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夏は嫌いだけど、夏の匂いは好き。
夏は嫌いだ。人の3倍は汗をかくと言っても過言ではない体質だから、夏を乗り越えるには本当に苦労する。
暑いからといって、クーラーがきいた冷蔵庫のような室温の部屋で過ごしていると、すぐに体調をくずしてしまう。かと言って、冷房なしで過ごそうとすると仕事にならない。本当に迷惑な季節だ。
でも、そんな迷惑な夏でも匂いは大好きだ。
鉄板のように熱されたコンクリートに、バケツの水をこぼしたような雨が蒸発していく匂い。
永遠にも思えるような渦をカタツムリよりも遅く速度で回っていく、蚊取り線香の匂い。
子供のころにはデパートよりも輝いて見えた祭りの出店で、たこ焼き、イカ焼き、焼き鳥がつくる、祭りの匂い。
そんな匂いを感じていると、いつの間にか夏が嫌いなこと忘れてしまう。それと同時に、中学のとき好きな子に意地悪をしていたことを思い出す。
本当のところは、夏が大好きなのかもしれない。
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