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安倍時代とは何だったのか

2020年8月28日(金)夕刻、安倍首相が辞意を会見にて表明しました。

同日夜に「安倍時代とは何だったのか?」と、当会(立憲パートナーズ社会構想研究会、#社構研)でもオンライン会合をもち、座談会のように議論しました。

結果的に、他の報道各社からの解説にほぼ見受けられない、独創性ある視座の座談会になったと思われます。

一つのご参考にいただけましたら、幸いです。

みなさまにとって安倍時代とは何でしたか?

・安倍時代……この国の広い意味での「文化」が破壊された時代。恥知らずが大手を振ってまかり通るようになった時代。

・何気に、太平洋戦争と同じような気分でいました。アベノミクス=真珠湾奇襲で、最初のうちは羽振りがよかったけど、黒田バズーカ不発=ミッドウエー敗北‥‥あとは、転落の日々。今回の沖縄のGotoコロナ禍は、米軍沖縄上陸戦‥‥地方の疲弊は、米軍空爆。河井議員夫妻スキャンダルは、ヒロシマの‥‥北方領土もロシアにとられちゃった‥‥

・私はナチスが台頭してきた頃のドイツを連想しますね。ナチスの宣伝相ゲッペルスの思想に学んでいるのかと思うほど。

・弱い立場に置かれている人間からしたら悪政以外の何者でもないのです。先送りして見えないように隠してしまえば無いのと同じという政治を作り上げた罪は重いです。

・労働組合が弱くなり、最低賃金の引き上げが出来ていません。非正規雇用がますます増え、名ばかり個人事業者(個人契約)が、当たり前の世界に成った時、誰がこの弱い立場の人を守るのでしょうか。

・安倍政権とはなにか?ですか?🤔それは一言で言うと‥‥‥
地               獄

みなさまは、この7年8ヶ月で、なぜ戦後民主主義が根付かなかったとお感じですか?

・自浄作用が皆目できなかった。司法すら乗っ取られた。岸信介は国会前に集った人々が更迭しましたが、安倍首相はのうのうと日々を送り続けた。

・安倍政権はひとことでいうと「極右政権」だったと思うのです。保守ではない。日本の民主主義は上っ面だけだったから、すぐに化けの皮が剥がれた。

・バブル崩壊で、就職氷河期、とにかく経済を、と、”新自由主義”に魂を売った。その意味では、小泉さんの台頭からなので、21世紀からこっちは、安倍極右政権に向けて準備期間。トランプさん登場と一緒で、突然より必然。

・非自民非共産路線では巨大与党に対抗できませんから。非自民非共産で中で暴れまわるヒトを少数派として孤立させる時間が必要でした。

・極右の台頭は、世界的傾向でもあります。

・だから合流新党は”新自由主義経済”から抜けないと、同じことの繰り返しになっちゃうし、足抜けできたら、別の展望もありえる。

・ネオリベ(=新自由主義)との決別は、絶対条件のひとつですよね。

・ご案内の通り、ナチスは戦略があり司令塔が明確でした。安倍政権は司令塔がわからない。人形使いに踊らされて、7年8ヶ月原稿読みマシーンになり続けたとも見えるのです。同調圧力をうまく使って報道統制をしてアイヒマンたちが強権政治を茶坊主として支え続けたように見えるのです。戦前でも誰が政府の責任者かわからない。75年経っても日本は変わっていないと見えるのです…

・日本軍部も、ヒトラー氏のようなカリスマは不在で。一時期、それが昭和天皇さんだったのじゃないかと勘違いしていた節がありますが。大本営による、集団指導体制で、”船、奈落に落ちる”の図:で、今、官邸=大本営、独裁・・国会より閣議決定が尊重されちゃう。

・変わるチャンスがあったのに、変われなかったのですね。

・テレビでみましたが、「次の総理はツイッターで一般人と仲良くしてる河野太郎がいいと思います!」と言っちゃう大人がいる現状はお寒い限り。

・ヒトラーは確かにカリスマでしたが、ヒトラーというひとりの個人がドイツを破滅させたわけではない。ヒトラーはやはりドイツが産んだ鬼っ子でした。ドイツはそのことを骨身に染みてわかっていると思う。

