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Ender Liliesプレイ&考察まとめ①-果ての国の果てない穢れの連鎖

ご無沙汰しております、もしくは初めまして、けろりです。普段はFE風花雪月の考察まとめをしております。今回は箸休めということでお盆休みにクリアしたBinary Haze Interactive開発のメトロイドヴァニア系ゲーム"Ender Lilies"のストーリー考察(という名の妄想)をまとめておきたいと思います。

エンダーリリーズは、「死の雨」により滅びた王国「果ての国」の謎を少女リリーを操作して解き明かしていく、ダークファンタジー調の2DアクションRPGです。歯ごたえのあるアクションと、美麗な映像と音楽で、ストーリーは淡々と進んでいきますが、切なくも美しい展開に涙することも。私はふだんアクションゲームはほぼしませんが、Miliが音楽を担当していると聞きつけ、うんうん唸りながらクリアいたしました。

発売は2年前の2021年のインディーゲームながら、今年2023年には世界販売本数100万本を達成するなど、今なお多くの人に愛されているゲームです(日本語wikipediaないのが悲しい;_;)。しかし、本編ではストーリーについては明確に語られない部分も多く、フレーバーテキストを通して示唆されるだけの物語に関しては、プレイヤーによる様々な考察が行われています。公式からはアートブックも発売されており、そこで裏設定などの情報も一部公開されているそうですが、今回はアートブック確認前の感想をまとめましたので、明確に公式設定と一致しない内容も含まれるかもしれませんが、ご了承ください。また内容は全エンドをクリアした前提でネタバレを含みます、ご注意ください。(①と書きましたが、②を書く予定は今のところありません)

最終更新:2024年5月10日



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Ender Lilies: Quietus of the Knights

本作品のタイトルは「エンダーリリーズ」(公式表記)直訳すれば、終わらせるものリリィズ: 騎士達の最期といった具合でしょうか。本編では、リリィが果ての国を旅し、最終エンドであるCエンドですべての穢れを浄化することで、果ての国の人間全てを穢者に変えた死の雨が止みます。その旅の道中では、泉の白巫女から造られた主人公とまったく同じ見た目の人工生命体である、8人の名もなき白巫女たちの願いを集めることでリリィが強化されますが、穢れの王との戦いの最中には彼女たちが背景に登場します。タイトルにあるリリィズが複数形になっているのは、果ての国の憎悪の連鎖を終わらせたのが主人公の"リリィ"だけではなく、9人すべてのリリィズたちであったということをおそらくは指しているのでしょう。

穢れの王との戦いで現れる8人のリリィズ
フリーティアも"みんな”と表現する

リリィズは泉の白巫女の魂を源として、おそらくはファーデンを含む魔術師たちが作り上げた人工生命体です。どのように制作されたのか詳細は不明ですが、禁書の切れ端を参考にすると、フリーティアの魂を赤子に導く(?)ことにより、泉の白巫女と同一の力を引き継いだと考えられます。これにより、歴代の白巫女の中でも一際強い浄化の能力を持つとされるフリーティアに巣食う穢れを、8人に分散する計画が実施される予定でした。8人の白巫女たちはこの計画のために造られたことが泉の白巫女によって明言されていますが、最終的にはフリーティアの望みにより中止になった模様です。

命を創る、作り変える魔術はこれまでいくつか試されてきた人工生命体の創造。赤子の体内に力の根源たる魂を導くことで肉体を操作する意識は赤子のまま力を引き継ぐことができるとされる。

禁書の切れ端
8人のリリィズにフリーティアの穢れが引き渡されるはずだった

フリーティアの分身と呼ばれる主人公リリィは、結果的に白巫女の力と黒衣の騎士との不死の契約を受け継いでおり、魂の点から言えばフリーティアとほぼ同一の存在となることに成功していたようです。しかしCエンドではフリーティアが「私にできなかったことをやったんだもの、あなたは私の分身なんかじゃなかった。あなたは、あなた自身…」と語り、分身がフリーティア自身の力を超えた、穢れの連鎖を終わらせる(Ender)存在となれたことも示唆されています(リリィズたちはひたすら命を弄ばれた存在なのに、果ての国を救う存在になるのは皮肉ですが。。)

1+9人の白巫女と10人の守り人

これらの白巫女の守護には、カタコンベの地下修練場で修練をつんだ守り人(おそらく女性限定?)が配属されることが、信徒の手紙などからわかります。精神力を鍛えておかないと、戦いの最前線にいる白巫女の側にいるだけで穢れに染まってしまうのかもしれません。この守り人は10人いるとされており、泉の白巫女の守り人に選ばれたのはシルヴァであったことがシーグリッドの記憶からわかります。そして別の守り人である妹のシーグリッドが(まだ白巫女ではなかったらしい)真のリリィの世話をしていたことから、シルヴァ以外の9人の守り人たちは9人のリリィズたちにそれぞれ配属されていた可能性があります。9人の姉妹というのは、アーサー王伝説などにも登場するテーマなので、騎士の国を描くエンダーリリーズで登場するのは割りと自然に感じます。しかし、もしそうだった場合、主人公のリリィの守り人になるはずの人物はどこにいってしまったのでしょうね…?

