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ファイアーエムブレム風花雪月プレイ&考察まとめ⑨翠風の章最終戦挿入歌の歌詞考察翻訳



もうすぐ風花雪月発売から一周年ですね!サントラの発売などがアナウンスされるのではないかと今から楽しみです。それに合わせて四使徒が行ったソティスの復活を目指した宝杯の儀について記事を書いていましたが、終わりそうにないので先にこちらの考察をしたいと思います。(最終追記: 02/21 サントラ情報について軽く追記)


※翠風の章に関するネタバレがあります!


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神を屠る星の歌詞

今回考察の対象となるのは、カレドニス台地で対するネメシス・十傑・アガルタの民の連合軍の裏で流れるBGM「神を屠る星」です。英語名はGod-shattering star(神を打ち砕く星)です

このBGM中には、FE風花雪月の音楽の中でフレスベルグの少女を除いて唯一「意味をなしているような歌詞」が男声によって歌い上げられます。この歌詞ですがぱっと聞く限り英語でも日本語でもないようですし、どうも何か特定の言語には聞こえません。日本コミュニティでも、その歌詞については度々取りざたされています。

ところで、金鹿の最終戦直前のシャンバラでの戦いでは、マップ上に様々なロシア語の表記が描かれています。このことから、アガルタの民たちの共通言語はロシア語ではないか、と推定されています。それでは、神を屠る星の歌詞もロシア語なのでしょうか?


実はどの言語でもないらしい?

風花雪月では人名などにドイツやイタリア、フランス語に基づく言葉が用いられています。そのため、おそらくこれらの歌詞も欧州に起源を持つ言語ではないかと思われ、多言語国家でラテン語にも詳しい人たちの考察を...ということで英語の書き込みでこの歌詞について言及している掲示板を探索してみることにしました。

その結果、英語圏やフランス語・イタリア語・スペイン語圏などの人たちでもこの歌詞はわからず、たまに聞き覚えのあるような単語が聞こえてくる(ような気がする)とのことでした。そのため、ファンの間ではいわゆる「空耳動画」を作るのが流行った模様。

こちらも。途中で必ずサンダー(Zapdos)が出てくる。

そろそろ一周年ということで、サントラにもし歌詞が載っていれば、歌詞が特定できるかもしれません。ただ、一部の有識者が聞いた限りでは、確実に一つの言語で説明できる可能性は低いのではないか、とのとこです(もしくは発音をかなり歪めてあるか)。

海外ファンサイトの一部翻訳

以下実際にSerenes forestという海外最大級のFEファンサイトで、神を屠る星の歌詞についての議論がなされています。いくつかをピックアップして、翻訳してみました。正確性については保証いたしません...。

(翻訳権というものもありますので、もし管理人さんに怒られたら消します。ごめんなさい...。)

タイトル:神を屠る星の歌詞?

SamsonSamurai: 誰か歌詞やこの歌の言語についてアイディアのある人はいませんか。この曲はとてもいい曲だし、FE3Hの中で唯一異なる言語による歌がフィーチャーされる曲でもあります。私はトルコ語かもしれないと考えていました。私はこれからやってみるよ、これが参考音源です(youtube リンク)(追記:やっぱりラテン語な気がしてきました)

SamsonSamurai: よし、これが私がここまでわかった部分です。
rus sa res basa bauc "BAUCIS"に基づく国, ad vita das saint gran i 私はこの命を偉大な聖人に捧げる,  vaca vas pol bur hu res しかしそれは全ての人間の器となるだろう,  da si vasa 器を捧げよ

今回歌詞をラテン語にしてみて、私はどの文字がどの音に対応するのかを見つける必要がありました。この場合、歌手はクラシカルなラテン語にかんっぺきに一致してはいないと思います。なので、翻訳作業は若干大変でした。これがイントロで、あともう一文音楽と重なって音も長いので(?)わからなかった文章があります。面白いことに、Baucisというのはローマ・ギリシャの伝説にある人物のことです。 https://www.greekmythology.com/Myths/Mortals/Baucis/baucis.html

(Baucisについての解説、中略)

