扱いだったと思う。

だが、私自身は、この台は星の数ほどあるパチンコ台の中で、オンリーワンの特徴を持ったエポックメイキングだと考えている。そこで、今回はこの台のどこがそんなに素晴らしいのかを、皆様にお伝えしたいと思う。

まずはスペック。

「確変継続率65%」と誇らしげなのが切ない

この台は今ではもう遊べないCR機であるのだが、暗黒の65%規制時代に生まれたものなので、スペックとしては相当マイルドに仕上がっている。いわゆるライトミドル帯の100凸機で、出玉は通常も右打ちも4Rと16Rが1:1の振り分けである。100凸機なので大当り後は必ず右打ちに突入し、100回転のSTで再度の大当たりを目指す。右で当たらなくてもまた次に大当たりすれば必ず確変なので、スルーしてもそんなに惜しくないのが気楽で良い。

とりあえず公式のページがまだ残っているので、そちらへリンクを貼っておく。興味のある方は一読あれ。

CR萌え萌え大戦争ぱちんこば~ん(藤商事)

ぱっと見ると、何だかへっぽこなスペックに感じると思うのだが、「通常時も右打ち時も50%で1500発取れる」というのは意外と侮れない爆発契機で、1/199かつ100凸ということもあって、初当たりが軽く取れたり16Rに偏ったり思いがけず右で連チャンしたり、少し調子がいいと意外なほどの出玉が手に入ることも珍しくなかった。もちろん、350発だけ出て単発、みたいなことも起こるのは当然なのだが、「当たればとりあえず右でワクワクできる」というのは良かった。

また、当時の流行りなのか何なのか、保留は左右に順番に振り分けされる8個保留を採用している。ゲージが優秀なのか、過っ疎過疎の小規模店でもそれなりに回る台が多く、8個の保留が埋まる機会も結構あった。保留が8個貯まると、モジモジモードという特別演出に入るが、タイトルが赤くても全然期待できなかったので、たまに当たるとビビった思い出がある。

で、本題の演出面。

この台が私にとってのオールタイムベストである理由は、この演出面にある。では何がそんなにエポックメイキングであるのか。

まず、多くの演出が「打ち手=プレイヤー」という、今までのパチンコ台にはなかった視点で作られていることである。

これは、どういうことか?

ダービー物語から始まったパチンコ台への液晶搭載は、今では当たり前のものとなり、アニメ版権や萌え系からオリジナルIPまで、ハネモノなどの一部の特殊な台を除けば、あらゆるパチンコ台は液晶を備えている。そしてその液晶画面では多種多様な演出が繰り広げられているのだが、それらはすべて、「打ち手=鑑賞者」という視点で作られているものばかりなのだ。

我々打ち手は、画面の中で戦ったり告白したりスイカを割ったりガチャを回したりリンボーダンスをしたりカラオケの点数を競ったり騎馬戦したりしているキャラクターを眺め、当落に一喜一憂しているのだが、それらの演出において打ち手は常に「鑑賞者」つまり「傍観者」である。

ボタンを押せだの剣を押し込めだの画面にタッチしろだのレバーを引けだのいや反対に押せだの色々と指示が出ることもあるが、それらは景気づけのようなもので、そこに押したり引いたり押し込んだりする必然性はない。

牙狼がホラーと戦い、その決着を知るために我々は剣を押し込むわけだが、画面上の牙狼対ホラーの戦闘はあくまでも当事者同士の戦いであり、そこに我々は存在していない。実際、牙狼もホラーもお互いのことしか眼中になく、まさかその勝敗を固唾をのんで見守っている我々という存在がいるなどとは夢にも思っていないはずだ。

また、大洗女子が決勝戦で強敵相手に苦しんでいるときも、主人公たる西住殿を励ましたり元気づけたりするのは共に戦ってきたチームメイトであり、我々はただの視聴者にすぎない。最後の最後、緑カットインに絶望しながらため息交じりでプッシュボタンを押す私は、「マジかよ? 赤保留だぞ?」と儀礼的に押しているだけであり、奇跡的に勝利を収めたとしても、やったねみぽりんと喜びを分かち合っているのはやはりチームメイトたちである。「よかった600ハマリで済んで・・・」と喜んでいいやら悲しんでいいやら複雑な心境で椅子に座る私は、彼女たちにとっては完全なる別次元の存在なのである。

