レトロゲームを愛した天使の福音 12月26日「ひよりんクエスト」レポート
2021年12月26日(日)、VTuber「羽天ひより」のセカンド3Dライブ「ひよりんクエスト」が開催された。その模様をお届けする。
ライブは誰もが知る冒険の旋律、『序曲』で始まる。ドラゴンクエスト1・2・3・4と実況プレイを重ねて来た羽天の代名詞にもなったサウンドだ。
モンスターが蔓延り人心荒れ果てた乱世。天使は、世を救うため立ち上がった。
勇者の前に、早速刺客が現れる。歌で戦う羽天、1曲目は『アイのシナリオ』。
キノコ型のモンスターは羽天の天敵。配信中では何度も勇者ひよりんたち一行を全滅に追い込んだトラウマメーカーであり、このライブで登場させたのも偶然ではないであろう。
9月に御披露目したばかりの美麗な3Dの姿で行われるパフォーマンスは神々しい。
難なくモンスターを撃破する羽天。天界のローブを手に入れ、世界平和へと突き進んで行く。一方、次なる魔手が羽天に迫っていた────
先ほどとは比べ物にならない強大な敵。勝てるか?
2曲目は『残酷な天使のテーゼ』、ハスキーな羽天の声にシンクロする名曲だ。歌枠では羽天がシンジとゲンドウになりきってコントを行う、いわゆる「茶番ゲリオン」を含めて定番となっている。
先ほど獲得した天界のローブを着ている!歌声だけではない、細部のこだわりに圧倒される。
だが、なす術なく力尽きてしまった羽天。このまま終わってしまうのか──
──本当にそうか?
日頃から何ヵ月も先の予定を入れ続けていたのは、ドロップアウトの誘惑を振り払うため。
退路は、自ら打ち捨てたはずだ。
そう、そうだ!征け、勇者羽天ひよりよ!
3曲目『片翼のイカロス』4曲目『カワキヲアメク』の連続2曲。
覚悟を決めた天使の背には、翼が生えていた。
難敵を破った!あとはラスボスを残すのみ!
ジアーボは露語дьявол、「悪魔」の意。天使に敵対するものの象徴。1年余りVTuberとして歩んだ羽天の行く手を阻んだ、ありとあらゆるものの具現化かもしれない。
5曲目『甲賀忍法帳』6曲目『ヒメムラサキ』
翼とローブを得た「完全体」の羽天は、日々の配信で見ているそのままの姿だ。
流石にラスボス、2曲では動じない。ここで奥の手、呪文「コクーチ」を放つ。……コクーチ?
告知だ!ここでは羽天のオリジナル曲がリリースされることが明かされた。時期は未定だが、来年7月のデビュー2周年に合わせることになるだろうか。
7曲目「創世のアクエリオン」
羽天の十八番中の十八番だ。YouTubeのメンバーシップスタンプには、この曲のコール&レスポンスのためのスタンプすら用意されている。
この曲は、いわば必殺技。羽天はついに伝家の宝刀を抜いた。
チャット欄も「俺もおおおおお」「Me too」で埋め尽くされていく。観客と羽天が一体となって紡いでいく、これが『歌の力』か───
悪は、斃れた。
だが世界は、変わらず歌を求めている。
ならば歌い続けるのみ。世が平和と幸福に満ちるまで。
8曲目「U&I」
9曲目「crossing field」
crossing fieldの原MVのテーマは「暗闇から放たれる光」──それは、羽天がなろうとしていた姿そのもの。
どちらも歌枠で定番の曲。ハスキーながら高音が通る羽天の十八番だ。
ここでライブは終了……だが、やはりライブには付き物のアレがある。
「アンコール!アンコール!アンコール!アンコール!アルコール!アンコール!
観客の声が止むことはない。
10曲目「私、アイドル宣言」
やはり、羽天はみんなのアイドルだった。これからの躍進を誓い、最後の曲を高らかに歌い上げた。
スタッフロールには、これまでの歌枠のサムネイルが並んでいた。1年半の足跡を思い出して涙を浮かべるAMeDASもいたのではないだろうか。
レトロRPGを基調とした、独自の世界を展開した羽天ひより。その歌声は、バーチャルの地に満ちる福音であった。
イベント情報
アーティスト 羽天(うてん)ひより YouTube Twitter
配信 Z-aN
企画 Vの器 Twitter
セットリスト
01.アイのシナリオ/CHiCO with HoneyWorks
02.残酷な天使のテーゼ/高橋洋子
03.片翼のイカロス/榊原ゆい
04.カワキヲアメク/美波
05.甲賀忍法帖/陰陽座
06.ヒメムラサキ/水樹奈々
07.創聖のアクエリオン/AKINO
08.U&I/放課後ティータイム
09.crossing field/LiSA
10.私、アイドル宣言/CHiCO with HoneyWorks
Opening&Ending.序曲のマーチ/すぎやまこういち
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