白教の拠点は大きく、白の教区とカタコンベにある地下修練場の2つがあります。守り人の候補者は数年に渡り、地下修練場で修行を積み、白巫女をお守りするに相応しい力と精神を身に付けなければなりません。守り人の候補者は白教徒の中から選ばれ、白巫女を直接護衛する守り人は10名までの精鋭のみが選ばれるといわれています。

信徒の手紙

白巫女と対をなす黒衣の騎士

一方、リリィの前に現れ彼女を守護していた黒衣の騎士は、彼の友人であるという古き民の記憶から、恋人のエルドレッドと不死契約を交わした騎士フェリンであることが示唆されています。以下にある通り、不死の騎士は契約した巫女とその一族に契約印が受け継がれるとされており、リリィたちにその契約印があるということから、エルドレッドの娘が初代王に拾われた幼子、即ち暁の白巫女だったと推察されます。具体的に黒衣の騎士の契約印を受け継いでいたのはエルドレッド、暁の白巫女、風の白巫女、泉の白巫女、そして泉の白巫女の魂が受け継がれたリリィズたちと思われます。騎士は戦争中に契約が結ばれたために身なりがボロボロであったそうなので、果ての国との戦いの最中に不死になったようです。肉体の死の瞬間の姿が映し出される、とも説明されているので、1. 巫女も参加していた戦いの最中に契約をしたか、2. 死ぬ前に既に契約を結んでおり戦闘で死んだ瞬間に発動したかでしょうか。

魂を扱う古代呪術は上位の巫女にのみ許されており
古き民の騎士は、その魂を巫女に捧げ契約することで
肉体を捨てた不死の存在となる
巫女に残された契約印は一族が途絶えるまで代々に受け継がれるものである
古き民の戦士は契約が続く限り不死として永らえる

不死の契約について
本編開始時ムービー

本編の開始時、黒衣の騎士の呼びかけによりリリィの額の不死契約の印が光輝くムービーが流れます。しかし、額の印自体はその輝きの前から存在していたようです。またこの印のマーク(大きなダイヤと小さなダイヤx4)は、古き魂の残滓が得られる深淵の背景に写っているものと同じであり、古代呪術における何かしらのシンボルであると思われます。さらに、この印はフリーティアの額にも残っていた可能性があります(額に黒いものがちらっとうつる)。おそらく穢れに堕ちる前のフリーティアには、印は存在していたと思われ、穢者となった状態でもその姿が反映されていたと思われます。エンドAでリリィが国を脱出する際に騎士が「不死の契約が残っている」と話し国に残るのも、穢れに取り込まれた白巫女たちとの契約印が今も力を失っていないのかもしれません。

古き民の遺構
フリーティアの額に注目(穢れを受けていないビジュアルでも見られるときがある)

深部において古き魂の残滓を受け取る際に見える記憶の中では、「不死の契約印は新たな巫女へと引き継がれる」という言葉とともに、赤子と黒衣の騎士の額に同様の印が浮かび上がります。その際に黒衣の騎士に赤子を手渡し倒れ込んだ女性は長い白髪だったこと、友人の騎士が同時にエルドレッドの名前を出すことからも、彼女がエルドレッド本人で、あの瞬間についに力尽きた可能性があるのではないかと思っています。

もし上の仮説が事実だった場合、印が光るのは契約が新たな巫女へと引き継がれた証であり、イコール前の巫女が亡くなったことを指す可能性もあります。物語が始まった瞬間、リリィの額の印が輝いた瞬間も、実はフリーティアが深淵で穢れに呑まれた瞬間だったのかもしれません。しかし後述しますが、フリーティアが穢者になったのは、黒い雨が降り出した瞬間であることを示唆する要素も多く、また巫女は黒衣の騎士が彼女を発見し呼びかけたときに目覚めたことからも、印が光るのは契約が受け継がれた巫女に黒衣の騎士が出会った瞬間である可能性の方が高いのではないかと考えています。

ようやく見つけた 巫女の末裔 私の声が聞こえるか?

OP時の黒衣の騎士のセリフより

黒衣の騎士のこれまで

黒衣の騎士は、ゲーム開始段階で主人公に「お前"も"記憶を失っているのか」と語っており、あの段階で多くの記憶を失っていた可能性があります。本編では白巫女は穢者の浄化によって彼らの後悔、憎悪、愛執などの強い思いに関連する記憶を継承しており、人の憎悪から生まれる穢れの浄化と記憶の継承は強いつながりを持っている可能性があります。そのため、戦闘を行う黒衣の騎士の代わりに穢れを引き受けている白巫女は、騎士とも記憶の共有をしているのかもしれません。

旅を続ける中で、彼は深部で自身のことを果ての国との戦いで唯一生き(?)残った古き民だと語ります。また、古き民の遺跡も残っているという暗部で見つけた幻光の花を見た際には、懐かしさからエルドレッドとの思い出らしき話をします。

よく枯れずに残っていた
それは幻光の花という
暗いところで光を放つ不思議な花だ
夜眠れない時、よく眺めていた
あいつも好きな花だった…

騎士に関する古き民の記憶や資料などの情報をまとめると、
・果ての国との戦いの最中に不死契約を結んだこと
・他の不死契約をしていた巫女がすべて亡くなったあと赤子を初代王に奪われた
・長きに渡って深淵に魔術で封印されていた
・封印から解き放たれ白巫女を見つけた
という時系列であることがわかります。

