皐月賞 2020
3歳牡馬クラシック第1弾
舞台は中山芝2000m。3回中山開催の最終日に開催される。
ゴール前の急坂を2回越えることになるのでパワーとスタミナの要求値はダービー、菊花賞よりも高い。直線は310mと中央場所の直線距離としては最も短く、最後に急坂こそあるが前が止まらずコーナリング性能や器用さが求められる傾向にある。そのため過去10年(東京開催を除く)で4角11番手以下から勝利した馬は1頭もいない(ただし、2012年は前日の不良馬場もあってほとんどの馬が内を避け外を回して空いた内をつけたことでゴルシはポジションをあげることができた。)ので中団より前目につけれる馬を重視したほうがよい。(道悪なら尚更だが)
血統においては最も安定感があるのはディープ産駒。16・17年と2年連続で優勝馬を輩出、16年は1-3着を独占しており他を圧倒している。
ディープ産駒以外ではキンカメ産駒が13〜15年で馬券に絡んでいてそれ以降も出走していれば5着以内には毎年好走馬を出している。
ちなみに17年3着のダンビュライト、19年1着のサートゥルナーリアはそれぞれキンカメ直仔のルーラーシップとカナロアの仔であるからしてその点も頭に入れてはおきたい。
今年は土曜日が不良馬場だったため明日の馬場状態がかなり明暗を分けそうだが2012年開催でも前日不良馬場から当日は稍重まで回復しており、さらに2014年には水捌けを良くするための改修工事も施しているので稍重くらいまでは回復してくる見込みで予想を立てた。
ステップレース
弥生賞(重) 2.02.9 1着サトノフラッグ
スプリングS(良) 1.49.8 1着ガロアクリーク
ホープフルS(良) 2.01.4 1着コントレイル
共同通信杯(稍) 1.49.6 1着ダーリントンホール
◎ヴェルトライゼンデ
前走のスプリングSでは恐らく苦手な4秒近くの超瞬発力戦で負けただけでそこまで悲観する内容ではないしホープフルでは今回と同舞台でコントレイルに完敗したように思うが道中のポジションの差がそのまま着差として表れておりそこからトライアルを使った上積みやラップ、馬場適性で逆転もあるのでは。
持続ラップはホープフル、道悪は新馬・萩Sで経験積みだし1800mからの延長ローテも過去の傾向に合致する。
2分台のレースタイムになりそうなのもこの馬には追い風。
血統面も非常に優秀で父ドリームジャーニーは皐月賞こそ出遅れて不発も朝日杯や有馬を制しており中山実績はあるし、種牡馬としても産駒が中山芝2000mで複勝率40%と相性はいい。
道悪に関しても馬場が悪いほど複勝率をあげており問題なし。
半兄のワールドエースが道悪の皐月賞2着、ワールドプレミアも有馬3着と後押し。
馬券外に負けるとしたら父のように出遅れて届かないパターンか上がり勝負となったときだろう。近年の傾向からいくとこの馬が一番3冠に近い?
○サトノフラッグ
弥生賞の評価が難しくて重馬場発表ではあったがタイム的にも稍重くらいではあったと思うので重馬場を圧勝というのは少し違う。メンバーレベルもそこまで。
それでも道中捲くって上がり最速というのは評価。その器用さ、機動力はこのレースにおいて武器になる。
また例年と違って馬場もあるがペースが流れてくれたのはいい。まさに前哨戦という感じだった。
新馬戦で瞬発力勝負で完敗しているのもいい。
血統も父ディープインパクト。ディープ×ノットフォーセールはダノンファンタジーと同じだがこちらは母系がスタミナ豊富で母母父がダマスカス系でパワーもある。リファールのクロスでしぶとさを出していてバランスのいい万能型ディープという感じか。ヴェルトライゼンデと同じくキレ味勝負にならない限りは好走必至。
▲クリスタルブラック
3番手はこの馬にした。
京成杯は中盤からラップ差1秒以内で流れたレースで1枠から後方集団まで控えて直線大外一気で上がりは他馬を圧倒しての上がり最速で1着。
今回は6枠で前走よりはいいポジションで競馬ができそうだし前走はまだまだ遊びながら走っていた。最終追い切りが緩いのは気になるが順調に仕上げてきており、精神面での成長力があれば尚向上。冒頭でも少し触れたがクラッシク主流血統の孫世代も好走傾向にあり本馬の父がディープインパクト産駒のキズナ。新興勢力では2歳リーディング最上位の勢いそのままに先週のマルターズディオサの仇討ちなるか。
血統面でも母系にタイキシャトルが入るのはアブレイズと同じ、母系にカーリアンが入るのはマルターズと同じでよりストームキャットのスピードを増幅した配合で2頭よりも更に奥深い。機動力、小回り適性を増すヘイローのクロスがあり母母父がロベルト系血統面では上位。差しが届く展開なら。