そしてBaucのCは彼の歌ではB-ou-chのように発音されています。よく聞いて、スピードを0.75~0.5倍速まで落として30分ぐらい聞くのが助けになります。そうするとあなたも彼がSHではなくCHの音で終わるのが聞こえると思います。とても弱いので聞き間違いかもしれませんが。

私は彼が教会で使われるラテン語で歌っているのではないかと思います。それで偏った翻訳になっているかもしれませんが、私はそれにたどり着いた時、橋を渡れると思いました(困難を解決できた!という感じ?)。

(略、以下聞き取ったラテン語についての解説)

Dramor: 私は1:43のところでMaribel (maribelle) という単語が聞こえます、でもただの私の想像かもしれない。私はこれはラテン語だと思ったけれど、スペイン語の発音しかしらないので解読は全然できなかった、音だけ。

Yukiko: 私だったらこれが開発された言語であるという仮説を完全に脇に追いやることはできないかな。私には、歌詞がクラシカルなラテン語であるようには思えない。例えばクラシカルなラテン語の聖人はsancutusでsaintじゃない。それが崩れたラテン語でのいくつかの形であるかどうかは私にはわからないけど... 実際私がわかった唯一の単語は最初の一文の二番目の節の最後のFodlànだけです。

SamsonSamurai(上に対する返信):そうかもしれない、ただ私が慣れているクラシカルなものではないけど、教会のラテン語に近いよ。多くの部分ではラテン語の単語をつかいながら、いくつかの文字は近代的な発音がなされている。変だ。

0 Def Cleric: 闇に蠢く者達はキリル文字をベースにしていたので、スラブ言語じゃないかな。

(中略)

General Luigi:ラテンはゲームの曲が英語や日本語でなかったときには、一番もっともらしい解だ、だから多分安全な賭けだろう。0 Def Clericの言ったものもありうるかもしれない。私はロシア語を音がわかるぐらいには喋るので、"bog" (神) や "narod" (人々)、あとは"-aya"という共通の形容詞の接尾辞が聞こえたよ。あとロシアや他のスラブ言語に存在する音素も聞こえたと思う。(ロシア語で "щ"で表現される音は該当する発音が英語にはない)シャンバラにキリル文字があることを考えると、ロシア語はもっともらしい。でもここにある別のポストを考慮すると、私のただの聞き間違いの可能性もある。他にも西側のキリル文字を使わないスラブ言語にある特定の音素も聞こえると思う(ロシアは東スラブで疑問文でその音素が欠ける)

AngKaiser:私にはフランス語で生命やストーリーに対応する"la vie" や "L'histoire"などの音が聞こえた。あと人々が意気揚々と叫ぶような「私はここにきたぞ!」のように聞こえるものもあった。どうも全員が少しずつ違う、別々の言語から来ている断片を聞いているようだ。このことから、私の示唆することは、この曲は実際異なる言語の異なる単語を組み合わせていたりしないだろうか?おそらくこの曲は金鹿ルートとクロードの野望(の特徴を)異なる言語を組み合わせることで表現しているんじゃないだろうか?もしそうだったら、作曲家はこりゃすごいな、一枚も二枚も上手だ。

(略)

Jey the Count: なるほど、そうかも。でも、これは確実にロシア語やスラブ言語、ラテン語でもないよ。私にはちんぷんかんぷんだよ。

(略)

SamsonSamurai: むー、あなたの説も"らしい"ね。私がこの曲を翻訳したいと思った理由の一部は、これがおそらくネメシスとつながりがあるからなんだ。イントロで、この曲のモチーフが彼が現れたときに流れるし、彼が復活する時もだ。だから、私はそこに何かつながりがあると思っている。伝承のようなものかも?十傑もとても興味深いし、私は彼らとセイロスがどうその伝承に関わってくるのか気になっている。