黒衣の騎士が封印から解放された原因は明言されていませんが、深部の機能が失われたのは浄化できなくなった穢れが地下から溢れ出したタイミングであった可能性が高いため、フリーティアが穢者となり黒い雨が降る→黒衣の騎士が解放されるという流れかもしれません。実際に、下のセリフでは初めて見つけた白巫女=共に旅をした主人公を指しているような口ぶりであり、暁の白巫女以降の白巫女たちには会ったことがないようにも思われます。もしもっと早く解放されていたならば、フリーティアと9人のリリィズという契約印を持つものが10人もいたことになるので、誰の側で戦うべきか選べない困った事態に陥っていたかもしれません(^_^;)

不死契約を受け継いだ白巫女を見つけたとき、初めは不死の呪縛を断ち切るため……この手にかけようとさえ思った。だが、共に旅をする中でわかった。この国の白巫女はかつて守らねばならなかった巫女の意志を受け継いだ、古き民にとっても最後の希望なのだと…

深部にて古き民の残滓獲得後

白巫女の涙と黒き雨と穢れの結晶

本作において、白巫女の涙はさまざまな場面で登場する、特別なモチーフとして扱われています。特に穢れの王とのCエンド戦闘では、第二・三形態において、穢れの王からとめどなく涙の雫が溢れおちます(以下ふぅさんの実況動画参照)。浄化されたフリーティアに抱きしめられた際には、リリィも白い涙を流すことがわかります。そして、最後にはまるで浄化によって穢者たちの涙が止まったかのように、王国に降り続いていた黒い雨が止み晴れ間が広がります。すなわち、エンダーリリーズにおいてすべての元凶となった黒い雨というものは、憎悪に飲まれ穢者となった白巫女と王国民、古き民たちすべての嘆きを表す、涙を象徴するモチーフであった可能性が高いと思われます。

エンディングCで得られるトロフィーは"暁の祈り"ですが、雨が止み太陽が差し込むことで真っ白なリリィの髪が、まるで暁の白巫女のように金色に照らされるのは、ちょっとナウシカ味がありますね。

そして、白巫女の涙は実は他にもレリックに登場しており、それがこのエンディングBクリア後報酬の穢れの幻影です。装備することで穢れを受けた状態のリリィの外見を再現するこのレリックですが、穢れがまるで涙のように結晶化しているとの説明があります。

クリア後報酬のリリィの穢れを宿した結晶

そしてこの穢れの幻影、実は王国各所で見つかる巨大な残滓(淀んだ・猛るを800入手できる場所)と見た目がそっくりです。

獲得済の残滓しかなかったので、↓のリンク参照

実際にこの巨大な残滓が見つかるのは、全部で7箇所で以下の通りになります。
・王城
・地下研究所
・双子城砦
・魔女の森
・崖の村
・カタコンベ
・地下牢獄

一方で、主人公以外のリリィズは8人見つかっていますが、その発見場所は以下の通りで、上の巨大な残滓の発見場所と一致しています。
・王城(王)
・地下研究室(ファーデン)
・双子城砦(ウルヴ・ユリウス)
・魔女の森(イレイェン)
・崖の村(ゲルロッド)
・聖堂(シーグリッド)
・カタコンベ(堕ちた弓使い)
・処刑場(へニール)
(シルヴァは「ごめんなさい、ごめんなさい」と繰り返すだけなので、誰も連れて行かなかったんでしょうか?)

穢れに対する耐性が高い白巫女の穢れは強く濃縮されており、彼女たちの穢れは死後にこの幻影のような形に表象化されるのかもしれません。唯一巨大な穢れの残滓が見つかっていないのは真のリリィが匿われていた聖堂であり、守り人の長とシーグリッドによって、彼女だけは穢れを受けることなく守られていたのかも…とも考えることができますね(ホロリ)。実際に城砦などにいた白巫女は騎士たちの浄化作業を行っていたようなので、真のリリィは年少のリリィズだったために浄化をする機会をもたなかったのかもしれません。リリィのメモはかなりくだけた文章になっていましたし、シルヴァよりも未熟であると思われた?シーグリッドがリリィに配属されていたのも、これが理由であったのかもしれない、と邪推しています。

リリィズの誕生と主人公ラストリリィの謎

彼女たちがいつ造られたのかは本編中では正確にはわかっていません。ファーデンの記録書1-5を読むと、時系列は禁域で研究開始→ミーリエルが穢者になる→人体実験の開始→白巫女の肉腫の研究→双子城砦で使われた霊薬の完成という時間軸にあり、人体実験でリリィズが造られたのはミーリエルが少なくとも穢者になって以降と思われます。

穢れを受けた白巫女と接触しても穢れが伝染することはないが、白巫女の肉腫を採取して調査したところ通常の穢者から現れる肉腫とは形状だけでなく、性質に異なる点が見られた

ファーデンの記録書4

穢れを受けると、肉体、意識、魂の中でも力の根源の魂を蝕み「肉腫」が体に発現する

穢者の書の切れ端1

主人公が眠りから覚めた場所は、実験体とされていた白巫女の背景にあった謎のカプセル上の場所でした(左にあるオブジェクトはファーデンが取り組んでいた輝く護りの宝具の場所にもありました)。このことから、主人公もファーデンの管理下にあり、何らかの実験を施されていた、もしくは魂が導入されてから眠っていた可能性があります。他のリリィと異なり言葉が喋れないため、実験の際に何かしらのイレギュラーな事態があったのかもしれません。