ところが、だ。

「CR萌え萌え大戦争ぱちんこば~ん」においては、違うのだ。

あらゆる演出が、画面の前に座っている私、つまり、「司令官」の存在を前提に作ってあるのである。あたかもノベルタイプのエロゲーのように、「画面のこちらにプレイヤーが居る」ことを、画面内のキャラクタたちは明確に認識したふるまいをするのである。

そして、この台は、「通常時→リーチ→大当たり→確変中」という一連の流れを、「出撃待機中→出撃→勝利→その後の余暇」という流れで、あたかも一つのストーリーであるかのように演出しているのである。

通常時、液晶画面はキャラクタの一人の自室という設定になっている。画面の中では時代にそぐわぬ荒いポリゴンで描写された美少女キャラクタが、それぞれに与えられた性格に応じてふにゃふにゃ揺れながら愛想を振りまいたり横を向いてツンケンしたりしている。

通常時の一幕。この台を知らない人には意味不明な画像であろう

そして、演出の一環として、彼女たちは「私」に話しかけてくる。その内容はどうでもいいことばかりで、当落にはまったく関わり合いはない。だが、彼女たちは、司令官たる「私」に向けて話しかける。彼女たちの目には、自室を訪問している「私」が見えているのである。

時には好みの女性タイプや好きな食べ物などについて「はい」「いいえ」で答えを求めてくることもある。どちらで答えてもやはり当落には全く関係なく、恋愛ゲームでもないから正解も不正解もない。だが、返答によって機嫌がよくなったり悪くなったりする。

これらははっきり言ってパチンコには不要な演出である。しかし、大当たりまでの比較的暇な時間を、「出撃前の乙女との時間」としてプレイヤーに意識させる大事な役割を担っているのだ。

そして、敵の出現、つまりいざリーチになると、彼女たちが出撃することになる。彼女たちは「鋼の乙女」という、兵器を擬人化した存在であり、地球侵略を企むヴァルゴと呼ばれる謎の年増熟女宇宙生命体と戦う設定だからだ。

自室でマヌケな会話を交わしてはイチャコラしていた鋼の乙女と司令官は、敵の撃破に向けて満を持して出撃するのである。

ちなみ、敵であるヴァルゴも、はっきりとプレイヤーを認識している。中には「司令官をこちら陣営に引き込みたい」となぜかアプローチしてくる奴までいる。設定上は地球侵略を防ぐお話のはずだが、ラブコメのような指揮官争奪戦の要素も含まれている。

そして、リーチの最後にはお決まりのプッシュ演出がある。もちろん緑や赤、デンジャー柄のカットイン演出もある。ちなみにこの台におけるデンジャー柄は出現場所を問わず大当たり確定であり、これも好ましい要素の一つである。カットインでは、戦闘中の乙女が「あとは司令官お願い!!」といった趣旨の発言をし、決着を着けるための発射ボタンの押下を司令官に任せる体になっている。

こちらは、そうりゅう。乙女たちはやたらと結婚にこだわる

これもまたそんじょそこらの台とは一味違ったボタンの扱いであろう。大抵の機種では、「なぜここでボタンを押す必要があるのか?」といった動機づけはほとんどない。押しても押さなくても当落に関係はないし、台の開発側にしても、「台をバシバシ殴られるよりプッシュボタンをバシバシ叩かれる方がマシ」といったところだと思う。

もちろんこの機種でも、ボタンは当落に関係はない。だが、「乙女に託された勝敗を決定づける最後の発射ボタン」という意味付けをプッシュボタンに与えたことは、天才的な発想だと私は思う。

そして無事勝利を収めれば、大当たりとなる。大当り中は残念ながら特筆するような要素はない。ただ、いくつか選べる楽曲の中の、メインテーマである「キミは司令官」は、まさに名曲中の名曲である。

一昔前、この機種がどんどん撤去され、日本全国もうどこでも打つことができなくなってきた頃、当時の2chに生息していたこの機種の熱狂的ファンたちの間では「藤商事は早く萌え萌えのサントラを出せ」という声が頻繁に上がっていた。もちろん私も書き込んだ。だが、書き込んでいる本人たちも分かっていたように、こんなマイナーな機種のサントラが出るはずはないと皆が思っていた。

ところが、なぜか、突然サントラが発売されたのである!! しかもボーカル楽曲だけでなく、通常時や確変中のBGMなんかも入っていたのである!!

