ファイアーエムブレム風花雪月プレイ&考察まとめ④ソティスとめまいの伏線
お久しぶりに色々実況を見返して気になっていた、赤狼の節から始まる先生のめまいについて、ちょっと短いですが考察します。
※本編のネタバレがあります!!!
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先生とソティスは赤狼の節から、めまいなどの体調不良に悩まされることになります。しかし、本編や支援会話ではこれらについて特に触れられることがありません。Twitterなどで検索しても、これについてはあまり語っている人がいなかったので、改めて自分でまとめておこうとおもいます。
本編で描かれためまい・体調不良
本編で先生が体調不良を示すのは以下のタイミングです。基本的に、ソティスと先生が同じ症状を示します。
1. 赤狼の節(11月):ルミール村に行く節の初めのムービーで、ジェラルトとの会話中にめまいで倒れこみます。このとき、実は背後で心臓の音がしています。また、この一月を通して先生の顔色が悪いことが、大修道院の人々との会話で描かれます。ローレンツの優しさが嬉しい。このときの症状は「めまい」と「気持ち悪さ」。
2. 星辰の節(12月):舞踏会のあと、レア様のナバテアの歌の歌声を聞いたあとに倒れます。このときの症状は「急に眠気が」。特に誰かに運んでもらった描写もないので、なんとか自分の部屋には帰れたものと思います。
3. 守護の節(1月):ソティスと合体したあと、突然倒れ眠りに陥ります。完全に意識を失ったため、級長か従者に運ばれます。
4. 谷底に落ちたあと:眠っていたらしい、詳細は不明。
そして、第二部以降はそのようなめまいを起こすシーンは特にありません。紅花エンドは力を使い果たした結果、心臓が止まった感じなのでまた違うでしょうか。翠風ではクロードが、女神と融合したからもうあのようなことは起きないよなと体調を気遣うセリフがあります。
ここで重要なポイントは、めまいと眠気が同じものかどうか?ということです。始まるタイミングがほとんど重なっていることと、描写としてどんどん症状が重くなっていく(めまい→眠気→気絶)ように見えるので、私自身は同じ現象だと思っています。また、初めのめまいの際には心臓の音が強調されることから、先生の心臓、即ち炎の紋章石がこの現象に大きく関わっているということが推測されます。
眷属にとっての眠りとは
まず、ソティスに関わることと言う点で、女神の眷属にとって眠りとはどのような意味を持つかということを考えたいと思います。作中では、以下の事象から、女神の眷属が体力や肉体を回復させるために、長い眠りにつくことが示唆されています。
1. 女神の力を手に入れた先生:崖から落ちたあと、5年間眠りにつく。さらに銀雪では、セテスがそのことを聞かされて納得している。
2. フレン(セスリーン):戦争の際に多くの血を失ったあと、長い眠りについたことが仄めかされている。
3. レア(セイロス):帝国での監禁生活のあと、シャンバラに赴くまで銀雪・翠風では眠りについています。
4. マクイル:外伝での戦いのあと、すぐに眠りに落ちます。
このように、女神の眷属は体力や肉体を回復するために、長い眠りを必要とすることが全編を通して示唆されています。特に、セスリーンはその傾向が顕著ですが、同じセスリーンの紋章を持つが眷属ではないリンハルトに関しても眠りが不規則かつ長いという傾向が見られます。セスリーンの紋章は回復に関係する力を持っているため、女神に由来する「魔法の力」で人体を回復させることは眠りの長さ・深さと強く結びついているのだと考えられます。
フォドラでは、マヌエラ先生の話にあるように医学による治療と魔道による治療は別のものとして扱われています。疫病など他の生物によって引き起こされる病気などは医学の範疇であり、一方白魔法は「人間」がもつ何らかの力を引き出して回復を促す方法ではないかと推測されます(ただ毒が白魔法で治るのは解せないが)。つまり、フォドラの世界で人が眠りにある状態というのは回復の力を使っている、もしくは蓄えている状態にあると考えられます。ただし、魔道自体は他国にもあり、書庫ではモルフィスなどが優れた魔道をもつ国として紹介されていました。どうやら眷属の血によらずとも、魔法は使えるみたいですね。(リンハルトの質問に「書庫に、たまに見たこともない文字で書かれた本があったりするんですよね。どうにか読みたいんですけど、何もとっかかりがなくて……妙案はないですか?」というものがあるらしい。トマシュさん他国の情報を勝手に持ち込んでいたのか?)