(略)

jonathx: (1) 私はクラシカルなものと教会で使われるラテン語方言を知っているけど、これはそのどちらでもないね。ラテン語を使う曲の大部分は伝統的に教会ラテン語を使う、あとクラシカルなものと違って英語やイタリア語のように強勢拍のリズムを持つから。クラシカルなラテンは真のシラブル長のアクセント構造で母音がより複雑になっている(子音に関しては教会ラテン語の方がより複雑だけど)(ここ、ラテン語を知らないので翻訳怪しいです。)これは、ビデオゲームに本当によくある"悪い"ラテン語の可能性もある。でも私には近代的なオペラのイタリア語のように聞こえるものがいくつかある。イタリア語を話さないので100%確かではないけど、でも終わりの音が確かにそうなっているものがある。ラテンやフランス語で説明できるかもしれないけど、全部ではないね。

(2) みんなの何人かはスラブ言語のように聞こえると言っているけど、ロシア語や他の一般的なものじゃないよね?おそらく教会のスラブ語で、それらはロシアのオーソドックスな教会のラテン語が元になっている。なぜならそれらは聖キリルが発明したキリル文字を利用した独自の言語で、ギリシャの聖書を翻訳するのに使われたんだ。
(3) 日本の作曲家はキャッチフレーズやタイトルを一つの言語にして、残りを他の言語にしたりすることに遠慮がない。これはJpopやKpopにあるレトリックで、他の音楽文化にも浸透している。これが、他の部分は全く英語ではないのに"Shattering Star" というのが聞こえる理由ではないかな。
(4) 繰り返しになるけど、FEヒーローズのテーマは英語だとわかった。ただ本当にひどい英語の発音で、素晴らしいオペラのように見せかけているんだ。私にはそんな風には聞こえないけど、でも歌手がその言語になれていなかった可能性もある。

(↓これです。この流れなら誰にも聞き取れない英語の可能性もあります。ただ神を屠る星はこの曲ほど対応する英単語を探すのが難しい気がします。)

例えば、こちらでは本文が英語であるものとして歌詞をつけているものがありました。しかし、見比べながら聞いてみると音がかなり露骨に違うので、こちらも個人的にはどうかな?と思っています(ミノルさんの配信動画でつけられていた歌詞はここからとったもののようです)。

Reddit上での議論

Redditではまた別の議論がなされています。とにかく音だけを落として、それを翻訳ソフトにかけて言語を推定するというもの。こちらが、音を抽出したというスレッド。

これらの音声をgoogle翻訳に投げたところ、ガリシア語(スペインのガリシア地方)やルーマニア語など、複数のロマンス諸語の言語が該当してきたとのことで、それに基づいて対応できた範囲で英語歌詞をつけたものがこちらだそうです。文章自体はかなりめちゃくちゃではあります。翻訳過程がわからないので妥当性についてはわかりませんが、書き出している音についてはほぼそのままだと思われます。↓の英語歌詞の翻訳だけおいておきます。合わない部分は想像で補って?つきで適宜かえておきました。具体的には、女神陣営に対して、「私」がネメシスの復活を喜ぶような文脈であるとして、女神陣営らしきところをお前、王への呼びかけらしきところをあなたにしてみました。

You dare not know. お前は知らないだろう。

Tell me that secret. The king of (おそらくfodra?)... will live! 私は秘密を教える。フォドラの王は、蘇る!

It will be gone. You're going to miss your laugh. Rarely do you save, I'm going to the king, if I see it. それはいなくなるだろう。お前はお前の笑みを失い、寂しく思うだろう。お前は助けることはない(人を助けない女神のこと?)。もしそれを私が見たならば、私は王の元へゆく。

It will go awry. You hate that, out of sight, you see it already. I will do you a favor. I live laughing. As you laugh. King of man. それは歪んでいくだろう。お前は見えないところで憎まれている?お前はすでにそれを知っているだろう。どうか願いが叶うよう?、私がこうして生きて笑い、あなたが笑うように、王その人よ(ここは全体的に脈絡がない)。

The day will come. その時は来た。

His king comes back straight. And then the false king. The false king will do it to you. You have goddesses alive and you have a king. 彼の王はまっすぐ戻ってきた。そして偽の王は、あなたにする?だろう。あなたは生きた神であり王となるのだ?。

O king, please I will laugh and you will give it to me. おお、王よ。私は笑うだろう。どうかそれを私の手に。