もちろん速攻で買った。そして聴き倒した。

今でもYoutubeなんかで検索すると、コレは多分違法アップロードくさいのだが、一応聞くことはできる。なんというか、鋼の乙女たちの複雑な心境を垣間見ることができる、実に名曲である。

さて、無事に大当たりが終了すると、右打ちのSTになる。

STには「デートタイム」と「リペアタイム」の2つのモードがある。これらはどちらも、「無事に敵を倒した乙女が、司令官とイチャコラする」という趣旨のもと作られている。

出撃前の大気の日々を経て、敵を倒すことに成功し、やっと迎えた嫁たる乙女とのイチャコラタイムなのである。この変遷も、ストーリーを強く意識させる構造になっていると言える。言ってしまえば継続率の低い微妙なSTに過ぎないのだが、見せ方一つで大きな違いがあるのだ。

2つのモードは、大当り確率はどちらも変わりはなく、演出が変化するだけである。ただ、全部で5人いる乙女それぞれで、両モードにおいて大当たりを獲得できれば、エンディングボーナスという少し特別な大当たりを見ることができる。そのため、「今日の調子ならエンディング行けそうだぞ」という時は、順番に攻略していく必要がある。

デートタイムは、「横に並んで一緒に歩く」という、古のトゥルーラブストーリーやときめきメモリアル4の下校モードのような画面構成である。その名の通り、勝利した乙女と司令官が、戦いの疲れを癒やすためにデートしているという設定である。

もちろんお互い大人なので、デートが会話だけで終わるはずもない。司令官は乙女を壁際に追い詰める「壁ドンチャンス」を目指し、見事「壁ドンチャンス」をものにした後は乙女に対して猛烈なアプローチをかける。アプローチが上手く行けば、目を閉じ唇を差し出す乙女に向かってキスを敢行し、二人が熱いキッスを交わせば、無事「アフターキスボーナス」という悩ましい音声と共に、意味深なダブルベッドの映像が映し出される。

彼女は零。まな板コンプレックスのツンデレである

このモードは、先読みが多いモードである。比較的にぎやかなスタイルと言えるだろう。大当たりの多くは、前述した、先読みを通じての「壁ドンチャンス」からの「キスリーチ」であり、無事にキスできれば、「アフターキスボーナス」が獲得できる。

壁ドンチャンスで戸惑っているのは大和。世話女房的なキャラである

そして、やはりこのモード中も、演出は終始一貫して、司令官からの主観視点で進んでいく。デート中の彼女たちは画面のこちらに向かって頻繁に話しかけてくるし、壁ドンもキスも主観視点である。

もうひとつのモードである「リペアタイム」は、「戦闘後の乙女を修理する司令官」という、「お前が修理するんかい!」というちょっと強引なモードである。

まさかこれがリーチ画面だとはお釈迦様でも気づくまい

こちらのモードでは、薄布一枚を身に着け、苦しそうな顔でうごめく乙女を司令官が愛情を持ってして修理することが目的である。デートタイムと違い、先読みは少なく、保留変化に至ってはほとんど起きない。が、その分それらの信頼度は上がっており、点滅保留ですら50%、青に変化したら80%程度の信頼度がある。

画面の印象では、「モニター越しに乙女を診断している」といった趣だが、デートタイムがあからさまに「デート→キス→ベッドイン」を示唆しているのに対し、こちらのモードはあまりそういった示唆は見られない。しかし、「苦しい」だの「痛い」だの「早く」だの「治して」だの、「わざと言ってんだろそれ」みたいな、「治療してんだかセクハラしてんだかどっちだよ」みたいな、淫靡な雰囲気が全体的に漂うモードである。