リリィは白巫女を運ぶ御者ベイルについては見覚えがあり、禁域で造られまだ目覚めていなかったリリィが、リリィズの脱走に伴いあの辺境の地まで運ばれてきた可能性はあります。ただし、馬車と出会うのは浄化によってシーグリッドの記憶を引き継いだ後であるため、リリィ本人があの馬車に乗ったかどうかは定かではありません

ラストリリィについて

それでは、それぞれの白巫女は一体いつ造られたのでしょうか?まず、リリィズたちには後述しますが長女といった概念があり、必ずしも一度に造られた存在ではないことは確かです。フリーティアにより描かれた白巫女の絵が3人だけであったり、フリーティアの浄化の際にもリリィズは8人しか画面に映っていないため、リリィズの人数は少しずつ増えていったと思われます(ただしこれについては王城の白巫女にイレギュラーがあるので、主人公が含まれていた可能性もある)。
極めつけがリリィのメモで、「目覚めた時に、言葉を話せないのはかわいそうだもの」「新しい私たちの妹になるんだもの」とあり、今は眠っている一番下(?)の妹がいることが示唆されています。主人公であるリリィは本編開始時まで眠っており、かつ言葉を話せないことが、黒衣の騎士とのやり取りから示唆されており、真のリリィが言及していた新しい妹は主人公のことである可能性が高いと思われます。そのため、最後のリリィに関してはかなり後期に造られ、少なくとも9人の中で最も年少と推測されます。

良いことをすると返ってくるってシーグリッドが教えてくれた(←これは個人的にシーグリッドがリリィの守り人に選ばれたときなのかとも思ったり)
仲良くなりたい
目覚めた時に、言葉を話せないのはかわいそうだもの
でも本当は、はやくおしゃべりをしたいだけ
あの子の名前はなんて言うんだろう?
母様にあったら教えてもらわなくっちゃ
新しい私たちの妹になるんだもの

リリィのメモ

また、フリーティア・シルヴァから見た時系列だと、双子城砦での戦い→フリーティアが穢れを受ける→禁じられた領域へ移動→シルヴァが初めて白巫女の実験を知る(穢れに染まったシルヴァの手記2)→穢れを移す実験を行う、という流れになっており、かつ魔術師・守り人の長・王はその実験について既に知っていたようです。このことからも、この辺りの時期まではリリィズたちは少なくとも8人全員が地下研究室で暮らしており、実験自体は守り人たちにも秘匿されていたようです。その後、フリーティアの願いによりそれぞれの白巫女が連れ出され各地に匿われたのは、先述の通りです。

禁じられた領域で行われたのは泉の白巫女様の治療なんかじゃない
人の理を超えた恐ろしい人体実験だった
白巫女の継承者がいないとはいえ、白巫女を人の手で造るなんて
やってる魔術師連中も、それを認めた王様や守り人の長もみんな狂ってる
人の手で造られた白巫女たちをどうするの?
泉の白巫女様の代わりにしようというの?

穢れに染まったシルヴァの手記2

ここでの暮らしは寒いのがちょっとつらいけど、薄暗い実験室よりはずっとましです
ウルヴっていうお友達もできました
あまり出歩くのは駄目みたいでユリウスさんの言いつけは守ってます
他の逃げ出したみんなは元気にしてるのかな?
手紙をおくれたらいいのに
これはその練習です

城砦の白巫女の手紙

もし、禁書の切れ端にあった通り、リリィたちが赤子から造られていたならば、赤子からあの年齢(10歳程度?)まで成長するまでは時間が経過している可能性も高いです。しかし、エンダーリリーズ内では年表などの情報が出て来ないため、それぞれのイベントが何年前に起きたか特定することはかなり難しいため、以下の二通りについて考えたいと思います。

双子城砦戦よりも前から白巫女が造られていた場合

先述の通り、禁書の切れ端内容上記の記述からフリーティアの魂が赤子に導かれて造られたとするならば、計画自体はリリィたちが赤子から成長する時間が必要であり、実はかなり前から動いていた可能性があります。
老騎士ゲルロッドの記憶中では、泉の白巫女とリリィズと思しき後ろ姿の子供がゲルロッドに会いに来ている描写があったり、また待機ムービーやCエンドのムービーで「この子達との時間が私にとっては唯一の救いだった」というセリフがあり、リリィズたちの絵をフリーティアが描くなどの交流があったことも示唆されています。双子城砦で穢れを受けた後には地下に半ば幽閉され、絵が描けなくなることを恐れるほどに手も動かなくなっていたことを考えると、リリィズたちは双子城砦戦よりももっと前に既に造られていたと考える方が自然だと思われます。

また、ファーデンの記録書4-5によると、白巫女の肉腫を利用した研究によって双子城砦で使われた不死の霊薬が完成したようです。しかし、泉の白巫女の穢れが一気に進んだと言われているのは霊薬が使われた双子城砦での戦いの後なので、研究所にいた白巫女に対し黒衣の騎士が「白巫女を実験体としていたとは…」とコメントしている通り、ここでいう"白巫女"はオリジナルの泉の白巫女ではなくリリィズのうちの一人であった可能性が高いと思われます。肉腫は魂を蝕んで生み出されるものであり、フリーティアが既に肉腫を発現させていた場合、リリィズを作るのにも支障を来していた可能性があります。よって、白巫女のリリィズに穢れを受けさせ、それによって生まれた肉腫などの組織を研究に利用していた可能性があります。