・そして、新自由主義が促進剤になってしまったのかもしれません… 格差で利権に群がるしかなくなり、強権がより支持されてしまう。

・歴史は揺り返す。だから、まっとうな政治、経済に戻すしかないわけで。

・だからドイツは、二度とヒトラー的な存在を生み出さないことに神経を使っている。日本はそういう点、甘いんですよね。

・ドイツは歴史修正主義と戦後国民の総意で戦い続けてますよね。日本とは覚悟があまりにも違いすぎる。

・小泉時代からの助走があり、この7年8ヶ月は必然だったという社会構造的な議論の深みに、戦慄しています。…そして、ここからの解毒は簡単ではない…

・安倍首相だってよく見れば中身空っぽのカカシですけれど、日本スゴイのいわゆるネトウヨから見れば立派なカリスマ。

・赤字国債増刷の、麻薬中毒になってますから。

・ヒトラーだって当時の文献読むと、自分からいろいろ指示命令してるというより、周囲が忖度したり、祭り上げたりしてるんですよね。

・目に見えない敗戦・・・経済的には、今の日本は焦土です。

焦土

・「焦土の焼け野原からどう復興するか」という問いから今からの日本はやっていかねばならないのか…

・前回は、自公政権の尻拭いをしたのに、民主政権が日本をだめにしたってプロパガンダにやられちゃった。

・応仁の乱の終盤はこんなかんじだったんだろうなぁ

・どうでしょう、1945年の敗戦後の焦土の時は、だれもが生き残れたことに感謝しようと、戦後民主主義に心から一致して熱狂して8割9割のお化けみたいな投票率も見られました。誰もが貧しかったが、誰もが希望を持っていた。今は分断が進み、難易度が相当高い…

・どっちにしろやるかやらないかの二択ですからね。

・ええ、難易度高いですね。

・幸いなことに、インフラは残っています。でも、国民は重度の国債麻薬中毒。ここから意思を持ってやり直せるのか。

・政治界隈と違って、民間では新自由主義に全く疑いを持っていないサラリーマンや経営者が大多数です。稼げないのは自分が悪いと自己責任で、感染したのも本人が悪いと叩きます。新自由主義マインドが日本各地に浸透してしまった…

・もうひとつ、極右的な思想が勢いをつけていますから、これをどうやって一掃するか。最近『白人ナショナリズム』って本読んで、その話を少しツイートもしたのですが、アメリカ社会も極右の台頭で分断され、病んでいる。

・まっとうな日本復興の中で、国民運動になれば、合流新党が第一党に・・ということで

・アメリカの病みを私を感じます。長年穏健なリベラルな人々がトランプはよくやっていると支持してしまう。プロパガンダ政治が社会を病ませてしまう。

・”稼げないのは自分が悪い”は”稼いだ金は全部俺のもの”の裏返し。だから、今の経済でトップ行っている人が、違うというわけがないっす。

・本当は労組が全部まとまればいいんでしょうけどね昔みたいに。

・日本だと昔は”会社のみんなで稼いだ金”という意識があり、欧米は、だから儲けた金を社会還元するという寄付意識があった。

・トップ行ってる人が違うといわないのはわかりますが、問題は踏みつけられた側もそれに頷いてしまっていること。

小泉時代に輸入された新自由主義が助走となり、7年8ヶ月で戦争状態となり、だが1945年と違い、「敗戦処理やるぞ」と日本に住む全員で一致団結できる状況にもない。困りましたね… どうしたらいいものか…

・共産主義というとまた、アレかもしれませんが、新しい労働運動は不可欠で。

・社民党が合流すれば少なくとも連合と全労連は合流なり連携は可能になるのでは。

・やはり一歩一歩、「この道じゃない道もある」ことを明快に示していくほかないですね。繋がりを拡げながら。

・新自由主義経済のマジックで、虐げられている人も、”そうだよな~”と洗脳されている。マルクスさんは、その意識に風穴を開けて、”搾取されとるんじゃ~~目をさまさんかい”とやったのは事実。ところが、共産党独裁国家といいだして、おかしくなっちゃった。赤い全体主義帝国を作っちまった。

