【ポケカ】枠効率について ~ジラーチ~
こんにちは。Ryoです。
今回は、枠効率についての最後のお話。
ジラーチについてです。
様々なデッキで使われてきたジラーチですが、その価値が段々変わりつつあります。
本記事ではその価値について触れ、枠効率の観点から考えるとどうかというのを話していきます。
目次
1.ジラーチとグズマ
2.ジラーチとクイックボール
3.ジラーチとVMAXポケモン
1.ジラーチとグズマ
ジラーチはサンムーンレギュレーションで登場したカードです。
初めは「貧乏人のテテフ」なんて言われたものですが、
ジラーチサンダーと呼ばれるデッキが出てからは徐々に徐々に使われていくようになりました。
ジラーチサンダーというデッキタイプは、サンムーンレギュレーション史上屈指の「美しいデッキ」だと思います。
なぜかというと、サンムーンレギュレーションの代名詞「グズマ」との噛み合いが凄まじく、
グズマのパワーによって成り立っていたデッキと言っても過言ではないからです。
グズマの自分のポケモンを入れ替える効果をここまで綺麗に有効活用するデッキもなかなかないでしょう。
ねがいぼし、グズマ、アサルトサンダーの流れは何一つ無駄のない完璧な動きだと今でも感じます。
しかし、サンムーンレギュレーションのAマークカードが使えなくなり、
それに伴ってグズマも使えなくなりました。
自分のポケモンを入れ替える手段が非常に限られるようになり、
剣盾レギュレーション初のチャンピオンズリーグであるCL愛知ではほとんどのデッキにポケモンいれかえが4枚採用されるなど、
環境に大きな変化がもたらされました。
グズマに代わってベンチを呼ぶカード「ボスの指令」が新しく登場しましたが、
これは自分のポケモンを入れ替えられません。
今まではねがいぼし後のサポート1枚で完結していたところにさらにポケモンいれかえが必要になりました。
このことから、
1回の番にエスケープボードを挟めて2回ねがいぼしをしてカードを集める場面(どうしても特定のカードを引かないとサイドレースで間に合わなそうな場面等)でのハードルが、
カード1枚分上がったということが言えます。
これを枠効率の観点から考えてみましょう。
今まではジラーチを採用する際、入れ替える手段として、
グズマ3枚、ポケモンいれかえ3枚
のような形でデッキに採用されることが多かったように見受けられます。
しかし今後は、
ボスの指令3枚、ポケモンいれかえ4枚
のような形での採用が必要になり、
入れ替えられるカードが2枚減ったのに使うデッキの枠は1枚増えるという非常に窮屈な構築・プレイングを余儀なくされます。
ポケモンいれかえ自体は依然非常に強力なカードです。
場にエネルギーを残しながらサイドを守れたり、
アタッカー以外で対戦がスタートした場合にアタッカーにスイッチできたりと、
様々な役割があります。
だからこそ多くのデッキに4枚採用されるわけですね。
グズマを失ったことでポケモンいれかえの価値が上がったのに対し、
様々な場面でポケモンいれかえを必要としてしまうジラーチは、
サンムーンレギュレーションの頃に比べてかなり扱いの難しいカードになっていると思います。
ここまでのことをまとめると、
ポケモンいれかえの価値が上がったことで、少しジラーチが使いにくくなった。
という具合になりますね。
2.ジラーチとクイックボール
ジラーチで対戦をスタートできると、非常に安定して序盤展開できます。
しかし、だからといって4枚採用するというのも枠効率が悪い作業です。
なぜなら、対戦中に使うジラーチはだいたい1枚、多くてせいぜい2枚程度であるからです。
枠効率を考えると、3枚採用が限度かと思います。
ですが、相当変わったデッキでない限り基本的にジラーチで毎試合スタートすることはできません。
ジラーチの枚数よりも他のたねポケモンの枚数の方が多くなりやすいからです。
となるとジラーチを手札に連れてくる必要があるわけですが…
現在ジラーチをサーチできるカードでよく使われているのは、
クイックボールやポケモン通信等です。
クイックボールやポケモン通信は、
サンムーンレギュレーションのネストボールとは違って手札2枚でようやくポケモンがサーチできます。
かててくわえてジラーチのねがいぼしを使うには、先程話した「価値が上がったポケモンいれかえ」を噛ませてやる必要が出てくるわけです。
つまり、ジラーチでスタートできなかった場合は手札を3枚使ってようやくねがいぼしに到達する展開になります。
果たしてこれが強い動きと言えるでしょうか?