あと、これ気付いていなかったんですが、フレンが部屋をもたないのは、聖廟の棺で普段は眠っているからなんですね。示唆されていたこととして、覚えているのは以下の3つです。
1. 散策でのベルナデッタ「フレンちゃんの寝る部屋ってどこ...?」
2. 二部直前でセテスがフレンを心配して、棺の中に隠れていろと言ったとフレンが文句を言う
3. 銀雪での再会ではフレンは聖廟に忘れた大事なものを取りに来ていた(つまり普段出入りしていた)
+4. 銀雪で5年間何していたのかと問われて岩の下にいたと返答するとフレンから「わたくしも岩で造られた棺の中で眠るんですのよ。」と回答がある
しかし、聖廟は普段立ち入り禁止なはずですから、警備の騎士団の人たちには話を通してあったんでしょうし、イエリッツァあたりには本当にバレバレだったんでしょうね...。でもこれ、なぜわざわざ聖廟で寝ているのかということを考えると、もしかすると聖廟や聖墓はソティスの加護の力が強く、眠りの効果や回復の力が強まるのかもしれません。だからこそ、セテスも眠りに陥りがちなフレンを修道院に連れてくることを決めたのかもしれません。そして、こちらの地図(https://sisuku1.hatenablog.com/entry/2019/11/05/000000)を参考にさせていただくと、ルミール村も修道院からかなり近くにあり、かつ修道院に来てからもソティスは記憶を次々に取り戻していきました。もしかするとソティスが目覚めたのは先生が修道院に近づいて回復の力が強まったからということもあるかもしれません。そう考えると、レア様が聖墓で啓示を受ける儀式を行おうとした(結局何もおきなかった)ことにも合点が行きます。
「以前」とはいつのこと?
さらに、もう一つのヒントが、「先生とソティスは同じ症状を示す」こと、またソティスが「以前にもこのような...」と以前にも同様の気持ち悪さ・眠気を感じたことがあるという点です。ソティスに以前起こった体調不良とは何を指すのでしょうか?
以前=生前だった場合:
前提となるのが、ソティスが基本的に覚えている記憶は、ザナドやナバテアの歌など、生前のことのみです。その後に関しては、基本的にはベレトスと同じものを見聞きしており、大修道院とレアに関する記憶はありませんでした。このことから、おそらくソティスに以前起きためまい・眠気は、地上を壊滅させ再生させたあとに、聖墓で眠りについたときを指していると思われます。
しかし、なぜこの眠りがこのタイミングで起きたのでしょうか?子供の頃、ベレトスが泣きも笑いもしなかったというジェラルトの手記を読んだとき、ソティスは自分のせいだと言います。眷属が体力を回復させるときに眠りにつく、ということからもソティスもおそらくほぼ眠りの状態にあり、自身を回復させていたのだと考えられます。つまり、ソティスの眠りと先生の感情は連動する関係にあったわけです。しかし、先生が士官学校で働き始めたとき、ソティスは元気に先生と会話しており、もう眠りにつくことはなくなっていました。とすると、なぜまた突然眠りに落ちるようになったのでしょうか。
赤狼の前に起こった紋章石・ソティスに関係あるできごととして、8月の天帝の剣の入手が挙げられます(もしくは聖廟に入ったことそれ自体かもしれませんが)。天帝の剣を使う際には紋章石から魔力が発せられているはずであり、それが先生の体に影響を及ぼし、結果ソティスとの融合・眷属化のトリガーとして働いた、もしくは促進した可能性があります。
また、ソティス自身もこの頃から自分に関する記憶を次々に思い出していきます。つまり紋章石がソティスに関連する力を取り戻していったのではないでしょうか。とすると、めまいや眠りは、先生の身体がソティスを受け入れるために作り変えられはじめたため、そのエネルギーの消費のために体調不良が起こったのではないかと考えられます。心臓にある紋章石が心臓を動かす以外のことを始めるとなると、おそらく血流が悪化し顔色も悪くなると思うので、赤狼の節の先生に起きた身体的変化とも一致しますね。きっと血も大きく作り変えられているのではないかと思います。ソティスとの融合後は(崖から落ちて大ダメージを負ったときを除けば)、このような現象がなくなったことも、この仮説と矛盾しません。
つまり、ソティスがベレトスの体と融合を始め、真の力を取り戻していったこと自体が、このような体調不良を引き起こしていたのではないかと考えています。
以前=シトリーのときだった場合:
ちなみに、ちょっと面白いかなと思うのが、シトリーが実はソティスを宿す直前までいっていたという説です。シトリーが亡くなった年齢、すなわち先生を出産した年齢は、お墓の表記から20歳です。これは、士官学校時代からちょうど20年前であり、第一部での先生の年齢でもほぼその辺りです。つまり、紋章石と人体との適合に約20年かかる可能性があるということです。
そして、シトリーが出産したあと、紋章石をシトリーからベレトスに移したのは、「両者の命を秤にかけた結果シトリーが移すことを頼んだから」とレアが証言します。もしシトリーがすでにある程度ソティスとの合体?に成功しており、自分の中のその存在に気付いていたならば、自分と我が子が死にそうになったときにすんなりその考えが浮かぶのではないかと思いました。
