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エアブラシ(特効)の打ち合わせ(by 上井草太郎)

TOP画像はとある町で見かけた、地域猫たちの縄張りパトロールの様子。下町はこう言う光景が見られるのがいいですね。

今日は私がかつてお世話になった「特効」のHさんに30年ぶりにお会いしました。「アニメジャパン2023」でお披露目する新作セルの「特効」の打ち合わせのため、アニメタウンまでお越しいただいたのです。「特効」とは特殊効果のことで、エアブラシなどを使って、セルに「質感」を与えたり、光の効果を表現する工程を指します。

緻密なセルの仕上がりに特効のHさんも感激のご様子

私が新入社員だった頃、大変お世話になった特効のHさんは今はデジタルの特効に移行されて、さらに独自のイラスト制作もされているとのこと。ずらりと並んだ、270色の絵の具を見て、「タイムスリップしたみたいだ」と懐かしんでいらっしゃいました。

マスクの切り方やどのようにエアブラシを拭くかなど議論中


デジタルになっても、当時の道具を大事に取っておかれたそうで、そこに30年ぶりに連絡させていただき、無理言ってお願いしたのが、昨年末の「IA」の2枚連作の大判セルで、美しい光の筋、陰、粒子を表現していただきました。
セルにエアブラシが乗るだけで、奥行き感、空気感が出てきます。

どんなセル画かは、乞うご期待!

さらに背景がセルの下支えとして入ってくると、世界観が完成してきます。IAもそうですし、このセルも、昔で言う「版権セル」になるので、一枚を完成させるのに時間がかかります。
しかも、モザイク越しに分かる通り、紫系の色味なのですが、まだ紫系は色を作っている最中で、今回セルを塗っていただいている色彩設計のKさんは色を作りながら、塗りながらという、大変な同時並行の作業をされてます。

アニメジャパン2023まで、あと20日。今日もアニメタウンの片隅で、また一枚、新しいセル画が生まれようとしています。

上井草太郎

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