ここまで繰り返してきた実験が思わぬ形の結果を生んだ
穢者の意識を取り戻すことはできなかったが、新たに実験体を穢者化して経過を見たところ、まだ意識は残しており意思疎通が可能な状態だ
引き続き経過観察が必要だが、意識を保ったままの穢者の存在は人のまま不死を得るといえるだろうか
少なくとも王は喜ぶだろう
白巫女から生まれたこれは不死の霊薬と呼ぶべきものだろうが、すでに意識を失ったミーリエルは元に戻らない

ファーデンの記録書5

双子城塞にいた騎士や兵士たちはおかしかった。 倒れても起き上がり、穢れをものとしない。 あれはまるで穢者そのものだった。 白巫女様に聞けば教えてくれたのかもしれない。 あの場にいた私と白巫女様以外、みんな穢者しかいないかと思うと怖かった。

シルヴァの手記1

防衛の要たる双子城塞を守るため、我ら城砦の騎士は今日、霊薬によって不死の騎士となる。できることなら禁忌の力に頼りたくはなかった。
だが、たとえ不死の身になろうとも我らは国を守る守護者。穢れにまみれようと騎士の誇りは失われることはない。

ユリウスの書(書とあるので騎士たちへ伝達に使われた?)

双子城砦戦後に白巫女が造られていた場合

一方で、双子城砦戦のあとだと思われる手記で「子供なんていらない」と言っていることから、まだリリィズたちが造られていないと考えることもできるかもしれません。穢れに染まったシルヴァの手記2の内容も、後継者がいないから白巫女を人の手で造った、と言っているように聞こえます。

いつも聞こえてくる後継者の話
もう私は使えないの?
王族の血なんて知らない
よくわからない
子供なんていらない

フリーティアの手記4

その場合、霊薬を作るために実験に使われた白巫女はフリーティア本人であり、地下に運ばれた後もリリィズと外出する機会(ゲルロッドにも会っている?)があったということになります。ただ、以下のように双子城砦での戦いは熾烈を極めたようですし、ミーリエルが助けることを望んでいた白巫女本人をファーデンが実験体にすることも考えづらく、こちらの案は個人的に可能性は低いと思っています。

穢者の王、あんなのを見たのは初めてだった
私は足が震えて動けなかった
泉の白巫女の守り人なのに浄化が終わってから、私は何が何でも浄化を止めなくてはいけなかったことに気づいた
穢れに耐性があるとはいえ、それほどまでに白巫女様の穢れの進行は酷く動くのもままならない状態だった

シルヴァの手記2

霊薬を飲めば私も、守れる強さが手に入るのかな
あの時何もできなかった私のままじゃ嫌だ

穢れに染まったシルヴァの手記1

余談:王城の白巫女にまつわる暗い噂

先述のリリィズたちの中で、一番最初に生まれた白巫女は王城に移されていたことが、王城の白巫女の手記からわかります。これは、少なくとも地下から白巫女たちが逃げ出す前であり、かつフリーティアが王城を離れた時期と思われます。年齢が一番上である、ということで少し嫌な予感がしますね。

なぜ私が王様に選ばれたんだろう
私が姉妹たちの中で一番最初に生まれた白巫女だから?
他の妹たちはまだ地下にいるのかしら
私にできるのは、この母様が使っていた部屋をきれいにしておくことだけ
いつ帰って来ても良いように

王城の白巫女の手記

また、上述のフリーティアが子供や後継者に言及している手記は、順番から推測すると双子城砦の戦いの後のものであり、かつ後継者の噂話が聞こえてくる環境であることから、戦いの後〜地下に運ばれる前の間にフリーティアが王城や城砦にいたとき、王族の血を引く後継者を求められていたのだと考えています。しかし王城の白巫女がフリーティアの部屋を代わりにあてがわれていることからも、穢れに侵されたフリーティアにはもう王城に居場所がなく、戻る予定はなかったことがわかります。

泉の白巫女は、幼い頃にその名前を受け白巫女を継承したとき、王城にすぐ移されるのではなくカタコンベや崖の村でしばらく暮らしていました。その母親の風の白巫女は、巫女の襲名の規則から、風と名前がつく場所で生まれたことが想像されます。本編で名前の出てくる場所の中では、風の石碑の間@城砦か風の間@王城が該当し、城砦は風の白巫女が建設させたとされていることから、彼女自身が王城で生まれ縁のある人物だった可能性は高いと思われます。

風の間
風の石碑の間

そんな彼女が泉の白巫女の襲名の際に「王城よりも崖の村やカタコンベで暮らした方が良い」と言付けている(守り人の長の意見の可能性もアリ)ことからも、現在の王が邪な目的で白巫女を利用していたことに感づいていた可能性があります。

三代目の白巫女になられるフリーティア様は東の泉の名を受け、白巫女を引き継がれます
シルヴァは優秀な守り人ですが、若くして白巫女になられる重圧は計り知れません
王城で過ごされるよりはまだ、しばらくカタコンベや故郷である崖の村で過ごされるのがいいでしょう
風の白巫女様の願いでもあります
私たちでできる限りお助けしなくては

白巫女の継承について

それでは、果ての国の王は一体何をするつもりだったのでしょうか?
ユリウスの記憶によると、果ての国の王は「多くの犠牲を払い国に尽くしてきた騎士たちと泉の白巫女を使い捨ての駒だと言い放った」とあります。騎士に関しては、以下の手記にあるように、霊薬によって騎士を穢者とし、泉の白巫女を中心として戦わせることで、穢者の王を浄化したことが該当すると考えられます。もしかすると、穢者の王をそのタイミングで呼び覚ましたのも、王の差し金だったのやもしれません。