もちろん、逃げエネの少ないポケモンや手貼りが重要ではない(エネルギー加速しやすい)ポケモン中心のデッキでは、
この限りではありません。
しかし今のポケモンカードで手札を3枚使うなら、クイックボールをプレイするにしてももっといろいろな動きができます。
ねがいぼしで手に入れるランダムなトレーナーズ1枚より、
もっと勝負に直結するポケモンを重視すべきデッキがこれから確実に増えていきます。
これらのことから、
ポケモンいれかえの価値の上昇に加えてたねポケモンをサーチするハードルも少し高くなったため、
ジラーチのねがいぼしの価値が少し低くなった、と言えるわけです。
枠効率の観点から考えると、価値の低くなったカードを3枚もデッキに入れるのは如何なものか、という問いかけが浮上してきます。
その3枠があればもっと少ない枚数で役割を持てるカードを入れられますし、
現に1枚で仕事をするカードが剣盾レギュレーションになってからどんどん増えてきています。(しんかのおこう、トレーニングコート等)
今まで強かったから、という理由で安易にジラーチを採用するのは、
現在のポケモンカードに対する理解がまだ少し足りていないかな、と思います。
3.ジラーチとVMAXポケモン
VMAXポケモンは非常に強力です。
シンプルなポケモンが多いながらも、数字の大きさが純粋に強さに繋がっています。
しっかり原作ゲームのダイマックスを踏襲していてとても楽しいですよね。
しかしVMAXポケモンの多くは、
他のシステムポケモンと一緒に使うことによって真価を発揮します。
そしてそのシステムポケモンの多くが、進化ポケモンです。
モスノウ、ゴリランダー、セキタンザン、ダストダス、サザンドラ、ゲンガー等々…。
組み合わせは多岐にわたり、インテレオンやチラチーノを展開の起点に使うデッキもあります。
これらの新しいシステムポケモンを使用する際、
進化ポケモンであることからポケモンをサーチする手段が重要になってきます。
なぜかというと、システムとして成立させるためにポケモンのカードが最低2枚は必要だからです。
カードゲームは基本的に新しいカードが強く、
その中でもカードの要求枚数が多いカードはより強い効果を持っています。
ポケモンカードもその例に漏れず、
たねポケモンより進化ポケモンの方が数字も大きく効果も強いものが多いです。
VMAXポケモンがその最たる例でしょう。
しかし、進化ポケモンは進化前と進化後両方が必要なため、
非常に多くのデッキ枠を取ります。
単純に考えて2倍ですが、2進化や進化前のたねポケモンを多めに採用する場合はそれ以上に枠を取ります。
手札に連れてくる必要があるポケモンの枚数も倍になるので、ポケモンサーチの価値が非常に高くなります。
なので、VMAXと進化システムポケモンのデッキは、
ポケモンサーチを多く積むことで安定感が増します。
そうしてデッキを組んでみると、あることに気付きます。
ジラーチを入れる枠がない。
本当にそうです。デッキに枠が残ってない。
ベンチも考えてみましょう。
①システムポケモン1匹
②サカキで呼ばれて倒されても大丈夫なように進化前だけでももう1匹
③VMAXアタッカー1匹
④次のV(MAX)アタッカー1匹
⑤展開に使ったデデンネGX1匹…。
このように、デッキにもベンチにもジラーチを入れている余裕がありません。
ジラーチをサーチしてねがいぼしをするくらいなら、
そのサーチでシステムやアタッカーのポケモンをサーチして場に置いていく方がデッキとして安定します。
これがVMAXポケモンとジラーチの噛み合わせの悪さです。
実はもう1点あります。
VMAXポケモンはHPが非常に高く、ほとんどの場合一撃で倒されて番が返ってくることはありません。
するとどうでしょうか。
バトル場にいなければ特性を使うことができないジラーチは、
バトル場に居座りやすいVMAXポケモンとかなり相性が悪いことがわかると思います。
もちろん、倒されやすい非GX・Vのポケモンを軸にしたデッキなら、
毎番倒されて返ってくるのでその度にねがいぼしができて強力でしょう。
しかし、今日現在でも十分なパワーがあり、今後増え続けることが確実なのがVMAXポケモンです。
価値の高いポケモンいれかえを使って無理にでもねがいぼししますか?
ということですね。
これからはヤレユータンやチラチーノ、インテレオンなどの
「ベンチにいながらでもデッキを動かしていける」
システムポケモンが使われていくことになると思います。
結論として、
ジラーチは決して弱いカードではありませんが、枠効率が悪いカードであることは間違いないでしょう。
以上、3記事に渡る枠効率のお話でした。
枠効率らしい話は「ボールとポケモンの枚数」が一番良く話してくれているので、
迷ったらまた振り返りに来てみてくださいね。
最後まで読んでいただき、誠にありがとうございました。
今回はここまで。
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