(若干アビスのネタバレになりますが)False godというのがアビスの書庫において、地上を滅ぼした「神ならざるもの」の英訳にあたるので、ここのFalse kingはおそらく王というよりは女神と女神陣営のことを指しているのではないでしょうか。

こちらも音だけ起こしたものをgoogleに投げてみたところ、同様にガリシア語(スペインのガリシア地方)とルーマニア語で意味のありそうな言葉が出てきたとのこと。

ただしこちらでも基本的には一つの言語で全て対応できるものは見つかっておらず、歌唱なのでそもそもうまく文章が検出できていないか、もしくはいくつかの言語の混合ではないか、という説が有力なようです。特に英語版ではFodlanとされていますが、日本語版に近いFodraという音に近い単語が聞こえることから、様々な言語が混ざっているのではないかという考察がなされています。後日時間ができたらこちらも翻訳します。

ネメシスとの関係

上の議論中にもあるように、私自身もこの曲はネメシスのことを主に指していると考えています。本編で実際に神殺しをしたのはネメシスだけですからね。なのでわざわざロシア語を使っている可能性は低く、それよりもネメシスの生きていた時代に使われていた言語がおそらく元になっているのではないでしょうか。今のフォドラがドイツやイタリアなどをモチーフにしていることからも、その古い形ということでラテン語などをメインに使っているのではないかなと思っています。(そうするとレア様は当時別の言葉でネメシスと喋っていたのでしょうか。もしや眷属の皆様はものすごいマルチリンガル...!?)

おわりに

というわけで以上、簡単にですが海外サイトでの議論をまとめてみました。結論としては、神を屠る星の歌詞の言語は「ラテン語やロマンス諸語などの成り立ちの古い言語を中心とした合成言語」が今のところ一番可能性が高そうだと思われます。もしくは発音をめちゃくちゃに崩した英語、というのもFEHの流れからありうるのかもしれません。

歌詞に関しては以下↓のページなどでphonixなどが起こされていますので、熱唱したい方はぜひご参考にどうぞ。サントラでまた何か情報が公開されたら、更新予定です。

記事内で参照したGoogle音声翻訳に関するredditスレッド

神を屠る星のメタルカバー こちらも概要欄にphonixが記載されています。めちゃくちゃかっこいい...!

余談

風花雪月内別のBGMのAwakeningとThe apex of the worldの呪文詠唱コーラスについても、何語か不明だそうです。ただ、毎回7つのシラブルに母音がついてまわるので、日本語なのではないか!?と言われています。私も聞き取ってみましたが、一部日本語らしいところもあれば、まったく聞き覚えのない部分もありました。

音を書き出してみましたが、意味の通りそうなものは最初の一文ぐらいでしょうか?コーラスは歌詞には載らない気がしますが、果たして意味がわかる日はくるのでしょうか...。

※サントラ発売後追記

風花雪月で発売されたサントラにおいて、「神を屠る星」及び「魂の高座」の原詞が公開されました。発売直後ですので内容はあげませんが、皆さんも↑を買ってチェックしていただければと思います。私が読み取った内容としては神を屠る星が「ネメシスが戦士たちを奮い立たせ神という名の獣(=ナバテアの民)からフォドラを取り戻すための歌」、魂の高座は「女神がフォドラを作り上げたが崩壊後に遠くに帰ってしまったことを嘆き、その帰還を待ち望む歌」と理解しました。前者は義憤を意味するギリシャ神話の女神ネメシスと対応するような内容で、後者に含まれる"常しえの夜"というキーワードも、北欧神話のフィムブルヴェト後に太陽と月がなくなってしまった世界との対応も感じられます。

サントラ情報により両者が一貫した意味のある歌であったことが明らかになったわけですが、一方で原詞とあるように実際の音については公開されておらず、この記事にまとめた"合成言語であるという仮説"を補強する情報であると考えられます。上述のように魂の高座は日本語のように音節が均等に存在し、一方で神を屠る星はラテン語系のような発音になるなど、用いられている言語の違いもナバテアとネメシスたちが異なる言語体系をとっていることを反映しているのかもしれません。詳細な内容考察については、後日また機会がありましたら別の記事などで公開予定です。

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