さて、この2つのモードは、実はST100回転のうちの前半50回転で終わりである。50回転のうちに大当たりが取れなかった場合、共通して、「嫁ぷんぷんモード」に移行する。

これ以上ないくらいにプンプンしている零。彼女は普段もツンツンしている

こちらは通常時と同じ画面構成になるのだが、名称通り嫁がぷんぷんしている。つまり怒っている。恐らく、「デート中にベッドまで誘うことができなかった」ことや、「治してほしいのに治す勇気を出せなかった」ことに憤慨しているのであろう。なんだか理不尽な怒りな気もするが、古今東西女性というのはそういうものであり、そこがまた魅力でもあるのだから、男は黙ってその怒りを受け止めるべきなのだろう。

ST後半にこのモードを用意しているのも、この台の恐ろしいところである。普通に考えれば、デートでもリペアでも、別にそのまま続けて何の弊害もないのである。あるいは、他の有象無象の台のように、ST終了後の通常に戻ったところで、名目だけの「ぷんぷんタイム」を置いておいても問題はない。

だがこの台は違うのだ。デートでもリペアでも、「乙女の期待に応えられなかった司令官」に挽回のチャンスを与えてくれるのである。

実際、確率は上がっているので、ぷんぷんタイムに当たりを引くことは珍しくない。そして、それは即ち、「乙女の怒りをうまく宥めた」ということであり、ここでも、乙女と司令官の間には様々なストーリーがあるということが示唆されるのである。

さて、残念ながらここでの50回転も虚しく終わってしまうと、改めて通常時に戻り、また日常が繰り返されることになる。

このように、この台は、「乙女と司令官のストーリー」を演出の軸として動いていく。そして、司令官とは我々打ち手であり、「あなたが司令官なんですよ」ということを至るところで我々に意識させる作りになっているのだ。

私が知る限り、打ち手をプレイヤーとして演出内に引き込もうとしている台はこの機種だけである。高尾の一部の台の中には、大当たりすると「ありがとう。お前のおかげだ」などと取ってつけたような礼を画面内のキャラが言ったりするが、そういった唐突な演出は、私などは「何がやねん。俺なんもしてないやんけ」と思わず関西弁になってしまうほど違和感がある。

だが、「CR萌え萌え大戦争ぱちんこば~ん」においては、打ち手を台の世界観に引き込む作業が至るところで丁寧に行われているので、F2が笑顔で「司令官のおかげだよ!」とか何とか喜んだりすると、「ウンウン。がんばったな」などと、娘が運動会で一等賞を取ったような気持ちになり、思わずウルッときたりするのである。

さて、ここまで一連の演出の流れについて書いてきたのだが、この台の演出を語る上で絶対に外せないものがある。それを今から述べよう。

それは、「ウェディング先読み」と「特攻リーチ」である。

断言する。この演出こそ、歴代のパチンコ液晶演出の中で最も素晴らしい演出である。もちろんあくまでも私の独断であり、他の意見があることも承知はしている。だが、やはり私はこの演出こそが随一であり、これを超える演出はもう出てこないのではないかとさえ思っているのである。

まず「ウェディング先読み」である。

これは通常時、ウェディングベルの響きとともに、結婚衣装に身を包んだ乙女が画面をよぎる先読み演出である。滅多に起こらず、また起こっても途中で終わってしまうことも多く、当該保留まで完走することは非常に稀である。赤保留が控えていても途中で終わってしまうことさえある。それくらい完走しにくい先読みなのである。

演出の中、それぞれの結婚衣装で着飾った乙女たちは、司令官に向けて今まで言えなかった本心を少しずつ語りだす。その言葉は短く、だが切実で、日々の激しい戦いの中で隠しきれなくなった彼女たちの切ない胸の内が徐々に司令官たる我々に向けて語られることになる。