・今日安倍は他の方法はないかと思い全てのことをやってきたというけど『この道しかない』と言ってたのはどこのお前だよと。

・「新自由主義の洗脳から目を覚まそう」からか…

・それと……しつこいですけど、極右的なプロパガンダに対しては、きっちりノウを示していく必要があると思います。アホなこと言ってるなーと笑ってると、必ず足を掬われる。

・極右的なプロパガンダは、プロレスのように人々を熱狂させてしまう。その魔力が社会を覆ってしまう。

・あの、川に子供を流すようなのをやっているのが、新自由主義経済だ、ということで。

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(出典:https://www.unitedwayslo.org/our-work。当会の2018年提言 https://www.slideshare.net/ssuser51024a/20181225-178662021
でもP23で紹介しました。)

・私としては、立憲は極右に対する姿勢が少し甘い気がするんです。左翼と言われたくない……からかも知れませんが。極右って言うのは、右とか左とかの枠をはみ出した過激派だとはっきり認識してほしい。

・”新”と銘打っているけど、実際は百年前に労働運動で否定された、金持ち優先の経済学に過ぎないんですよね

・…洗脳を解いてもらうために話を聞いてもらえるようにするには、社会の広範の人々に「お互いもっと話し合って、理解し合おうよ」というかなり地道なところからやることが不可欠になりますなあ… でもこれこそが民主主義なのか…

・ “極右って言うのは、右とか左とかの枠をはみ出した過激派だとはっきり認識してほしい” 強く同意です。立憲は優等生ぶりすぎず、毅然とすべきと思います。

・合流新党だって、”新自由主義経済”で政策作れば、同じ失敗をするだけです。

・「極右は社会を壊す」と、実際、7年8ヶ月で壊れた体験をし、学ばねばです… おっしゃる通りで、新自由主義経済をもし立憲が志向し始めたら、必然的に同じ失敗に陥ると思います…

・新自由主義経済でうまく行っているように見える国も、結局、分断国家になっちゃってる。

・合流新党に対しては、危うさを感じてもいます……。新自由主義経済に対して否定的てとは思えない人も混じりそうで。

・分断の反対なら絆の再建。枝野さんたちがやろうとしたのは、政治家と市民の絆の再建。企業とかは労使の絆の再建。

・産別の動きも気になるしまとめるのはちょっと無理そう。

・労働者の絆の再建=新しい労働運動。

・労働者側は、自分が弱いけど、無力じゃないと再確認すること。

・「微力だけれど無力じゃない」。わっ、都知事選思い出した。

・微力だけれど無力じゃない!!!^^

・あの宇都宮メッセージはとてもよかった。

・結局、処方箋はそう多くはないはずなので。

今回の座談会のまとめ

「安倍時代とは何だったのか」との問いへの答えは、一言ではとても語りつくせず、しかも十人十色かと思います。ですが、当会メンバーが今回の議論で、「経済的には、今の日本は焦土です」「新自由主義は強権政治やプロパガンダを誘発」等と、強い危機意識を相次ぎ表明していたことが印象に残りました。

さらには、「立憲は極右に対する姿勢が少し甘い気がする。極右って言うのは、右とか左とかの枠をはみ出した過激派だとはっきり認識してほしい」等の立憲に苦い薬の指摘もありました。

そして、1945年の敗戦の焼け野原から「みんな貧しい。みんなで希望を持とう」と一致できた復興と違い、今は分断が進んでいます。ですが、その分断の根本に新自由主義があることの気づきはまだ日本社会に広がってはいません。

「お互いもっと話し合って、理解し合おうよ」というかなり地道なところからやることが不可欠になり、でもこれこそが民主主義の土壌づくりなのかもしれません。

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