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『大差が生まれるメカニズム』雑感400_80

毎日の読書から、だいたい400文字の雑感を。

勝者は人からエキスパートと呼ばれていても、自分にはまだ学ぶべきことがあることを知っている。敗者は自分がいかに無知な人間かを知りもしないくせに、人からエキスパートと呼ばれたがる。

実るほど頭を垂れる稲穂かな
The more noble, the more humble.(高貴な人はつつましい)

言語を越えて、似たような意味の言葉があることから、分野を問わず実力者ほど謙虚であることが多い。なぜか。

1つには、知性や技能を磨き込む過程で人間的にも磨かれることもあるだろう。ただ私は、もう1つの理由を押したい。それは、本気で自分を未熟だと思っているのだ。

概念的で恐縮だが、100の実力者には1000がイメージできる。さらに100まで到達した人は、現状に満足しない。900の差を認識し、自分の未熟さを知り、自然と謙虚な姿勢になる。

逆に、10の人は100まではイメージできるが、目指そうとは思わない。なんとか現状を維持するために「いかに10がすごいか」を説く。100の実力者の視界や心持ちが想定できず、「あの人は謙虚だ」と持ち上げる(が、実力者は自分を謙虚だと思っていないのでピンこない)。

これが、素材に差がないはずの人間の生き方に、大差が生まれるメカニズムのひとつだ。


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