そして先読みが完走したとき、彼女たちは、ずっと夢見てきた司令官との結婚が遂に現実となった喜びで、美しい笑顔を見せてくれる。このとき、台枠はレインボーに光り、乙女と司令官を祝福してくれているかのように輝く。

だが、次の瞬間、けたたましい警報と共に、ついに最強の敵が基地に迫ってくることが知らされる。通常兵器はまったく歯が立たず、このままではなすすべなく基地が破壊されてしまうことが知らされる。

そして、結婚の喜びに浸っていた乙女は、意を決し、出撃する。通常兵器が効かない最強の敵を相手に、己の全身を賭けて特攻玉砕をするのである。

これが「特攻リーチ」である。ウェディング先読みが完走すると、必ずこのリーチに派生するのである。

BGMが消え無音になった中、遙か上空から見下ろす巨大な敵に向けて乙女は突っ込んでいく。自分の最後を覚悟した彼女は、司令官に向けた最後の言葉を語り始める。

曰く、本当は素直になりたかった。

曰く、自分がいなくなっても精一杯生きてほしい。

曰く、司令を守るためなら死ぬのは怖くない。

乙女の犠牲によってかろうじて基地は守られる。そして、いつの間にか画面上では7が揃って、16R確定の大当たりが始まる。

これほどまでに切なく美しいリーチがあるだろうか。ウェディング先読みと特攻リーチを組み合わせた開発者はまさに天才である。パチンコ台はこの世にうんざりするほどあるが、リーチ演出で泣きそうになったのは、唯一この台だけである。

また、最後の最後のクライマックスが無音というのも本当に素晴らしい。音と振動で射幸心を煽りまくるだけが演出ではないのだということを、この台は教えてくれるのだ。

ちなみに、特攻リーチで大当たりすると、大当たり終了後に特殊なメッセージが出る。それは、「~さんの救難信号を受信しました。直ちに救出に向かいます」というもので、なんと実は生きていた、という心憎いメッセージである。こうなると、「やっぱ治してやんないとな」と、多くの打ち手がリペアタイムを選んだことだと思う。

さて、ここまで延々とこの機種の素晴らしい点をお伝えしてきたが、もちろん、他にも優れた点はたくさんある。青保留でも緑保留でも大当たりに期待できるところ、当たりが特定のリーチに偏らず満遍なくいろいろなリーチで当たるところ、右も左もラウンド振り分けが同じなので保留を気にせず貯められるところ、モードをシンプルとかプレミアとか選べるところ、マニアが少ないのでいつ行っても打てるところ、挙げていけばきりがない。

実際、この台を打ち始めてからは、とにかくもう行く度にコレを打っていた。傍で見ていると「こんなクソ台の何がおもしろくてコイツはいつも打ってんだ?」と正気の沙汰には見えなかっただろうが、この台は本当にいくら打っても打ち飽きることがなかった。

ちなみに、エンディングボーナスは2回見ることができたのだが、どちらの場合も翌週に撤去されてしまった。「もしかして台がお別れの挨拶としてエンディングを見せてくれたのだろうか」などと、感傷に浸ったのもこの台にまつわる思い出の一つである。

できれば、この台の続編を出してほしい。

スペックも演出バランスも映像も初代のまま(ラウンド振り分けは10R1500発と3R450発ぐらいで)の続編を打ってみたい。

ただ、戦国乙女2を初打ちしたときの「これじゃない感」が未だに忘れられないこともあり、パチンコ業界においての続編というものは大抵わけのわからないものになりがちなので、思い出は思い出のままでもいいのかもしれないと思ったりもする。

いずれにせよ、この機種は、私にとっては忘れることのできない特別な機種だったことは間違いない。パチンコ台というのは次々に出て次々に消えていくもので、歴史に残る機種というのは本当に限られたものしかないのだが、今ここにこうして書いて残しておくことで、この機種が少しでも歴史に残る手助けができればと思う。

最後に、このような素晴らしい台を開発して世に送り出してくれた、藤商事さんに感謝の意を表し、この記事を終わろうと思う。

藤商事の皆様、本当にありがとうございました。

そして、できれば続編もお願いいたします。

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