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アンチョビ君の話①

今日はアンチョビ君の話をします。


■アンチョビ君とは……

月刊コロコロで連載していた『コロッケ!』
週刊コロコロで連載中の『コロッケ!BLACK LABEL』
に登場するキャラクターです。

カシバトルの月刊から週刊への移籍とはまた全く経緯が違いますが、『コロッケ!』も、月刊で連載していた作品が、週刊での連載になったものです。
ちなみに、新作の更新は月一です。

大前提として、わたしはアンチョビ君のことが大好きでファンアートを描いています!

ぜひ! 原作をお読みいただきたい!

……と、お勧めしたい気持ちは満載なのですが、なんと既刊が21冊もある長期連載作品であり、基本的に内容が続き物です。しかも、アンチョビ君はほぼ全編に渡って登場します。
ごめん! これだけもう身もふたもないこと言わせて!

完全新規さんにどうやって勧めたらいいか、わたしにも分からないの!!!

なので、もうこれはわたしに出来ることをしよう、アンチョビ君についてだけとことん紹介しよう、と相成りました。
ネタバレどころか、彼について公式で開示されている情報を、わたしなりの解釈で語る記事であること、予めご承知おきください。
原作を読んでくれることが一番嬉しいのですが、この記事の存在意義としては、『興味はあるけど、まだもうちょっと知りたいな』という方向けの記事です。
あとは、わたし自身が好きなキャラについて綴ってある文章を読むのが大好きなので、わたしのようなとにかく語りを読みたい奇特な方向けです。ハハハ、よく来たな、ありがとう。

■原作について

出来るだけざっくり説明します。

・ジャンル

ギャグ×バトル×牧歌的なファンタジー

・世界観

バンカーと呼ばれる冒険者がたくさんいるよ! バンカーはみんな、それぞれ特殊能力を持っているよ!
禁貨(きんか)と呼ばれるコイン型のアイテムを、貯金箱(バンク)と呼ばれるアイテムいっぱいに集めると、魔神が出てきて何でも願いを一つ叶えてもらえるよ!
バンカー同士はバトルして、禁貨を奪い合うよ!
キャラの名前はみんな食べ物由来だよ!

■原作を無料で読めるページ

今、アンチョビ君が出てくる、且つ、公式様で無料で読めるページの紹介です。
アンチョビ君が、立ち位置としては『主人公の裏のライバル』といったものなので、全編を通して登場頻度が高いキャラです。
特に、第16話、第32話は掲載期限があるので、ぜひ読んで頂きたいです。

・『コロッケ!BLACK LABEL』第4話

『コロッケ!BLACK LABEL』での、アンチョビ君初登場回。主人公コロッケとバトルします。
小学生くらいの幼い姿から、成長した姿が初めて描かれた回でもあります。
一人でパン屋を経営し、町の人たちからは『イケメン店長』と慕われる一方、アンチョビ君は裏でバンカーと呼ばれる異能力者たちを殺し続けていました。己もバンカーでありながら。

『戦うことで、平和に導こうなんて無理なんだよ…』

『おろかな戦いをくり返すバンカーなんて…、もういらない!!!』

相反する彼の想い。
父と兄を戦いで失った過去と、自身もまた、多くの暴力を振るってきた過去を持つ彼は、苦悩の末、『全てのバンカーを消す』という信念を掲げる至ったのです。
全てのバンカー……、彼は明言していませんが、彼もバンカーである以上、それは自身も、そして、同じくバンカーである家族さえも、含まれていたのではないでしょうか。
この点が、わたしがアンチョビ君を最初に好きになった点です。

『ああ、この子は、自分の死を着地点に定めながら、見知らぬ人の未来の為に尽力し続けられる子なんだ……!!』

感動しました。
誤解されたとしても正義を貫く、という訳ではないのです。そもそも彼は、一度も『自分が正義である』ことを語りません。自分のやっていることの善悪の議論にすら興味はなく、一人で全て背負う、全ての決着を一人で付ける意志がある。
そして、『イケメン店長』と呼ばれ、町の人に慕われる存在になったにも関わらず、その意志は揺らがなかったこと。
その意志の強さに、惹かれずにはいられませんでした。

余談として。
途中、アンチョビ君は、敵を欺く為に、パン屋さんの女性店員として登場します。
可愛い容姿と、敬語での接客。完全なる他者を演じる程に、自分を分離させられるようなところも大好きです。

・『コロッケ!BLACK LABEL』第16話

第4話で戦った主人公と、再び戦う回。
次の王様を決める大会に集まるバンカーたち。その大会は、実質、次の世界の支配者を決める大会でした。
アンチョビ君はそこに参加することで、数多のバンカーを殺し続けます。
そこで再会した主人公コロッケとの真っ向からのバトル。アンチョビ君にとっては、因縁の相手であり、真っ向から対立する思想の相手でもあります。