レア自身も、ベレトスが倒れた際に「この瞬間が永遠に続けばいいのに」と言っています。以前の実験体でもし同じような症状を示しており、そこから融合が進んでいった歴史があるならば、そのあと(母のような気持ちで見守っている)ベレトスの精神は消えてしまうことは予想できているはずです。その理由からレアがそのようなことを口走るのも納得できます(ただし最終的にはソティスが大事なので止めはしないという)。
ただはじめに言ったように、ソティスには聖墓で眠りにつく前と、先生が生まれたあとの記憶しかないようなので、おそらく可能性として一番高いのは、前者の説の方ではないかと思っています。
にしてもかわいい。ジェラルトも20年と少し前だけどちょっと若く見えるような気もする。
余談
その他?:
一つ目の説で個人的にひっかかるのは、めまい・気持ち悪さと眠気は違うのではないかという点です。その場合、赤狼の節で起きた何かにだけ特別に反応した可能性があります。例えば、ルミール村やネメシスの復活実験など、闇に蠢くものが行った何か特殊なこと(かつ生前の戦いの際にもあったこと)に対して、紋章石が反応したというものです。あと思いつくものは、例えばソティスから紋章石が取り出されてしまったときと同じタイミングであったとき、とか、宝杯の儀が行われたタイミングだったか、はたまた女神が冬の間青海の星(北極星)に戻る時期と重なっているので実は力が弱まるタイミングではないか、などでしょうか。モブによると魔獣の活動も活発になる時期のようです。ただしこれらに関しては基本的にヒントが少なすぎるので、結びつけるのは少し難しい気がしています。
ソティスはどこまで復活していたのか
ソティスは、ザラスの闇から脱出するために、先生に女神の力を渡し一つになりました。もし、この事態が起きていなかったら先生とソティスはどうなっていたのでしょうか?おそらく、そのままだった場合ソティスの力がどんどん大きくなり、先生の意識を追いやってしまっていたのではないでしょうか。
ソティスが先生を助けて自分が消える選択肢を選んだのは、それまでの共同生活から先生自身に好意を抱いていたからに他ならず(支援Sのソティス可愛いです)、そこがレア様の誤算だったのではないかなぁと個人的に思っています。すでにレア様は何千年と生きているのと、人間に対する恨みもあるため、人の命を良い意味でも悪い意味でも軽く見ているようなふしがあります(いい人ではあるのですが)。一方で、ソティスは生前は人間に技術を広めていたり、自身を人型につくりかえたりと、基本的に人類を気に入っている様子です。最初にソティスが人型になって人間を助けたのも、実は今回のお話の最初のように、危機的状況に陥った人間に対して「わしがそなたを導いてやらねばなぁ?」とちょっかいをかけたのがはじまりだったのかもしれませんね。好きで助けていた人間たちに逆に刃を向けられたソティスの悲しみはいかほどだったのでしょうか...
感情の高ぶりと竜化の関係
余談になりますが、先述の通り先生の感情が豊かになるに従い、ソティスは記憶を取り戻していきます。さらに銀雪終章において、レアの力が暴走する際に心臓の音がするとともに、フレンが「お心をお静めになって...」と口走ります。ここから示唆されることとして、実は紋章石や竜化の力と感情の高ぶりは深い関連をもつのではないでしょうか。そして同時にフレンのこと以外では落ち着きを持つセテスや隠遁するインデッハが強い力を失っているのに対し、女神に執着するレアが今でも高い戦闘能力を持っているというのは、この仮説からすると納得できます。紋章持ちが戦闘中にのみ紋章の能力を発揮することや、モーリスが殺戮の衝動に囚われ続けていることからも、獣化や紋章の力が感情のコントロールを失うことに対応していることが窺われます。女神や眷属の力の解放のトリガーが、なんらかの強い感情の高ぶりによるものだとすると、士官学校で生徒と関わることで得た様々な感情自体が、女神の力を取り戻すのに必要だった可能性があり、この点はレア様の神采配だったのかもしれません。
おわりに
と言うわけで、先生のめまいの伏線について考察をまとめました。心臓の音はオープニングの曲や、最初のムービーなんかでも度々出てきているので、その出てくるタイミングでもいろいろ推測できそうな気がしています。
紅花のなしルナを始めたので、それが終わったら紋章石について考察予定です。
あとそれに関連して、天刻の拍動をEp.1で初めて使ったときにジェラルトが反応することを今までスルーしていましたが、実は女神の眷属は天刻の拍動でやり直されたときに何かわかるのかもしれませんね。タレスもジェラルト回で天刻の拍動でやり直そうとしたときにそれを阻んできましたし、エーデルガルトが炎の紋章で天刻の拍動を止める案もあったとインタビューにあったので、検知できるというのは十分ありえる気がします。
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