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今日という日

今日という日は私にとって大切な日だった


時を遡って 2021.8.11

私は大切なお店の有終の美ためにイベントを開催した。

【銀平プロレスファイナル】

店主が言い始めた訳でもないのに、札幌のプロレスファンの聖地と言われた《たこ焼きバル銀平》というお店で開かれたそのイベントは、過去開かれた『銀平プロレス』とは全く別のものだった。

それもそのはず。
 過去の『銀平プロレス』のイベントには私は一切関わっていなかった。

ただ、今回ばかりは。

銀平が閉店するとわかったからには、自分に出来る精一杯の恩返しがこのお店にしたかった。

思い立ったら行動するまで鬼早いのが私である。

その場にいた銀平プロレスの顔でもある《吉田考志選手》とともに色んな人に連絡して、出場選手にオファーしていく。

あっという間に道内外から決まる出場選手に、同席していた友人は少し混乱していた。

「あ、こんな感じで決まってくんだなーって」

後に聞いた彼の感想である。


そう、いざ行動し始めると早いのだ。


やりたいことは決まっていたのだから。


銀平で、銀平に縁ある選手による、銀平のための、銀平と銀平のお客さんに感謝を伝えるプロレス!


なんと居酒屋の店内でそれは行われた。


すごい格好でカットインしている私のことは触れないで欲しい。


場所が場所だし時期が時期だけに人数は限られた。

それでも早いうちにソールドアウト。

当日も大いに盛り上がり店主の男泣きも見れて、大成功のうちにイベントは終わったと自負している。


吉田考志 選手
入江茂弘 選手
熊吉 選手
アグー 選手
ライチ リングアナウンサー/レフリー


この5人がここでしかできない
プロレスの良さを引き出した
本当に素晴らしい素晴らしい試合をしてくれたのである。


そして、この5人の名前を見てピンと来た方もいるかもしれないが、この5人全員が吉田考志選手の15周年記念自主興行に出場している。

今日はあの日の感動を再び肌で感じられる日だったのだ。


とにかくとにかくこの日を楽しみにしていた。


あの日が縁でマッチメイクされた

入江茂弘 vs 熊吉
(特別リングアナ ライチさん)

の試合に関しては決まった直後からスポンサードを申し出ていたくらいだ。



ーーなのに今日の私と来たらどうだろう。


空虚に病室の天井を見つめている。



そう、まさかの直前に入院である。


週の頭にごく簡単な手術をしたのだが、術後の経過が悪く感染症を起こし高熱が下がらず朦朧とする意識の中なんとか病院に行こうとして階段から…


記憶があるのはここまで。

気づいたら腕に繋がれた点滴に大嫌いな酸素マスク、定期的に血圧計に締め付けられる二の腕


(え、ここどこ???)


救急車の記憶は全くないし、階段から落ちてる途中の記憶もほぼ無い。


ただ、ちょっとだけほんとちょっとだけ放置してたら命が危なかったらしいので生きてて良かったと周りに泣かれた(多分)


もちろん観戦など行けるはずもなく、吉田選手にも一緒にスポンサードしてくれた仲間にも迷惑をかけてしまい、本当に何をやっているのか。


申し訳ない気持ちばかりが頭をぐるぐる駆け巡る。



入院中の病室というのはいつも無力感に襲われるものだけど、ここまで酷い無力感に襲われたのは始めてだ。



だから、こんなもやもやをnoteに書いているんだろうけど。


会いたい人たちもたくさんいたのに、個室で1人スマホをぽちぽちしている。



失望されたかもしれないと不安な指先が震えるが、周りは驚くほどに優しい。


それはそうだ。


こんな私と仲良くしてくれているんだから、相当に心が広いに決まっているのだ。



元気になったらみんなに大会の話を沢山聞きにいこう。

きっと、最高だっただろう大会の話を。


何時間でも盛り上がれるに違いない。



銀平は、そんな仲間を作ってくれたかけがえのない場所だったのだ。


色んな思い出が次々と浮かんできては、笑みがこぼれてしまう。


あの場所があったから。

あの店主がいてくれたから。

みんながいてくれたから。


ありがとうだけじゃ足りないね?



きっといつまでも思うだろう。



あの場所を恋しいと。


そんな場所を近く感じられる…


今日は私にとって大切な日だった。


あの日も今日も取り返すことは出来ない。


ただ、これからもあの場所での思い出、出会いを胸に前に進むだけ。


改めてありったけの感謝を。



吉田選手15周年おめでとうございます。

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