ついに、忌々しい穢土の穢者の王を浄化することができた
今日ほど喜ばしいことはない
これまで長年に渡り、穢者を相手に苦しめられ続けてきた
穢れを持って穢れを制す
自らが生み出した穢者の処理を押し付けてきた、かの者たちよ
私は、ついに力を手に入れた

王の手記1

そして、これに関しては「愛する息子を奪ったものへの復讐」という側面もあった可能性があります。以下が王の手記2ですが、騎士たちを全員穢者とすることで、息子=ユリウスを奪った者への復讐を結果的に果たしたともいえます。ただしユリウスを匿ったへニールは暗部の人間であり、皮肉にも息子のユリウス本人が穢者となってしまいましたが…。

愛する息子を奪った者がこの城の中にいる
決して許しておかぬ
どんな手を使ってでも見つけ出し鉄槌を下してくれる
正当な王族の血を絶やすことなどあってはならん
あの計画さえうまくいけばよい
まだ、希望は残っている
The fiend who stole away my beloved son is somewhere in the castle. I will not suffer this trespass. My righteous rage shall not be satiated until I hunt them down. For I cannot allow a dynasty of royal blood to meet an end in mine own halls. If only my plans had come to fruition... But no, hope yet remains.

王の手記2

また、上の手記の後半部分では、英語版と合わせて読み進めると、「もしあの計画が上手くいってさえいたら(実際には上手くいかなかった)」「いやしかし、まだ希望は残っている」とあることから、正当な王族の血を残す当初の計画は失敗に終わったが、まだ進行している計画もあることが窺えます。そして上述のように、双子城砦戦後に穢れに呑まれてしまったフリーティアのまわりでは「王族の血を持つ後継者」の話がされていました。これらから推察するに、当初王はフリーティアに自分の子供を産ませる予定だったと考えられます。王城には破れた初代王の手記なども残されており、もし王がそれらを読んでいた場合、「穢れをもって穢れを制す」と考え、穢れに強く穢れの王にもなることができる白巫女の血筋を王族に引き込もうとするのは十分ありえることだと考えられます。

王が執着してきた不死の力の目指す先を知ってしまった
私欲と憎悪に満ちた王の言葉は、紛れもない心からの叫びだった

ユリウスの記憶

しかしこの手記は双子城砦戦後であることからフリーティアは既に穢れを受けており、動くのもままならなくなっていました。そのときに進めていた「ある計画」、それはリリィズたちによるフリーティアの浄化計画だった可能性が高いと思われます。しかし、最終的にフリーティアは浄化を拒み、計画は失敗に終わりました。

ここで、英語版の最後の二文をもう一度確認してみると「もしあの計画が成功していたら… いやしかし、まだ希望は残っている」と訳すことができます。ここで言う希望とは一体何を指しているのでしょうか?

注目したいのが王城の白巫女の手記です。「姉妹たちの中で一番最初に生まれた白巫女」という理由だけで、王城の母親が使っていたという部屋に連れてこられた白巫女。王城にいたフリーティア・リリィが暮らしていたのは、塔の小部屋であり、王様の部屋よりもさらに上にある奥まった部屋でした。母である白巫女、そして白巫女がこの部屋を使わされていたのは、白巫女との子供を作るため、即ち想像されるのは白巫女のスペアとして造っていたリリィズのうち、年が一番上であった白巫女を王が妾として迎え、自身の子供を産ませようとしたのではないか…という胸糞展開です。

もう少しライトに考えれば、自分の部屋に最も近い場所に白巫女を配置し、いつ自分に危険(穢れ)が迫ってもいいようにしていた、と考えることもできます。が、わざわざ年長の白巫女をフリーティアがいなくなってから連れてきたと考えると、やはりこれに準ずるような背景があったのでしょうか…

ユリウスの最後の望み

また、これに関連して、壁に書かれた文字の内容も、ユリウスと王との確執であったように思われます。各文にユリウスの方で示唆される要素との比較を下に付け加えておきましたが、これだけの一致が見られることからも壁に書かれた文字はユリウスが王の間に向かう直前に残したものと想像しています。
ユリウスは暗部の執行人とともに育っていますが、執行人の方は親が罪人だったので騎士にはなれませんでした。だからこそ、父(正確には伯父)が暗部に所属していながら騎士長にまで上り詰めたユリウスの努力は凄まじいものだったと思われます。そのモチベーションは自分を捨てた(と思っていた)王に自分を認めさせることだったが、王と相対し殺す瞬間に初めてその願いが叶った… というのは何とも悲しいエピソードです。

人として生きることが認められなかったが地の底(暗部)から這い上がりここまできた(騎士長)
存在を、力を認めさせてやろうと思った(自分を捨てたことを認めさせたかった)
だが、奴は最初から自分以外見ていなかった(剣を突きつける私に怯えたその目は確かにこちらを見ていた、初めて目が合った この瞬間を私は待ち望んでいた)
そして今再び、私からすべてを奪おうとしている(同胞の騎士たち、白巫女たち、そして守るべき民たち)
許すわけにはいかない
すべて奪ってやる(朽ちた王冠からはかつての威光はなく、王城から離れた場所に投げ捨てられていた)