☆テンピン
まー恐らく馬場が土曜のままということはまずないだろうがこの日はフレンチデピュテイ内包馬が激走。芝レースは障害を除き4レース行われたが4レースでは1着馬、5レース1着馬、6レース2.3着馬、9レース1.3着馬がフレンチデピュテイを内包していた。12頭中実に半分の6頭である。なんなら中山GJの2着馬はフレンチデピュテイと同じヴァイスリージェント系、3着馬はフレンチデピュテイ内包馬だった。新馬勝ちの1戦のみでここに出走できた運もある。大波乱に期待。
相手は4.12.13.14.16.18で紐荒れに期待。
上位評価3頭を1.2列目→残りを相手で。
おまけ
3強と言われる残り2頭について
コントレイル
まず皐月賞と極めて相性の悪い1枠1番。勝馬はナリタブライアン以来出ていない。鞍上が福永Jで詰まるという見立ての人が多いだろうが福永J自身の1枠成績は意外にいい。詰まるという理由で消してしまうと、、、
血統の話になるがこの馬はディープ×アンブライドルズソング×ストームキャットという黄金配合でさらに母系のクロスでそれらを増幅させるまさに高速馬場高速ラップの鬼という配合で非主流な展開になるともろくなりそう。
東スポ杯こそラップで見れば中盤からは流れているがかなり時計の出る馬場で前後半で見ると3秒もの後傾ラップで適性を存分に発揮した形だとみる。タフな流れ、馬場に対応し1枠を克服とクリアしなければいけないハードルは高い。
サリオス
こちらはコントレイルと違ってペースや展開にはあまり左右はされないだろう。
スローでもハイでもしっかり結果を残していて前走は秀逸。前半3ハロンは過去5年で最速の33.8でそこからの4ハロンが0.2秒以内が続く一切緩まないハイペース。掲示板に載った馬が中団〜後方に控えていた差しが完全有利の流れを3番手追走から押し切り勝ち。先行集団がこの馬以外大敗している。
今回は前走より道中のペースが緩くなるだろうし、延長ローテもハーツ産駒はいいのだが過去1600から一気の延長で馬券内にきたのはペルシアンナイトのみ。
さらに血統面でも上記の通りハーツ産駒の距離延長ローテは○だがこの馬自身がそれに該当するかどうか。
半兄・半姉でデビューしている3頭はともに父がディープで3頭ともベストは芝1600。連対経験は1800までしかない。サラキアが2000mのオクトーバーSで3着に来ているがかなりのスローで2000mをこなせるとは言い難い。そしてハーツ産駒が晩成傾向にあるのはトモの緩さが原因でダッシュ力が乏しいためトモが完成してからが競争能力を本領発揮できるというのが通説だが、サリオスはデインヒルが前面に出た馬体をしておりトモは既にパンパン。立ち姿もよく似ている。デインヒルは種牡馬としては距離のレンジに富んだ産駒を輩出しているが自身はスプリンター。前走がまさにスプリントのような流れを制しており、適性はスプリント〜マイルにある可能性が高い。
母父がバーデン大賞1着やドイツダービー2着の中距離馬で母サロミナはドイツオークス馬なら距離もこなせる可能性があるが兄姉に距離の壁があり人気してる以上高い評価は避けたい。
良寄りの稍重まで回復すれば紐で一考。2000mがこなせれば2400mまでこなせるだろう。
追記:馬場がかなり乾いたので道悪は関係ない、、、
2分は切らないだろうけど時計が掛かるとみて評価を上げた馬はいらない。
内も伸びないので外を通す馬を見直し。
サリオスもこの馬場なら。
本命対抗そのまま相手に7.11.16の5頭で。
結果
1着 コントレイル
2着 サリオス
3着 ガロアクリーク
コントレイルは馬場が完全に回復した上道中内で溜めて外に出して圧勝。
実況と同じく内で包まれたと思ったらいつのまにか外に持ち出していた。
ここまでのパフォーマンスを出せるとは思っていなかった。ダービーでは評価をしっかり見直したい。
サリオスは結果からいうと距離をこなせなし、コースも問題なかった。ハーツ産駒史上最高なのかもしれない。2000をこなせたなら血統的には2400も問題ないはず。スワーヴやワンアンドオンリーのように東京2400でも期待かな。
ガロアクリークはこの外がすごい伸びる馬場なら直線だけでかなり前と詰めれる瞬発力はあると評価していたので想定内。
本命のヴェルトライゼンデは伸びな内を突いたこともあるがキレ負け。伸びなかった。
対抗サトノフラッグは直線入ったところでルメールが手応えで敵わなかったのか追わなかった。