『バンカーの世界を終わらせるのがボクの使命!!』

という言葉は、皮肉にも、彼の中にもバンカーとしての闘争本能があることを示しています。
バトルは、完全にアンチョビ君に分がありました。けれど、アンチョビ君は、自ら命を絶つことを選びます。
死ななくてもよかった筈です。コロッケは決して、アンチョビ君のこれまでの行いを責めるような子ではありません。けれど、アンチョビ君は死を選びました。
ここにも、アンチョビ君の意志の強さを感じて、大好きになりました。
そして、最後のコマの安らかな表情。ここまで彼が穏やかな顔をしたのは、初めてのことでした。
こうまでしないと、彼に安寧がないことにも、強く魅力を感じました。

・『コロッケ!BLACK LABEL』第32話

アンチョビ君が、兄カラスミと再会する回。
第16話後、アンチョビ君は、能力を吸収することが出来るバンカーに、身体ごと取り込まれてしまいます。
しかし、そこにはカラスミもいて、やはり思想の違いから、真っ向から衝突することになります。
いつか、一緒に暮らしたいと願い続けた最愛の兄との本気の殺し合い。

ちょっとこれ第30話から三話連続でアンチョビ君が活躍してるので、これに関してはそちらも読んでほしいけど、なんとまだ単行本未収録で……なんでや……プレゼンできひんやろがい……。

・『コロッケ!』第1話

時間はかなり遡ります。
姿は違うものの、アンチョビ君初登場回。
何と第一話からアンチョビ君は登場します。
その姿は、『黒マントの男』と呼称される怪しげな様子で、明確な『悪』の立ち位置を取る彼は、『BLACK LABEL』の彼とは全く思想が異なります。

わたしはリアルタイムで読んでいた頃、彼が怖くてならなかったです。
この話の後も、彼はコロッケを苦しめ続けますが、子供ながらに『こんな敵倒せない』という絶望を感じる展開だったからです。
でも、今は、こんな過去がある彼だからこそ、彼の信念と言動に重い意味が付与されるのだと思っています。

■クロスオーバーでの彼

そもそも何故、『運命の巻戻士』とのクロスオーバーを描こうと思ったのか?
着想に至った経緯はあります。それは……

帯付き第5巻

彼に付与されていた表現が『運命のアンチョビ』だったからです。色々ありますが、これが一番大きい。
わたしが描いているクロスオーバー漫画は、まだ24ページしかないですが、お話としてはまだまだ続くと思います。というか、文字プロットがまだ大量にあります。
自分が描く漫画のネタバレもどうかと思いながら、アンチョビ君にはきっと、やり直したい過去や、失いたくなかった命が、沢山あるのだと思います。彼はきっと認めないだろうけれど……。
しかし、どの道、それを実現する術が、元の世界には存在しない。いいえ、禁貨を集めて魔神に願えば、実現するのかも知れませんが、その所為で新たな争いが起こることを彼は知っています。
『自分だけ良ければそれでいい』きっとそんな風には思えないのが彼です。
そんな中での異世界トリップ。アンチョビ君のことを知る人は一人もいません。そして、時間を巻き戻して人を救うことが、物理的に可能な世界。更に何より、不器用だけどお節介な少年クロノ君との出会い。
『コロッケ!』の世界にも、不器用でお節介なキャラは沢山いました。けれど、アンチョビ君と同じタイプというか……同じステージに立って話が出来る人物がほとんどいなかったように思っています。
だから、クロノ君のような、『不器用だけど人の話を聞きたいし、頼まれてなくても人を助けてしまう子』の存在は、アンチョビ君にとって何より必要な存在だと思いました。
けれど、一方的に支えるだけではありません。
その辺りも、次回以降の更新で描けたら良いなと思っています。
また。
クロノ君の、のんびりしてる訳じゃないけれど、人よりワンターン置いたような喋り方。けれど、真面目過ぎるくらい真面目なところ。
アンチョビ君の、必ずしも本心ではない言い方、けれど相手の本質を、どうしても嫌味な口調で言ってしまう饒舌な性格。社交的に振る舞うことが出来るのに、大切な人の前でそれをしない(虚構の自分のように思っている?)ところ。
何より。
最愛の家族を失う痛みと絶望を知っており、自分の望みの為に命を賭けて尽力し続けるという共通点。
この二人の違いと共通点、それから、詳細なバックグラウンドと世界観、彼らの現状の願いと、持ち得る可能性のある新たな希望。
クロスオーバーは二次創作で、全てがファンによる妄想と空想と捏造なんだけれど、クロノ君とアンチョビ君の魅力的だと思っているところを、わたしなりに表現できたらいいなと思って描いています。

■宣伝

『コロッケ!BLACK LABEL』最新第6巻は、イラスト付きサイン色紙の抽選企画が開催中です。
なんと、当選者は、希望のキャラをカラーで描いていただけます。

宣伝とか書いたけど、まじでアフィリエイトでもなんでもなく、買ってほしい気持ち100%で貼るリンクです。

また次回。