壁に書かれた文字

「出歩くのは駄目みたいでユリウスさんの言いつけは守ってます。他の逃げ出したみんなは元気にしてるのかな?」とある通り、城砦の白巫女を逃がすのにはユリウスも関わっていることから、もし前述の王城の白巫女の話が真実だったならば、すべてを奪うというのには白巫女たちのことも含まれていた可能性は高いと考えられます。

穢れによる終わらない白巫女の連鎖

守り人の長の説明文によると、先代の風の白巫女は自ら命を断ったと言われています(英語版を突き合わせると、文の切れ目が確定する)。白巫女たちは穢れを浄化すると、意識を失ったり他者に穢れを移すことはありませんが、その代わりに強い痛みを感じるとされています。しかし、実はそれだけでなくその代償に穢れに蝕まれていく、ということが初代王の観察によってわかっています。実際にリリィやフリーティアは穢れによって魂が蝕まれ、肉腫を生み出します。最後まで娘の身を案じていた風の白巫女は、果たして穢れの苦しみによって命を断ってしまったのでしょうか。

先代の白巫女の護衛を務めた守り人の長は、死の雨に打たれたことで穢れに苦しみ、自ら命を絶った白巫女の痛みを初めて知り、涙した。
She wept as she came to know the pain of the Priestess' sacrifice.

守り人の長の説明文

禁域の魔術師の研究によると、肉腫には複数の生命体を一つに結びつける性質を持つことが知られ、鳥と兵士の融合や、肉塊のようになってしまった穢者などが本編中に登場します。

穢者が発現する肉腫の再生能力は特殊な条件下において複数の生命体を一つに結びつける性質を持つことが分かった
一つの肉体に複数の魂、意識が結びついた時どのようなことになるのか興味深い
例えば、鳥のような飛翔能力を持つ兵士を生み出すことだってできるかもしれない

禁域の魔術師の報告書

穢れは憎悪である、との文言もありましたが、浄化を行ったリリィは穢者の力だけでなく記憶を受け継ぎました。穢れの王として現れるフリーティアも、穢者の王、そして果ての国全体を浄化しようとしていましたが、エンドCにてフリーティア=穢れの王を浄化すると、以下のようなセリフがあります。

これからあなたが背負っていくなんて
みんなのことを解放してくれて
私のことを解放してくれて

あなたを見守っているわ
いつでもそばに

穢れの王撃破後フリーティアのセリフ

これらから推察されることとしては、人々の穢れは白巫女によって浄化され、その穢れ=感情ごと取り込まれ、白巫女が穢者となったときそれまでに蓄積された穢れごと穢者の王となるということです。黒衣の騎士が白巫女のことを古き民にとっても最後の希望だといったのも、穢者として穢れの王に取り込まれた古き民達の憎悪を断ち切ることができるのが白巫女だからだったのではないでしょうか。こういった世代を超えた輪廻は、FF10のシンを思い出しますね(完全なるネタバレ)。

さらに、深淵には黒衣の騎士が封印されていた部屋と、フリーティアがいた最深部に一つずつ棺が安置されていました。これらは果ての国で白巫女として浄化を行っていた、暁の白巫女や風の白巫女のものである可能性があります。また、この最深部はちょうど辺境の泉の地下に存在していることが、エンドAにて示唆されています。

双子城砦の戦いでは、東の果てから穢者の群れが押し寄せたとされていますが、もしかするとこの地下に埋められた穢れを溜め込んだ白巫女の棺から穢れの王が生まれ、地上に現れた可能性があります。実際に、暁の白巫女・風の白巫女・泉の白巫女全員が穢者たちの群れとの戦いをその付近で経験しています。そしてこの双子城砦付近で穢者を一掃し、双子城砦を建設したのも他でもない風の白巫女です。もしかすると彼女は痛みに耐えきれなかったのではなく、初代王の手記などから母、そして自身が穢れの王となってしまうことを知り自らが穢れの王となって娘を苦しめる前に命を断ったという可能性もあるのかもしれません。実際に、風の白巫女だけは穢れの王と戦ったという描写はなく、紅き穢れの王は暁の白巫女が核となっていたかもしれません。

東の果て、穢土の領域より災い来る
押し寄せるは穢者の群れ
穢者を従える紅き穢れの王
それはこれまでに至る古の民たちの怨嗟が形をなした、恐ろしき姿だった
双子城塞にて待ち受けたのは、泉の白巫女と国の危機に立ち上がった勇敢なる騎士たち
騎士たちは何度も倒れようとも立ち上がり、戦った

双子城塞の防衛戦1章

騎士ゲルロッドは、風の白巫女と共に戦った仲間たちの追悼のために建立する
彼らが勇敢に戦い、この地の穢者を一掃したことで双子城塞を築くことができた
これより先、穢土の領域より来る穢者の侵攻を防ぐ大きな功績となるだろう

石碑に刻まれた文字

蓮と睡蓮と百合ー異なる花のモチーフ

泉の白巫女が生まれたと思しき泉の花

エンダーリリーズで、最も頻繁に登場するモチーフは花です。主人公たちリリィズも、百合の花を指すLilyという単語が名前になっており、歴代の巫女たちも百合にちなんだ名前を多く持っており、泉の白巫女フリーティアは似た名前の"フリティラリア"というユリが存在することが知られています。

・エルドレッド https://www.flower-db.com/ja/flowers/lilium-oriental-hybrids-cv-eldred
暁の白巫女 ニンフェリア(睡蓮Water lilyの学名はNymphaea)
・風の白巫女 名前不明
泉の白巫女 フリーティア(クロユリに代表されるユリ科の花)

