ゴッシーが行くvol.26《カミング サウンズ》
指揮者名言集 その8
C.デュトア
カミング サウンズ
デュトアが良く使っていた言葉だ
やっと それらしい音に
なって来たよ という意味
N響はデュトアが音楽監督
になる以前は
ラヴェルやドビュッシーなどの
フランス物を良い演奏をしたことが
ほとんど無いオーケストラだったので
レパートリーにはなっていなかったと思う
デュトアがドビュッシーの曲などを
リハーサルしているうちに
みんなが 音と音楽を理解し初めると
Coming sounds!
と言っていた
先週 軽井沢国際音楽祭で
私にとって
Coming sounds があって
恐い思いをした
コンサートの後半
チェロとピアノで
ベートーヴェンの魔笛のテーマによる12のバリエーション
(テーマはパパゲーノのアリア おいらも彼女が欲しい)
を弾いたのだが
私達の出番は後半の2曲目、
良い演奏になると予感があったが
会場の大賀ホールが
恐いくらい鳴って来てしまった
テーマの作曲者モーツァルト
編曲者ベートーベン
という 、こてこての泰西名曲
バリエーションなので間が多い
静まり返った無音、の間と
響き渡る音の繰り返し
まさにcoming sounds
自分達が素晴らしい演奏をしている
興奮と喜びも勿論あるが
だんだん信じられなくなってくる
これ弾いてるのオレ?
って事は、この雰囲気壊すのも
オレ?
という恐さなのである
これが、ブラームスやラフマニノフ
の音楽であれば
情熱で怖さを克服できるが
このバリエーションはそこまで
熱くなく
精神的には深いが
素材としての音で音楽が出来ている
という繊細さがあり、音も少ない
この日は
ピアニストの小森谷裕子さんのおかげで最後まで集中して弾けたと思う
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