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時々社外の人と話す効果(セルフ・キャリアドック)

労働力人口が減って人材獲得が難しくなってきている中で、動機づけや定着の手法として上司と部下の面談に注目が集まっています。大手企業が制度化して1on1などと言って、それに対していろいろな人がいろいろな解釈をつけていますが、よくよく内容を見てみると昔から日本の中小企業で当たり前にやっていることで、特別なことではありません。会社が大きくなり人が多くなると制度化しないとできなくなってくるということなのでしょうね。いずれにせよ、こうした取り組みは「人」という資源をきちんと見直そうという動きで良いことだと思います。

実は、国で長年進めているキャリアコンサルティング面談「セルフ・キャリアドック」というものがあります。私は社内面談に加えて、こうした外部の面談も併用していただくと良いのではないかと思っています。「セルフ・キャリアドック」はこれまでの経緯がいろいろあって、あまり知られていないのと、助成金の扱いが二転三転して批判もあるのですが、使い方によっては良く機能している例もあるのです。

簡単にご紹介しますと、これは外部のキャリアコンサルタントが従業員の方との面談を定期的に行い、従業員の方ご本人がそれをデータベースとして記録していく方法です。もしかしたら昔とやり方が変わっているかもしれませんが、私が知る限りでは、この制度のこのポイントは以下のようなものです(個人的解釈です。誤りがあったらごめんなさい)。

1:上司やコンサルが記録を管理しない。
本人の内面的なものは本人にしかわかりません。ただ他の人と話すことで再確認したり変わったりしていくものがあり、それはプライベートな情報になります。セルフ・キャリアドックはあくまでも管理は自分自身で主体的に行うことになっています。

2:社外の資格者が面談することで、社内で話せないことも相談できる(本人にとってのメリット)
例えば転職を考えている社員はなかなか社内に相談することができずにいますが、そのままだとその原因にアプローチできず、問題が大きくなってから黙って辞める場合もあります。ところが外の人と話すことでその原因が客観的に整理でき、自分自身の思い込みにも気づき、定着できることがあります。

3:全体傾向のフィードバックができる(会社にとってのメリット)
内部だけのレビューでは、人事評価の参考や職場での目先の改善しかならないことが多いのですが、外部の視点では、より広い視野に立つことができます。組織全体の傾向やしくみの部分について客観的なフィードバックが期待できます。

私の知っている例では、相談したい従業員が社内の人に相談するか外部の人に相談するかを選べるようになっていて、随時面談日を設けています。定着にも業績向上にも非常に良い効果が出ています。ご興味のある方はぜひ「セルフ・キャリアドック」で検索してみてください。

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