
HDF(血液透析濾過)とは?HDやHFとの違いをわかりやすく解説!
透析治療にはさまざまな方法がありますが、最近注目されているのがHDF(血液透析濾過)です。
これは、従来の血液透析(HD)や血液濾過(HF)の良いところを組み合わせた治療法です。
今回はHDFについて、特徴やメリット、患者さんへの影響などを詳しく解説していきます!
HDF(血液透析濾過)とは?
HDFは、HD(血液透析)とHF(血液濾過)の仕組みを組み合わせた治療法です。主に以下の特徴があります。
拡散(HDの仕組み)
血液中の低分子物質(尿素やクレアチニンなど)を拡散によって除去します。
濾過(HFの仕組み)
中分子物質(β2ミクログロブリンなど)を濾過で取り除きます。
置換液の使用
除去した血漿成分を補うために、清潔な置換液を体内に戻します。
つまり、HDFは「HDの拡散能力」と「HFの濾過能力」の両方を活用して、より効率的に体内の老廃物や毒素を除去する治療法です。
HDFのメリット
HDFには、従来のHDやHFにはない次のようなメリットがあります。
広範囲の毒素除去が可能
低分子毒素(尿素、クレアチニンなど)に加え、中分子毒素(β2ミクログロブリン、炎症性サイトカインなど)も効率よく除去できます。これにより、合併症の予防や症状の改善が期待されます。
合併症のリスク軽減
透析中の血圧低下や疲労感が軽減されることがあります。これは、体液バランスの調整がより適切に行われるためです。
QOL(生活の質)の向上
治療後の倦怠感が少ないことや、かゆみ、貧血、栄養状態の改善が報告されています。これにより、患者さんの日常生活がより快適になります。
HDFのデメリットや課題
一方で、HDFには以下のようなデメリットや課題もあります。
機器の複雑さ
HDFでは、HDやHFよりも高度な装置が必要です。また、医療スタッフの専門的な知識や技術が求められます。
コストが高い
HDFに使用する装置や消耗品は、HDに比べてコストが高い場合があります。
患者の適応
HDFはすべての透析患者さんに適しているわけではありません。個々の状態に応じて適応が判断されます。
HDやHFとの違いを比較

HDFが向いている患者さんとは?
HDFは、次のような患者さんに適していることがあります。
透析アミロイドーシスの予防・治療
β2ミクログロブリンの蓄積による透析アミロイドーシスを防ぐ効果があります。
炎症が強い患者
炎症性サイトカインの除去が期待できます。
長期透析患者
長期的な透析治療による合併症(かゆみ、骨関節障害など)の改善が期待されます。
まとめ
HDF(血液透析濾過)は、HDやHFの長所を組み合わせた画期的な治療法で、低分子毒素から中分子毒素まで幅広く除去できます。
その結果、患者さんのQOL向上や合併症予防に効果的とされています。
ただし、高度な技術やコスト面での課題もあるため、医療チームと相談しながら治療を進めることが重要です。
透析治療の進化により、患者さんの生活の質がさらに向上することを願っています!