また古き民の巫女たちも、名前が実はユリの品種の可能性があります。
カリヴィア (カヴァリアの並び替え? https://nfb.co.jp/nfb/201102/)
キルティス トリ"チルティス"かな? https://www.flower-db.com/ja/flowers/tricyrtis-hirta
リコリース ご存知ヒガンバナ、かつてはユリ科に分類。Spider lilyとも呼ばれる。
マニサ(ユリの品種) https://www.flower-db.com/ja/flowers/lilium-oriental-hybrids-cv-manisa マニサは白巫女の名前ではなく、花の魔女の名前の可能性もありますが… 実はユリの品種に存在するそうです。

この中で注目したいのが、暁の巫女ニンフェリアです。ニンフェリアは睡蓮 Water lilyの学名ですが、本編で果ての国の象徴とされる花は蓮です(不死騎士の証参照)。睡蓮と蓮は系統からいってもまったく違う植物であり、睡蓮は水面に、蓮は水面よりも高いところに花をつけることが知られています。他にも葉の形や雄しべ雌しべの形状などが大きく異なり、系統的にはまったく別の植物です。そのことを念頭に置いて本編のマップ上に現れる花を見てみますと… 睡蓮に見えないでしょうか?

花が咲くムービーなどを見ますと、長い茎が描かれていたりもしますので断言はできないのですが、もし果ての国の象徴が蓮で白巫女の象徴が睡蓮(百合)だった場合、少し面白い考察ができます。
きれいな水でないと育たない睡蓮と違い、蓮は泥水のような環境でも美しい花を咲かせることが知られ、泥中の蓮という言葉も存在します。さらに、蓮は地下茎(いわゆるれんこん)をはりめぐらせることが知られています。
本編では深淵から現れた穢れの根に人々が飲まれた、とシルヴァの記憶で語られていますが、実際に深淵は植物の根のようなものが密集したような場所になっており、それは茎がからみあった蓮の池のようにも見えます。
果ての国は穢れという泥を地下に封じ込めつつ、表面上はその養分を受けた美しい花を咲かせており、一方で純白の睡蓮(百合)の白巫女たちはその穢れを受け続けて真っ赤に染まり紅き穢れの王となってしまった、というストーリーがこの花々を見るだけで浮かび上がってきます。実際には白巫女たちには百合のモチーフが多く見られ、エンディングもBulbel(球根)とあることから百合の印象が強く、制作陣がどこまで考えて花のデザインをしていたかわかりませんが、蓮と睡蓮という見た目はよく似た2つの植物がモチーフにされていたならば、とても興味深いとともに美しいのではないでしょうか。



おまけ

白巫女関連ざっくり年表

  • 古き民の中で上位の白巫女が騎士たちと不死契約し力を得る

  • 初代王たちが古き民の地に侵攻

    • 初代王が6つに分けられた国のうち果ての国を治める

  • フェリンと不死契約をしたエルドレッドが死亡(もしくは穢者となる)

  • 暁の白巫女が初代王に拾われる、フェリンはどこかのタイミングで地下に封印される(古き民の記憶と前後の会話より)

  • 滅ぼしたと思っていた古き民の生き残りが穢者となって押し寄せるが、暁の白巫女は穢者たちを浄化した(初代王の手記2)

  • ↑の前後で白巫女が民衆の信仰をあつめ、白教が広まる(正導教徒の手記)

  • 風の白巫女が生まれる(風の石碑 or 風の間?)

  • 泉の白巫女が生まれる(辺境の地の泉にて)

  • 風の白巫女が騎士ゲルロッドとともに、双子城砦付近の穢者を一掃し、城砦建設に貢献

  • 泉の白巫女の14歳の誕生日に風の巫女が自殺、白巫女を継承する(守り人の長グローアの記述)

  • 双子城砦で泉の白巫女が紅き穢れの王を浄化

  • 泉の白巫女が穢れに侵され禁じられた領域に運ばれる

  • 白巫女の浄化実験が行われる→拒否

  • 一人目の白巫女が王城へ連れていかれる

  • 二人目以降の白巫女たちが一人を除いて地下研究所から連れ出されて匿われる(イレイェン、ユリウス、ゲルロッド、へニールなどが協力者)

  • 死の雨が降る

  • 各地で白巫女を匿い逃がそうとするが失敗、主人公リリィのみが生き残る

  • 黒衣の騎士がリリィを発見し、呼びかけに応じてリリィが目覚める

フリーティアの絵

双子城塞で過ごした辛い日々がようやく終わった

このまま右手が動かなくなったらどうしよう
あの人に絵を描くって約束をしてたのに

フリーティアの手記3
ウルヴの部屋、チェスの駒などもある

あの人というのは、交流があったウルヴだったと思われる(赤い髪)。他にもイレイェンや、白巫女たちの絵などが背景に描かれている。

ミーリエル

設定資料集を読まれた方々のまとめ?によるとミーリエルは子供を妊娠していらしい、穢れを知らない子供のおかげで意識を保てたのかもしれない。背景の蝶+蜘蛛型の抜け殻から何かが生まれた痕があるため、彼らの子供=芋虫とミーリエルが融合してしまったのかもしれない?

文字遊び

・穢者=けもの
・白教=発狂?(ダクソシリーズにも出てくる)

参考リンク

コンセプトアート

考察ブログなど

(アートブック情報含む)

RTA動画

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